環境省自然環境・生物多様性南極地域の環境保護南極地域観測隊同行日記

初氷山視認(+自己紹介)

2010年12月6日(月)

 前回の日記を書いた後に「吠える南緯45度」を迎えたのですが、前日の低気圧と何か関係があるのか解りませんが、前日より波が落ち着いて比較的緩やかな揺れでした。それでも酔いが治らず苦しんでいる人はいました。同じ部屋の北海道の高校の先生もやはり揺れに苦しんでいたのですが、その経験を踏まえて「揺れない大地は偉い!」と賞賛し、まだ着かぬ南極大陸が待ち遠しい様子でした。

 昨日9時に無事南緯55度を過ぎたのですが、ふとあることに気がつきました。トイレの便座が暖かくなっているのです。この南緯55度は南極地域観測活動で「南極圏」として扱われる緯度なのです。船に乗ってちょうど1週間が経ち徐々に寒くなり、ついに寒冷地として扱われる地域に来たことを実感した瞬間でした。こんな些細なことでも南極に近づいていることを感じ、改めて気持ちを引き締め、準備を進めるきっかけになりました。

初氷山視認!!写真拡大

 小さいことと笑われそうなことですが、360度海に囲まれ代わり映えのない毎日を過ごしている人間にとっては重要なことなのです。例えば、今日初めて氷山が視認されたのですが、この視認される日時を当てるゲームをしらせ乗員と観測隊員全員で行われました。結果は、見事観測隊の方が9分というすごい僅差で一位となりました。

 このように、小さいことでもイベントにして、「日付」を気持ちに埋め込み、準備をすることを暗に意識させる、そんな創意工夫がされています。

 今更になりますが、自己紹介が抜けておりましたので、簡単に自己紹介させていただきます。
平成17年に環境省に自然系技官(通称:レンジャー)として入省し、1年目に「俺は南極へ行った」という先輩の話を伺い、「カッコいい!!」という99%憧れだけで希望業務に「南極」と記載した、秋本 周と申します。
 詳細につきましては、当HPにリンクされている報道発表資料を見ていただければと思います。

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