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森林保全の制度

気候・地域社会・生物多様性プロジェクト設計スタンダード

制度名:気候・地域社会・生物多様性プロジェクト設計スタンダード(CCBスタンダード)
Climate, Community and Biodiversity Standards

設立の経緯

企業・NGO・研究機関のパートナーシップにより設立された連合である気候変動対策におけるコミュニティ及び生物多様性への配慮に関する企業・NGO連合(CCBA:Climate, Community and Biodiversity Alliance)が作成した、REDDプラスなど土地利用プロジェクト設計のための基準です。2003年に設立されたCCBAが2年間の開発過程を経て2005年に発表しました。開発には、地域コミュニティや環境団体、企業、研究者、プロジェクト設計者などが参画し、アジア、アフリカ、欧州、北・南米でのテスト導入と国際林業研究センター(CIFOR)などの機関からのレビューを経て完成しました。2008年2月より改定作業に着手し、参加型プロセスのもと、幅広い意見聴取やパブリック・コメント等を経て、同年12月に第2版が発表されています。さらに2012年12月現在、第3版の発表に向けた改定作業に入っています。なお、CCBAのメンバーは、コンサベーション・インターナショナル(CI)やCARE、レインフォレスト・アライアンスなど複数の国際NGOによって構成されています。

制度の概要

確実な温室効果ガス削減と同時に、地域社会と生物多様性にもプラスの効果をもたらす土地利用に関するプロジェクトを見極めるための制度です。森林の減少や劣化によるCO2排出を減らすためのREDDプロジェクト、二酸化炭素を植生により吸収することで大気中からCO2を取り除く吸収源プロジェクト(例:再植林、新規植林、植生回復、森林再生、アグロフォレストリー、持続可能な農業)にも適用が可能となっています。

審査には、有効化審査(Validation)と検証(Verification)の2段階があり、有効化審査では、プロジェクトの設計がCCBスタンダードの一つひとつの要件を満たしているかどうかを審査する一方、検証では、有効化審査を受けた設計とモニタリング計画に基づき、プロジェクトが気候変動、地域社会および生物多様性において実質プラスの効果を実際にあげているかどうかが審査されます。審査用に提出されたプロジェクト設計書(PDD)や、パブリック・コメント期間中に寄せられたコメントなどはすべてCCBAのウェブサイトで公開されています。

認証の基準

気候変動対策としての土地利用プロジェクトが「気候」「コミュニティ」「生物多様性」の3側面すべてでプラスの効果をもたらすために対応すべき項目をまとめ、各側面への影響を評価するための基準が設定されています。

表 CCBスタンダードの構成
一般要求項目(法的根拠やコンプライアンス、土地所有権確認などの必須項目)
気候保全 コミュニティ貢献 生物多様性保全
  • 実質的なプラスのインパクト(追加性)(必須)
  • 純人為的吸収量の適切な算出(必須)
  • サイト外でのインパクト(リーケージ)(必須)
  • 永続性(1点)
  • プロジェクトの気候変動への適応(1点)
  • モニタリングと認証(1点)
  • 地元コミュニティへの実質的なプラスのインパクト(プロジェクト参加を含む)(必須)
  • プロジェクト従事者の安全性(必須)
  • プロジェクトの透明性(1点)
  • 事業管理への地元コミュニティの登用(1点)
  • 能力開発への貢献(1点)
  • ベスト・プラクティス(地元の社会的慣習の尊重など)の導入(1点)
  • 保全計画の策定(必須)
  • 絶滅危惧種に危害を加えない(必須)
  • 遺伝子組み換え原材料(GMO)の不使用(必須)
  • 在来種の利用(1点)
  • 絶滅危惧種や固有種等の保護への貢献(1点)
  • 水・土壌の改善(1点)
  • プロジェクト対象地の位置(1点)
表 CCBスタンダードのチェックリスト
一般要求項目(法的根拠やコンプライアンス、土地所有権確認などの必須項目)
G1(必須)
G2(必須)
G3(必須)
G4(必須)
G5(必須)
プロジェクト実施前の対象地の状況
ベースラインの予測
プロジェクトの設計と目標
管理能力とベストプラクティス
法律上の状況と財産権
気候セクション
CL1(必須)
CL2(必須)
CL3(必須)
実質プラスの気候変動防止効果
対象地外での気候変動関連の影響(リーケージ)
気候への影響のモニタリング
地域社会セクション
CM1(必須)
CM2(必須)
CM3(必須)
実施プラスの地域社会への効果
対象地外のステークホルダーへの影響
地域社会への影響のモニタリング
生物多様性セクション
B1 (必須)
B2 (必須)
B3 (必須)
実質プラスの生物多様性への効果
対象地外での生物多様性への影響
生物多様性への影響のモニタリング
ゴールド・レベル・セクション
GL1(オプション)
GL2(オプション)
GL3(オプション)
気候変動への適応効果
特に優れた地域社会への効果
特に優れた生物多様性への効果

対象製品と実績(注1)

2012年12月現在、56件のプロジェクトがCCBスタンダードの適合審査を完了しており、28件のプロジェクトが適合審査プロセスの途上にあります。これら84件のうち73件が途上国において実施されるプロジェクトです。地域構成としては、ラテンアメリカ43%、アフリカ29%、アジア16%、北米8%、オセアニア3%、欧州1%、またプロジェクト類型としては、49%が再森林化・再植林、30%が森林減少・劣化からの温室効果ガスの排出削減(REDD)、改良された森林管理(IFM)が6%、再森林化とREDD、IFMのいずれか2つ以上を組み合わせたものが15%となっています。

この他にも、130件以上のプロジェクトでCCBスタンダードの使用が計画されており、それらがカバーする保全面積は1,100万ヘクタール以上、天然林の再生面積は48.5万ヘクタール以上になる予定であり、これらの年間排出削減量は3,000万トンを超えると推計されています。

環境面に関する要件

CCBは気候変動緩和対策プロジェクトを対象としているため、「プロジェクト・エリアの土地利用変化が、大気中の温室効果ガス濃度を低下させる効果をもたらすこと」が求められています(CL1)。

貴重な生態系及びRTE(Rare, Threatened, &. Endangered)種が生息する場所などを対象とする保護価値の高い要素(HCV:High Conservation Value)についてはプロジェクト実施前のHCVの状況を確認したうえで、プロジェクトの実施によって「プロジェクト・ゾーン内にある世界、地域、あるいは国の生物多様性の保全にとって重要なHCVは、維持または高められなくてはならない」とされています(B1)。また、プロジェクト・ゾーン外については「もたらされる可能性がある生物多様性に対しての悪影響を評価し、軽減策を講じること」が求められています(B2)。

社会面に関する要件

プロジェクト実施国の法規制や関連する国際条約等を遵守(G5-1)が求められているだけでなく、当局の許認可を受けていることを示す必要があり、これには地域社会が慣習的に求める手続きを含める」としています(G5-2)。

「十分な情報に基づく事前の自発的同意(FPIC:Free, Prior and Informed Consent)」については、プロジェクトにより権利に影響が及ぶすべての人からを得ることとされています(G5-3)。プロジェクト設計においてプロジェクトの影響を受ける可能性がある地域社会やステークホルダーの特定と、彼らとの効果的な協議のうえでの参加を得ることや(G3-8)、地域社会に対する情報公開や苦情処理の仕組みの構築も要件となっています(G3-9、G3-10)。

連絡先

CCBA
Gareth Wishart (CCB Standards Coordinator)
2011 Crystal Drive, Suite 500, Arlington, VA 22202, USA
Tel: +1 (703) 341-2748
Email: info@climate-standards.org
URL: http://www.climate-standards.org/

(2013年3月)

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