環境省自然環境・生物多様性南極地域の環境保護南極地域観測隊同行日記

ペンギンの視線

2011年1月7日(金)

袋浦のルッカリーの調査写真拡大

 1月5日から7日まで、ペンギンを調査している隊に同行してラングホブデの袋浦というキャンプ地に行ってきました。ここのキャンプ地は、アデリーペンギンのルッカリー(繁殖地)がすぐ近くにあるため、調査隊が寝泊りしている小屋(冷凍庫を改造したもの)の前をたまにペンギンが歩いていたりします。

アデリーペンギンの親子写真拡大
ペンギンの雛を狙うトウゾクカモメ写真拡大

 6日に近くの水くぐり浦というルッカリーへ行った際、ルッカリーから少し離れた海氷上に一本のまっすぐな道のように海氷が開いた場所があり、そこにアデリーペンギンが集まっていました。餌を取るために集団で割れ目に飛び込んでは数分後に飛び出てくるという行動を何度も繰り返していました。周辺に大きな割れ目が無い中での数少ない漁場のようで、何組かの集団が同じように漁をしていました。

漁に出たアデリーペンギン写真拡大
背中に着けられた小型カメラ写真拡大

 この漁ですが、氷の下にもぐったペンギンが、どのように泳ぎまわって餌をとっているのか今まで解っていませんでした。そこで今回の観測隊の調査では、この海氷の下にもぐったペンギンが一体どのような行動を取っているのかを調べるため、ペンギンの背中に超小型カメラを着けて水中のペンギンの動きを撮影するという活動を行っています。私が滞在している間にも、水中で餌を取っているペンギンの様子がしっかりと写ったデータが回収されていました。こういったデータの解析により、今までわからなかったペンギンの行動と海氷との関係などが少しずつ解ってくるようです。
 小型カメラの装着と回収の様子を確認しましたが、カメラを装着していたペンギンも、ルッカリーに戻すと比較的すぐに落ち着いていることが確認できました。

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