自然環境・生物多様性

ミヤコタナゴ

1.概要

(1)分類
  • コイ目 コイ科
  • ミヤコタナゴ
  • 学名  Tanakia tanago 
  • 絶滅危惧ⅠA類(環境省第4次レッドリスト)
(2)分布及び個体数
  • 関東平野の一部に局所的に生息する日本固有種。
  • 湧水を水源とした水路や池に生息する。
  • 現在は栃木県・千葉県等のごく一部にわずかに生息するのみ。
  • 野生個体数は不明。ただし、3に示す要因により分布域が減少し総個体数の減少も著しい。
  • 数地域の個体は系統保存され、試験研究機関や博物館等で飼育されている。

写真:ミヤコタナゴ

2.形態的特徴及び生物学的特性

  • 体長30~40mm。
  • 寿命は1~2年。
  • 産卵期は3月中旬~7月中旬、淡水二枚貝であるマツカサガイ等の鰓内に産卵する。
  • 日本固有種

3.生息を脅かす要因

  •  河川改修工事や圃場整備事業による生息地の荒廃や休耕田化、都市化に伴う生息環境の荒廃、密猟・密売、産卵母貝であるマツカサガイの生息環境の消滅や採集、外来種であるタイリクバラタナゴの生息域の拡大及びブラックバスによる食害等。

4.保護増殖事業の概要及びその効果

  • 平成6年国内希少野生動植物種に指定、平成7年保護増殖事業計画(文部科学省、農林水産省、国土交通省、環境省)策定。
  • 環境省では、千葉県及び栃木県のミヤコタナゴの生息地において、平成6年度から保護増殖事業を実施し、生息環境の改善、生息域外保全及び外来種の駆除等を行っている。
  • また、栃木県大田原市の生息地は種の保存法「羽田生息地保護区」に指定されている。
  • (財)日本動物園水族館協会の種保存委員会により、複数の水族館が協力して飼育下での繁殖・保存の取り組みが進められている。

5.他法令等による保護の状況

  • 昭和49年に、国の天然記念物に指定(地域定めず)。

6.参考