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事例とデータベース

認定特定非営利活動法人 緑の地球ネットワーク(GEN)

所在地:
〒552-0012 大阪府大阪市港区市岡1-5-24小来田ビル303
問合せ先:
Tel.:06-6576-6181
URL:http://gen-tree.org/
E-Mail:gentree@s4.dion.ne.jp

団体概要

緑の地球ネットワーク(Green Earth Network 以下、GEN)は、中国の環境問題を憂慮する人びとが集まり、1992年に発足した団体で、国境を越えた民衆協力の推進による中国の環境問題の解決を目指し活動しています。具体的には、山西省大同市の黄土高原(注1)における土壌流出や砂漠化問題の解決に向け、緑化などの環境協力活動を行っています。

代表的なプロジェクト

  • 事例の分類:植林

プロジェクト名称

地球環境林プロジェクト(1992年~現在)

活動場所

中国山西省大同市采涼山

プロジェクトの概要

山西省は、唐の時代(618年~907年)には豊かな森林があったようですが、中華人民共和国が成立した頃(1949年)には、森林率はわずか2.4%に減少していました。特に、同省の大同市のある黄土高原では、燃料利用のための過伐採等により森林の草地化を引き起こし、さらに草地化した土地へのヤギなどの家畜の過放牧が組み合わさって砂漠化が進行していました。この地域は、もともと年降水量が400ミリと少ないうえ、近年さらに降水量が減少傾向にあるため、森林の自然回復は望めない状況にあります。また6月から8月の短期間に集中して雨が降ることから、森林消失後の裸地化した土地や農地が、水によって浸食され土壌流亡が起きていました。

写真:典型的な黄土高原の村
典型的な黄土高原の村

この地域の森林は、降った雨を蓄え、土壌流出を防いで森林土壌を保全するとともに、有機物を供給して農業生産を支え、薪の供給源ともなるなど、住民の生活を支える上で非常に重要な役割を担っていました。しかし、このような機能を有する森林が消失し、砂漠化することによって、薪や水などの生活に不可欠な資源の不足を招きました。この結果、大同市の農民の平均年収は中国国内でも最低水準に当たるほど低くなり、農民は貧しい生活を送らざるを得なくなっています。

写真:耕して天に至る段々畑
耕して天に至る段々畑

このような状況に対し、山西省大同市は、北京、天津の大都市を流れる永定河の上流部にあたる水源地であるため、現在では国を挙げて大規模な緑化が取り組まれています。GENでは、砂漠化した土地の森林を回復し、住民の貧困問題を改善へつなげることを目的に、この植林活動の支援を行っています。具体的には、村の共有地に複数の樹種による植林を行い、多様性のある森林を再生することで、土壌の流出や保水力の低下、土壌養分の低下といった地域の環境問題を解決するとともに、農作物の減収や薪や水の不足などに起因する貧困問題も解消できると考えています。将来的には、植林地から燃料用の薪も供給できるようにするなど、住民生活の安定化に直接繋げていくことを考えています。

1992年のプロジェクト開始から2010年春までに、5,640ヘクタールの土地に1,809万本の植林を行いましたが、初期に植えたものは、今では3メートルを超えるまでに生長しています。

プロジェクトの特徴

今般、中国が大同市で進めている緑化活動は、主にマツなどの単一樹種による一斉造林であるため、一種類の病虫害が発生すると被害が大きくなるという欠点があります。一方、GENのプロジェクトではモンゴリマツ、アブラマツ、カラマツを中心に、グミ科のヤナギハグミ、マメ科のムレスズメなどを混植しています。このように多様な樹種を混植することで、病害虫が発生しても森林全体においては被害が軽微となるように工夫されている点が、本プロジェクトの特徴です。植林に使う樹種を増やすため、マツなどの針葉樹だけでなく、この地域に自生する広葉樹の育苗や、植林実験も行っています。

写真:マツの苗畑
マツの苗畑

写真:植樹後10年目のマツ
植樹後10年目のマツ

また、マツの植樹に際しては、根と共生関係をつくる菌根菌を接種するなどの新しい植林技術を取り入れています。これにより2001年に起きた、100年に一度といわれた大干ばつの際にも70パーセントを超える高い活着率(注2)を保ち、今では、黄土高原緑化の成功モデルとして中国全土から砂漠の緑化関係者が見学に訪れるほどになりました。

写真:植樹作業に取り組む子どもたち
植樹作業に取り組む子どもたち

GENでは、今後も植林活動を続けつつ、住民がこれらの森林を持続的に管理・利用しながら、生活の安定化を図っていける方法をさらに模索していく予定です。

※本プロジェクトは2016年度をもって現地移管されました。

その他の森林保全活動

  • 河北省張家口市蔚県で緑化協力
    2017年春から新たに河北省張家口市蔚県で緑化協力を開始します。蔚県は北京から西に280km、張家口市の最南部にある県で、2022年北京冬季オリンピックのノルディック競技会場に決まっており、全市をあげて環境改善と緑化に力を注いでいます。地形や気象条件はこれまでの協力地の山西省大同市とそっくりですので、これまでに蓄積した経験や技術を生かすことができます。そこで手始めに張家口市蔚県柏樹郷永寧寨村の永寧山で緑化協力をスタートします。3年かけてアブラマツを100ヘクタール植える計画です。日本からツアーを組んで現地を訪問し、植樹活動をおこないます。
  • 小学校付属果樹園プロジェクト(1992年~現在)
    経済的な理由で中学校へ進学できない子ども達の教育費を賄うことを目的に、大同市の農村部の小学校に付属果樹園を建設し、同果樹園に主に乾燥に強いアンズを植え、それらの実を収穫して加工・販売を行っています。これまでに102校に果樹園を建設、計1,016ヘクタールに87万本の果樹の苗を植えました。

    写真:子どもたちとアンズを植える植林ツアー参加者
    子どもたちとアンズを植える植林ツアー参加者

    写真:小学校付属果樹園のアンズ
    小学校付属果樹園のアンズ

  • カササギの森プロジェクト(2000年~現在)
    大同市大同県聚楽郷において、600ヘクタールの土地を対象に50年間の使用権を得て植樹活動を行っています。砂漠緑化のための植林技術の開発と向上が主な目的で、従来の、村の土地での植林活動では実施できなかった、長期的な植林技術を試みる実験林場としての役割を果たしています。

(2017年3月更新)

注釈

  • 1)中華人民共和国を流れる黄河の上流および中流域に広がるおよそ40万~64万平方キロメートルの広さの高原。この数千年間に起こった戦乱、森林伐採、過剰な開墾・放牧などにより、植生は破壊され、土壌の流失が加速し、一帯の地形は無数の水流が削ったために溝だらけのような状態になっている。黄土とはシルト状(砂より小さく粘土より粗い)の土壌のことで、非常に固いが、水には簡単に浸食される。また、一旦崩れると粉状になって飛び散りやすい。
  • 2)植えた苗木の本数に対する枯れずに根づいている本数の割合。

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