• 世界の森林と保全方法
  • 森林保全と企業
  • パートナーシップによる保全
  • 森林保全の制度
  • 事例とデータベース
  • 活動報告
  • 参考資料

フォレスト パートナーシップ・プラットフォーム ホーム > 森林保全と企業 > キーワード > REDDプラス

森林保全と企業

REDDプラス

概要

現在、森林減少及び土地利用の変化に伴う温室効果ガス排出が全体の2割を占めるとされており、途上国における森林の減少・劣化を防ぐことが地球温暖化防止上も重要となっています。REDDは「Reducing Emissions from Deforestation and Forest Degradation in Developing Countries(森林減少・劣化からの温室効果ガス排出削減)」の略称で、途上国での森林減少・劣化の抑制や森林保全による温室効果ガス排出量の減少に、資金などの経済的なインセンティブを付与することにより、排出削減を行おうとするものです。森林減少ないしは劣化の抑制を対象とするREDDに対し、森林減少・劣化の抑制に加え、森林保全、持続可能な森林経営および森林炭素蓄積の増加に関する取組を含む場合にはREDDプラスと呼ばれます。

現在、気候変動枠組条約においてREDDプラスの枠組み等に関する議論が行われているところであり、国際的なルールは未だ定まっていませんが、この議論と併行し、様々なパイロットプロジェクトや途上国の能力開発支援が、先進国政府、国際機関、民間企業、NGOによって実施されています。日本を含む先進国による二国間協力の枠組みを通じた支援のほか、REDD+の取組を強化するべく国際社会の協調・連携を図るために立ち上がった非公式なプロセスである「REDD+パートナーシップ」(2011年1月末現在71カ国がパートナー国として参加)や、国際機関による取り組み(世界銀行による「森林炭素パートナーシップ基金(Forest Carbon Partnership Facility:FCPF)」、国連食糧農業機関(FAO)、国連開発計画(UNDP)、国連環境計画(UNEP)の共同の取り組みである「UN-REDDプログラム」など)の支援制度も始まっており、途上国のREDDプラス実施に向けた準備活動(能力向上、技術支援、REDD戦略と制度の策定)やパイロットプロジェクトの設計・実施を支援しています。

REDDプラスの基本的な考え方は、過去の森林減少やそれに伴う排出量の推移などに基づき、「参照レベル」を設定し、この「参照レベル」(図 点線)を参考に、森林減少・劣化を抑制した場合(REDDプラスの取り組みを実施した場合)の排出量(同図 実線)を評価しようとするものです。

森林減少・劣化の抑制等による温室効果ガス排出量の削減出典:『REDD-plus:森林減少・劣化の抑制等による温室効果ガス排出量の削減─開発途上国における森林保全』 国際協力機構(JICA)地球環境部/国際熱帯木材機関(ITTO), 2010

REDDプラスについては、主に(1)参照レベルの設定、(2)モニタリング手法の確立、(3)ガバナンス、先住民族や生物多様性への配慮などの課題が指摘されており(注1)、技術的な検討が進められているほか、VCS(Verified Carbon Standard)やCCBスタンダードなど自主的なガイドラインもいくつか作られています。

事例

  • インドネシア、メルベティリ国立公園REDDプラスプロジェクト(注2)
    国際熱帯木材機関(ITTO)、株式会社セブン&アイ・ホールディングスおよびインドネシア政府のパートナーシップのもとで実施されているプロジェクト。東ジャワ南部に位置するメルベティリ国立公園(約5万8,000ha)を対象に、地域住民による同公園の保全と持続可能な管理を促し、森林減少と劣化の抑制による排出削減および炭素蓄積の増大を図る熱帯林保全を推進するもので、特に、地域住民の参加による生計向上を図り、信頼性のある炭素量の測定、報告、認証システムの確立を具体的な目標としています。

©ITTO/TJ Bruder
©ITTO/TJ Bruder

このほか、経済産業省や環境省では2011年度に、REDDプラスに関する実現可能性調査を11件実施しています。例えば、丸紅株式会社がインドネシアのスマトラとカリマンタンの泥炭湿地で、三菱商事株式会社がペルーで、王子製紙株式会社がラオスで、それぞれ事業性調査を進めています(注3)

さらに、兼松株式会社は、ブラジルのサバンナ地帯の森林を対象に、大豆農地への転用を食い止めるためのREDD事業について実現可能性調査を2009年度に終えています(注4)。同事業により得られるクレジットの売却による収入の一部を地元先住民にインセンティブとして還元するという仕組みで、インセンティブを大豆農家が支払う地代よりも高くすることで森林伐採を抑制し、持続的な森林保全につなげていく計画です。

また、2010年7月に、REDDプラスに関する我が国の総合的な技術拠点として、森林総合研究所にREDD研究開発センターが開設され、二酸化炭素の吸収量・排出量の科学的な算定手法の開発、技術者の育成、民間等による森林保全活動の支援などの取組が行われています。

参加・利用にあたってのメリットや留意点など

REDDプラスの枠組みについては気候変動枠組条約において議論が進められて(2011年12月現在)おり、将来、REDDプラスがどのように活用できるのかなど議論を注意深く見守る必要があります。

参照文献・サイト

(2012年3月)

注釈

ページ上部に戻る