環境省自然環境・生物多様性南極地域の環境保護南極地域観測隊同行日記

オーロラが見られました

2013年2月24日(日)

 昨日、ついにオーロラが見られました。

 観測隊には超高層物理学の研究をしている隊員がいますので、どんな条件が揃えばオーロラが出やすいか、どの地域にいるときにオーロラが出やすいか等の情報が提供されていました。

 本日は快晴だったこともあり、私自身もそろそろオーロラが見られるのではないかと期待していたところでした。そして、21時頃オーロラが出たとの艦内放送が入りました。

 初めてオーロラを見たのですが、最初は雲がでているだけのように見え、どこにオーロラが出ているのかもはっきりとわかりませんでした。写真を撮影すると緑色の帯のように写されたものが見え、そこで初めて肉眼でも認識できました。54次観測隊で初めてのオーロラを、たくさんの隊員達が甲板に出て撮影していました。

 その後、わずかな時間ですが空一面に広がり、肉眼でもはっきりと見られる程にまで大きくなりました。オーロラは様々な書籍で紹介されているとおり、大きなスケールで、静寂のなかゆらゆらと動いていました。とてもきれいなもので、世界各地でオーロラにまつわる伝承が残るのもわかるような気がしました。

オーロラ写真拡大

 オーロラが発生するためには地磁気活動が活発になること、太陽活動が活発になることが必須です。そのうえでオーロラを観察するためには、雲が出ていないという条件も必要となります。

 オーロラ発生のメカニズムですが、太陽活動が活発になると太陽から放出された電気を帯びた粒子であるプラズマ粒子が地球の磁気圏の中に入り込み、大気中の窒素や酸素と衝突し、それぞれの元素特有の色を発生させます。

 色や形はオーロラ粒子の種類や発生場所、オーロラを見る場所によって変わります。例えば、高度が200km以上であれば酸素原子により赤色が、100~200kmでは酸素原子により緑、100km以下では窒素分子によりピンク色等が発生するようです。観察場所から遠くにカーテン状に見えるオーロラも真上でオーロラが発生すれば放射状に見られるようです。

 オーロラの研究はレーダーや人工衛星などの活用により、地上観測と組み合わせた総合的な研究が行われていますが、まだまだ未解明な部分も多いようです。昭和基地はオーロラ帯とよばれるオーロラがよく見られる地域に位置しており、オーロラの研究に適した場所にあるということです。

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