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事例とデータベース

三菱商事株式会社

所在地:
〒100-8086 東京都千代田区丸の内2-3-1
問合せ先:
サステナビリティ推進部
Tel.:03-3210-2377
URL:http://www.mitsubishicorp.com
E-Mail:mcenv@org.mitsubishicorp.com

企業・CSR概要

三菱商事株式会社(以下、三菱商事)は1954年に創立した総合商社で、海外約90カ国に200超の拠点を持ち、エネルギーや金属、機械から食糧、環境、水などあらゆる産業において、貿易取引や事業投資などの多岐にわたるビジネスを展開しています。

事業を通じて日本や世界が抱えるさまざまな課題の解決に貢献しながら、経済価値のみならず、社会価値・環境価値も含めた、三価値同時実現を目指す、という方針のもと、事業活動を通じた持続性のある価値創出を推進するとともに、地球環境をはじめ、福祉・教育、文化・芸術、国際交流の分野において多様な社会貢献活動を行っています。

地球環境への貢献としては、持続可能な社会の実現を目指して様々なプロジェクトを実施しており、特に海外に現場を持つ活動としては、自然林に近い生態系を短期間でよみがえらせることを目指した熱帯林再生実験プロジェクトや、サンゴ礁危機の原因や影響を研究するサンゴ礁保全プロジェクトを実施するとともに、国内でも、高知県安芸市をはじめ、宮城・和歌山・広島において自治体とともに森林保全活動を実施しています。

代表的なプロジェクト

  • 事例の分類:植林

プロジェクト名称

熱帯林再生実験プロジェクト(マレーシア、ブラジル、ケニア、インドネシア)

活動場所

マレーシア、ブラジル、ケニア、インドネシア

プロジェクトの概要

熱帯林の減少は、自然生態系の保全や温暖化の原因であるCO2の吸収、異常気象など地球環境に大きな影響を及ぼしています。三菱商事は、1990年に「熱帯林再生実験プロジェクト」を開始しました。このプロジェクトは、現地固有の植物を密植・混植方式で植林し、熱帯林の短期再生を目指すというものです。

1990年当時、熱帯林再生の先例は少なく、手法も確立していない中で、さまざまな検討を行った結果、日本国内で画期的な森林再生手法として注目されていた宮脇昭博士の手法(宮脇方式として後述)を熱帯林で試みることにしました。

その土地本来の樹種の苗づくり
その土地本来の樹種の苗づくり

森林再生手法を検討する場所は現地の森林保全活動のパートナーであるマレーシア国立農業大学(Universiti Putra Malaysia:以下UPM)の焼畑跡地、約50ヘクタールとしました。当初は、種を集めても発芽せず苗ができないなど、多くの問題がありましたが、試行錯誤を重ねて再生方法を模索しました。この結果、活動開始後30年が経った今では、同大学の敷地に樹高20メートルを越える木々が生い茂る森を再生することができました。

20年でここまで回復
20年でここまで回復

マレーシアでの経験を活かして、1992年からブラジル連邦共和国のパラ州において、また2006年からはケニア共和国のナイロビ近郊においても、熱帯林再生プロジェクトに取り組んでいます。さらに、2008年からはマレーシア半島にあるUPMの本校敷地内とサラワク州都クチン近郊で日本マレーシア協会と植林を開始し、2011年にはインドネシアのジャワ島でNGO オイスカと共に植林プロジェクトを開始しました。

多くの人にプロジェクトの成果を見に来てもらい、今後の植林活動の参考にしてほしいと考えています。

プロジェクトの特徴

このプロジェクトの最大の特徴は宮脇方式を採用していることです。宮脇方式とは、プロジェクト開始当時、横浜国立大学教授だった宮脇昭博士が、日本国内で20年以上の実績を重ねてきた森林再生の手法で、以下のような方法で行います。

  • 地域の固有種、特にその土地本来の樹種(潜在自然植生)を調べ、特定する。
  • 潜在自然植生の樹木の種子を採取し、根が十分張るまでポットで苗を作る。
  • 育成したさまざまな樹種の苗を、1平方メートルあたり2~3本の割合で混植・密植する(日本の人工林の場合、通常の植栽密度は3平方メートルあたり1本以下)。
  • 苗は浅く植え、乾燥や雑草を防ぐため周囲をマルチング(注1)する。
  • 植栽後1~2年は除草を行うが、3年目ごろからメンテナンスなしで経過を観察する。

熱帯林の生態系回復には300年から500年かかると言われていますが、宮脇方式による熱帯林再生技術では、地域の固有種の苗木が互いに競争しながらたくましく成長するため、40~50年という短期間で限りなく自然林に近い生態系に蘇らせることを目指しています。これまでに三菱商事がマレーシアで植栽した種数は91種、約30万本に及びます。この方法では、苗木を通常より多く植栽するため、初期のコストが高くなりますが、植栽後数年経つとメンテナンスが必要なくなること、また生態系が短期間に再生するという特徴を鑑みると、初期のコスト高を補って余りあると考えられます。

植樹祭の様子
植樹祭の様子

その他の森林保全活動

  • 熱帯林再生実験プロジェクト(ブラジル)1992年~現在
    ブラジルのアマゾンにおいて、荒廃地として見捨てられた土地にかつての熱帯林の生態系を再生することを目的に、宮脇方式による植林活動を行っています。本プロジェクトでは、現地の子供たちへの環境教育プログラムも行っています。
  • 熱帯林再生プロジェクト(ケニア)2006年~現在
    ナイロビ大学近くで、宮脇方式による植林活動を行っています。また、ナイロビ大学の学生に奨学金を提供し、将来の環境専門家の育成支援を行っています。
  • 熱帯林再生プロジェクト(インドネシア)2011年度~現在
    国際森林年である2011年度から国際NGOオイスカをパートナーに、インドネシアのジャワ島内にあるグデ・パングランゴ山国立公園を舞台に熱帯林再生実験プロジェクトを開始しました。本プロジェクトでは、小学生を対象とした環境教育、森林の有効活用と農業の両立を目指したコーヒーのアグロフォレストリー(樹間で農作物を栽培することにより、森林保全と地域住民の生計向上の両立を目指す農法)等を行っています。

(2017年3月更新)

注釈

  • 1)藁や干草などを、植えた苗の周辺にかぶせること。乾燥や土壌の侵食を防ぐとともに、雑草を出にくくする効果があるほか、分解後は肥料となる。

企業による森林保全活動の事例一覧

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