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フォレスト パートナーシップ プラットフォーム > 事例とデータベース > NGO/NPOによる森林保全活動の事例 > 特定非営利活動法人 Link・森と水と人をつなぐ会

事例とデータベース

特定非営利活動法人 Link・森と水と人をつなぐ会

所在地:
〒170-0004 東京都豊島区北大塚3丁目29番3-205号
問合せ先:
Tel.:080-2035-4291
URL:http://www.geocities.jp/link_chiangmai_forest
E-Mail:link.cnx@gmail.com

団体概要

Link・森と水と人をつなぐ会(以下、Link)は、「アジア各地の人々と、国境や民族、宗教を越えて互いを尊重し協力し合いながら連帯を築き、自然との共生を通して持続的な社会の実現を図ること」を目的に、2004年に発足しました。タイのチェンマイを拠点に、北タイの持続的な開発のために森林保全活動を行う住民の支援に取り組んでいるほか、スタディーツアーの実施や日本とタイでの講演活動などを通して、環境や人権、開発などに関する啓発事業も行っています。

代表的なプロジェクト

  • 事例の分類:天然林保全

プロジェクト名称

北タイの森を守る人を支えるプロジェクト

活動場所

タイ国チェンマイ県およびチェンライ県

プロジェクトの概要

タイでは、近代化により大規模な森林伐採が進められ、現在では国土の4分の1にまで森林が減少しています。危機感を持ったタイ政府は森林保護政策を実施し、タイ全土で保護活動が行われるようになりましたが、これは同時に、山村で森林と共生してきた地域住民(注1)の森林利用を大幅に制限するものであり、生活手段を奪うことにより住民の暮らしを貧困化させるものでした。住民の間では、貧困ゆえに違法伐採に従事する人もおり、貧困によってさらに自分たちの住む環境を破壊するといった悪循環も生まれています。

森林の減少は、都市部に暮らす人々にとっても他人事ではありません。2011年にタイを襲った大洪水は、首都圏を含めた中部タイに甚大な被害をもたらしました。中部タイを流れるチャオプラヤー川の源流は北タイの山岳地帯にあり、森林伐採による上流域の保水能力低下は、洪水の一因と言われています。

タイ北部の森林減少の様子。
タイ北部の森林減少の様子。

このプロジェクトの目的は、生活の基盤である森林を失いつつある北タイ山村の住民が、その資源の利用・管理および保全を主体的に行うことを通じて森林を再生し、持続可能な生活を確立できるように支援することです。

山村地域の住民は、森林についての知識・経験が豊富な森林保全の担い手となり得ますが、地域住民が自分たちによる森林の保全と活用の実現を目指して森林局と交渉する際に、対象となる森林の範囲を示す地図やこれまでの活動の記録が一切ないことがネックとなっていました。

そこでLinkでは、村の森林利用等に関するデータを住民と共に1冊の"村の百科事典"としてまとめ、その活用方法の講習を行うことで、森林保全のための住民の組織強化と活動能力の向上を支援しています。

"村の百科事典"には以下のような内容が含まれます。

  1. 村、コミュニティが利用する森林、農地、住居などの位置と範囲を示した地図。
  2. 開発に伴う村の暮らしの変化、野生動物の減少や森林保全活動の履歴などをまとめた年表と、現在みられる生き物のデータやその利用方法などの一覧表。

住民が"村の百科事典"をLinkと共に作成し、活用していくことを通して、以下のような住民の暮らしを改善するためのさまざまな効果が期待されます。

  1. 地図やさまざまなデータをまとめて共有することで、より多くの村人の意識や関心を高め、村おこし計画への参加が得られるなど、住民組織の強化、活動能力の向上に資することができる。
  2. コミュニティが利用する森林(注2)の範囲を示した地図や、住民による森林保全活動の実績を提示できるようになることから、森林局との交渉・連携が可能になるなど、対外的な交渉力が増し、住民による森林の利用・管理・保全が実現する。
  3. 環境教育の教材として使用することで、地域の小中学校において次世代へ森林の利用と保全についての理解を広めることができる。

2011年9月に完成したチェンマイ県サンカンペン郡パトゥン村の
2011年9月に完成したチェンマイ県サンカンペン郡パトゥン村の"村の百科事典"

プロジェクトの特徴

森林減少は、北タイの山岳部における村の生活手段を奪うことにより貧困の大きな原因になっており、貧困がさらに人身売買など深刻な問題の原因となっています。Linkの活動は貧困により生じた個々の問題に対処するのでなく、住民による持続可能な村落開発への支援を通して、これらの問題が起きないように「予防」することを重視しています。

Linkは村の暮らしを改善していくのは住民自身であり、住民が活動の主体的な担い手であると考えています。GPSデータの測位や"村の百科事典"の作成においても、住民が主体的に関わるよう、また村の情報収集に際しては、一人でも多くの住民が参加できるように工夫しています。

チェンマイ県ホイボン村でGPS測位を行うLinkのスタッフ(右)と村長たち
チェンマイ県ホイボン村でGPS測位を行うLinkのスタッフ(右)と村長たち

(2012年3月)

注釈

  • 1)山村住民には少数民族が多く含まれ、未だタイの市民権(居住権、移動の自由、教育の権利、選挙権など)の取得ができていないケースもあって、これらが貧困に拍車をかけている。
  • 2)地域住民が主に日常生活で使う食糧や物資を得るために自分たちで管理し、コミュニティの財産とみなしている森林のこと。

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