自然環境・生物多様性

第3回「国立公園における協働型運営体制のあり方検討会」議事要旨

日時

3月15日(木)9:30-11:30

場所

新宿御苑 インフォメーションセンター レクチャールーム

議事

  1. (1)国立公園における協働型運営体制のあり方検討会―中間取りまとめ
    • ・国立公園における協働型運営体制のあり方検討会―中間取りまとめ(案)
    • ・国立公園における総合型協議会の参考事例
    • ・ケーススタディー調査の概要
  2. (2)その他

資料

資料1-1:
国立公園における協働型運営体制のあり方検討会―中間取りまとめ(案)
資料2-1:
尾瀬国立公園協議会
資料2-2:
環白山保護利用管理協会
資料3:
ケーススタディー調査の概要
参考資料1:
国立公園における協働型運営体制のあり方検討会設置要綱
参考資料2:
第2回国立公園における協働型運営体制のあり方検討会議事要旨
参考資料3:
地域主権改革における国立公園に係る議論の経緯

環境省挨拶

議題:国立公園における協働型運営体制のあり方検討会中間取りまとめについて

委員:
  • 今日は国立公園における協働型運営体制のあり方検討会の3回目ということで、中間取りまとめをしたいということのようですので、そこについてしっかり議論をしていただきたい。
  • 本日は、中間取りまとめを議論いただくわけだが、まず、実際の地域で活動されている事例や今年度のモデル調査の中で行われているケーススタディーを説明していただき、それらを参考にして、中間取りまとめの議論に戻りたいと思う。
    すべての資料の説明をした後、検討に移ってまいりたい。
  • それでは、資料1から順にご説明をしてください。

(事務局等:資料1、資料2-1、資料2-2、資料3、参考資料3について説明)

委員:
  • ひととおり、説明を受けたので、質疑応答、議論に入る。まず、尾瀬、白山の事例について質疑、次いで、ケーススタディー調査についての質疑、その後、最終的な中間の取りまとめ、これが今年度のアウトプットであるので、表現等も含めてご議論いただきたい。
  • では、尾瀬国立公園協議会と環白山保護利用管理協会に関しまして、質疑をお願いする。
委員:
  • 協議会や協会の総会等が年何回ぐらいあって、それから、実際にそれをやることをお膳立てするような協議の場である、幹事会とか理事会等が何回ぐらい開かれているのか。
  • それから、世界遺産地域では科学委員会と言われる第三者の専門家の委員会が常設されていて、いろいろな助言を与える形になっているが、そういう形を今後の課題として考えているか、もしくはそういう方針があるか。
  • それから、行政、具体的には環境省や県などと別に、地元に協議の調整を行うような団体があると思うが、例えば、尾瀬だったら尾瀬保護財団であるし、白山の場合は協会自体。それらの人員の問題、それから財政の問題が大きいと思う。これは国立公園の例ではないが地元NPOが事務局をやっている例もある。国有林の綾のプロジェクトの場合、事務局を担うNPOというのは、ほか事業もやっており、特に指定管理者制度で地元の地方自治体の施設の管理を引き受け、お金や人員を確保し、それを「綾プロジェクト」に使っている。尾瀬や白山では、お金や人員の確保手段をどのようにやっているのか。
関東地方環境事務所:
  • まず、尾瀬について、総会に当たるものが、尾瀬国立公園協議会自体であり、これを年に2回程度行っている。準備会に当たるものは特にないが、例えば快適利用の小委員会とか、生態系の小委員会とか、そういった場で話し合いをして、その結果を協議会に上げているものがある。
  • また、科学委員会のような助言をする機関はないが、協議会や小委員会等に学識経験者等に入っていただき、意見をもらっている。また、協議会にも学識経験者が入っている。
委員:
  • 小委員会には、専門家だけじゃなくて、いろんな利害関係者も入っているのか。
関東地方環境事務所:
  • 利害関係者も入っている。
  • 財政に関しては、尾瀬保護財団は協議会以外にもビジターセンターの管理業務や維持管理業務、調査の業務などを受託している。その他、ファンクラブ(友の会)みたいなのがあって寄附を募っている。
中部地方環境事務所:
  • 環白山協会は、総会を年1回やることになっている。理事会をその下に置いており、こちらは年4回を目指しているが、大体3回ぐらいやっている。
  • 科学委員会については、今の状態ではそのような形は考えていない。白山は、白山自然保護センターが石川県の立場で入っている。その面では学術的なサポートは得られており、皆、自然保護センターには一目置いている。
  • 資金の獲得をどうするかだが、国立公園の直轄施設については、指定管理の仕組みはないので、NPOが環境省の施設を指定管理でやるという状況にはない。一方で、都道府県が管理している施設については、条例で指定管理をおこなっているが、それも結局は県が地元の村に指定管理するだけで、NPOに任せているような状態ではなかったので、協会の会員であるNPOが直接、施設の管理を請け負うというところにまではまだ至っていない。
委員:
  • 科学委員会は世界遺産では、はっきりした形であるが、そういう形をとっていくほうがいいか、というようなところもある。
  • 指定管理に関しても、こういう協議会という独立した組織が、指定管理制度みたいなものを受託する仕組みをつくれるのかどうかという話もある。
委員:
  • 二つの協議会を並べて聞いたが、かなり性格の違う協議会だと思った。それぞれにお聞きしたいのは、まず協議会そのものの役割と権限。ここで協議したことが決定して、それから執行するというような機関になっているのか、そういった役割を担っているのかということ。
  • あと、活動の内容だが、白山は、情報共有という役割が強いと思う。一方で尾瀬は、事業をどう進めるかということが議論の中心なのかと思うが、現在の状況を教えていただきたい。
  • また、白山にはいろいろな活動が書かれているが、協会としての活動なのか、それとも参加している諸機関のやっていることなのか、教えていただきたい。
関東地方環境事務所:
  • 尾瀬の活動では、「尾瀬ビジョン」というのがあり、ビジョンに対して自分たちがどういう活動をしているか報告する場となっている。
  • 決定する事項だが、それぞれ個別の課題に関する小委員会で議論した結果を報告して、協議会で協議し、合意を得るというような、形になっている。
中部地方環境事務所:
  • 環白山協会だが、物事を決める場にはなっていない。ただ、何かを進めるときに合意形成をしてからというのが必要なので、例えば施設を整備する際にも現地の検討会で協会としての意見を言うことはあるが、この協会で決まったから、そのとおりに動くということではない。
  • 事業の実施については、総会で年度の活動計画を承認するので、総会で決まったことに沿って、それぞれ担当を決めて事業をやるという仕組みをとっている。例えば受託した生態系維持回復事業や外来植物駆除は会員のうち誰が担当するとか、というような進め方をしている。
委員:
  • 尾瀬と白山を比べて見ると、白山の会員名簿には、多種多様な団体が入っている。尾瀬の協議会の委員を見ると、白山のような比較的小さな地元の保護団体のようなものが入っていない。それはなぜか。
    あと、名前ですが、尾瀬の場合は尾瀬国立公園ですが、白山の場合は環白山ということで、白山国立公園保護利用管理協会ではない。何か議論があって、国立公園という言葉を使わず環白山なのか。
関東地方環境事務所:
  • 尾瀬では、なぜ小さい団体まで入っていないかということについては把握していない。実際の状況としては、団体の代表の方に出ていただいている。
事務局:
  • 尾瀬について、この協議会の前身として「尾瀬ビジョン」の委員会があり、その際は、現在のメンバーよりも広めに声かけし、NPO法人の方等に入っていただいて、「尾瀬ビジョン」をつくった。協議会は「尾瀬ビジョン」で整理した課題の検討、あるいは具体的な取組の進捗状況の把握が役割なので、その具体的な取り組みをやっている方々に、まず主体として入っていただくという形で整理したと思う。
中部地方環境事務所:
  • 環白山協会に、なぜ細かい団体が入っているかだが、ここは想像もあるが、この協会を立ち上げようという動きを始めたときに、レンジャーが多分みんな入れたほうがいいと思ったからではないかと思う。
  • 白山国立公園の名称を使っていないことについては、4県にまたがっているため、観光関係の人も環白山エリアというような言い方をしている。環白山は、白山国立公園の中で活動している人だけでなく、五箇山とか白川郷などの公園の外、山麓も含めた団体になっている。その意味で、あえて、「国立公園」と言っていないという部分もあると思う。
委員:
  • 次にケーススタディー調査に関してはいかがですか。これも興味深い内容でしたけれども。
委員:
  • 方向性として見えたのが、協働型の運営体制を考えるときに、第1段階として情報共有の場をつくることが必要で、その後の協働は、次のステップとしてやっていく、この2段階構造が必要ということ。そういう理解でよろしいのか。
事務局:
  • そのとおり。志摩は少し違うが、箱根や妙高では、皆さんが、連絡調整の意向を持っている。だから、少なくとも情報共有の場は持てる。目標の共有については、最初からそれをやると、関係者を集めづらいと思う。
委員:
  • 都市型、あるいは地方都市型と大きな観光地型を比較した時、協働のあり方というところに違いはあるか、差があるとしたらどんなところか。
事務局:
  • そういう立地ではなく、歴史の違いみたいなのがあると思う。例えば箱根は、年間2,000万人の観光客があって、江戸時代から続く観光地。そういうところは、周辺の資源の恩恵を当たり前と思っている。他の地域では、私たちのところにはいい自然があって、ということから始まる。
  • 利用が落ち込んでいるので何とかしなければと思っていれば、むしろ協働型を進めるチャンス。そういうことから求心力は得られると思う。
委員:
  • 箱根地域では都市計画の用途地域と、それから国立公園の規制というのをうまく合わせてやっている。箱根以外のところで、箱根のような取り組みが検討されたり、土地利用規制と国立公園の規制を組み合わせるようなことが考えられているのかどうか。
  • 市町村の総合計画とか、緑のマスタープランとか、地域的にダブっているのがいろいろある。いろんな分野の関係者を集めて協議して計画すれば、事実上、この地域について見ると、ある意味で総合計画ができる。そういう事実上のリンクみたいなのができていないのか。
事務局:
  • 地元市町村の各種計画とのリンクですが、例えば箱根の場合には、前回の国立公園計画の見直しの際に、そういう話が強くでて、一緒になって計画をつくった。ただ、箱根みたいに都市計画と公園計画とを連携させているような取組は、他ではあまり聞かない。
委員:
  • この三つのケースも、環境省が利用のビジョンを提示していないので、乗っていきにくいところがあると思う。保護もそうだが、利用に関しても全国的な土地の性格というか、その立地の特性に応じて、そこで展開すべきことを環境省がしっかりコントロールすべきだと思う。だから、土屋先生が言っておられる話もよくわかるが、国立公園とそれ以外のところと、ちょっとケースが違ってくるかなと思う。
  • では、本題に入ります。今年度のアウトプットである中間取りまとめ、これについてご議論したい。先ほど事務局に、公開方法を尋ねたところ、ホームページに掲載されるとともに、公開の報告書に掲載されるということであった。これから地域主権の議論の中でも参照される可能性もあるので、しっかり議論をして、意見を伝え、まとめていただくという形にしたい。
委員:
  • 全体としての意見だが、方向性は、環境省が進めてきた方向を集大成しようとしているものなのでよろしいと思う。ただ、やっぱりこういうときに三位一体改革がひっかかる。これは私の意見そのもので、この中に反映させろとか、そういう話ではない。
  • 総合型協議会の役割が書かれているが、私も総合型協議会が必要だという意味では賛成だが、やっぱり強調すべきなのは、個別の課題ができたときに、それに対応した協議会をつくって議論していくというのは非常にわかりやすい議論だと思うが、そうするとビジョンというものがどうしても出てこない。やっぱり公園を管理するに当たっては、何をそこの公園でやるのかということをいろんな関係者が議論して決めるということがまず一番に来なくちゃいけないという、非常に基本的な話になってくる。
  • もう一つは、個別課題対応型は、これはどう考えても後追いになる。そうすると、先取り的にいろんな問題の芽を事前に摘んで、対処していくようなことや、新しいこれからの方向性を考えていくというのはどうしてもできない。そうなると、やはり、まず総合型の協議会というのを何らかの形でつくって、その中で、もしくはワーキングのような形や小委員会の形をつくって個別課題について検討していくことが、必要だと思う。
  • この総合型協議会の必要性として、その辺をもう少し強調していただきたいというのが1つ目の意見。
  • 協議会の役割のとして、ビジョンもしくは総合計画というものをつくるのが一つの大きな役割になると思うが、そのときに、3つの階層があると思う。
  • 一つは、自然公園法に基づいて環境省がきちんと管轄している部分について。いろんな関係者の方々の意見を聞いて、方針を決めるという部分。要するに環境省がいいと言えばすぐ決まっちゃうようなところ。
  • 二つ目は、国立公園の管理も含めた中で、地域をどうやって経営していくのかという計画について協議。ここでは、恐らく取りまとめとして環境省が出てくることが多いだろう。
  • それと、今回も出ていたが、公園の外側の圏域の中での将来構想のようなもの。これについては、ある意味で言うと全く権限も何もないわけで、環境省はあくまでもその取りまとめ役として参画するというような形になると思う。
  • イギリスなんかの場合も、明らかに土地利用計画等の自分の権限が及んでいるところについての計画、いわゆるディベロップメントプランと、地域の中での個別プランの経営計画、それから地域振興をどうやっていくかという話のマネジメントプランというのは明らかに分けている。
  • この3層にわたってそれぞれ計画が必要で、そうすると、それはきちんと分けておくべきではないかとおいのが2つ目の意見。
  • 3つ目の意見は、さっき質問したところに関連している。科学委員会などの何らかの形で、いわゆるステークホルダーとは別の第三者の専門家を、ある意味でずっとそこに縛りつけておくというか、サポーターにしてしまうということが非常に重要だと思う。
  • 私も赤谷にはサポーターとして、ある意味縛りつけられているが、そういうような関係を無理やりつくって、そこの中で常にいろんな助言をもらったり、また、自主的な調査も含めたようなモニタリングをしてもらう、というような環境をつくっていくことが必要。
  • これらの意見を入れていただきたい。
委員:
  • 公園の内外は何かちょっとあり方が違うのではかという話が出たが、そのディベロップメントプランとマネジメントプランのイメージというのはどう関係するのか。
委員:
  • イギリスの場合だと、土地利用計画の計画策定権限で、都市計画法上の用途地域的なものも指定できるので、その権限と、それから個々の開発規制の許可権限を持っている。また、それらの計画とそれ以外のいろんな振興計画というのを分けている。日本の国立公園では、前者のほうは非常に弱いわけだが、保護計画、いわゆる規制計画はあるわけだし、自分の予算でできる施設計画、要するに事業計画もある。環境省として保護のための規制と利用のための事業はできるので、その部分とそれ以外の部分というのを分けるべきだし、それは参加する皆さんにも周知すべきことではないかという意見です。
事務局:
  • 1点目の問題を先取りして検討するという点については、協議会の役割に追記したい。・2点目は、環境省の権限の中の問題、国立公園の範囲の中でも環境省の権限の外の問題、国立公園の外の問題という3つのレベルの問題を、協議会では意識的に区別して議論する必要があるという御指摘かと思うが、こちらも役割のところに注意書きのような形で記載したい。・3番目の科学委員会のような第三者機関の設置については、今後の検討課題のところに記載したい。
委員:
  • 社会的な状況や地域の人口の問題など、協議会そのものが形骸化しているところもあるという中で、総合協議会をつくったとき、それもまた、あるからやっているというスタンスの協議会運営にならないようにするにはどうしたらよいか、ということが重い課題になると思っている。
  • 各地の協議会で、うまくいっていないところの話など聞くと、顔を合わせる機会が非常に少ないということと、顔を合わせても、そこで自分たちにとって楽しいことやメリットが出てくるのだろうか、つまり希望が持てないというところがある。日常的なところでの顔合わせ、先ほども、理事会とか事前の協議ってどのぐらいあるかというのが出ていましたが、その仕組みが非常に大事だなと思った。その辺が、この協議会そのものの目的に位置づけられていくと、地域の皆さんが、やる意味があるな、と思えるものになるという気がする。
事務局:
  • 私の経験からも、年1回程度、情報交換の会議を行うというものだと形骸化することが多いと感じている。逆に、会議で決めたことが実際に動くというようなことを見せられると、少し大変でも、関係者が積極的に議論に参加してくれることが多いように思われる。協議会を形骸化しないための工夫について、検討課題に追記したい。
委員:
  • また質問だが、協議会をつくったときには予算的な措置がされるのでしょうか。
事務局:
  • 協働型運営体制の構築に向けた予算は今年度もついており、各地区で協議会の準備や立ちあげに利用している。今後も、要望していくつもりだが、経常的な予算を認めてもらうのは難しい。協議会の立ちあげから数年間は環境省の予算で支援するが、長期的には、他の機関からの支援や、事業実施等による自主財源の確保等も検討していくことが必要と考えている。また、運営にあまりコストがかからないような工夫も必要かと思うので、先生方の助言をいただきながらそのあたりも来年度は検討していきたい。
下村座長:
  • 参考資料3の6ページの、地域主権の関係で環境省が提出した資料には、今後の進め方のところに「法制化」と書いてある。これはかなり踏み込んだ書き方をされていると思う。今回の中間取りまとめには、「法制化」という言葉を記載しなくて齟齬は生じないのか。
事務局:
  • 「中間取りまとめ」の検討課題に「協議会の提案事項の実現を担保するための措置」と記載しており、ここで、参考資料3の「法制化その他必要な措置を検討」を入れたつもりであるが、来年度の本検討会での提案を受けて法や政令の改正等が必要であれば行うつもりであるので、その趣旨が分かるような書きぶりを検討し、座長と御相談したい。
下村座長:
  • それと、私が気になったのは、先ほども言ったように環境省の影があまり見えない。だから、先程、土屋委員が言ったこととも関連しますが、その距離の置き方というのは非常に難しいと思うが、もう少し明確にできないか。
事務局:
  • 環境省としても、国立公園の管理責任は環境省が持っており、協議会の中でも、きちんと環境省の立場というのを踏まえた議論になるようにしていく必要があると考えている。どこまでが国かということは中間取りまとめの中には書いていないが、地方環境事務所長がきちんと協議会に参加をして、環境省の立場を表明して議論をリードしていくということを明確にできるよう修正したいい。
委員:
  • 今後の検討課題のところに大分入れ込み過ぎていて、このニュアンスがあまりないので、ふわっとした感じになっている。だから、多少なりとも意気込みを入れたほうがいいのかなと思う。
事務局:
  • 御趣旨を踏まえ、検討させていただきたい。
下村座長:
  • 今、整理するのは、なかなか難しいとは思うが、役割とか、それから構成あたりのところで入れることを検討してほしい。
  • また、さっき海津委員からあった話は、協議会、理事会などの実際に議論する場、それから実行する事務局の3層の構造について。また、さっき白山のほうで会員が多いというのは、一つは会費を取っているためではないか。自主財源を入れようとすると、協議会のメンバーを広げておいて、実質的に議論するところでぐっと絞る。自主財源みたいなものをどう確保するかという話にもなる。協議会に利害関係者どう関与してくれているか、交通関係でいうと交通事業者が明らかに受益者。そういったものの組み込み方だとか、具体的にイメージしていくと、自主財源の確保の仕方なんかも出てくるのかなと思う。また、各層ごとの役割分担があると思うし、さっきの2段階論の話を層構造にも活用することもあると思う。連絡調整とか、意思決定などの大きな議論の場、意思決定の素材をつくっていく場、実行部隊のような場というのが議論の2段階論にもうまく組み込めると、形は整うと思う。
  • そういうことを課題の下から二つ目、事務局というのが入っている部分に、工夫して入れていいただけるといいと思う。
委員:
  • 資料1の協議会の構成、3ポツ目ですが、今後、国立公園を考えるときには必要なのは利用のほうなので、観光関係者・団体というのを、特記すべきだと思う。これは、経済団体に入っていると思うが、経済団体だと農協だとか森林組合とか商工会も含まれるので、それとは別にステークホルダーとして観光の方々を意識的に、入れるべきだというのが1点。
  • 2点目は来年度どうやるかという話。これは要望だが、海外の調査をやられる場合、イタリアとかフランスが出ているが、全般的な調査ではなく、各国、1つの公園に対象を絞り、調査を徹底的にやっていただけるといいと思う。今の情報レベルでは厳しい。・もう一つは、この委員会だけでなく、協働型の管理運営推進にかかわる事業を他の会議や全国の国立公園でやられたりしているものもあると思う。それらの成果を来年度の一番初めの委員会のときに、レビューしていただけると全体がわかると思う。提言以来、何らかの形で事業を実施しておられるわけで、それらの蓄積を踏まえて、議論できたらいいと思う。
事務局:
  • 協議会の構成に観光協会という文言を例示できるよう修正し、座長と書きぶりを相談させていただきたい。
  • あと、来年度の調査・検討についての御意見についてであるが、まず海外調査については、調査を計画する段階から土屋先生の助言もいただいて、組み立てをしたい。
  • また、各地の事例について、来年の第1回の検討会までに資料をそろえてご紹介できるように準備をしたい。
委員:
  • もう一つ、協議会の構成について、公園のユーザーが入っていない。地元の方と、公園関係者・関係団体ということにとどまっているので、協議会の対象の範囲と合わせて、利用側からの参加も検討してほしい。
事務局:
  • 「国立公園の保護と利用の知見を有する有識者」ということで、入れたつもりではあるが、趣旨が明確になるようもう少し表現を工夫したい。
中部地方環境事務所:
  • 背景のところの三つ目のポツで、尾瀬と白山について、「国立公園の管理方針を総合的に検討するための機関が設置されている」と紹介をされているが、この文言がもし総合型協議会の先取りをしているというイメージで語られているのであれば、実態と違うかなという印象を私は受けている。この場でいう「協議会」とは、行政機関を中心にある程度の意思決定をするということを想像されていると思うが、環白山協会は、そこまではなっていなくて、一ステークホルダーとしては加わるだろうという感じを持っている。先ほどご紹介したように協会が法人化を目指しているというのは、将来、公園管理団体の指定を受けることも予定していたということもあって、法人化すると行政機関は抜ける。そうなると、管理方針を総合的に検討する場として、別途、総合型協議会というのは必要になってくると思う。より広く地方の関係者が協働する場があるとよいので。
事務局:
  • 白山は削除する方向で検討させていただく。
委員:
  • それでは、予定の時間が過ぎたので、本日の議事を終了したい。追加のご意見は、事務局に連絡いただきたい。ご欠席の先生方にも、至急ご意見をいただき、それらのご意見を踏まえて、中間取りまとめをしていただくようお願いしたい

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