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事例とデータベース

生物多様性の回復を目指した植林活動

プロジェクト名称:
インドネシア植林活動 第2期「ヤマハの森」
活動場所:
インドネシア共和国・西ジャワ州クニンガン県 チレメイ山国立公園内
活動主体名:
ヤマハ株式会社、関連現地法人6社(注1)独立行政法人国際協力機構(JICA)、現地国立公園管理事務所(以上管理業務)、国立クニンガン大学林学部(調査、植林等活動実務)
  • 事例の分類:植林

プロジェクトの概要

ヤマハ株式会社(以下、ヤマハ)の主要な事業活動は楽器製造ですが、その楽器の原料として多くの木材を使用しています。木材を使用する企業の社会的責任として、地球環境や地域社会へ貢献していきたいという想いから、楽器の一大生産・販売拠点であるインドネシアで、植林活動や植林を通じた環境保全や教育支援などを行ってきています。

第1期の活動の様子(2005年12月)
第1期の活動の様子(2005年12月)

2005〜2009年度は、ヤマハ発動機株式会社と共同でインドネシアでの植林活動を行いました(第1期「ヤマハの森」)。植林地は、西ジャワ州スカブミ県内の県有地約127ヘクタールの伐採跡地で、財団法人オイスカのサポートを受け、マホガニー、チーク、センゴン、ユーカリなどの11万5,110本の苗木を植林しました。この植林活動により、水源涵養、土壌浸食防止、二酸化炭素の吸収固定といった森林機能の回復が期待できます。また、地元小中高校生への環境教育などの地域支援も行ってきました。

第2期植林地の様子(2010年12月撮影。点在している樹木は森林火災で焼け残ったもの)
第2期植林地の様子(2010年12月撮影。点在している樹木は森林火災で焼け残ったもの)

2010年度からは、同じインドネシアでヤマハの関連現地法人6社(注1)とともに、2014年度までの5カ年計画として活動を開始しました(第2期「ヤマハの森」)。第2期の植林地は、ジャワ島内で検討し、関連現地法人からアクセスがしやすく、国際協力機構(JICA)がインドネシアで実施している「保全地域における生態系保全のための荒廃地回復能力向上プロジェクト」のモデルサイトの1つである西ジャワ州クニンガン県のチレメイ山国立公園の森林火災跡地を選定しました。このモデルサイトに位置する50ヘクタールを「ヤマハの森」とし、JICAやインドネシア政府林業省、国立クニンガン大学林学部と共同で植林活動を行っています。ここでのJICAの活動が森林保全だけでなく、生物多様性の回復に重点を置かれていたことも選定の理由の1つです。

第2期植林地の様子(2011年12月撮影。中央は森林火災予防のために設置した監視小屋)
第2期植林地の様子(2011年12月撮影。中央は森林火災予防のために設置した監視小屋)

チレメイ山国立公園は、ジャカルタより東南東200kmに位置しています。西ジャワ州の最高峰であるチレメイ山(火山、3,078m)の山頂から山麓を囲む一帯約15,500haが国立公園に指定されています。国立公園内には156の水源と43の河川があり、地元のチレボン市やその周辺の地域にとって貴重な水源となっており、公園内の森林を保護することが重要です。しかし、近年焼畑の延焼による森林火災などにより公園地域内の森林が破壊・劣化していることが大きな関心事となっています。

プロジェクトの特徴

インドネシアは世界の"生物種の宝庫"でありながら、近年その豊かな生物多様性が急速に失われています。これは違法な乱伐などによる天然林の消失が主な原因で、すみかを奪われた動物や鳥、昆虫などの固有種が次々に絶滅の危機にひんしています。このような状況から第2期「ヤマハの森」の活動では、綿密な学術的調査に基づく樹種の選定や植栽計画により、その地域の特性に合った天然林の再生と生態系の回復を目指しています。

植林のための苗畑
植林のための苗畑

2011年3月までに実施した植生調査の結果を踏まえ、樹種の選定・植栽計画を作成し、この計画に基づき植林作業を行っています。2012年3月までの期間に、調査に基づいて選出した複数のローカル種18種類、約12,000本の苗木を12.5ヘクタールに植樹しました。そして、2015年3月までに、約5万本を植林していく予定です。

地域の住民や地元小中学校及び高等学校の児童や生徒などが参加する植林イベントも毎年1回実施する予定です。すでに2010年12月に第2期「ヤマハの森」のキックオフとして第1回植林イベントを実施しており、2011年12月には第2回植林イベントを実施しました。植林イベントには、ヤマハの役員をはじめ、現地のヤマハ関連会社役員や従業員、クニンガン県知事、国立公園管理事務所長、JICA専門家やクニンガン大学関係者、地域の住民、地元小中学校や高等学校の児童や生徒など約250名が集まり、セレモニーが行われました。セレモニーでは子ども達への環境教育などが行われ、締めくくりとして、参加者が1人1本の苗を記念植樹しました。

参加者による植樹作業(2011年12月)
参加者による植樹作業(2011年12月)

植樹に参加した小学生への環境教育
植樹に参加した小学生への環境教育

連携のポイント

第2期の植林活動は、JICAやインドネシア政府林業省、国立クニンガン大学林学部と共同で行っています。活動は、JICAの「インドネシア保全地域(国立公園)における生態系保全のための荒廃地回復プロジェクト」に参画する形をとっており、JICAの管理の下、クニンガン大学が指導・管理を行い、現地住民の協力を得て、実際の植林活動を実施しています。

JICAプロジェクトに参画しているため、専門的な助言をJICA専門家から受けることができます。また、木材使用企業として、森づくりの大切さについて社員の意識を高めることを目指し、社内ネットワークを通じて現地の活動状況を知らせていますが、その際にもJICAという専門家からの環境や森林に関する情報が役立っています。

インドネシアでプロジェクトを実施する際、インドネシアに籍を置いていない企業の場合は、煩雑な手続きが障害となることがあります。ヤマハは、現地法人を持っていたため、国立大学や国立公園事務所との連携が可能でしたが、それでも様々な手続きを経る必要があり、海外での森林保全に参画する際の課題の1つとなりました。

(2012年3月)

注釈

  • 1)関連現地法人6社
    • ヤマハ・インドネシア(ジャカルタ) ピアノの製造
    • ヤマハ・ミュージック・マニュファクチュアリング・インドネシア(ジャカルタ) ギター、ドラム等の製造
    • ヤマハ・ミュージック・インドネシア・ディストリビューター(ジャカルタ) インドネシア国内への楽器、PA、AV製品の卸販売
    • ヤマハ・ミュージック・マニュファクチュアリング・アジア(西ジャワ州ブカシ) 電子楽器、PA機器の製造
    • ヤマハ・ミュージカル・プロダクツ・インドネシア(東ジャワ州パスルアン) 管楽器の完成品・パーツ・ケース、ピアニカ、リコーダーの製造
    • ヤマハ・エレクトロニクス・マニュファクチュアリング・インドネシア(東ジャワ州パスルアン) AV製品の製造

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