自然環境・生物多様性

オガサワラアオイトトンボ

1.概要

(1)分類
  • トンボ目 アオイトトンボ科
  • オガサワラアオイトトンボ
  • 学名  Indolestes boninensis
  • 絶滅危惧ⅠA類(環境省第4次レッドリスト)
(2)分布及び個体数
  • 小笠原諸島の父島、弟島で生息が確認されているが、父島では1980年代に絶滅した(日本固有種)。
  • 弟島にわずかに生息するのみ。

写真:オガサワラアオイトトンボ

2.形態的特徴及び生物学的特性

  • 体長約40mmとアオイトトンボ科で最大で、体の背面は金属緑色、細身である。
  • 成虫は4~12月に記録されており、ほぼ周年活動している可能性が高い。樹林に覆われた小池や小川の淵に生息している。産卵対象となる植物は、草本・木本を問わず、葉、茎、小枝など広範囲に行う。未熟個体(成虫)は、水辺付近の林内に生息する。成熟したオスは水生植物の上や枝にとまって縄張りを確保する。
  • 日本固有種

3.生息を脅かす要因

  • 開発、植生破壊や干ばつによる乾燥化などによる池沼の減少が、大きな圧迫要因。
  • 外来種のグリーンアノール(トカゲ類)による捕食やコレクターによる捕獲圧も大きな影響を与えていると考えられる。父島ではこれらの複合的要因により、絶滅したものと考えられる。

4.保護増殖事業の概要及びその効果

  • 平成20年国内希少野生動植物種に指定、平成21年保護増殖事業計画(農林水産省、国土交通省、環境省)策定
  • 生息状況調査、生息環境調査を実施。
  • 人工池設置及び定期的な保全管理の実施により、毎年安定して生息が確認されている。

5.他法令等による保護の状況

  • 自然公園法に基づき、小笠原国立公園の指定動物に指定されている。

6.参考