環境省自然環境・生物多様性南極地域の環境保護南極地域観測隊同行日記

今年初のブリザード

2011年1月4日(火)

ブリザード(初期段階)写真拡大

 風速20m/秒を越す強風が続いたため、1月3日の午後に「外出注意令」というものが発令されました。昭和基地では、いろいろな建物が点在しているのですが、外出注意令が発令されたため、どうしても必要な場合で、管理棟に無線で行き先などを事前連絡しないと、この建物間の移動もできなくなってしまいました。

ブリザード(強風時)写真拡大

 強風が吹き始めると、管理棟から見えていた建物が吹雪にかすんでほとんど見えないくらいになり、普段は聞こえてこない風の音が室内まで響いてくるほどになりました。
 しかし、その様な状況でも必要な作業は進められます。例えば、前日から始まった「しらせ」から昭和基地への燃料の輸送は続けて行われました。

燃料輸送の確認写真拡大

 外出注意令が解除された4日の午後、見晴らし岩という地点にあるオイルタンクから給油ポンプ沿いに、燃料の漏れなどの異常がないかを歩いて確認しました。外出禁止令は解除されたものの、途中、10m先の赤い旗ざおもはっきりと見られないような状況でした。しかし、万が一燃料が漏れた場合、越冬するのに必要な燃料がなくなる可能性があるだけでなく、重大な環境汚染にもなってしまいます。そのため、万が一燃料漏れなどの事故が起こった際に、早期に発見・対処するため、このような吹雪の中でも観測隊員としらせ乗員により定期的に見回りが行われています。

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