環境省自然環境・生物多様性南極地域の環境保護南極地域観測隊同行日記

しらせが通る経路

2012年12月11日(火)

 しらせは12月6日に南緯60度を通過し、現在は南緯60度を少し南に下ったところを西に航海中です。しらせの航路は下記のサイトで確認してみてください。
 進め、しらせ(リンク:国立極地研究所)

 南緯60度以南は南極条約の適用範囲であり、同時に日本の「南極地域の環境の保護に関する法律」の適用範囲にあたります。12月5日、南緯60度の手前まで来ていたしらせの中で、観測隊には
「明日から南極環境保護法の適用範囲に入ります。」
と伝えました。環境省から観測隊に同行し、南極環境保護法の遵守状況を確認する立場として、明日から新しい仕事が始まるのだな…と気が引き締まりました。

 さて、「進め、しらせ」を見て、なぜ、昭和基地に向かって最短ルートを通らず、まっすぐ南下してから西に向きを変える必要があるのだろう、と思った方がいるかもしれません。それは、観測隊としらせが協力して実施している海洋の調査があるからです。

海洋調査の様子写真拡大

 観測隊の仕事は南極地域と言われる南緯60度以南に入ってからだけではありません。南緯60度を越える前から、海洋の調査を実施しています。毎年同じ東経110度線沿いを同じ時期に航行する。そして船が通った場所の様々な海洋のデータを集めていく。そうすることで海の状況の変化が見えてくる。現しらせの2代前の南極観測船「ふじ」のころから地道に調査を続けているようです。

 毎年同じ航路を通っていく。息の長い調査を微力ながらお手伝いし、歴代の観測隊、環境省の先輩たちと同じ風景をみているのかな、と思うと感慨深いですね。

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