環境省自然環境・生物多様性国立・国定公園の指定及び管理運営に関する検討会

第2回「指定に関する分科会」の概要


1.日時

平成19年1月30日
13:00〜16:10
新宿御苑インフォメーションセンター

2.出席委員

磯崎委員、海津委員、梶委員、熊谷委員、小泉委員、森田委員、森本委員、吉田委員

3.会議の概要

 それぞれの議題ごとに事務局より説明を行った後、質疑応答、議論を行った。委員からの意見とそれに対する事務局回答の概要は下記のとおりであった。

(1) 第1回指定分科会の議論を踏まえた提言骨子案

○ 名水百選に選定されるような湧水地が公園区域から外れている例があるが、景観資源としては重要。例えば、鳥海や八甲田では公園区域外に湧水地がある。それらは里地里山と並ぶ形で入りうる。区域から外れた飛び地をどのように整理していくのか。

○ 法目的の中に生物多様性を入れた方がよい。風景の評価は時代によって変わってきていて、生物多様性の概念を含むようになっていることは理解するが、一般向けにもう少しわかりやすい言葉に変えた方がよい。もし、法目的に入れられずに現在の言葉を残すのであれば、別に誰にでも分かるような説明が必要。例えば「風致」や「景観」の概念が見た目に関するものだけでなく幅広い要素を含み得ることや、「休養」という言葉の中には物見遊山的な観光だけではなくエコツーリズムも含まれるなど。

→(事務局)まずは解釈をはっきりさせる事に努めたい。

○ 最近、地質学ではジオパークがはやっており、古生代の大量絶滅を示す地質を見るようなジオツアーも増えてきている。知的好奇心が旺盛な人が増えているので、地球や自然のなりたちがみられるというような事も国立公園の評価に入れた方がよいのではないか。自然の見方や学術的価値は常に変化している。

○ 景観は静的にとらえられがちだが、野生動物は境界を越えて移動する。アメリカではイエローストーンなど複数の保護地域間を移動するグリズリーやエルクの保護のために広域的な計画を作っている。

○ 保護と利用という法目的は相矛盾するところもあるし、出来ること、出来ないことを明らかにし、公園の生態系管理をどうしていくのかきっちり打ち出すべきではないか。

○ 風致や教化などは古い言葉であるが意味が深い。むしろ言葉を残した上で現代版の解釈が必要。現代の人にわかるような説明をしないと、地域に受け入れられない。規制の意味も明確にし、その規制も地域のためになることを理解してもらわなくてはいけない。

○ エコツーリズムが盛り上がっており、ここ数年地域資源の再発見が進んでいる。価値の再評価の中で重要な部分が指定されるようにしてほしい。例えばレッドデータブック掲載種の多くが里地里山に生息・生息しており、利用の評価も上がっている。また、最近のエコツアーは行った先の自然をいかに学べるか、いかにその保全に貢献できるかに変わってきているので、逆に保全対象の価値を高めるような利用を考えていくことが必要。

○ 管理にも関わるが、利用の目的の中には温泉も含まれる。日本では自然度が高い地域でも温泉利用があり、温泉法の地域指定との調整などを図る必要がある。

○ 国立公園の名称については、長い方が多様な自然があることや広大さがイメージしやすくわかりやすいという考え方もある。また公園の正式名称は今のままでもよいが、例えば「カルデラの国立公園」のようにイメージしやすいキャッチコピーを別につけてもよいのではないか。公園のイメージをわかりやすく伝えるための努力があまりにも行われてきていない。

(2) 国立・国定公園の指定の見直しの進め方について

○ ケーススタディーの3地域はいずれも重要な地域であり、この地域を選んだ事は理解できる。自然度9・10を多く包含する広大な地域としては越後三山只見国定公園がある。ここから上信越まではイヌワシの分布上重要な地域であり、林野庁が森林生態系保護地域に設定する事を検討している。場合によっては尾瀬とあわせて考えてもよいのではないか。やんばるではジュゴンの生息する藻場等が少し南にあるが、そこも含めて考えた方がよい。照葉樹林帯に関しては、霧島から九州中央山地までを一つの独立した照葉樹林帯として保護すべき。自然度が高い広大な国定公園としては日高と越後三山只見があり、生物多様性保全上のデータの観点からは国定公園のままで良いのかどうか。

○ 人の五感の感じ方についてデータ化はできないように書いてあるが、ある程度データ化は可能ではないか。林野庁では森林の癒し機能のデータ化を研究している。美的雰囲気は国立公園の大きな役割でありどのようにデータ化していくかは大きな研究課題である。

○ 健康については最近は身体的・精神的・社会的な観点から考えられてきたが、「スピリチュアリティー」の視点(昔のインスピレーションに近いかもしれないが)をもう少し考えてもよい。

○ 里地里山に関して言えば、普通地域のあり方については考えるべき。特別地域のバッファーとしてだけでなく生態系管理を積極的にやるところ、自然の恵みを享受するところとして位置付けてもよいのではないか。

○ 資料3−4ケーススタディー地域の概要を整理するときは、これらの特徴のうちどの部分を既に指定していて、どこを変えたいかがわかるような形になっていたほうがよい。

○ 野生動植物のインベントリーやそれによるギャップ分析は評価の基本となる重要な視点である。国立公園でのインベントリー作成を行っていくべきである。

○ ケーススタディーにはないが、夕張には生物と地質が一体となって天然記念物となっている例がある。植物と地質の一体的評価などの新たな知見は重要であり、対外的な説得力も持つ。個々の要素に分解して評価するのではなくつながりが大事。そういう資料を集めてほしい。

○ 提言をまとめて公表する際には用語の解説も添付をする必要がある。

○ このまままとめると膨大になるので特に重要な論点を絞るべきではないか。

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