• 世界の森林と保全方法
  • 森林保全と企業
  • パートナーシップによる保全
  • 参加型森林管理・経営
  • 事例とデータベース
  • 森林の認証制度
  • 参考資料

フォレスト パートナーシップ・プラットフォーム ホーム > 世界の森林と保全方法 > 森林保全の方法と留意点(植林、アグロフォレストリー)

森林保全の方法と留意点

森林保全の方法と留意点

森林保全活動により再生もしくは保護・保全した森林の持続性を確保するためには、地域社会と共存する森林となるような活動を行う必要があります。しかし NGO/NPO からは、企業による森林保全活動の課題として「植林の環境・社会影響が十分配慮されていない」という点が指摘されています。

環境や社会に配慮した、地域社会と共存する森林保全活動を実現するための留意点としては以下の3点が考えられます 。(注1)

  1. 活動を行う際、現存する天然林やその他の自然生態系からの転換を回避、もしくは適切な配慮を行う(大面積を利用する植林事業においては、事前に適切な影響評価を実施するなど)。
  2. 活動予定地を利用している先住民族や地元コミュニティなど、利害関係者がいるかどうかを事前に十分確認すること。もしこれらの利害関係者に影響を与えることになる場合には、既存の森林利用の権利や生計の手段などに適切な配慮を行うこと。
  3. 活動計画の策定に当たっては、先住民族や地元コミュニティ、NGO、行政機関、その他のステークホルダーの参画を十分に図り、そこから得られた意見を計画に反映させること。

企業自身が以上のような留意点に配慮することが重要ですが、NGO/NPO と連携して森林保全活動を行う場合には、連携先のNGO/NPO もこれらの留意点に配慮しているかどうかを確認して連携を進める必要があります。

植林

植林とは木を植えることですが、植林によって森林が成立するまでには、事前調査などの準備から下刈などのメンテナンスまで、数多くの工程があります。

図:1事前準備、2苗木作り、3植栽、4管理、5森林の成立
画像クリックで拡大します


植林用の苗木
写真提供:地球・人間環境フォーラム

ある団体が実施している砂漠緑化植林のスケジュールを例に見てみましょう。植林後のメンテナンスとして補植は3年目まで、管理・補修作業は5年目まで継続されています。このように、植林活動は息の長い支援が必要になる活動であることを、活動の計画段階から認識しておく必要があります。

表:1年から5年でコーディネート、活動、事務を行う
画像クリックで拡大します

また、植林を行う際には、その目的にもよりますが、以下のような点に注意する必要があります。(注2)

  • 植林については、土地を確保する際、自然林やその他の自然生態系からの転換を回避する。
  • 地域の動植物に関する知見を収集するとともに、外来種の利用は極力避けるように努める。
  • 在来種の地域系等の遺伝的かく乱(遺伝子汚染)を引き起こさないなど、遺伝子レベルの生物多様性にも配慮した植林を実施することも考慮する。

アグロフォレストリー

森林農法とも呼ばれ、樹木の植栽と同時に農作物の栽培や家畜の飼育を同時に行う手法です。アグロフォレストリーには、植林地の林間で農業を行う、果樹の下で農産物を育てるなど、地域によって多様な手法があります。しかし、例えばマンゴーやドリアンなど収益性の高い果樹ばかりを植樹すると果樹園に近づき、森林とは呼べなくなってしまう可能性もあることには注意が必要です。また在来樹木を植林する場合、経済的価値の高い樹種を除けば、植林技術が確立していない樹種が多いことから、アグロフォレストリーによる森林再生を行うには、それぞれの地域に適した方法を開発する必要があります。


アグロフォレストリーによる森林再生(ブラジル)
写真提供:HANDS


さまざまな果樹やヤシ、コショウなどが混在するアグロフォレストリーの農園(ブラジル)
写真提供:HANDS

注釈

  • 1)平成21年度環境省請負事業「生物多様性・地域社会共存型の海外森林保全事業モデルの確立と炭素クレジット認証等への反映手法の検討」((財)地球・人間環境フォーラム)
  • 2)環境省「生物多様性民間参画ガイドライン∼事業者が自主的に生物多様性の保全と持続可能な利用に取り組むために」第1版、2009年8月

ページ上部に戻る