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フォレスト パートナーシップ プラットフォーム > 事例とデータベース > NGO/NPOによる森林保全活動の事例 > 特定非営利活動法人 環境修復保全機構

事例とデータベース

特定非営利活動法人 環境修復保全機構

所在地:
〒195-0064 東京都町田市小野路町2987-1
問合せ先:
Tel.:042-736-8972
FAX:042-736-8972
URL:http://www.erecon.jp/
E-Mail:hq-erecon@nifty.com

団体概要

環境修復保全機構は、農業開発及び都市開発と自然環境との調和を目指し、開発によって劣化した環境を修復し保全することと、環境教育・啓蒙活動を通して自然資源の持続的利用に寄与することを目的に、2000年より活動を始めました。タイとカンボジアを中心としたアジア諸国において、主に持続可能な農業を支援するための環境の修復と保全に関する事業、自然資源の持続的利用に関する事業、環境教育・啓蒙に関する事業を実施しています。森林保全の分野では、土壌侵食の進んだ傾斜地や塩類集積(注1)地などにおけるアグロフォレストリー(注2)の導入、マングローブ植林などに取り組んでいます。

代表的なプロジェクト

  • 事例の分類:植林

プロジェクト名称

タイ国ナン県における持続的有機農業の指導および緑化推進と環境修復・保全に向けた事業

活動場所

タイ国・ナン県

プロジェクトの概要

タイ国北部のナン県では、慣習的に傾斜地の森林に火入れを行うことにより農業を営んでいます。しかし、熱帯地域では養分を含んだ森林土壌は薄く、雨季には豪雨に伴う土壌侵食によって失われやすいため、火入れによって開墾し被植率が低下した土地は数年で肥沃度が下がってしまいます。肥沃度が下がった土地は放棄され、また新たな森林に火入れが行われることが繰り返されることによって、ナン県では森林減少が拡大していました。

写真:土壌侵食の生じた荒廃地
土壌侵食の生じた荒廃地

このため、環境修復保全機構では、2007年より森林を回復させるため、国際ボランティア貯金寄附金の支援を受け、地域住民が主体となった森林再生事業を実施しています。これまでに10ヘクタールの荒廃地に、2万2,400本の植林を行いました。植林地は主に村の共有地で、イネ科草本のベティバという植物で等高線状に植生帯をつくって土壌流亡を防ぎ、ビルマネムノキなどの在来種や果樹を中心とした樹木の植林を実施しました。植林活動では現地のNGO「AERD(Association of Environment and Rural development)」とも協力して地域住民グループが中心となって実施し、2010年からは育苗施設を設置し、苗木づくりにも挑戦しています。

写真:現地農家と協働しての植林
現地農家と協働しての植林

活動地域では乾期の乾燥が非常に厳しく、樹木が根付くためには植林後1~3年間は乾季の水やりなど継続した管理が欠かせませんが、日本人のスタッフが現地に常駐し管理にあたっているわけではないため、地域住民による管理が重要になります。このため環境修復保全機構は、植林樹木の選定や植林の実施時期の設定などの計画段階から、地域住民グループの意見をとり入れ、参加を得ながらプロジェクトを進めています。

また環境修復保全機構では、この地域における持続可能な農業環境を構築することを目指して、資源循環型農業(注3)の指導を実施しています。2009年からはアグロフォレストリーを軸とした有機農業にも取り組み始めました。

写真:アグロフォレストリーを軸とした有機農業の推進
アグロフォレストリーを軸とした有機農業の推進

プロジェクトの特徴

このプロジェクトの特徴は、地域住民が主体となった森林保全と、資源循環型農業の技術的な普及を同時に推進していることです。

植林活動には植林前の準備や植林後の管理等、時間と手間のかかる作業も多くあり、地域住民の主体的な参加を継続的に得るためには工夫が必要です。そのため、活動に参加しているほとんどの地域住民が従事している農業分野において、農薬や化学肥料の使用の削減といった支出を軽減できる代替農業に関する技術指導や、先進的な循環型農業に取り組む近隣の農場における研修など、地域住民の収入につながるような能力開発にも取り組んでいます。このような活動の積み重ねによって、地域住民の能力や意識が向上し、森林管理も含め、自主的な取り組みが見られるようになりました。

写真:植林地における活着調査の様子
植林地における活着調査の様子

また、定期的に実施している地域住民を対象とした森林再生と有機農業に関するワークショップにおいては、当初は同団体のスタッフや専門家が講師となる講義が中心でしたが、最近では積極的な活動を実施する現地の農家が自らの取り組みを発表し、他の農家と議論する時間を多くとるようになるとともに、そのような農家が指導者的役割を担えるようになりました。

環境修復保全機構の団体設立にあたっては、土壌、水、環境、農村計画などの様々な分野の大学教員が設立メンバーとして参加しています。専門性の高いメンバーが、現地において調査を実施し、その結果に基づき活動地域の環境修復・保全の必要性について検討した上で、現地農家が実際に導入可能な修復・保全計画の立案・実施に取り組んでいる点も特徴的です。

その他の森林保全活動

  • タイ国東北部塩類集積地での植林によるアグロフォレストリー(2008年~現在)
    タイ東北部には広く塩類土壌が分布しています。同地では森林伐採と農地化した場所における不適切な灌漑に伴い、地下岩塩層から塩類が上昇して表土への塩類集積が進み、農産物の収量低下などの問題が深刻化しています。環境修復保全機構では同地のコンケン県で、塩類土壌の修復・保全を目指して耐塩性樹木の植林やアグロフォレストリーの導入に取り組んでいます。
  • タイ国南部の津波被災地における植林による環境修復(2006年~現在)
    2004年におきたスマトラ島沖地震による津波で被害を受けたタイ国南部のマングローブ林の再生のため、ヒルギ科樹木やニッパヤシなどの植林活動を行うとともに、植林活動を担う住民の組織化のためのワークショップの開催などを行っています。
  • タイ国チェンライ県におけるアグロフォレストリーの導入等による環境修復保全(2002年~2005年)
    深刻な土壌侵食が起きている急傾斜地につくられた農地において、土壌保全を通じた環境修復・保全に関する調査研究、アグロフォレストリーの導入と植林活動、環境教育などを実施しました。

注釈

  • 1)耕作地の土壌表層に塩類が集積すること。土壌の塩類集積が進み、濃度障害により収穫量が低下、もしくは収穫できなくなる現象を塩害という。主に干拓地や乾燥地における開拓による、灌漑や水利用の変化が原因となる。深刻化した場合、地表面の所々に白い塩類の結晶が視認できるようになり、やがて植生に乏しい土漠となる。
  • 2)樹木を植栽し、樹間で家畜・農作物を飼育・栽培する農林業のこと。農林複合経営、混農林業、森林農業とも言われる。
  • 3)ここでは火入れを止め、被植率を回復させることで、窒素、リンや有機物などの農業に必要な養分や水が土壌から失われることを防ぐとともに、農産物残渣等の堆肥化によって農地に養分を還元させる方法を指す。

NGO/NPOによる森林保全活動の事例一覧

特定非営利活動法人 アジア植林友好協会
バリ島 水源涵養林再生植林プロジェクト
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国際環境NGO FoE Japan(1)
気候変動への適応策としてのアグロフォレストリープロジェクト
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国際環境NGO FoE Japan(2)
インドネシアでのマングローブ再生プロジェクト
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特定非営利活動法人 環境修復保全機構
タイ北部の荒廃地における環境修復に向けた植林プロジェクト
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公益財団法人世界自然保護基金ジャパン(WWFジャパン)
スマトラ島テッソ・ニロ ブキ・ティガプル ランドスケープの森林保全
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特定非営利活動法人 地球緑化センター
緑の親善大使
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熱帯林行動ネットワーク(JATAN)
インドネシアにおけるコミュニティ・フォレスト支援プロジェクト
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特定非営利活動法人HANDS
アマゾン西部におけるアグロフォレストリー普及活動
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緑のサヘル
バム湖周辺地域開発プロジェクト
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認定特定非営利活動法人 緑の地球ネットワーク
中国での砂漠緑化:地球環境林プロジェクト
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特定非営利活動法人 緑化ネットワーク
中国内モンゴルにおける砂漠緑化活動
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特定非営利活動法人 Link・森と水と人をつなぐ会
北タイの森を守る人を支えるプロジェクト
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海外の事例:バードライフ・インターナショナル(BirdLife International)
インドネシアにおける熱帯林再生プロジェクト
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