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パートナーシップによる森林保全

プロフェッショナルによるボランティアでNPO活動を支援

プロジェクト名称:
サービスグラント
活動場所:
日本
活動主体名:
特定非営利活動法人サービスグラント

プロジェクトの概要

サービスグラントとは、NPO法人サービスグラントが行うプロボノワーカー(注1)による支援プログラムの名称で、市民団体やNPOなどの社会活動にお金を支援する「助成金(グラント)」に対して、スキルやノウハウの提供によって支援を行う「プロジェクト型助成」のことです。NPO法人サービスグラントでは、様々なスキルを持つ社会人ボランティアを「プロボノワーカー」として登録し、5名程度のチームを編成して、支援先NPOに派遣しています。

NPO法人サービスグラントは、2005年にプロジェクトを開始しました。年に4回NPOからの助成申請を受け付け、審査を通過したNPOが求める支援の内容に合わせて、登録されているプロボノワーカーからプロジェクトチームを編成します。チームは、その後約6ヶ月間、概ね月1回のミーティングと日常的なメールのやりとりによってプロジェクトを進めていきます。

ウェブサイトの構成について議論するプロボノワーカー
ウェブサイトの構成について議論するプロボノワーカー

プロボノワーカーには、一般の方が個人でNPO法人サービスグラントの説明会に参加して登録する場合と、企業が社会貢献活動の取り組みの一貫としてNPO法人サービスグラントと連携し、従業員のボランティア・プログラムの1つとして位置づけ、希望する従業員が登録する場合とがあります。現在、1100名以上がプロボノワーカーに登録しています。

NPO法人サービスグラントが提供可能なスキルは多様ですが、NPOからの要望が多いのは、ウェブサイトやパンフレットなど印刷物による情報発信に関する支援です。その他には営業用資料やプログラム運営マニュアルの作成、業務フロー設計などの支援も行っています。

コピーライターから、ウェブサイトのキャッチコピーを提案
コピーライターから、ウェブサイトのキャッチコピーを提案

プロジェクトの特徴

NPO法人サービスグラントの取り組みは、プロフェッショナルのスキルの提供により支援するという仕組み自体が他にはない特徴的なものです。また、プロボノワーカーがチームで取り組むこと、事務局がNPOとプロボノのマッチングだけでなくプロジェクト進行のサポートもおこなうこと、支援内容が具体的な「成果物」を伴うものであることなど、多くの特徴があるプロジェクトとなっています。

広報物のターゲットやコンセプトを提案する中間提案のようす
広報物のターゲットやコンセプトを提案する中間提案のようす

NPO法人サービスグラントは、NPOとプロボノワーカーの連携は、ただ双方を紹介するだけのマッチングでは成功しないと考えています。NPOとプロボノワーカーとでは、言語、発想、文化などが異なるため、NPOのニーズとプロボノワーカーの提供するサービス内容が一致しても、それだけでは成果を生み出すことができないリスクも大きいのです。プロジェクトの目標設定から、進行方法の確認、実施、課題があったときの対処などの進行管理を確実に行うことが、確実な成果を生むためには不可欠です。

進行サポートは、プロジェクトによる支援を開始した当初、進行管理に失敗した例があったことを教訓にして始めました。プロジェクトの目標が途中で変わってしまい、いつまでも終了しなかったり、プロボノチームが支援にのめり込みすぎたためにオーバーワークとなり、6ヶ月間持続することができなかったりという問題がありました。このため、NPO法人サービスグラント事務局が「進行ガイド」を用意し、プロジェクト支援には持久力が必要であることや目標となる成果物を決めておくことを意識して進めるようになりました。

プロジェクトチームの編成は、事務局がチーム全体の進行管理を行う"アカウントディレクター"を選び、選ばれたアカウントディレクターがチームの責任者となる"プロジェクトマネージャー"とその他のメンバーを選んで行います。支援先NPOとのミーティング等には、NPO法人サービスグラントの事務局は参加せず、プロジェクトチームとNPOだけで進めますが、アカウントディレクターから事務局へ週1回の進捗報告が行われ、事務局はメールや電話でのサポートを行います。

チーム内部のミーティングも仕事さながら
チーム内部のミーティングも仕事さながら

NPOのキャパシティビルディング支援には多様な方法がありますが、NPO法人サービスグラントでは、ウェブサイトの改訂や、パンフレットなど印刷物作成など、具体的な「成果物」を目標としたプロジェクト支援をしています。これにより、活動できる時間に制限のあるプロボノワーカーにとっても、プロジェクトの目標と、必要な時間と期間が明確になり参加しやすい仕組みとなっています。

連携のポイント

NPO法人サービスグラントでは、様々な課題を経験して、現在のチームによるプロジェクト支援や進行管理の方法を確立してきました。
NPO法人サービスグラントが考えるNPOとプロボノの連携のポイントとしては以下があります。

  1. 目標の共有
    支援のターゲットと、目標達成のために必要な支援の時間と内容を明確にし、共有する。
  2. 対等な関係
    NPOとプロボノが対等な立場で、互いの意見を尊重し合いながらプロジェクトに取り組む。プロボノは対価を得る業者ではなく、個人の意思で参加しているボランティアであることをNPO側が認識する。
  3. 進行・ステップの確認
    目標だけでなく、進め方や方法で合意できないとプロジェクトは成功しない。進行管理については事務局が確認しながら進める。
  4. NPOの基盤
    プロボノからの支援を受けるためには、NPO側にも一定の基盤が必要。日常のコミュニケーションや、必要な素材(写真、資料など)の提供、ヒアリング対象の紹介など、プロジェクト進行をスムーズに行うための協力体制をとれる団体であること。
  5. 事務局はホスト役
    事務局はプロジェクトの進行に問題がないか、NPOとプロボノの関係が上手くいっているかに気配りをするつなぎ役を務める。

プロボノとして参加したボランティアからも、NPO法人サービスグラントでの活動経験は、以下のように評価され、今後も参加したいという要望が多くあります。

  • 通常では接点のないNPOや他のチームメンバーとの協働により、視野が広がり、人間的な成長につながった
  • 社会問題やNPOに対する見方が変わった
  • 自らのスキルを社会貢献に活かす機会となった。
  • 仕事の進め方の見直しにつながった

スキルの提供という一方的な関係でなく、プロボノワーカーも多くの刺激を受けて成長できるNPO法人サービスグラントの仕組みは、企業からも注目を集めており、ゴールドマンサックス、日本IBM、NEC、日本マイクロソフト、パナソニックなど大手企業との連携によるプロボノプログラムも始まっています。

(2012年3月)

注釈

  • 1)プロボノとは、「社会的・公共的な目的のために職業上のスキルや専門知識を活かしたボランティア活動」を意味する。

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