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森林保全の制度

レインフォレスト・アライアンス認証

制度名:レインフォレスト・アライアンス認証

設立の経緯

違法伐採や商業伐採、農地への転用などにより森林が急速に減少し、生物多様性や気候変動に悪影響を及ぼしている状況を受け、2001年にレインフォレスト・アライアンス(RA)は、市場メカニズムを利用して、森林伐採や環境破壊の要因となる木材生産、農地拡大、牧場経営等に歯止めをかける方法として、認証制度を採用しました。

1980年代後半、南米ではバナナ農園の拡大が、森林減少と農薬による健康被害を引き起こしていました。このため、農家、科学者、環境活動家などによるワークショップが開かれ、バナナ栽培の改善方法について議論しました。その結果として生まれたのが、持続可能な農業の諸原則及び基準です。RAが他団体と協力して1991年にコスタリカで始めた「ベター・バナナ・プロジェクト」において、基準を満たした農園で生産されたバナナを認証するシステムを作りました。その後、様々な団体の参加を得て、グァテマラにおけるコーヒー農園の認証基準策定や、ブラジルのサトウキビ農園への働きかけなどを開始しました。

その後、RAほか南米・中米地域を中心とした複数の環境保護団体(注1)が、それぞれ進めていた認証制度の調整を図るためのネットワーク組織としてサステイブル・アグリカルチャー・ネットワーク(SAN:Sustanable Agriculture Network)を設立しました。同組織が統一的な認証基準「持続可能な農業基準」(SAS:Sustainable Agriculture Standards)の策定・管理を担っています。

制度の概要

RA認証の活動は、農園主に土地を責任もって管理するためのツールをもたらしています。森林伐採や森林劣化を防止し、森林や保護区の面積を拡大しつつ、私たちの生活に欠かせない商品の生産を支援しています。サステナブル・アグリカルチャー・ネットワーク(SAN)に加盟するパートナー組織と協力して、36カ国8万カ所以上の農園で、森林破壊を防止し、再森林化を促進し、責任ある土地管理を奨励するための慣行の導入を支援しています。

農業認証の基準策定はSANが担当し、農場ないしは100を超える生産品目に適用する持続可能な農業基準と関連する他の指針や諸基準の開発を行っています。

RA認証の取得には、以下の要件を満たさなければなりません。

  1. 認証審査による評価を受ける(認定を受けた検査機関により実施)。
  2. SAS及びその他のSAN基準・ポリシー文書のほか、SANスコアリング・システムを遵守する。
  3. RA認証契約をRAと締結する。
  4. 各検査及び認定機関が定めるすべての事務処理プロセスを遵守する。

持続可能性の厳しい基準に則って運営している事業者と、RAの認証マークを見て商品やサービスを選ぶ良識ある消費者を結びつけることで、持続可能な事業運営が可能であることを証明しています。

認証の基準

SANの「持続可能な農業基準」は以下の10の原則で構成されており、各原則のもとに94の詳細な基準が列記されています。これらの基準はSAN 農園認証ポリシーの付属書2に記載された、作物を栽培するすべての農園・生産者グループの認証に適用されます。

RA認証の原則

  1. 社会・環境管理システム
  2. 生態系保全
  3. 野生生物保全
  4. 水保全
  5. 労働者の公正な処遇と良好な労働環境
  6. 職業上の健康と安全
  7. コミュニティとの関係
  8. 作物の総合的管理
  9. 土壌の管理と保全
  10. 廃棄物の総合的管理

アブラヤシ、サトウキビ、大豆、落花生、ヒマワリを生産する農園の認証については、94の基準だけでなく追加基準が適用されることになっています。

対象製品と実績

2012年末時点で、認証地は36カ国にわたり、総認証面積は約180万ヘクタールです。認証農園で生産される農作物は、コーヒー、紅茶、野菜、果物や花等100品目を超えています。(注2・3・4)

2003年、北米・欧州・アジアにおいて、さまざまな企業がRA認証コーヒーの販売を開始しました。2005年には、世界トップの食品メーカーであるクラフト・フーズが北米と欧州でRA認証コーヒー製品群の販売を開始したほか、チキータ社も欧州全域のスーパー等でRA認証バナナの販売を開始しました。RA認証チョコレートやオレンジジュースも店頭に並ぶようになり、2006年には認証コーヒー・バナナ・チョコレートの全世界での売り上げが10億米ドルを超えました。その後も、パイナップル、花、紅茶等の新しい認証品目が加わり、制度は拡大しています。

当初はラテンアメリカを中心に広がりを見せたRA認証ですが他地域への普及も進み、2006年にはアフリカでの最初の農園認証として、エチオピアで小規模コーヒー農園678件のグループ認証が成立しました。その後もコートジボワールでのカカオ農園認証、ケニアの紅茶プランテーション認証と拡大しています。アジアで最初の認証はフィリピンで、その後インドネシアやインドでもコーヒーや紅茶、カカオ等の認証が成立しています。


ケニアのRA認証農園でのお茶摘み

環境面に関する要件

RA認証の原則と基準では、森林と生物多様性の保全への配慮中心に、土壌保全や遺伝子組み換え作物利用の禁止など農園開発・経営に関連する広範な環境配慮を求めています。
基準2.4では、以下のように森林伐採を規制するとともに、伐採の合法性を求めています。

  • 過去2年以内に森林伐採を行った区域を所有する農園の認証は行わないこと
  • 樹木の伐採または非木材林産物の収穫は、当該農園が所轄官庁承認済の持続可能な管理計画を実施し、法の求めるすべての許可を取得している場合のみ認められる。

また基準9.5では、「予定する農業生産レベルに適した土地においてのみ、新規生産区域は設置可能であり、生産区域を新たに確保するための天然林の伐採や焼き畑は禁止する。」とし、生産性が低い非適作地における農園開発を禁止しています。

また、原則2の「生態系の保全」は詳細な基準が定められています。基準2.1で、「保全プログラムを通じた、既存の自然生態系の特定・保護・回復(農園内において農業に適さない区域の森林再生を含む)の義務」が、基準2.2では、「農園内の管理・生産活動の結果としての生態系の破壊・改変行為の禁止」が義務付けられています。 また基準2.3では、「国立公園、野生生物生息地、緩衝地帯、その他生物学上の保全区域内にマイナスの影響を与える可能性のある場所おける、生産区域の設置の禁止」を定め、農園が保護区域に影響を及ぼすことを禁じています。

さらに、RA認証の特徴として森林農法(アグロフォレストリー)を行うことを下記のとおり義務付けています。

基準2.8 元々森林植生だった区域に立地する森林農産品を扱う農園は、プランテーション内に均一に分散するような恒常的な森林農業システムを確立・維持しなければならない。このような森林農業システムは以下の諸要件を満たさなければならない。

  • 開墾地の林地は、1ha当たり平均で最低でも12種の在来種で構成する。
  • 林冠は最低でも2階層で構成する。
  • 開墾地の樹木の植被率は最低でも40%とする。

また、原則3では野生生物保全について定めており、以下のような基準があります。

  • 基準3.1 農園内で確認された野生生物およびその生息地のインベントリー作成と維持。
  • 基準3.2 農園内に生息する、または回遊や渡りの時期に農園を通過する野生生物の生息地となっている生態系の保全と回復義務。特に絶滅危惧種については保全のための特別な措置をとる。
  • 基準3.3 農園内での野生動物の狩猟の禁止。ただし、文化集団・民族集団による一定の管理のもとでの指定区域内での狩猟採集は認める。

このほか、絶滅危惧種の捕獲禁止や外来野生生物の農園内への持ち込み禁止が定められています。

社会面に関する要件

RA認証では特に地域社会との関係や、労働者の権利・安全の確保について詳細な基準が定められています。

コミュニティとの関係について定めた原則7には以下のような基準があり、地域住民の権利の保証、参加の仕組みづくりと地域の発展のための協働を義務付けています。

  • 基準7.1 地域コミュニティにとって社会・文化・生物・環境・宗教上重要な区域及び活動に対する尊重義務、こうした区域や活動に影響を及ぼすことの禁止
  • 基準7.2 地元住民の生活や地元の自然資源にマイナスの影響を与える可能性のある農園活動ないしは変更に関して、地元住民・コミュニティの利益を特定・考慮・協議するための指針と手続きを実施する義務
  • 基準7.3 地元住民の雇用と訓練を優先する指針と手続き、また、地元製品・サービスの利用・契約のための指針と手続きの策定義務
  • 基準7.4 コミュニティの自然資源の保護・保全への貢献義務、地域経済発展に向けた協働義務、コミュニティインフラや共有資源の利用に際しての公正なコスト負担義務

社会面における合法性の確保については、労働者の公正な処遇と良好な労働環境について定めている原則5の基準5.1において、「労働法規及び国際条約の遵守を謳った社会指針の策定義務(管理者及び労働者の権利義務、特に労働の各側面、生活条件、基本的サービス、職務上の健康と安全、訓練の機会、コミュニティとの関係等について定める)、従業員に対する周知義務」を定めています。

また、基準5.17において、「農園に居住する学齢期児童の教育へのアクセス保障義務」を定めていることもRA認証の特徴です。プランテーションなどの大規模農園においてはしばしば児童労働の問題と併せて広大な農園内に居住している子どもたちの教育へのアクセスが困難であるという問題があるため、子どもの教育へのアクセス保証は社会的に重要な要件となっています。

連絡先

RA-Cert(RA監査・認証課:RA-Cert Auditing and Certification division)
665 Broadway, Suite 500, New York, NY 10012 USA
TEL: +1-212-677-1900
Email: racert@ra.org
URL: www.rainforest-alliance.org/

レインフォレスト・アライアンス日本市場代表
堀内千恵子
電話:090-2732-7875
Email: choriuchi@ra.org
URL: www.rainforest-alliance.org/ja

(2013年3月)

注釈

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