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事例とデータベース

NGOとの連携によるマングローブ植林プロジェクト

プロジェクト名称:
マングローブ植林プロジェクト
活動場所:
インドネシア共和国、タイ王国、フィリピン共和国、ベトナム社会主義共和国、ミャンマー連邦共和国、フィジー共和国、バングラデシュ人民共和国、マレーシア
活動主体名:
東京海上日動火災保険株式会社/
(公財)オイスカマングローブ植林行動計画(ACTMANG)国際マングローブ生態系協会(ISME)
  • 事例の分類:植林

プロジェクトの概要

東京海上日動火災保険株式会社(以下、東京海上日動)は、創業120周年記念事業の一環として1999年よりマングローブの植林を開始し、これまでにインドネシア、タイ、フィリピン、ベトナム、ミャンマー、フィジー、インド、バングラデシュ、マレーシアの9カ国で累計9,474ヘクタール(2016年3月末現在)の植林を実施しました。

マングローブは、熱帯・亜熱帯の河口や干潟などの潮間帯に生い茂る植物の総称で、世界でも東南アジアにおける分布が最大です。二酸化炭素を多く蓄えるほか、高波や津波から人々を守る「緑の防波堤」としての機能もあります。またマングローブ林は潮の影響により、有機物が溜まりやすい潮間帯にあるため、プランクトン、カニ、エビ、貝類などが豊富で、それらを餌とする魚や鳥、哺乳類も数多く集まります。このため、海の生き物を育む「生命のゆりかご」とも呼ばれています。このように重要な生態系であるマングローブですが、沿岸部に位置することから開発による圧力が大きく、急速に減少を続けています。マングローブ林の減少は、地域の生産性の減少、高波や津波などの影響の増大などをもたらすため、マングローブ林の回復はどの地域においても重要な課題となっています。

苗の奥にはマングローブ林が広がっている
苗の奥にはマングローブ林が広がっている

「胎生種子」と呼ばれるマングローブの種
「胎生種子」と呼ばれるマングローブの種

東京海上日動は、このプロジェクトを「地球の未来にかける保険」と位置付け、専門知識・現場経験の豊富な公益財団法人オイスカ、マングローブ植林行動計画(ACTMANG)、特定非営利活動法人国際マングローブ生態系協会(ISME)という3つのNGOとのパートナーシップを組んで実施しています。

プロジェクトの目標は、現地の環境が保全され、今の生活の中で現地の人々が豊かになっていくことを通じて、地域へ貢献することです。

例えば、フィリピンでは、2009年度からルソン島南部の北カマリネス州ホセ・パンガニバンで、魚の養殖場跡地等にマングローブ植林を行っています。パートナーは、オイスカで、現地の住民による自発的な組織と協力しながら植林活動を行っています。ここはかつて、大規模な魚の養殖場にするためにマングローブ林が伐採されたところでした。2005年の台風による大波で、多くの家が流される被害が発生し、防災上のマングローブの効果が見直されたことから、魚の養殖場跡地に再びマングローブ林を回復させようと、植林活動がスタートしました。2013年11月の台風(ヨランダ)による高波の被害から人々や建物を守ったことも報告されました。

フィリピン ホセ・パンガニバンのマングローブ
フィリピン ホセ・パンガニバンのマングローブ

プロジェクトの特徴

このプロジェクトの特徴は、創業120周年の記念事業として「長く続けられること」「地球のためになること」という社員の希望から始められた点です。

プロジェクトは5年を1期として計画的に実施しています。実際の植林活動については、NGOの意見や現地の意見を尊重しています。例えば、場所を選ぶ際にも現地の大学や専門家に意見を聞き、また現地の住民のニーズがあるかなどの確認も行い、地元の理解を得るようにしています。

マングローブ林が再生されて、その効果が実感できるようになると、現地住民のコミットメントが増えるようになりました。東京海上日動の活動がきっかけとなり、現地で新たな保全活動が始まった例もあります。例えば、タイではマングローブ林内のトレイルや活動の拠点となるセンターが整備され、環境教育が行われるようになりました。

また、東京海上日動では、年に一回程度ボランティア植林ツアーを組み、社員、代理店やその家族から参加者を募り、現地の植林活動に参加しています。

フィリピンバナコン島の幼木
現地の人たちと一緒に

さらに海外におけるマングローブ植林の活動を国内での活動にも反映させるため、全国の社員有志がボランティアとして小学校を訪問する出前授業「みどりの授業?マングローブ物語」を2005年から実施しています。マングローブの役割、環境問題、また自分の植林の体験談なども交え、各地で継続的に授業が実施されています。

連携のポイント

NGOや現地コミュニティとの連携によって植林プロジェクトを進めるうえで重要なのは、植林の本数や面積にこだわりすぎないという点です。東京海上日動では、あらかじめ期間を長めに設定し、余裕をもった計画で進めるようにしています。

マングローブ植林は自然が相手であり、思いどおりに進まないことも多々あります。植林した苗が波で流されたり、倒れたり、台風など自然災害の影響を受けることもあります。地元コミュニティの状況をよく確認しながら、適正な植林活動を行うことが必要です。
これまで長年続けてきた植林活動は、面積を広げるだけでなく、植えてきたマングローブの森を守り、育てる「保全活動」も同時に行っていくフェーズに入りました。
パートナーシップという面では、これまで長年にわたり、継続してNGOとの協力関係を続けていることで、東京海上日動と各NGO、日本のNGOと現地NGO、さらに現地コミュニティとも信頼関係が築かれています。東京海上日動では、地元のコミュニティが、主体的に持続可能なマングローブ植林活動を実施するためのサポートをすることが重要だと考えています。

NGOとの間では、年間計画および5年計画をたて、定期的な報告を受けながらプロジェクトを進めていますが、定期的な報告時以外でも密に連絡を取り合っています。

東京海上日動では、このプロジェクトを100年継続すると宣言し取り組んでいます。

取組みの成果

取組みの成果

これまで行ってきた植林活動で、生み出された効果を算出するため、東京海上日動は、三菱総合研究所に調査委託。国際的に認められた方法論に従って評価をした結果、1999年4月から2014年3月までの間に生み出された経済価値が350億円に達しているという資産結果を得ました。また、マングローブ植林により、地域の人々の暮らしの向上や防災・減災などの便益も生み出されています。

(2017年3月更新)

パートナーシップによる森林保全活動の事例一覧

世界的な自然保護団体と組んだ熱帯林再生プログラム
伊藤忠商事株式会社と(公財)WWFジャパン
住民自身による持続可能な森づくり?「ふるさと」のイメージを共有して
花王株式会社と(公財)オイスカ
地元住民からの提案も後押ししたマングローブ林再生
トヨタ車体株式会社と(公社)日本環境教育フォーラム
住民とともに実現する持続可能な森林再生プロジェクト
NPO法人ピーク・エイドと住友林業株式会社
アグロフォレストリーコーヒーのフェアトレードで支えるエクアドルの森林保全
ナマケモノ倶楽部と株式会社ウィンドファーム
原材料調達地における森林保全活動
サラヤ株式会社と(特非)ボルネオ保全トラスト・ジャパン
原材料調達を通じた持続可能な森林利用の推進
積水ハウス株式会社と(一社)フェアウッド・パートナーズ
コミュニティ林から国際市場へ:日本とインドネシアをつなぐ
(有)テラスと(一社)フェアウッド・パートナーズ
NGOとの連携によるマングローブ植林プロジェクト
東京海上日動火災保険株式会社と(公財)オイスカ
パートナーシップによる持続可能な森林再生プロジェクト
トヨタ自動車株式会社と(一社)コンサベーション・インターナショナル
誰でも気軽に参加できる熱帯林の再生プロジェクト
Value Frontier株式会社と(一社)バードライフ・インターナショナル東京
組合員の寄付による森林再生
パルシステム生活協同組合連合会と(公財)プラン・インターナショナル・ジャパン
パートナーシップによる森林生態系保全プロジェクト
株式会社リコーとNGO
企業とNGO/NPOの協働プラットフォームで天然林を保全
株式会社リコー、パタゴニア日本支社とタイガの森フォーラム
コンセッション制度を利用した熱帯林の再生
バードライフ・コンソーシアムとシンガポール航空
ベトナム山岳地域の森林を守り育てる(焼き畑から森林保全・再生へ)
独立行政法人国際協力機構(JICA)と住友林業株式会社、アスクル株式会社
インドネシアにおける森林の回復と地域住民の生計向上の両立
株式会社ブリヂストンと学校法人早稲田大学
アカシアの植林地を熱帯林に再生
富士通株式会社と(公財)国際緑化推進センター(JIFPRO)
エチオピアの天然林を住民参加と認証コーヒーで守る
独立行政法人国際協力機構(JICA)とUCC上島珈琲株式会社
生物多様性の回復を目指した植林活動
ヤマハ株式会社と関連現地法人

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