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フォレスト パートナーシップ プラットフォーム > 事例とデータベース > NGO/NPOによる森林保全活動の事例 > 国際環境NGO FoE Japan(2)

事例とデータベース

国際環境NGO FoE Japan(2)

所在地:
〒173-0037 東京都板橋区小茂根1-21-9
問合せ先:
Tel:03-6909-5983
FAX:03-6909-5986
URL:http://www.foejapan.org/
E-Mail:info@foejapan.org

団体概要

FoE Japan(以下、FoE)は、地球規模での環境問題に取り組む国際環境NGO「Friends of the Earth」の日本におけるメンバー団体として、1980年から活動しています。地球上のすべての生命がバランスをとりながら心豊かに生きることができる「持続可能な社会」を目指して活動しており、気候変動、開発金融と環境、廃棄物など、環境に関する様々なテーマにおいて社会の仕組みを変えていくための調査と提言を行ってきました。森林保全分野では、これまで極東ロシアや東南アジアでの森林保全や違法伐採問題に関する調査と提言、輸入木材消費の適正化と国産材利用の推進等を行ってきました。

代表的なプロジェクト

  • 事例の分類:植林

プロジェクト名称

マングローブ再生プロジェクト

活動場所

インドネシア共和国中部ジャワ州スマラン市トゥグレジョ地区

プロジェクトの概要

(2012年現在)
インドネシア・スマラン市の沿岸部では、毎年約5センチ地盤沈下している上、気候変動の影響によって海面が5年前に比べ約3.7センチ上昇し、また、高潮・高波が頻発するようになっています。このため、沿岸部の主な産業である農業や養殖業は、海水の浸水による塩害や、養殖場が破壊される等の被害を受けており、地元住民の減収や失業といった問題を引き起こしています。また、農地や養殖場だけでなく、住宅地においては床上浸水の被害などをもたらすとともに、溢れた下水などによる感染症や下痢等の病気を増加させるなど、高潮・高波による被害は深刻化しています。

このプロジェクトの対象地区は、人口約6,800人が暮らす、約545ヘクタールのトゥグレジョ地区で、面積の67%が養殖場となっています。かつては沿岸部一帯がマングローブ林に覆われていましたが、数十年前の養殖場拡大の際に大規模にマングローブ林を伐採してしまいました。

写真:従来のマングローブ林
従来のマングローブ林

マングローブ林は、水を浄化しながら豊かな生態系のバランスを保つ機能を持つため、「海のゆりかご」と呼ばれており、また温室効果ガスの高い吸収力や、高波などの自然災害を緩和する機能も持っています。マングローブ林の喪失により、地盤沈下や海面上昇と相まって、スマラン市沿岸部の高潮・高波による被害は大きくなっていると考えられています。

このため、近年はスマラン市当局もマングローブ林の重要性を認識して再生に取り組んできましたが、住民との協議を十分に行わず、また計画段階からの住民の参加が欠けていました。このため、住民が水路として利用している場所に植栽したり、植栽後には住民が管理・育成する計画となっているものの、実際には協力が得られないなどの問題があり、なかなか再生は進んでいませんでした。

そこでFoEは、住民が主体的かつ持続的にマングローブ林を再生し、保全・管理していくことができるよう、支援プロジェクトを2008年に開始しました。イオン環境財団等各種財団からの助成金や、いちよし証券株式会社等の企業・個人の寄付により、マングローブの植林・管理に関する研修や住民参加型ワークショップの開催、気候変動に関する情報提供等を現地NGO「ビンタリ財団」と協働で、また大学や行政とも協力して実施しており、これまでにモデル地区で植えたマングローブは約10万本(2012年現在)に達しました。

写真:マングローブ導入前
マングローブ導入前

写真:マングローブ植林後
マングローブ植林後

また、苗木の育成や植林体験ツアーを導入したことで、失業していた若い人びとの就労の機会を提供することにもつながりました。この地域は、スマラン市観光局や企業が進める国内都市部からのマングローブ植林ツアーの受け入れ先となっており、日本からもFoEが実施するエコツアーの参加者が訪れており、多くの人びとがマングローブ林の再生による沿岸護岸について学ぶ環境教育の場ともなっています。

写真:マングローブ植林作業
マングローブ植林作業

アジアの沿岸地域には、他にも同様の被害に苦しんでいる場所がたくさんあります。地域住民と様々なステークホルダーとの協働を実現させたこのプロジェクトの経験が、他地域の問題解決の参考となるよう、今後はこのプロジェクトをモデル化し、普及を進めていく予定です。また、FoEは、現地政府への政策提言を通じて、スマラン市で現在進められている「持続可能で災害に強い沿岸保全対策」が、地方政策として普及する端緒となるよう取り組んでいるところです。

プロジェクトの特徴

かつて当地で行われてきたマングローブ植林が成功していなかった原因として、FoEは以下の四つを特定しました。

  1. 気候変動の影響や生態系のアセスメントを行っていなかったこと
  2. プロジェクトに計画性が欠けていたこと
  3. 住民の主体的な参加が欠けていたこと
  4. プロジェクトの実施機関同士のコミュニケーションが不足していたこと

このため、気候変動の影響及び生態系のアセスメントや住民へのヒアリングを行うとともに、関係機関が情報を共有し、一つの目標の下に役割分担ができるよう、スマラン市当局の下にマングローブ保全作業部会(KKMS, Kelompok Kerja Mangrove Kota Semarang)を設置しました。KKMSには、マングローブ保全や沿岸管理に関係する市当局の関係各局、大学の研究機関、NGO、そして住民が平等な立場で参加しており、共通の目標の下、過去の失敗の検証や今後の沿岸保全計画について議論しています。

写真:古タイヤによる護岸
古タイヤによる護岸

また、FoEは、住民の参画がこのプロジェクトの持続性・自立性を担保するためには欠くことのできない要素であると考えていたため、現地の養殖組合を植林活動の受け皿としました。植林講習やワークショップも養殖組合を通じて開催することによって、スムーズに住民の参画を得ることができています。現在では、当初他の地域から購入していたマングローブの苗木も地域内で育成できるようになったほか、植林ツアーなどのエコツーリズムによりプロジェクト実施のための資金を確保するなど、プロジェクトの自立性が高まってきています。

(本プロジェクトは、対象地において住民主体の保全活動の自立が進んだため、現在(2016年)はモニタリングと限定的な支援のみ継続しています。また、さらに状況が深刻な地域において、マングローブ植林及び影響緩和の活動を展開しています。)

その他の森林保全活動

  • 中国砂漠緑化プロジェクト(2000年~2015年3月)
    過放牧などの人為的な原因で砂漠化が進んだ中国内蒙古自治区通遼市において、緑化活動を展開しました。現地住民の参加の下、柵の設置により放牧家畜の侵入を防ぎ、自然に生えてくる草で砂の流動を抑えた上で植林を進めました。草の被覆によって地力が回復し、現地住民の半農半牧の生活も改善されたこと、また、地域住民に植林の意識が根付き、現地政府にも砂漠化防止の機運が高まってきたことを受け、FoE Japanとしての活動は2014年度をもって終了しました。
  • フェアウッド・パートナーズ(2002年~現在)
    伐採地の森林環境や社会に配慮した木材・木材製品を「フェアウッド」と呼び、その調達推進のために多彩な活動を展開しています。活動主体は、(財)地球・人間環境フォーラムとの共同による「フェアウッド・パートナーズ」で、コンサルティングや支援、調査、分析、情報収集と発信、イベント開催、違法な木材に関する水際対策法制定やグリーン購入法ガイドライン強化などの政策提言などを行っています。

(2017年3月更新)

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