コケの群生
2011年1月23日(日)
コケの調査隊に同行して1月22日から1泊2日で「とっつき岬」という場所へ行きました。
この「とっつき岬」というのは、昭和基地が南極大陸より4kmほど離れた東オングル島にあるため、雪上車に乗って大陸部に移動する際、この場所から上陸することから、「とっつき」の名前がついています。他の場所は大陸から流れてきた氷河が崩れ落ちる断崖ばかりで、この場所が昭和基地から大陸に「とっつく」最寄の場所なのです。
「岬」と言っても、周囲は大陸からの氷床と海氷に囲まれ、ほんの少しの露岩があるだけの小さな「島」のような場所です。私たちは風雪から身を守るため、置いてあった大型雪上車の風下にテントを張り拠点としました。
この周辺にあまり露岩がないせいか、この周辺にいるトウゾクカモメがこの岬の露岩がある一番高い場所で羽を休めていて、岬の端では巣も作っていました。このため、一番高い場所には多くの糞の跡があり、この糞が雪解け水で四方に流れ出して、雪鳥沢同様に、流れの筋沿いに糞などを養分とするコケや地衣類などが大量に生育していました。残雪などの条件がそろった場所では、まるでブロッコリーのようにコケが生長していました。
非常に小さな場所でしたが、動物と植物が非常に密接に関係していることがよく解る場所でした。