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阿寒摩周国立公園(PC表示) 阿寒摩周国立公園(SP表示)

阿寒摩周国立公園 特徴

植物・動物・生態系

阿寒摩周国立公園における生態系の根幹を成すのは、広大な森と個性豊かな湖沼です。

雌阿寒岳、雄阿寒岳の山麓を覆う森は、トドマツ、エゾマツを主体とする針広混交林のほかアカエゾマツの見事な純林が見られます。また、摩周カルデラや西別岳の周辺では、ダケカンバの純林が見られるほか、硫黄山周辺では低標高であるにもかかわらずハイマツやイソツツジの大群落が広がる特異な景観を目にすることができます。阿寒の名をもつ植物としては、メアカンキンバイ・メアカンフスマ・アカンスゲなどがあります。このほか、特殊な植物としては、阿寒湖のマリモがあり国の特別天然記念物となっています。

アカエゾマツ
マリモ
イソツツジの大群生

阿寒の森には、エゾシカやヒグマ、キタキツネ、エゾタヌキ、エゾクロテンなどの哺乳類が生息しています。

鳥類では、針葉樹林を好むキクイタダキやヒガラといった小型種やクマゲラやアカゲラなどのキツツキ類がよく観察されるほか、各湖沼周辺には大型のアオサギや各種のカモ類などが生息しています。

魚類は、アメマス、ヒメマスなどが阿寒湖に生息しているほか、屈斜路湖やヒョウタン沼でも多くの魚類の生息が確認されています。しかし、ウチダザリガニや熱帯魚などの外来種による生態系への影響が懸念されています。

エゾシカ
クマゲラ
外来種のウチダザリガニ

地形・地質・景観

阿寒カルデラは、今から数十万~15万年前の火山活動で生まれました。初期にできた「古阿寒湖」が、約1万年前、雄阿寒岳の噴火活動によって分断され、現在の阿寒湖と、パンケトー、ペンケトーが誕生しました。

現在のカルデラは、雌阿寒岳(標高1,499m)をはじめ、雄阿寒岳(標高1,370m)、フップシ岳(標高1,225m)及び木禽岳(標高995m)などの火山に囲まれ、阿寒湖、パンケトー、ペンケトー、オンネトーなどの美しい湖沼と、その周囲に広がるエゾマツ・トドマツを主体とした亜寒帯性の針広混交林とが見事に調和し、雄大な北方的景観を呈しています。

阿寒カルデラ
オンネトー湯の滝
雄阿寒岳から望む阿寒湖

屈斜路カルデラは、約13~10万年前に起こった大噴火により、カルデラの原型ができあがったとみられています。その中に位置する我が国最大級のカルデラ湖である屈斜路湖(面積約80k㎡)、美幌峠や藻琴山(標高1,000m)などが連なる雄大な外輪山、山麓にはイソツツジの大群落を擁する硫黄山(アトサヌプリ、標高508m)など見所も多く、また、川湯温泉をはじめ、仁伏・砂湯・池の湯・和琴などの温泉群を有しています。

また、屈斜路湖の御神渡り現象・ダイヤモンドダスト・凍裂・樹氷・樹霜など極寒地特有の現象も観察できます。

硫黄山
御神渡り現象
屈斜路湖カルデラ

摩周カルデラは、約7,000年前の大噴火によって生まれ、中には世界有数の透明度を誇る摩周湖があります。摩周湖は流入、流出する河川のない湖で、カルデラ南東壁には壮絶な爆裂火口を見せる摩周岳(カムイヌプリ、標高857m)、さらに南東には高山植物の宝庫である西別岳(標高800m)があります。また、この湖は濃霧の発生の多いことでも知られており、濃紺の湖面とともに神秘的な趣を感じさせます。

また、本公園内では、各地に温泉が湧出し、阿寒湖畔のボッケ(泥火山)、仁伏近くのポンポン山(空洞現象)などの特異な現象がみられるほか、地熱現象地帯では北限のミンミンゼミが生息し(和琴半島)、コオロギの仲間が冬でも活動するなど、独特の生物分布や生態が観察できます。

摩周湖第一展望台から臨む摩周湖
ポンポン山

文化

北海道各地には先住民族であるアイヌ民族の集落があり、阿寒湖畔もその一つです。

阿寒湖温泉街の西側にあるアイヌコタンは、戸数約30戸と北海道では最大級のアイヌの人々の集落です。民芸店が建ち並ぶほか、阿寒湖アイヌシアター「イコロ」では、国の重要無形文化財に指定されているアイヌ古式舞踏や人形劇などを上演しています。

狩猟・採取・漁労の民であったアイヌの人々にとって、熊は人間のために肉や毛皮などを身にまとい、神の国から遊びに降りてきた位の高い「山の神」として崇められています。

その霊を神の国へと送り返す儀式が「イオマンテ」の儀式です。「イオマンテの火まつり」では、長老による着火式など、神聖な雰囲気の中、様々な踊りや伝統の儀式を見ることができます。現在、アイヌ文化を体験してもらおうと、阿寒湖アイヌシアター「イコロ」では、イオマンテの火まつり公演が4月下旬~11月下旬に開催されています。

アイヌの伝統儀式
「イオマンテ」の火まつり

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