すぐに使える自然体験プログラム 
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プログラムを楽しむために
このプログラムは、小学生前後の子どもたちと楽しめるものを紹介しています。実施する際には、対象とする子どもたちの学年やフィールドなど、それぞれの状況に応じてアレンジして実施してください。また、前半部分には、自然の中で活動するに当たっての様々な注意点を掲載しています。
フィールドへ出かけたときの最低限のマナーや危険回避の考え方、下見や本番中のポイントなどをチェックしてください。
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アクティビティの事例紹介
自然体験アクティビティの指導法
(1)自然体験を一緒に楽しむために
(2)活動前の注意点
(3)ふりかえりの重要性
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アクティビティの事例紹介
 自然体験プログラムを実施する際に、参考になるアクティビティを紹介します。プログラムの流れは、おおまかに「導入」→「展開」→「まとめ」 の3つのアクティビティによって構成されています。
 ここでは、この3つの要素のアクティビティを、おおまかに分類して紹介します。なお「展開」で紹介したアクティビティには、「導入」「まとめ」の部分も含まれ、それだけで一つのプログラムになっている事例も多数あります。  
 ここでは、自然を感じたり、感じた自然を表現したりするのに役立つアクティビティをキープ協会からご提供いただき紹介しています。財団法人キープ協会での環境教育アクティビティをご紹介するにあたって 以下が、各段階のアクティビティの特徴です。

1.導入
アイスブレイク(自分自身やグループの緊張をときほぐす)、体や頭をときほぐすウォーミングアップ、目的の共有化、参加者同士・参加者と指導者の間に信頼関係を築く、など、アイスブレイク系のアクティビティが最初に紹介されています。続いて、ふだんはあまり意識しない、五感をとぎすますのに役立つアクティビティが紹介されています。 心と体の緊張を解きほぐし、五感を鋭くしたところで、いよいよ「展開」に進みます。

2.展開
プログラムの本体と言える部分です。自然と遊んだり、調べたり、感じたり、表現したり、みんなで身体を動かしてみたり、様々なアクティビティがあります。プログラムを考える際には、目的を踏まえながら、まずはこの部分で何をやるのかを選んでみて、それに合わせて「導入」と「まとめ」のアクティビティを選んで、プログラムを考えてみてください。

3.まとめ
プログラムの中で、一番大切な部分とも言えます。やってみて、「楽しかった」というのは大切なことですが、今日体験したプログラムが、生徒の自然への興味や理解にどう結びついたのかを見極める必要があります。
何か変化があったのか。どんな変化があったのか。あまり効果がないとすれば、何がまずかったのか。「まとめ」をきっちりと行うことで、次回のプログラムの展開に向けた様々な示唆が得られるはずです。


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自然体験アクティビティの指導法

(1)自然体験を一緒に楽しむために

●危険予知と自己回避
自然体験活動は、野外活動という性格上、自然から得る感動も大きいとともに、様々な危険をはらんでいます。 安全対策は、『危ない』からと子どもの行動を制御するよりも、あらかじめ危険を予測して、危険をなくす、あるいは緩和する方向で考えましょう。同時に、万が一の対策を講じ、スタッフとの打ち合わせを徹底しましょう。
子どもに対しても、どこに危険が潜んでいるかを伝え、自己回避の考え方を伝えましょう。

●フィールドマナーを守ろう
自然体験の実施は、少なからず自然環境にインパクトを与えてしまいます。良い自然体験を持続的に実施できるように、正しい自然とのつきあい方を伝えることも大切です。
・ゴミを捨てない (フィールドにゴミが落ちていたら拾って帰ろう!)
・生きものをむやみに傷つけない
・立ち入り禁止の場所に入らない

★危険な動植物とその対処★
*ヘビ *
!ヘビに噛まれたら、とにかく病院へ!
予防法:ヘビに危害を加えないこと。(ヘビは本来臆病な生きものです) 薮や木の穴、石の陰などに安易に手足を入れないこと。
*ハチ*
!ハチに刺されたら、幹部を水で洗い、抗ヒスタミン軟膏を塗る!
予防法:ハチの姿や巣を見たら近づかない。ハチが近づいてきたら動かない。
※過去にハチに刺されていると、身体がハチ毒に過剰反応します。致命傷になる可能性もあるので、子どもの被害経験を知っておきましょう。
*ダニ*
!手当てに慣れていない場合は、無理に除去せず病院へ!
予防法:肌の露出を少なくすること。薮の中にむやみに入らない。
※首筋や頭は帽子やバンダナで保護すると良い かぶれる植物 (ウルシ、ハゼノキ、ヌルデ、ギンナン)
予防法:肌の露出を少なくすること。種類を覚えて、近づかない。
※植物のかぶれは、季節差や個人差があるので、子どもの体質を理解しておきましょう。

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(2)活動前の注意点

●下見の方法
アクティビティを実施するためには、事前の下見が不可欠です。当日のフィールドはアクティビティを行える条件を満たしているか、危険はないか、危険を回避するにはどのような対策を取れば良いか…。
下見を十分に行うことで、事前準備や当日のアクティビティの充実度が違います。

●服装について
長そで、長ズボン、帽子を忘れずに!
(肌の露出を防ぐことで、大半の危険から身を守ることができます)

●下見の方法
□アクティビティを行う場所の自然の確認(雑木林、広場、動植物、静けさなど)
□コースの確認(集合場所、アクティビティ実施場所、(トイレ)休憩場所、解散場所)
□危険個所の確認(交通事故、危険な動植物、迷いそうな道、崖 など)
□トイレの場所確認(便器の数、トイレットペーパーの有無)
□タイムテーブルとの照合(子どもの歩行速度を予想して、アクティビティにかかる時間を読む)
□現地への行き方(使用する交通手段、必要経費、道順、危険個所)
□雨天時の対応(決行・延期・中止・途中で降ってきたときの逃げ場所)
□救急時の対応(救急病院の連絡先、行き方、連絡手段<公衆電話の場所・携帯の有無>)
□フィールド使用の手続き(管理事務所などへの申請、他団体、他行事とのバッティングを確認)

●チャンスを逃さない
自分の伝えたいことだけを重視するのでなく、思いがけない自然現象や子どもの発見を大切にしましょう。

●一緒になって楽しむ
指導者自身が楽しんでいないと、子どもへの言葉が表面的になってしまいます。 自然の中で子どもと一緒に楽しむことを忘れないようにしましょう。

●説明は短く
長い話は、子どもの集中力を奪います。結論を先に話して、説明を補足していきましょう。 ルール解説は要点をまとめて話しましょう。


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(3)振り返りの重要性

ふりかえりでは、以下のステップを踏むことが大切です。
思い出す → 表現する → 分かちあう
・思い出す作業では、子どもに思い出す時間を充分に与えること。 子どもが自然体験の時を思い出せる言葉がけを意識してください。
・表現する作業では、子どもの気づきを否定しないこと。 一人ひとりの良さを強調してあげることを大切にしてあげてください。
そして、わかちあいの段階では、ひとりの子どもの気づきを、 全員の共通認識として広げられる言葉を返してあげましょう。


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