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事例とデータベース

組合員の寄付による森林再生

プロジェクト名称:
スリランカ森林再生プロジェクト
活動場所:
スリランカ民主社会主義共和国
活動主体名:
パルシステム生活協同組合連合会公益財団法人プラン・ジャパン
  • 事例の分類:植林

プロジェクトの概要

パルシステム生活協同組合連合会(以下、パルシステム)は、首都圏を中心に産直と環境問題に取り組んできた各地域の生活協同組合が集まり、1977年に発足しました。現在の加盟生協は10法人、組合員総数約130万人です。

パルシステムでは、「人と人との助け合い」を組合員活動の原点としており、これまでも様々な災害時に緊急支援のためのカンパの呼び掛けを組合員向けに行ってきました。一時的な緊急支援だけでなく、支援先と継続的に関係を結ぶことはできないか検討した結果、公益財団法人プラン・ジャパン(以下、プラン・ジャパン)が活動しているスリランカでの森林再生プロジェクトを、2008年から3年間支援することになりました。

プラン・ジャパンがプロジェクトを行っているスリランカ北部のアヌラダープラ地域は、長年にわたる森林伐採と水不足が深刻な地域です。貯水池の水量減少により、農作物の収穫が十分得られないことから栄養不良の子どもが増加するなど深刻な問題が発生していました。このため、本プロジェクトでは、以下のことを目標に活動を開始しました。

  • 貯水池の水源地帯を管理して地域に十分な水を供給すること
  • 地域の農業生産性を高め、世帯の収入を増加させること
  • 栄養不良の子どもを減少させること
  • 植林および森林管理を行い、森林の再生を図ること

活動内容は、トレーニング・意識啓発、植林、アグロフォレストリー活動、子どもクラブ活動やモデル校での菜園づくりなどの環境教育と広範にわたり、プロジェクトの受益者は、15ヶ村の約1,240世帯、約6,200人に及びます。

乾季に水量が減り、底が露出している貯水池
乾季に水量が減り、底が露出している貯水池

植林活動では2008年に、16の地域の貯水池の水源地帯を対象に、合計23ヘクタールに23,255本の在来種の苗木が植えられました。
アグロフォレストリー活動では、70の農家を選定し、チークの苗木3,750本を配布したほか、堆肥づくりの視察、接ぎ木・取り木などの技術トレーニング、家庭菜園活動の支援を行っています。

堆肥づくりの説明を聞く人びと
堆肥づくりの説明を聞く人びと

プロジェクトの特徴

このプロジェクトの特徴は、パルシステムの会員が参加しやすい仕組みとして、生協での購入金額に応じて得られるポイント制を活用している点です。1000円購入するごとに1ポイントが得られ、集まったポイント数によってポイントカタログに掲載されている日用品などと交換、出資金への振替などができる仕組みで、このカタログの中に「スリランカ森林再生プロジェクトへのカンパ」も含まれています。
2008年2月にこのプロジェクトへのカンパの呼びかけを開始し、3年間で1000万円を目標にしてきました。結果、2011年1月までに目標を超えることができました。

スリランカでの活動を担っているプラン・ジャパンは、アジアやアフリカ、中南米の途上国の子どもたちと一緒に、彼らが住む地域が「自立」できるように地域開発を行っている国際NGOです。このため、このプロジェクトでは、森林保全活動だけでなく、農業支援や、子どもたちへの環境教育など、幅広い活動を行っています。

また、現地においてさまざまな行政や学校といった多様なステイクホルダーと連携していることもこのプロジェクトの特徴です。例えば、2010年には地元の小学校で生物多様性と森林・野生生物保護をテーマとした展覧会を行い、森林局、野生生物保護局、中央環境局、ココヤシ栽培庁、カシューナッツ振興団、子どもクラブと学校が出展しました。当日は、多くの地域住民や教育関係者、子どもたちが参加し、森林保護の重要性や生物多様性、有機農業などについて学びました。このプロジェクトの実施によって、多くの住民が環境問題に関心を持つようになっています。

子どもたちも植林活動に参加
子どもたちも植林活動に参加

連携のポイント

パルシステムにとって、海外での活動の支援は、このプロジェクトが初めての経験でした。パルシステムでは独自に海外でのプロジェクトを実施することは困難と考え、国際協力NGOセンター(JANIC)に相談し、パートナー候補となる団体を紹介してもらいました。
対象地は日本を含めたアジア、テーマは環境保全というイメージはありましたが、具体的な国や地域は決まっていませんでした。会員からのカンパが原資であるため、団体への単なる寄付ではなく、パルシステム独自のプログラムを作ってもらうことが望ましく、かつ組合員への説明責任が果たせるなど、一定の条件が必要と考えていました。そのパートナーとなったのがプラン・ジャパンでした。

マンゴーの枝で接ぎ穂を作る参加者
マンゴーの枝で接ぎ穂を作る参加者

プロジェクトを支えているのは、パルシステム組合員ですが、多くの組合員にとって、スリランカという南アジアの国は遠い存在です。このため、現地の問題やプロジェクトの必要性を、どう組合員にわかりやすく伝えるか、という課題がありました。
そのため、組合員への報告に当たっては、森林保全や地域住民の自立支援などの活動部分のみだけでなく、風習や文化なども取り入れ、報告内容を工夫してきました。取り組みを始めた当初は、伝えきれていなかった面もありましたが、プラン・ジャパンの報告会、報告書提出、パルシステム組合員向けカタログ紙面用の原稿などを通じて、徐々に組合員の間にも活動の理解が広がっていったと考えています。

(2012年3月)

パートナーシップによる森林保全の事例一覧

アグロフォレストリーコーヒーのフェアトレードで支えるエクアドルの森林保全
ナマケモノ倶楽部と株式会社ウィンドファーム
原材料調達地における森林保全活動
サラヤとボルネオ保全トラスト日本
原材料調達を通じた持続可能な森林利用の推進
積水ハウスとフェアウッド・パートナーズ
コミュニティ林から国際市場へ:日本とインドネシアをつなぐ
(有)テラスとフェアウッド・パートナーズ
NGOとの連携によるマングローブ植林プロジェクト
東京海上日動火災保険株式会社と(公財)オイスカ
パートナーシップによる持続可能な森林再生プロジェクト
トヨタ自動車とコンサベーション・インターナショナル
誰でも気軽に参加できる熱帯林の再生プロジェクト
バリュー・フロンティア(株)とバードライフ・アジア
組合員の寄付による森林再生
パルシステム生活協同組合連合会と公益財団法人プラン・ジャパン
パートナーシップによる森林生態系保全プロジェクト
リコーとNGO
企業とNGO/NPOの協働プラットフォームで天然林を保全
リコー、パタゴニアとタイガの森フォーラム
コンセッション制度を利用した熱帯林の再生
バードライフ・コンソーシアムとシンガポール航空
地の利を活かした植林活動で多くの企業の参加を
フィリピン電力公社と、ハリボン財団、エコセーブ他
アカシアの植林地を熱帯林に再生
富士通株式会社と財団法人国際緑化推進センター
エチオピアの天然林を住民参加と認証コーヒーで守る
国際協力機構とUCC上島珈琲株式会社
生物多様性の回復を目指した植林活動
ヤマハ株式会社と関連現地法人

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