環境省自然環境・生物多様性南極地域の環境保護南極地域観測隊同行日記

夜中の氷上輸送

2011年1月8日(土)

車列を組んで行く雪上車写真拡大

 昭和基地で生活するために必要となる物や、今シーズンに造る予定の建築物などの資材を合わせると、およそ1,200トンにもなります。これらの物資のうち、各活動の初期段階において必要なものはヘリコプターで運ばれましたが、ヘリコプターで運べる荷物には、大きさや重さの制限がどうしてもあるので、大きな荷物や重いもの、活動の初期段階に必要でないものは「しらせ」からそりに乗せられ、雪上車に牽引されて昭和基地に運び込まれます。

しらせからの荷物の積みこみ写真拡大

 この雪上車による輸送は夜中に行われます。南極といっても、特に天気のいい日の日中は雪も解け始めるため、そりが滑りにくくなって引くのが大変になりますし、また、もし雪の下の海氷が一部解けてできるパドルと呼ばれる水溜りのようなものの上に乗ってしまい、そこの氷が割れてでもしたら、雪上車ごと海の中に沈んでしまう危険性もあります。このため、安全性とそりの運びやすさを考えて夜中に輸送されているのです。
 このように、夜中に働く人達の努力もあって昭和基地の生活は成り立っています。

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