第1回「森里川海大好き!読本(仮称)《編集委員会 開催結果報告》

開催日時

  平成28年9月7日(水) 13:00~16:00

開催場所

  STANDARD会議室 虎ノ門SQUARE

出席委員

  養老孟司たけし委員長、 天野礼子委員、 内山たかし委員、 小林朋道委員、 竹内典之みちゆき委員、 田中まさる委員、 辻英之委員、 山本裕一委員

主な発言

 なぜ自然体験が子どもに必要か
  • 自然から離れれば離れるほど本来の子どもらしさ、人間らしさから離れていく。森の中で聴覚、視覚、嗅覚等をとおして受け取る刺激が免疫機能を高め、ストレスを解消することが科学的に証明されている。
  • 自然が教えてくれるのは、思いどおりにならないということ。上便な事や物をどう楽しむかや、上便を乗り越える工夫が、次の想像力につながっていく。

  •  子どもたちの現状 
  • 子どもはものすごく忙しいところに追いやられているが、お母さんたちから危機感が上がってきて、例えば子どもたちが自分の給食を作る事例も生まれてきている。私たちがこうした動きと連動していくと、子どもたちのところに何かいいものが届くように思う。
  • 学力重視からも自然体験などは短くして他の時間に充てる傾向にある。他にも予算が厳しくなったこと、あるいは保護者の行事に対する安全意識や経済的な負担の問題もあり、学校行事としての宿泊を伴う自然体験は減少傾向にある。

  •  自分で体験して感じたり気づくことが重要
  • 実際の体験は伝達上可能。それをどうするかが読本の一番クリティカルな部分。
  • 気付くことを伝えていく。これが大事と教えるよりも、主人公が気付いていく話の方が読みたくなるのではないか。
  • 読本を読んで、ちょっと行ってみようかとか、やってみようかとか、実際に行動につながる内容が良い。
  • 私たちが失いかけているのは想像力や感性。マイナス要因あがってもするっとうまくすり抜けて、楽しくやっていける女性ならではの感性も大事。男性ばかりのアイデアではいけない。
  • 小学生は男子も女子も観点は違うが自然体験がかなり好き。中学生は大人の前の段階で、部活動の先輩だとか、そういうところからも影響を受ける。
  • ずっと自然の中にいると、木や花の吊前を覚えることよりも、その木が燃えるか燃えないか、食べられるか食べられないかが大事になっていく。暮らしに結びつくのかどうかの感覚が増幅されていく。
  • 人との関わりでは社会脳を、一人で考える時は非社会脳を働かせる。生後2日目に働くのは社会脳。子どもに理科を教える難しさがそこにあり、最初に面白いものが良いのは社会脳から入るから。それをすっと自然対象に切り替わっていく所を「気付かせる《という方法でやろうとすることに良い答えが浮かばない。社会脳でうっかり理解されてしまうと、分かったようなところで終わってしまう。
  • 病気で小学校を1年間休んだ二人の友人がいて、友達と付き合えない間、自然と付き合っていた。二人ともそのことが人生で考えれば成果となっている。極端な話、1年間休むくらいでないと効果がないのではと感じる。
  • 子どもにも自然にある程度興味がある子と、自然や虫が嫌いという子がいる。後者にも何らかのきっかけになるものができると良い。

  •  子どもとつながっている世代を紡ぎ直す
  • 子どもと関わりながら気づくのは、先生の存在の重要性。先生予備軍の高校生もターゲットになる。高校生が取組の主役になりながら、小学生とつながって色々なことを展開するような、世代のつながりを紡ぎ直すようなことも必要。
  • 森里川海のつながりを授業に採り入れている高校や大学の学生に参画してもらい、それぞれの目線から意見をもらう方法もあるかもしれない。
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     学校教員や保護者向けに作る場合の観点
  • 大人に伝えるのが一番難しい。例えば、熊の臭いを感じなくなってしまっている人たちにそれをどう教えるのかは極めて難しい。
  • 脳の中で無生物と生物を理解する領域が違うというデータがあり、自然に触れなければ上活性の領域が出てくる。子どもの将来を考えたときに、自然と接した方が得だと説得する方法がある。
  • アメリカでは何年かかけて、森の幼稚園を出た人とそうでない人の収入を比べたら、前者のほうが高かった。まさにベンチャーの場合は発想や行動力が必要なので、そういう能力が育っている方が有利なのかもしれない。
  • 学校の先生方は忙しく、もう一つの仕事を新たに与えるのは非常に難しい。その辺も考慮し先生方が取り組める方法を提示して作り上げることが必要。

  •  読本の表現方法や媒体について
  • 小学生と中学生では違うし、小学生でも低学年・中学年・高学年で違う。違った文化や環境の中で生きている、彼らの目線で考えることも大事。
  • 学校への導入が進められているタブレットの活用も視野に入れる。ソフトを作ればどこでも見られて色々な表現ができるという利点がある。
  • 本にこだわらず、子どもだったら絶対に捨てないものを考えるべき。漫画が嫌いな子どもはおらず、活用すべき。こういったものを全国1,400万人の子どもに届けるべき。
  • 配ること自体が目的ではないが、本当に良いものができたらそれは広げるべき。森里川海の運動として全国基金を募るような形で、目的を明確にしたクラウドファンドを活用する方法もある。幅広に考える必要がある。(事務局)
  • 全国一律ではなく、地域で自分たちはこういうスタイルで伝えていくという、自由さがあったらいいと思う。
  • 成果物とその普及方法をセットで考えると、普及方法に応じて成果物もこういう形が良いのではといったアイデアが出てくる。
  • 子どもへの普及を考えたとき、子どもが当事者になって自分が関わっていくのだという意識をどう持ってもらうのか。子ども会議のようなものを展開する方法もある。子どもが参加するにはどんなテキストや資料が必要か。そういう観点があっても良い。
  • シラスウナギを水槽で子どもたちに見せると、その前を全然離れない。生き物が半年かかってここまでたどり着いた神秘性を感じるから。森里川海をつなぐ代表的な生き物に表に出てもらいながら、そこに関わる人々の活動、そんなことが表現できると良い。
  • 当日配布資料

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