モデルプログラムのご紹介

ガイドや体験プログラムの中にハイパーソニック・サウンド体験を取り入れてみませんか?

ねらい・目的
  • 普段意識していない自然の「音」を観察し、新しい音を発見したり、音による生き物探しを楽しむ。
  • 五感を使って自然を体験し、目だけで見る自然の姿との違いや人間が知覚できない自然の姿に気づく。
  • 音をテーマに、自然と人の文化の関わりについて考えたり、感じたりする。
  • 生物多様性によるめぐみとして、自然の音、ハイパーソニック・サウンドを楽しむ。
プログラムの概要
時間
日没後、2時間程度
人数
1班15人程度×数班
季節
春~秋(虫が鳴く時期)
場所
野外(虫)&室内(音楽)
①導入
  • ハイパーソニック・サウンドの説明を簡単に。
  • 自然の音と民族楽器の音の共通点について説明をしておく。
②虫の鳴き声観察
  • 日が暮れて鳴き始める虫の鳴き声を観察。
  • 虫が出す聴こえない音(超高周波音)を感じてみる。
③民族音楽の体験
  • 琵琶や尺八、ガムランなどの民族音楽や舞踊を鑑賞。
  • 演奏体験などを通して、音の響き(振動)を感じてみる。
④ふりかえり
  • 二つの体験を振り返り、どのように感じたか、どのような気持ちになったかを振り返ったり発表したりする。
プログラム①  導入
必要なもの
  • 説明資料(PDFファイル、3.5MB)
    →説明資料をパネルにしておくと、場所を選ばず説明できる。
  • 熱帯雨林等の自然環境音と、都会の音(道路の騒音など) のCD
    →CDにはハイパーソニック・サウンドは含まれないが、
    自然環境音とはどんなものかを説明しやすくするために使用する。
進め方
  1. プログラムのスケジュール(流れ)を説明。
  2. 説明の前に、熱帯雨林等の自然環境音のCDを再生し、現在人間が住んでいる都会の音よりも、
    自然の中の音の方が好きな音である、という不思議から、音に関心を持ってもらう。
  3. ハイパーソニック・サウンドについて、パネル又は配布資料等を用いて説明する。
  • 自然の中の音に気をつけてみよう(虫、鳥の声等)。
  • 聴こえない音(超高周波音)でコミュニケーションする生物がいる(コウモリ、昆虫等)。
  • 民族楽器には、複雑なゆらぎを生み出すものがある。
  • ハイパーソニックサウンドの説明(たくさんの生き物が生息している生物多様性があふれる自然環境に
    ハイパーソニック・サウンドは多く存在しており、それが人間の脳の機能にさまざまなポジティブな効果を
    もたらすという科学的発見)
プログラム② 虫の鳴き声観察
必要なもの
  • その日に出そうな虫の鳴き声チェック表(例 PDFファイル、33KB)
  • バットディテクター(コウモリの声を探す道具)
  • 懐中電灯、虫よけ、雨具など(参加者各自)
バットディテクター
バットディテクター(例)
進め方
  • 自然の中の音(虫の声)に気をつけてみよう。
    →暗い中でじっと耳を澄ます。五感をフルに使って、目には見えない自然に気づく。
  • 聴こえない音も出している虫もいる。
    →人間の感覚を越えた、虫の世界でのコミュニケーションを感じてもらう。
    ※バットディテクター(コウモリの声を探す道具)を用いて、虫が出す超高周波音を探してみる。
  • 年齢によって聴こえない音がある(高い音が聴こえにくい等)ため、それぞれの参加者のフォローを心がける。
ハイパーソニック・サウンドを含む自然の音
  • 自然性の高い多様な植生を持つ森林の環境音
    (主な音源:昆虫類の鳴き声)
  • 波音、小川のせせらぎなどの水音
  • 自然と人間の居住が調和している里山の環境音(林、川、池、水田、畑、野原などに多様な昆虫が 生息しているから)など

超高周波音でコミュニケーションする昆虫について
コオロギ類、キリギリス類、バッタ類などのバッタ目とともに、
カメムシ目のセミ類の一部も含んでいると考えられている。

  • 具体例:バッタ、ナキイナゴ、キリギリス、ササキリ、ウスイロササキリ、マツムシ、スズムシ等
ポイント
多くの虫は、気温が15℃を下回ると鳴かなくなってしまいます。
他種多様な昆虫が活発に鳴く時期・時間帯である、初夏から秋、夕方から夜にかけての時間帯にプログラムを実施するとよいでしょう。
プログラム③ 民族音楽の体験
必要なもの
  • 民族楽器セット
  • 演奏できる人
進め方

「自然(虫)」と「音楽(楽器)」を生(ライブ)で楽しんでもらうことで、ネット動画やCDでは
得られない体験(ハイパーソニックサウンド等)を提供する。

  • 演奏者の自己紹介
  • 得意な曲を2~3曲程度演奏(癒やし系の穏やかな曲など)
  • 民族楽器の演奏体験(さわってみよう)
ハイパーソニック・サウンドを含む楽器や歌声の例
  • 日本の楽器の例
    琵琶、尺八、能管、三味線、琴など伝統的な和楽器の演奏音
  • 海外の楽器の例
    インドネシアバリ島の青銅打楽器アンサンブル・ガムラン、チェンバロなどの演奏音
  • 人間の歌声の例
    アフリカの狩猟採集民の合唱、モンゴルのホーミー、ブルガリア民族合唱 など
ポイント
各地域それぞれにある伝統的な民謡や舞踊、演劇などを取り入れると、地域のカラーが出て面白いですね。
プログラム④ ふりかえり
必要なもの
  • 特になし
進め方
  • イベントに参加してみた感想を参加者に発表してもらい、何を感じたか振り返ってもらう。
    (気づいた、感じた、新たな発見があった、等)。
  • 熱帯雨林の自然環境音(CD)を突然止めると、寂しい雰囲気になる、という体験から、
    多様な生物が生み出す豊かな音の世界に親しみを感じてもらう。