自然環境・生物多様性
フサヒゲルリカミキリ
1.概要
(1)分類
- コウチュウ目 カミキリムシ科
- フサヒゲルリカミキリ
- 学名 Agapanthia japonica
- 絶滅危惧ⅠA類(環境省第4次レッドリスト)
(2)分布及び個体数
- 北海道と本州(岩手県、群馬県、神奈川県、山梨県、長野県、鳥取県、岡山県、広島県)で記録があるが、2000年代以降では長野県と岡山県に限られていた。2020年現在、確実に生息が確認されているのは岡山県のみ。
- 総数は不明
2.形態的特徴及び生物学的特性
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成虫は体長15~17mm
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体は黒から紫藍色、上翅は紫藍から緑藍色の弱い金属光沢を持ち、触角は第1、3節端がフサ状、雌雄とも上翅端を越す
- 寄主植物であるユウスゲの生育する湿地から草地に限って生息する
3.生息を脅かす要因
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草地・湿地環境の変容、開発
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シカの増加による食草への食害
- 乱獲
4.保護増殖事業の概要及びその効果
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平成28年に国内希少野生動植物種に指定、令和3年に保護増殖事業計画(農林水産省、環境省)を策定
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岡山県の生息地において、日本チョウ類保全協会等により生息環境の維持・創出などの取組が実施されている
- 環境省と昆虫飼育施設(足立区生物園・伊丹市昆虫館)との連携により、平成30年度より飼育下繁殖に取り組んでいる
5.他法令等による保護の状況
- 長野県特別指定希少野生動植物、岡山県指定希少野生動植物