自然環境・生物多様性

平成25年度第2回自然再生専門家会議議事概要

日時

平成26年1月20日(月)13:00~15:30

場所

中央合同庁舎5号館22階 環境省第1会議室

出席者

委員
池谷 奉文 公益財団法人日本生態系協会会長
大和田 紘一 東京大学名誉教授
近藤 健雄 日本大学理工学部海洋建築工学科教授
進士 五十八 日本農業大学名誉教授
鈴木 和夫 独立行政法人森林総合研究所理事長
辻本 哲郎 名古屋大学大学院工学研究科教授
広田 純一 岩手大学農学部共生環境課程教授
吉田 正人 筑波大学大学院人間総合科学研究科世界遺産専攻教授
鷲谷 いづみ 東京大学大学院農学生命科学研究科教授
和田 恵次 奈良女子大学研究院自然科学系教授
関係省庁
環境省、農林水産省、国土交通省、文部科学省から関係課長等出席

議事

会議は公開で行われた。(一般傍聴者6名)

議題1 自然再生事業の推進に向けた取組状況について

 環境省より、資料2により、自然再生協議会の設立状況等について説明。

議題2 自然再生基本方針の見直しについて

 環境省より、資料3を用いて自然再生基本方針の見直しスケジュール、資料4、5、6を用いて自然再生基本方針の見直し内容についての説明を行った。
 委員からの主な質問及び意見は以下のとおり。

  • 自然再生基本方針に内容を追加するだけではなく、自然再生の全体像の分かりやすいものとしていく必要がある。
  • 被災地域全体の地域再生と自然再生を重ねて推進していくことも重要なことであり、それを進めるためには、各省の連携が重要である。
  • 「小さな自然再生」について、「小さな」という言葉は多義的であるため、どのようなものかを示す的確な説明が必要となる。
  • 小さな自然再生は、自然再生の意義を全国民に納得してもらうことに繋がる重要なものであり、特に都市部での意義が大きいと思う。
  • 自然環境の保全・再生活動に興味を持っている地域が、自然再生活動に取り組めるようにするためには、情報提供が重要である。また、自然環境に係る情報収集にあたっては、地域住民も含めた参加型プログラムを取り入れることも重要である。
  • 「美しい」景観について、「美しい」という価値観は人により異なるものであり、定義付けが必要となると思う。
  • 「自然環境の生み出す美しい景観の形成」や「情緒豊かな心を育む自然再生」の推進は重要なことである。一方で、耕作者や人口の減少により、農地等が荒廃している箇所も多く、将来どのようにしていくのかを検討することが重要である。
  • 自然再生基本方針においては、はるか遠方の生態系も共生圏として扱う「自然共生圏」よりも、「流域圏」という言葉の方が適していると思う。
  • 環境アセスメントで、環境保全措置を取った後の追跡調査も重要なことである。
  • 各省における法律や計画において、生物多様性や生態系の保全・再生が重要であるということが内容として入れられているかを確認し、検討していくことも重要なことである。
  • 農村の自然再生は、農林水産省との関係が非常に強いものである。事業制度を洗い出し、必要なものがあれば自然再生基本方針に追加すること等検討されたい。また、里地里山の自然環境の価値を高める必要があり、これに向けて検討されたい。
  • 自然再生の取組による自然環境の変化について、生態系の観点、広域的な観点からみて、どのようになっているのかを外部から見ることも重要である。
  • 「災害に強い」持続可能な社会」とあるが、「強い」というのは、コンクリートで固めて強固であるなど、ストロングの意味合いが強く、自然再生とは馴染まない言葉かもしれない。
  • 大規模農地以外の棚田等について、生産量の面から不良農地と扱われると困るため、環境農地等新しい打ち出し方や言葉が必要となってきているのかもしれない。
  • 生態系サービスがなければ人間は生きていけないし、経済・社会も成り立たないものであるため、自然再生基本方針でも生態系サービスの重要性を示すことが重要である。

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