南極の自然と環境保護

環境保護議定書の主たる事項

南極地域を平和及び科学に貢献する自然保護地域として指定
環境に関する原則
南極地域における活動は、南極の環境及び生態系に対する著しい影響を回避し、又これらへの悪影響を限定するように計画及び実施すること、活動の計画及び実施は事前の環境影響評価を踏まえて行うこと、科学的調査を優先し、及び科学的調査を行う地域としての価値を保護するよう計画及び実施すること。
国際協力
南極環境の保護及び環境影響評価の実施のために環境保護議定書の締約国は協力すること。
鉱物資源活動の禁止
科学的調査を除き、鉱物資源に関するいかなる活動も行わないこと。
すべての活動の環境影響に対する事前の評価
環境影響評価を附属書Ⅰに定める手続きにより実施すること。
南極条約協議国会議に助言する環境保護委員会(Committee for Environmental Protection; CEP)の設置
環境保護議定書の遵守及び査察
環境保護議定書の遵守を確保するため、各締約国は法令の制定、行政措置などの適当な措置をとるとともに、南極条約協議国等が指名した監視員による査察を行い、その結果を南極条約協議国会議等で審議すること。
緊急時の対応
各締約国は、緊急事態に対する迅速かつ効果的な対応措置をとるとともに、南極の環境及び生態系に悪影響を及ぼすおそれのある事態に対応した緊急時計画を作成すること。
環境損害の責任に関する規則及び手続きの作成
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環境保護に関する南極条約議定書の附属書(I〜V)

附属書I:環境影響評価
南極地域における活動による環境への影響に関して事前に評価を行うことが規定されています。
附属書II:南極地域の動物相及び植物相の保存
南極地域原産または自然の移動によって季節的に同地域に生息・生育する動植物の保護及び非在来種等の持ち込みに関する制限について規定されています。
附属書III:廃棄物の処理及び廃棄物の管理
廃棄物の量を可能なかぎり削減することを原則として、南極地域から除去する物質(放射性物質、電池、有害な重金属を含む廃棄物など)、廃棄物の焼却、陸上処分、海洋での処分、保管等の方法、持ち込み禁止品(ポリ塩化ビフェニル、滅菌されていない土壌、ポリスチレン製の梱包用材料など)が規定され、廃棄物の管理計画や管理方法が定められています。
附属書IV:海洋汚染の防止
締約国の船舶及びこれを支援する船舶が南極地域で運航している際の、油又は油性混合物の海洋への排出、有害液体物質の排出、プラスチック製品等の廃棄物の海洋投棄による処分、汚水の排出の禁止が規定されています。
附属書V:地区の保護及び管理
南極特別保護地区、南極特別管理地区並びに史跡及び歴史的記念物に関する保護及び管理が規定されています。
南極特別保護地区:
環境上、科学上、歴史上、芸術上、または原生地域としての価値を有する地区、あるいは科学的調査の実施が計画、継続されている地区です。立入りに許可を必要とされています。
南極特別管理地区:
紛争回避、締約国間の協力推進、環境影響の削減を目的として指定される地区です。立入りに許可の必要はありません。
史跡及び歴史的記念物:
歴史上の価値があると認められる場所や記念物です。

「環境保護に関する南極条約議定書」の締約国(37カ国)

平成27年10月現在
英国英国 南アフリカ南アフリカ べルギーべルギー 日本日本
アメリカ合衆国アメリカ合衆国 ノルウェーノルウェー フランスフランス ニュージーランドニュージーランド
ロシアロシア ポーランドポーランド アルゼンチンアルゼンチン オーストラリアオーストラリア
チリチリ オランダオランダ ドイツ連邦共和国ドイツ連邦共和国 ブラジルブラジル
ブルガリアブルガリア ウルグアイウルグアイ イタリアイタリア ペルーペルー
スペインスペイン 中華人民共和国中華人民共和国 インドインド スウェーデンスウェーデン
フィンランドフィンランド 大韓民国大韓民国 ギリシャギリシャ エクアドルエクアドル
ウクライナウクライナ ルーマニアルーマニア カナダカナダ チェコ共和国チェコ共和国
ベラルーシベラルーシ モナコモナコ パキスタンパキスタン ベネズエラベネズエラ
ポルトガルポルトガル      

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