自然環境・生物多様性

猛禽類保護センター(愛称:鳥海イヌワシみらい館)

 猛禽類保護センターは、イヌワシをはじめとする希少猛禽類を対象に調査・研究、保護の推進、普及啓発の拠点として鳥海山南麓の山形県酒田市湯ノ台に設置しました。
併せて、猛禽類の生態やそれをとりまく自然環境の重要性などを理解していただけるように一般の観覧、利用ができる展示室、会議室などを設けています。
また、センターをより身近に活用していただくため、近隣小学校などへの出前講座の開催、マスコットキャラクター「ワッシーくん」の創出と共に、施設の愛称を「鳥海イヌワシみらい館」としました。

開館時間:午前9時から午後4時30分まで
休館日:・年末年始(12月29日から1月3日まで)・12月1日から3月31日までの火曜日・1月及び2月中の土・日曜日及び祝日・その他に設備の定期検査などのために 3ヶ月に1回程度臨時休館する日があります。なお、臨時休館する場合は、予めホームページなどでお知らせします
住所:山形県酒田市草津字湯ノ台71-1
電話:0234-64-4681
管理協力:山形県・酒田市

ホームページ

写真:猛禽類保護センター


写真:イヌワシ
イヌワシ

地域の特性

写真:イヌワシ
イヌワシ

 鳥海山は山形・秋田の両県にまたがり、日本海に裾野を洗われる成層火山で、その秀麗な姿は出羽富士、秋田富士とも称され、日本百名山として広く知られています。日本海に接して冬の季節風をまともに受けるため積雪量も多く、盛夏でも残雪が豊富です。また、古くから山岳信仰の対象として地元の方々によって大切に守り継がれています。
 鳥海山系をテリトリーとするイヌワシが生息する旧八幡町(現酒田市)は、「イヌワシ」を町の鳥として制定すると共に「八幡町イヌワシ保護対策協議会」を設立してイヌワシ保護、普及啓発などの様々な事業を推進し、地元をあげた熱心な保護活動が行われてきました。
 これらは現在、酒田市、山形県、環境省から構成される「猛禽類保護センター活用協議会」に引き継がれています。また、イヌワシは合併後の酒田市の鳥にも制定されています。

施設

  1. 展示
    イヌワシ等についてわかりやすく理解してもらうため、映像システム、剥製、ジオラマ、パネルの常設展示を行っています。その他に不定期に企画展を実施し、剥製は四半期毎に入替えるなどして、多くの方に興味を持って来館していただけるように努めています。
    また、センター入口には鳥海山のみならず酒田市周辺の動植物の観察記録を記載する「生きもの情報ボード」を設置して、双方向性の情報収集・提供を図っています。

活動の概要

  1. 調査・研究
    希少猛禽類の分布や生態に関する情報の収集・蓄積と共に、イヌワシ保護増殖事業計画に基づいて、イヌワシの生息状況、生息環境のモニタリング調査を実施して、繁殖状況や繁殖率向上などの検討、対策を行っています。
    また、猛禽類の剥製標本、資料の収集、保管も積極的に進めると共に、バードストライクなどの死亡原因解明のため、外部機関や有識者との連携・協力を図っています。
  2. 普及啓発
    地域の方々に猛禽類保護の重要性、あるいは自然環境全般に対する理解を深めていただくことを目的として、センター内展示・解説の他に、鳥海山や庄内地方をフィールドとした体験学習・研修会・自然観察会の開催、シンポジウムなどでの講演などを積極的に実施しています。
    遠方の方を含めより多くの方々に向けた季刊誌「イヌワシみらい館通信」の発行、ホームページやSNSを通した情報発信、平成22年にはセンター設立10周年を記念してイヌワシのキャラクター「ワッシーくん」を誕生させ、様々なイベントにも参加するなど普及啓発に取り組んでいます。