環境省自然環境・生物多様性南極地域の環境保護南極地域観測隊同行日記

第1回クリーンアップ作戦

2011年1月15日(土)

 昭和基地には50年以上の歴史があります。初期の頃は、今の新「しらせ」とは比べ物にならないほど小さい船で日本から南極に来て、越冬に必要な物資を運び込んでいました。その後こつこつと観測に必要な建物などが整備され、しだいに基地は大きくなっていきました。しかし、南極という厳しい環境のために建物や機械が壊れたりすることが多く、そういった壊れた建物や機械は、他の使い道があるかも知れないということで、そのまま基地の周辺に置かれてきました。

清掃活動写真拡大

 しかし、1980年代から世界的に南極の環境が問題視されるようになり、1998年には「環境保護に関する南極条約議定書」が発効されたため、ゴミなどは南極に持ち込んだ国が自分の国に持ち帰らねばならないことになりました。

集めたごみの計量写真拡大

 昭和基地には、これまでの40年近くにわたり溜め込んできた、壊れた建物や機械などの使われないまま放置されている物が多く溜っています。これらを日本に持ち帰るため、毎年、クリーンアップ作戦という清掃活動が、観測隊の「環境保全係」を中心に、「しらせ」の乗員にも手伝ってもらいながら行われています。この活動で集められたゴミなどを含め、毎年数百トンものゴミが日本に持ち帰られています。それでも、40年もの間溜め込んだゴミは簡単には全部持ち帰ることはできません。

 地面に凍りついた鉄骨などがあり、撤去はなかなか大変な作業です。それでも、少しずつ撤去されて、きれいな昭和基地になること期待してしまいます。

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