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事例とデータベース

住民自身による持続可能な森づくり?「ふるさと」のイメージを共有して

プロジェクト名称:
タイ北部"FURUSATO"環境保全プロジェクト
活動場所:
タイ王国 タイ北部チェンライ県チェンコン郡タムボンリムコン地区
活動主体名:
花王株式会社/(公財)オイスカ、オイスカタイランド
  • 事例の分類:植林

プロジェクトの概要

タイ国北部に位置するチェンライ県チェンコン郡タムボンリムコン地区では、かつてはチークを中心とした在来種の木々が繁る森が広がっていました。しかし、第二次大戦以降に違法伐採が行われ、伐採跡地は焼き畑により農地に転換されていきました。本来農地に適していない傾斜地を使い化学肥料を用いた単一作物栽培等を行ってきたため、土壌の劣化が進んでいます。また土壌劣化は、自然の自浄作用の低下を招き、農業への病害虫被害増加など、人々の生活にもさまざまな影響が出てくるようになってきました。森林が少なくなった場所では、大雨が降ると洪水や土砂崩れが起き、乾季には山火事を誘発しています。更に、ミャンマーやラオスなど隣国での焼き畑による煙害は、タイ北部の空港で飛行機が着陸できないほどの影響を与えています。

プロジェクト開始時の植林地の様子
プロジェクト開始時の植林地の様子(写真はいずれもオイスカタイランド提供)

そこで、本プロジェクトを通じ、公益財団法人オイスカ、オイスカタイランド並びに、プロジェクト対象地である、タイ北部、チェンライ県チェンコン郡タムボンリムコン地区の住民とともに、この地区の自然の回復と、人々が自然と共に暮す持続可能なライフスタイルを送ることができる地域社会の構築を目指し、植林と住民のエンパワーメントを実施しています。

植林活動では、伐採された森を再生することで生態系を回復し、自然災害等に強い環境を取り戻すため、郷土樹種を中心に2012年からの5ヵ年間で35ヘクタールの植林とその後の管理作業を実施しています。

子ども達も植林に協力
子ども達も植林に協力

プロジェクト終了後も見据え、地域住民による組織をつくり、植林後の管理を住民主体で行なう体制を整えたり、山火事が多く発生するため、専門家からの講義を受ける機会を設けたり、防火帯整備等の山火事対策にも住民主体で積極的に取り組めるよう支援しています。

また、住民のエンパワーメントとして、植林や環境保全活動が継続的に行なわれる基盤をつくるため、近隣の学校の児童生徒や地域住民向けに、環境保全についての重要性を学ぶためのプログラムも実施しています。里山に囲まれ持続可能な産業が営まれる「ふるさと」のイメージを住民たちと共有し、同地区の人々が、自信を持って暮せるような、コミュニティづくりを行なっています。

プロジェクトの特徴

プロジェクトは、環境保全のみならず、環境保全の重要性について地域住民の理解を深めるために、子どもたちや地域住民に環境教育を実施し、住民自身の手による持続可能な環境保全を行なう基盤づくりを支援しています。

急傾斜への植林
急傾斜への植林

2016年12月現在、これまでに30ヘクタールを超える土地で活動を行なってきました。植林地は、雨が降ると人が滑り落ちそうなほどの急斜面が多い土地ですが、地域の方々によって、一本一本の苗が丁寧に植えられています。在来種は成長が遅いものもあり、植えたばかりの苗木はまだ弱いため、人の手による助けが必要です。この地域の下草は、放置すれば短期間で人の背の高さを超えるほど大きく成長してしまうため、草刈りなどの管理保全を継続して行なわなければなりません。地域の方々が、苗木を傷つけないように丁寧に草刈りを行ない、施肥により成長の促進をはかるなど、工夫をしながら丁寧に育ててきたことで、活着率もよく、5年目の節目を迎えたいま、ミツバチや鳥が訪れる豊かな森が育ってきています。プロジェクトでは、年に1回、地域の住民や近隣の学校の生徒、行政の担当者などが参加し、植樹イベントを行なっています。このイベント開催を通じ、直接活動に関わる住民だけではなく、広く地域の方にも森を知ってもらい、理解してもらう機会としています。

2016年7月の現地
2016年7月の現地

2016年は、7月29日に、660名が参加し、植林イベントを実施しました。当日は、タイの花王グループ社員も参加し、4,400本を植林しました。この活動を含め、2016年は計8,500本を植林し、累計は約42,000本となりました。4月、5月には、近隣で山火事が発生し、水不足の影響もあって、残念ながら植林地も延焼しましたが、地域の方々が夜を徹して消火活動にあたったり、地域の森林局も素早い対応を行なうなど、森を守る活動に尽力いただきました。これまでの継続した取り組みで、地域で森林を守っていく意識も高まっています。

連携のポイント

花王では、豊かな生活文化の実現に向けて、事業活動とともに、「次世代を育む環境づくりと人づくり」をテーマに社会貢献活動を行なっています。人々の暮らしに寄り添う花王ならではの活動として、環境保全のみならず人材育成にも力を入れるオイスカのミッションに共感し、「タイ北部"FURUSATO"環境保全プロジェクト」に連携して取り組んでいます。環境保全というグローバルな社会課題解決に向けて活動するとともに、タイでの事業の歴史が50年となることから、タイ現地関係会社の地域貢献活動としても位置づけて活動を行なっています。

プロジェクトスタート時には、花王とオイスカで話し合い、5年間で35ヘクタールというゴールを明確にして活動を開始しました。その後も花王は、資金を提供するとともに、日本花王、タイ現地社員が植林イベントに参加しています。また、現地視察や年2回の報告を通じてプロジェクトの進捗状況を把握するとともに、それ以外にも必要に応じて、オイスカ、オイスカタイランドと定期的に意見交換を行なっています。

今後は、森が地域の環境に及ぼす影響や、森が地域住民の生活の向上にどのように繋がっていくかなどを長期的な視点で関わってまいります。

(2017年3月)

パートナーシップによる森林保全活動の事例一覧

世界的な自然保護団体と組んだ熱帯林再生プログラム
伊藤忠商事株式会社と(公財)WWFジャパン
住民自身による持続可能な森づくり?「ふるさと」のイメージを共有して
花王株式会社と(公財)オイスカ
地元住民からの提案も後押ししたマングローブ林再生
トヨタ車体株式会社と(公社)日本環境教育フォーラム
住民とともに実現する持続可能な森林再生プロジェクト
NPO法人ピーク・エイドと住友林業株式会社
アグロフォレストリーコーヒーのフェアトレードで支えるエクアドルの森林保全
ナマケモノ倶楽部と株式会社ウィンドファーム
原材料調達地における森林保全活動
サラヤ株式会社と(特非)ボルネオ保全トラスト・ジャパン
原材料調達を通じた持続可能な森林利用の推進
積水ハウス株式会社と(一社)フェアウッド・パートナーズ
コミュニティ林から国際市場へ:日本とインドネシアをつなぐ
(有)テラスと(一社)フェアウッド・パートナーズ
NGOとの連携によるマングローブ植林プロジェクト
東京海上日動火災保険株式会社と(公財)オイスカ
パートナーシップによる持続可能な森林再生プロジェクト
トヨタ自動車株式会社と(一社)コンサベーション・インターナショナル
誰でも気軽に参加できる熱帯林の再生プロジェクト
Value Frontier株式会社と(一社)バードライフ・インターナショナル東京
組合員の寄付による森林再生
パルシステム生活協同組合連合会と(公財)プラン・インターナショナル・ジャパン
パートナーシップによる森林生態系保全プロジェクト
株式会社リコーとNGO
企業とNGO/NPOの協働プラットフォームで天然林を保全
株式会社リコー、パタゴニア日本支社とタイガの森フォーラム
コンセッション制度を利用した熱帯林の再生
バードライフ・コンソーシアムとシンガポール航空
ベトナム山岳地域の森林を守り育てる(焼き畑から森林保全・再生へ)
独立行政法人国際協力機構(JICA)と住友林業株式会社、アスクル株式会社
インドネシアにおける森林の回復と地域住民の生計向上の両立
株式会社ブリヂストンと学校法人早稲田大学
アカシアの植林地を熱帯林に再生
富士通株式会社と(公財)国際緑化推進センター(JIFPRO)
エチオピアの天然林を住民参加と認証コーヒーで守る
独立行政法人国際協力機構(JICA)とUCC上島珈琲株式会社
生物多様性の回復を目指した植林活動
ヤマハ株式会社と関連現地法人

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