自然環境・生物多様性
ムニンツツジ
1.概要
(1)分類
- 被子植物 双子葉類 合弁花類 ツツジ科
- ムニンツツジ
- 学名 Rhododendron boninense
- 絶滅危惧ⅠA類(環境省第4次レッドリスト)
(2)分布及び個体数
- 自生個体は、父島の躑躅山(つつじやま)に1株だけ生育している。なお、父島の躑躅山、赤旗山には他に東京大学附属植物園が植え戻しを行った個体が生育している。
- 自生個体は1株のみ。数十株の植栽株が現存。
2.形態的特徴及び生物学的特性
- 小笠原諸島父島にだけ生育する日本固有種。
- 高さ2~3mの常緑低木。
- 枝や葉柄には淡褐色の長剛毛が密生する。
- 4月に枝先の1個の花芽から2~3個の白い花をつける。
3.生息を脅かす要因
- 干ばつ、台風など自然災害による生育環境の変化の他、フシダニ類の被害、強風による枝、幹の折損、雨による根の洗掘などの直接的な影響がある。
- 珍しい植物であるため、花や小枝などの乱取が樹勢を弱めた原因の一つとなっている。
4.保護増殖事業の概要及びその効果
- 平成16年国内希少野生動植物種に指定、同年保護増殖事業計画(農林水産省、環境省)策定。
- 東京大学附属植物園において増殖技術の開発、自生株由来の系統保存を実施。また、自生地での増殖試験の実施、ノヤギの侵入防止柵の設置により自生地での絶滅を防止(環境省事業)。
5.他法令等による保護の状況
- 自然公園法に基づき、小笠原国立公園の指定植物に指定されている。