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森林保全の制度

国際フェアトレード認証

制度名:国際フェアトレード認証
(Fairtrade International -FLO)

設立の経緯

  • 制度の設立年:1997年

フェアトレードという概念は、グローバリゼーションの進展と多国籍企業による国際貿易の増加により、途上国と先進国の格差が拡大したことへの反省から生まれました。80年代の後半から欧州、北米、日本等でそれぞれ展開されていた14のフェアトレードラベルの認証団体のアンブレラ組織として、「国際フェアトレードラベル機構(FLO:Fairtrade International)」が1997年に発足しました。2002年には、世界統一の国際フェアトレード認証ラベルが完成しました。

日本では、ドイツのフェアトレードラベルの推進運動の影響を受け活動を進めていた3つの団体が、1993年11月に「トランスフェアジャパン」を設立し、新ラベルの導入と組織のNPO法人化にともない、2004年2月より名称を現在の「フェアトレード・ラベル・ジャパン(FLJ)」に変更しました。

2013年1月現在、FLOの構成組織は25団体(ラベル認証組織19団体、生産者組織3団体、マーケティング組織3団体)となっており、国際フェアトレード基準の設定、フェアトレード市場の開拓・促進、生産者の支援等を行っています。(注1)


フェアトレード認証されたコーヒー、紅茶、チョコレートなど

制度の概要

フェアトレードは、国際貿易の中で不利な立場に置かれた途上国の生産者と、先進国の消費者を結びつけることで、より公正な取引を促進し、途上国の生産者が貧困に打ち勝つための能力を身につけ、自らの状況を改善しより自立的な生活を営めるようにすることを目指した公正な貿易のあり方とされています。フェアトレードであることを確実にするフェアトレード・ラベル運動を通して、企業・市民・行政の意識を改革し、フェアトレードの理念を広め、より公正な貿易構造を根付かせることを目的としています。

FLOでは需要と供給のマッチング(生産者と貿易業者間のコーディネイト)によるフェアトレードの促進活動や、生産者への支援として市場情報の提供、品質改善や組織の能力開発支援などにも取り組んでいます。

認証の基準

フェアトレード認証を得るためには、FLOによって設定されるフェアトレード全般に関する国際フェアトレード基準に準じなければなりません。基準は、「生産者の対象地域」、「生産者」と「トレーダー(輸入・卸・製造組織)」のそれぞれが守るべき包括的基準と、対象産品毎に定められた「産品基準」で構成されています。生産者とトレーダーは、包括的基準と産品基準の両方を守り生産や取引を行わなくてはなりません。

生産者の基準の項目は、「経済的基準」、「社会的基準」および「環境基準」に大きく分かれています。また、産品基準は小規模生産者向け(SPO:Small Producer Organizations)と、プランテーション事業者向け(HL:Hired Labour)の2つに分かれています。

対象製品と実績

フェアトレード認証製品は、2013年1月現在で、バナナ、カカオ、コーヒー、綿花、サトウキビ、お茶等、16の対象品目があります。2010年よりFSCフェアトレード認証材として、新たに木材も対象品目に加わりました。

生産国では、2010年現在63ヵ国に906のフェアトレード認証生産組織が存在しており、その総労働者数(独立農家及びプランテーション従業員を含む)は115万人に達しています。地域分布は、アフリカが58%、ラテンアメリカ・カリブ地域が25%、アジア・オセアニアが17%となっています。国別でフェアトレードに関わる農家が最も多いのはタンザニア、プランテーション従業員ではインドとなっています。日本国内における認証製品の数は約400製品で、海外で認証された製品を含めると500以上の認証製品が日本で販売されています。

環境面に関する要件

フェアトレード認証の環境基準では、貴重な生態系の保護のため、SPO・HL共通の規定として、主に以下を義務付けています。

  • 保全区域に対する負の影響及び農園・生産区域の内外にあるHCV(保護価値の高い地域)を含む区域内での負の影響の発生を避ける義務
  • 湖等周辺の緩衝帯及びHCV区域と生産区域の間の緩衝帯の維持義務
  • 不耕作区域でフェアトレード産品の野生採取を行う場合、採取対象となる種の在来生息地での持続可能性と生存性の確保義務など

また、SPOに対しては、生物多様性の保全・増進活動の実施に関する報告義務を規定している一方、HLではローカルまたはリージョナルな環境プロジェクトへの積極的な参画か独自の生物多様性計画の作成を義務付けています。

希少種の保護に関しては、SPOには構成員に対する「希少種の採取・狩猟禁止への意識啓発のみを義務付けている一方で、HLに対しては「認証取得後1年以内に希少種の採取・狩猟行為が行われない状況を確保するよう義務付け、より厳しい基準となっています。

農園に対する認証であるため、農園経営における環境配慮として、農薬の規制と予防措置の実施義務、排水・水質管理には多くの規定が含まれています。例えばSPOとHLへの共通の規定として、バッファーゾーンでの殺虫剤及びその他有害化学物質・化学肥料の散布禁止、フェアトレード作物へのFLOの禁止物質リスト記載物質の使用禁止、フェアトレード作物に使用されている殺虫剤のリスト作成・更新義務、等があります。

また、遺伝子組み換え作物(GMO)に関しても共通の規定として、フェアトレード向け産品としてGM作物を意図的に使用することの禁止と、種子のGM汚染防止対策の実施義務が規定されています。

水質保全に関する共通規定としては、当該区域の水源状況についての情報の入手・更新義務、加工処理施設からの排水が、水質及び土壌、食の安全性面でマイナスの影響を及ぼさないよう処理することなどが義務づけられています。

外来種の侵入防止策としては、SPOでは「外来種の侵入防止に向けた構成員の意識啓発義務」のみが規定されていますが、HLに対しては認証取得後1年以内に外来種の侵入が発生しない状況を確保するよう定められています。

開発の合法性の確認については、共通の規定として、フェアトレード作物の生産地として利用または用地転換された区域に関し、農地利用関連の国内法規の遵守が規定されています。

社会面に関する要件

フェアトレード認証は、その目的から組織の民主性、透明性、平等などに関する規定が多く制定されています。SPOについては、民主的機構及び透明性の高い管理体制であるための要件として、最高意思決定機関としての総会の設置と年1回以上の開催、組織内各種規則の文書化、構成員全員への平等な議決権付与、公平で透明な理事選出等を規定しています。

HLについては、フェアトレードによるプレミアムを労働者及びその家族・地域社会の社会経済状況の改善のために使うこと、プレミアムの使途につき労働者と経営者が共同決定すること、そのための共同組織の創設及びその管理運営の透明性などを規定しています。

また、ステイクホルダーの生計向上に関しては、SPOについて、「フェアトレード開発計画(FDP)」 の策定義務を規定し、このFDPに「事業・組織・労働者・コミュニティ等の分野での進展を目指した活動」「労働働者が恩恵を受けるような活動」「持続可能な生産慣習を維持・向上するための活動」などを含むよう定めています。また、組織内の開発ニーズを収集・分析する仕組みを考案・実施する義務も規定しています。

HLについては、認証取得1年以内に従業員の子ども達に対して初等教育へのアクセスを確保するよう規定しているほか、労働者権利に関するSPOとHLの共通項目として、ILO(雇用及び職業についての差別待遇に関する条約)に基づく労働者差別の防止、労働の自由(強制労働の防止)、児童労働の禁止、結社の自由・団結権の保障、団体交渉権の保障、労働者代表に与えられる諸権利の保障、同一報酬及び農園労働者の雇用条件(当該地域の平均又は実質最低賃金と同等又はそれ以上の給与支払義務等)等、多くの規定があります。

労働者の安全確保においても、共通項目としてILO第155号(職業上の安全及び健康)に基づく労働災害の防止について規定しています。その他、SPOでは世界人権宣言に追随する形での構成員に対する差別の禁止、性別や年齢、収入、地域などにより、組織内で不利な立場または少数派となっている集団を特定し、これらの集団の組織内における社会経済的地位向上のためのプログラムを策定する義務が規定されています。HLにおいては、企業の社会的責任と当該企業理念・方針とを不可分のものとして位置づけています。

連絡先

統括本部:Fairtrade International(FLO)
所在地:Bonner Talweg 177, 53129 Bonn, Germany
e-mail: info@fairtrade.net
TEL: +49 228 949230
URL:http://www.fairtrade.net/

FLOメンバー組織(日本):特定非営利活動法人 フェアトレード・ラベル・ジャパン(FLJ)
所在地:東京都中央区日本橋富沢町11−6 英守東京ビルディング3階
e-mail: info@fairtrade-jp.org
TEL:03-5652-4846
URL:http://www.fairtrade-jp.org/

(2013年3月)

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