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フォレスト パートナーシップ プラットフォーム > 事例とデータベース > NGO/NPOによる森林保全活動の事例 > 国際環境NGO FoE Japan(1)

事例とデータベース

国際環境NGO FoE Japan(1)

所在地:
〒173-0037 東京都板橋区小茂根1-21-9
問合せ先:
Tel:03-6909-5983
FAX:03-6909-5986
URL:http://www.foejapan.org/
E-Mail:info@foejapan.org

団体概要

FoE Japan(以下、FoE)は、地球規模での環境問題に取り組む国際環境NGO、Friends of the Earthの日本におけるメンバー団体として、1980年から活動しています。地球上のすべての生命がバランスを取りながら心豊かに生きることができる「持続可能な社会」を目指しています。気候変動、開発金融と環境、廃棄物など、環境に関する様々なテーマにおいて社会の仕組みを変えていくための調査と提言を行ってきました。森林保全分野では、これまで極東ロシアや東南アジアでの森林保全活動や違法伐採問題に関する調査と提言、輸入木材消費の是正と国産材利用の推進等を行っています。

代表的なプロジェクト

  • 事例の分類:植林

プロジェクト名称

気候変動への適応策としてのアグロフォレストリープロジェクト

活動場所

インドネシア共和国スマラン県ウンガラン郡

プロジェクトの概要

インドネシアは、森林の減少・劣化や工業化により温室効果ガスの主要排出国であると同時に、干ばつや降水量の変化等、温室効果ガスを原因とする地球温暖化など気候変動の影響を受けています。そこでFoEでは、ジャワ島中部において、県や郡の職員の協力の下、現地のNGO「ビンタリ財団」と協働して、特に当該地域の森林の開発や工業化の影響や気候変動の局地的な影響を把握し、その影響に適応するために必要な対策を検討、実施するとともに、このプロジェクトの成果を同様の問題を抱えるアジアの他地域の参考となるモデルケースとするためのプロジェクトを、2008年度から実施しています。このプロジェクトでは、財団等からの助成金と企業や個人からの寄付金により、コミュニティによる植林、コンポスト(堆肥)作りを含む有機農業などによるアグロフォレストリー(注1)の導入・促進の支援を行っています。

写真:アグロフォレストリー導入前
アグロフォレストリー導入前

写真:アグロフォレストリー導入後
アグロフォレストリー導入後

対象地であるウンガラン山周辺の村々は、工業都市、スマラン市を流れるガラン川の上流に位置しています。この地域では、気候変動の局地的な影響によって干ばつや、従来の季節リズムの変化、乾季に雨が続いて作物の病気が蔓延し、逆に雨季の少雨により虫が大発生するなど、農作物への被害が深刻化していました。また、大規模な森林の宅地開発の影響によってガラン川の水が枯れ、気候変動影響と相まってイネやタマネギといった特産物の収量が激減していました。そこでFoEは、同地域にあるルルップ村を最初のプロジェクト地として、温室効果ガスを吸収して気候変動影響を緩和するとともに、水源・地下水保全のために植林を行うこととしました。また、村人の収入の確保のため、植林のほか、病害虫による被害を軽減して安定的に収穫が得られるよう、少量多品目の作物を栽培するアグロフォレストリーを導入しました。具体的には、水不足によって放棄された水田や畑などの荒廃地に、大きく成長して建材となるマホガニーや果実が採れるマンゴスチンなどの樹木を植え、その周りで農作物の栽培を行っています。また、家ごとに行われていた乳牛の飼育を集約化して生産能力を高めるとともに、発生する畜産廃棄物を堆肥化して植林と農作物栽培に活用しています。

写真:畜産を集約化
畜産を集約化

写真:乳牛

プロジェクト地では、植林による水源、地下水保全と農・畜産業からの収入の安定化につながる体制作りが整うなど、初年度から成果が出ました。また、畜産廃棄物を活用した有機肥料の導入によって、農作物の化学肥料の使用量が以前の70%にまで減り、肥料代の削減につながったほか、畜産廃棄物を垂れ流していた河川の下流域の住民との紛争もなくなりました。

ルルップ村での成功を受けた周辺の村からの要望により、プロジェクトは周辺地域に拡大し、2011年には9つの村を対象に実施しています。

プロジェクトの特徴

このプロジェクトの特徴は、持続可能で実効性のあるものにするため、プロジェクトの実施形態を住民参加型から住民主体型に移行するなど、住民の組織化や能力向上に特に力を入れてきたことです。これにより、以前は村内では幾つかの住民グループが存在し、その間の交流が分断されていましたが、今では組織化され主体的にプロジェクト活動が実施されるようになりました。

写真:コミュニティーでのワークショップ
コミュニティーでのワークショップ

このプロジェクトの最終的な目標は、この活動事例を一つの対象地区の成功に留めるのではなく、モデルケースとして広報を行い、同様の問題を抱えるインドネシアの国内のみならず、アジアの農村に広めていくことです。このため、大学などの研究機関や政府が開催する気候変動対策の専門家会合にビンタリ財団が参加してプロジェクトの成果を発表するなど、様々な機会を活用してこのモデルケースの広報・普及に努めています。また、外部の人々に、この地域が抱えていた気候変動影響による問題やその解決策としてのアグロフォレストリー活動について知ってもらうため、また、持続可能な地域の収入源を確保するために、エコツーリズムも実施しています。

今後は、対象地の事例を、アジアの他の地域でも応用するためのモデル化を進めるとともに、現在、現地NGOが果たしている主導的役割を、徐々に地元行政にバトンタッチし、最終的には行政の支援の下に広い範囲で住民主体型の、住民組織が運営するプロジェクトが実施されることを目指しています。

(本プロジェクトは、その後ガラン川流域保全のための保全活動に発展し、平成27年に終了しました。現在(2016年)は、現地NGOのビンタリ財団と関係行政(中部ジャワ州、スマラン県、スマラン市、ウンガラン郡等、そして現地民間企業のCSRによりモニタリング、住民活動支援が継続されています。)

その他の森林保全活動

  • 中国砂漠緑化プロジェクト(2000年~2015年3月)
    過放牧などの人為的な原因で砂漠化が進んだ中国内蒙古自治区通遼市において、緑化活動を展開しました。現地住民の参加の下、柵の設置により放牧家畜の侵入を防ぎ、自然に生えてくる草で砂の流動を抑えた上で植林を進めました。草の被覆によって地力が回復し、現地住民の半農半牧の生活も改善されたこと、また、地域住民に植林の意識が根付き、現地政府にも砂漠化防止の機運が高まってきたことを受け、FoE Japanとしての活動は2014年度をもって終了しました。
  • フェアウッド・パートナーズ(2002年~現在)
    伐採地の森林環境や社会に配慮した木材・木材製品を「フェアウッド」と呼び、その調達推進のために多彩な活動を展開しています。活動主体は、(財)地球・人間環境フォーラムとの共同による「フェアウッド・パートナーズ」で、コンサルティングや支援、調査、分析、情報収集と発信、イベント開催、違法な木材に関する水際対策法制定やグリーン購入法ガイドライン強化などの政策提言などを行っています。

(2017年3月更新)

注釈

  • 1)樹木を植栽し、樹間で家畜・農作物を飼育・栽培する農林業のこと。農林複合経営、混農林業、森林農業とも言われる。

NGO/NPOによる森林保全活動の事例一覧

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国際環境NGO FoE Japan(2)
インドネシアでのマングローブ再生プロジェクト
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タイ北部の荒廃地における環境修復に向けた植林プロジェクト
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スマトラ島テッソ・ニロ ブキ・ティガプル ランドスケープの森林保全
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緑の親善大使
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特定非営利活動法人HANDS
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特定非営利活動法人 緑化ネットワーク
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特定非営利活動法人 Link・森と水と人をつなぐ会
北タイの森を守る人を支えるプロジェクト
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海外の事例:バードライフ・インターナショナル(BirdLife International)
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