長距離自然歩道を歩こう!

山口県地図

山口県内の中国自然歩道は、関門トンネル人道入口を起点に、長府城下町、豊田県立自然公園を経由して日本を代表するカルスト台地である秋吉台に至ります。秋吉台からは南北に分かれ、北(山陰)は毛利氏36万石の城下町萩市、長門峡県立自然公園を経て島根県へ続いています。南は、西の京山口と言われた県都山口市、中国山地、羅漢山県立自然公園を経て広島県へと通じる総延長402kmの道です。
靴1つ:ファミリーコース
靴2つ:一般コース
靴3つ:健脚コース

海峡と城下町を訪ねるみち

このコースは、山口県内ルートの出発点である関門トンネル人道入口から、長府城下町、住吉神社を通り、深坂自然公園へ至るコースです。
〈距離〉 22.2km 
〈所要時間〉往路5時間40分、復路5時間40分 
〈難易度〉1靴1つ
〈区間〉関門トンネル人道入口 ~ みもすそ川公園 ~ 下関市立美術館 ~ 関見台公園 ~ 長府城下町(壇具川、功山寺、長府博物館、長府毛利邸) ~ 住吉神社(国宝) ~ 新下関駅 ~ 下関市園芸センター ~ 深坂自然公園
〈見どころ〉関門海峡・みもすそ川公園・火の山(瀬戸内海国立公園内)、長府城下町(功山寺仏殿(国宝))、住吉神社(国宝)、下関市園芸センター

関門海峡、みもすそ川公園、火の山(瀬戸内海国立公園内)
源平最後の戦いである壇ノ浦の合戦や、幕末には下関戦争の舞台となった関門海峡は、瀬戸内海と東シナ海とを結ぶ重要な航路として多くの船舶が往来しており、季節、場所、時刻により刻々と変化する風景は見飽きることがありません。また、関門海峡を見下ろす火の山はつつじ、桜の名所としても有名で、展望台からは響灘、周防灘を一望することができます。

長府城下町
長府城下町には鎌倉末期の嘉暦2年(1327年)創建といわれる曹洞宗の古刹、功山寺仏殿(国宝)や長府毛利藩5万石の城下町時代の土塀や長屋門などが残っており、風雪に耐えてきた歳月の重みを感じることができます。

住吉神社(国宝)
神功皇后にゆかりのある古い神社で、現在の社殿は応永3年(1370年)に建築されたものです。室町初期の神社建築としての様式をもち本殿は国宝に指定されています。

下関市園芸センター
緑と新鮮な空気に満ちた憩いの場、自然に親しみながら豊かな情操を培う教育の場として下関市が設置したもので、中には、温室、モデル花壇・池・果樹園などがあり、四季折々の花の香りと色彩が楽しめます。

竜王山と温泉を訪ねるみち

このコースは、下関市吉見の東側に位置する竜王山を中心に下関水道水源地、内日ダムを通り、川棚温泉に至るコースです。

〈距離〉 17.3km 
〈所要時間〉往路5時間35分、復路5時間15分 
〈難易度〉3靴3つ
〈区間〉深坂自然公園 ~ 竜王山 ~ 下関水道水源地 ~ 内日ダム ~ 石畑峠 ~ 国清山自然公園 ~ 妙青寺 ~ 川棚温泉
〈見どころ〉深坂自然公園(深坂溜池、森の家下関)、竜王山、国清山自然公園、妙青寺、川棚温泉
深坂自然公園:農業用水用に造られた深坂溜池(平成22年ため池百選に選定)には白鳥をはじめ多くの水鳥が集まり、春には多くの花見客が訪れます。周辺の森にはスギ、ヒノキ、モミジ、ヤマモモなどが植えられ、四季折々の自然を満喫することができます。また、「森の家下関」があり、研修会や講演会などさまざまなイベントを行う場として広く利用されているほか、芝生広場,野鳥観察のできる林間歩道、森の中のキャンプ場など、自然に親しむ場所が多くあります。

竜王山
竜王山(標高614m)は、下関市吉見と内日の間に位置する裾野の広がった美しい山で、小鳥の飛び交う雑木や蔦かずらに覆われ登山道を登ると、山頂からは響灘、北九州、関門海峡、遠くは瀬戸内海を見渡すことができます。また、山頂から赤田代に至る歩道周辺は、暖帯林特有の林相を楽しむことができます。

国清山自然公園、妙青寺、川棚温泉
国清山自然公園は、川棚温泉・妙青寺のすぐ裏手にある公園で、川棚温泉と日本海(響灘)を一望することができます。麓の妙青寺は、応永2年(1416年)に創建されたもので、行基作と伝えられる観世音菩薩像、雪舟作と言われる庭園、種田山頭火の句碑が残されています。川棚温泉は、約800年の歴史を持つ山口県を代表する温泉で、古くから下関・北九州の奥座敷として親しまれ、海の幸、山の幸に恵まれた静かで旅情豊かな温泉郷です。

伝説と霊山を訪ねるみち

このコースは、川棚温泉から川棚のクスの森、狗留孫山の中腹、華山を経てほたるの里下関市豊田町に至るコースです。

〈距離〉 26.2km 
〈所要時間〉往路7時間35分、復路7時間35分 
〈難易度〉3靴3つ (川棚温泉~小野小町の墓は1靴1つ
〈区間〉川棚温泉 ~ 川棚のクスの森 ~ 虚無僧墓 ~ 小野小町の墓 ~ 狗留孫山 ~ 仲哀天皇殯葬所 ~ 華山 ~ 岩屋観音 ~ 神上寺 ~ 近松門左衛門生誕の地 ~ 西市
〈見どころ〉川棚のクスの森(国天然記念物)、狗留孫山(国名勝)/ 修繕寺・華山/神上寺(いずれも豊田県立自然公園内)、ゲンジボタル群生地(国天然記念物)

川棚のクスの森(国天然記念物):
川棚のクスの森は、樹齢およそ千余年もある1本のクスノキの巨木で、樹幹の周囲は約11m、樹の高さが21m、樹枝の最長が27mもあり、遠くから見ると森のように見えることから「クスの森」と呼ばれています。また、木の根元に大内義隆公の愛馬を葬ったことに由来して「霊馬の森」とも呼ばれています。

狗留孫山(国名勝)、華山
狗留孫山(標高616m)と華山(標高713m)は、いずれも昔から長門の国の霊山として崇められ、山頂からの景色は雄大で、両山を結ぶ稜線沿いの歩道からも雄大な景観が楽しめます。また、狗留孫山の八合目には、大同2年(807年)に弘法大師により創建されたと伝えられ、西国の霊場として名高い修繕寺、華山の2合目には高野山真言宗の古刹で慶雲元年(704年)に徳仙上人が役小角とともに山岳霊場として開山したといわれる神上寺があり、雪舟作といわれる庭があります。

ゲンジボタル群生地(国天然記念物):
木屋川一帯のゲンジボタルは、古くから豊浦蛍と呼ばれ、夏の風物詩として知られています。毎年、ホタルが見ごろを迎える時期に「日本初のホタル舟」が運航されます。ゆったりとした竿さばきで進む船上からは、幾千もの光の乱舞を見ることができます。

湖と渓流を訪ねるみち

このコースは、豊田湖を中心とし、国名勝石柱渓、別府弁天池を通り、美祢市秋芳町嘉万市に至るコースです。

〈距離〉 25.6km 
〈所要時間〉往路6時間25分、復路6時間40分 
〈難易度〉2靴2つ (豊田湖~石柱渓、別府弁天池~嘉万市は1靴1つ
〈区間〉西市 ~ 木屋川ダム ~ 豊田湖 ~ 豊田湖畔公園 ~ 安徳天皇御陵墓 ~ 石柱渓 ~ おしどり観音 ~美祢市於福 ~ 別府弁天池・厳島神社の巨樹群 ~ 壬生神社 ~ 嘉万市
〈見どころ〉豊田湖・豊田湖畔公園(豊田県立自然公園内)、石柱渓(国名勝・天然記念物)、別府弁天池、厳島神社の巨樹群

豊田湖、豊田湖畔公園(豊田県立自然公園内)
豊田湖は、治水及び利水を目的に昭和30年に完成した木屋川ダムによってできた人造湖で、水鳥や小鳥が群れ遊び、冬はワカサギ釣りの人々で賑わいます。また、湖畔の豊田湖畔公園には、県西部の自然公園を紹介する豊田湖畔公園ビジターセンターを核として、テントサイトのほかオートキャンプ場やケビン、遊具などが整備されており、年間を通じて家族で楽しむことができます。

石柱渓(国名勝・天然記念物)
高島北海画伯によって世に紹介された渓谷で、四十八滝と呼ばれる多くの滝と深い淵とが連続し、渓流の両岸と河床が柱状節理を示す石柱となっています。渓谷沿いには、アカガシ、アラカシ、ハイノキなどがうっそうとしげり、シダやその他の植物も豊富です。

別府弁天池、厳島神社の巨樹群
透き通った水がコバルトブルーをしている神秘的な池で、池底からカルスト地形特有の湧き水がこんこんと湧き出しており、名水百選に選ばれています。近くには湧水を利用した鱒の養殖場があり、釣り堀で釣りを楽しむこともできます。また、隣接する厳島神社には多くの種類の巨木があります。

カルスト台地を訪ねるみち

このコースは、広大なカルスト台地「秋吉台」を中心とするコースです。山口県内ルートは、秋吉台の長者ヶ森から山陽ルート(山口方面)、山陰ルート(萩方面)に別れ、広島県・島根県へと続きます。

〈距離〉 (1)20.1km、(2)18.9km 
〈所要時間〉(1)往路5時間45分、復路5時間35分(山陽ルート)、(2)往路5時間25分、復路5時間10分(山陰ルート) 〈難易度〉2靴2つ
〈区間〉
(1)嘉万市 ~ 青景八幡宮 ~ 長者ヶ森 ~ 大正洞 ~ 秋吉台エコ・ミュージアム ~ 秋吉台サファリランド ~ 銭屋のハゼの木 ~ 二反田カキツバタ群落 ~ルート11.城下町と歴史を訪ねるみちへ
(2)嘉万市 ~ 青景八幡宮 ~ 長者ヶ森 ~ 金麗社・諸隊本陣跡 ~ 美祢市美東町秋谷 ~ 男滝・女滝 ~ 美祢市美東町薬王寺 ~ルート6.西の京「山口」を訪ねるみちへ

〈見どころ〉秋吉台・秋芳洞(秋吉台国定公園内、国特別天然記念物)、秋吉台エコ・ミュージアム

秋吉台・秋芳洞(秋吉台国定公園内、国特別天然記念物)
日本代表するカルスト台地秋吉台は、ネザサ、ススキ、ハギを中心とした見渡す限りの草原に羊の群れを思わせるような大小様々な石灰岩が並び、ドリーネと呼ばれる窪地が散在しています。この台地は3億年もの年月をかけた自然の造形であり、秋吉台八景と呼ばれるように四季折々で様々な表情を見せてくれます。また、台地の地下には、雨水により石灰岩台地が浸食を受けて、秋芳洞をはじめとした約450の鍾乳洞が造られており地下水系は平成17年にラムサール条約湿地に登録されました。

秋吉台エコ・ミュージアム
秋吉台の自然を理解し親しんでいただくために、平成12年にオープンしたビジターセンターです。ここでは、秋吉台を3つのフィールド(台麗、洞内、台上)に分け、わかりやすく説明する展示の他、大型スクリーンを備えたハイビジョンルームにより、秋吉台の自然への理解を一層深めることができます。
〈備考〉このルートには距離6.2kmの支線(区間:長者ヶ森 ~ 妙見原 ~ 秋吉台家族旅行村 ~ 龍護峰、所要時間:往路1時間50分、復路1時間35分)があります。

西の京「山口」を訪ねるみち

このコースは、美祢市美東町薬王寺から東鳳翩山を経由し、室町時代に大内氏の本拠となり、「西の京」といわれた山口市に至るコースです。山口市には、大内時代の遺構、幕末の遺構が多く残されています。

〈距離〉 21.2km 
〈所要時間〉往路6時間55分、復路6時間45分 
〈難易度〉3靴3つ
〈区間〉薬王寺 ~ 東鳳翩山 ~ 21世紀の森 ~ 萩往還 ~ 一の坂ダム ~ 香山公園・瑠璃光寺五重塔(国宝) ~ 洞春寺 ~ 山口県庁
〈見どころ〉東鳳翩山、金鶏の滝、萩往還(国史跡)、香山公園(瑠璃光寺五重塔、香山墓所)、洞春寺(山門・観音堂は国重要文化財)

東鳳翩山
東鳳翩山(標734.2m)山頂からの眺望はすばらしく、山口市内はもちろん、秋吉台のカルスト台地や遠く瀬戸内海、日本海まで、360度見渡すことができ、年間を通じて多くの利用者が訪れています。山麓には金鶏の滝、雄滝(落差60m)・雌滝(同15m)があります。
萩往還(国史跡):萩往還は、萩から山口市を通って防府市に至る全行程53?の街道です。1604年(慶長9年)に萩に城がつくられあと、参勤交代のときなどに藩主が通る街道として整備されました。山陰と山陽をむすぶ重要な交通路ともなり、明治維新の頃には、多くの志士たちが往来しました。

香山公園(瑠璃光寺五重塔、香山墓所)
公園内にある国宝瑠璃光寺五重塔は、室町時代、嘉吉2年(1442年)頃の建立で、屋外にある五重塔としては日本で10番目に古く、ゆるやかな反りとしっとりとした量感を感じさせる檜皮葺の五重の屋根は、その比類なき美しさで知られ、京都の醍醐寺・奈良の法隆寺のものとならび日本三名塔の一つに数えられることもあります。また、公園内には幕末の長州藩主、毛利敬親公など毛利家の墓所である香山墓地、薩長同盟の密議を行った沈流亭、幕末の茶室、露山堂などが残されています。
洞春寺(山門・観音堂は国重要文化財):香山公園に隣接する洞春寺の山門及び境内にある観音堂はいずれも室町時代の建築で国重要文化財に指定されています。

身近な里山を訪ねるみち

このコースは、山口県庁から一の坂川、常栄寺庭園、KDDI山口衛星通信センターを経て、仁保川沿いの身近な里山を辿るコースです。

〈距離〉 25.8km 
〈所要時間〉往路6時間45分、復路6時間45分 
〈難易度〉3靴3つ (旧県庁舎~嘉村磯多生家は2靴2つ
〈区間〉山口県旧県庁舎及び県会議事堂・藩庁門 ~ 一の坂川 ~ 野田神社・豊栄神社・今八幡宮 ~ 常栄寺・雪舟庭 ~ KDDI山口衛星通信センター ~ 舟山八幡宮 ~ 道の駅仁保の郷 ~ 嘉村磯多生家 ~ 愛鳥林
〈見どころ〉山口県旧県庁舎及び県会議事堂(国重要文化財)・藩庁門(県重要文化財)、一の坂川(ゲンジホタルの名所)、常栄寺・雪舟庭(国史跡名勝)、KDDI山口衛星通信センター

山口県旧県庁舎及び県会議事堂(国重要文化財)・藩庁門(県重要文化財)
旧県庁舎及び県会議事堂は、後に国会議事堂の設計スタッフとなった武田五一、大熊喜邦技師等が設計を担当し、大正5年に完成しました。近代的な建築様式と伝統的な和様式が融合した大正建築の粋を集めた貴重な建築物として、昭和59年に国の重要文化財に指定され、現在は県政資料館として公開されています。また、敷地内には、幕末、萩から山口に藩庁が移された際の藩庁門と堀が残っています。

一の坂川
室町時代、大内氏は一の坂川を京の鴨川に見立てて街割りをしたといわれています。ホタル護岸が整備され、春は桜、初夏はゲンジホタルの名所として多くの人が訪れます。

常栄寺・雪舟庭(国史跡名勝)
室町時代の中頃、山口を治めていた大内政弘が画僧雪舟に命じて築庭されたといわれる池泉回遊式庭園で、室町時代の枯山水庭園の典型的なものです。

KDDI山口衛星通信センター
KDDI山口衛星通信センターは、現在では日本で唯一の通信衛星基地で、衛星通信用パラボラアンテナとしては日本一の大きさである34mのパラボラアンテナを始め、大小 13 基ものパラボラアンテナが並んでおりその姿は圧巻です。

基本情報 - 中国自然歩道 -山口県

お問い合わせ先

山口県 環境生活部 自然保護課 自然共生推進班
〒753-8501 山口県山口市滝町1-1
電話:083-933-3060 ファックス:083-933-3069

地図情報のお問い合わせ先

山口県自然保護課
電話:083-933-3060
email:a15600@pref.yamaguchi.lg.jp
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※ 所要時間:平地1km約15分、山地1km約20~30分を目安にした歩行時間。
※ コースの難易度:靴のマークの数が多い程、難易度がアップします。
※ 歩行時間、難易度は天候・グループ構成によって異なります。無理のないペースで歩いてください。
※ ■ ⇒は、本ルートから分岐するバリエーションコースとして紹介しました。

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