自然環境・生物多様性

ホシツルラン

1.概要

(1)分類
  • 被子植物 単子葉類 ラン科
  • ホシツルラン
  • 学名  Calanthe hoshii
  • 絶滅危惧ⅠA類(環境省第4次レッドリスト)
(2)分布及び個体数
  • 自生個体は、母島の乳房山付近に3株が生育するのみである。
  • 母島の乳房山、船木山、桑の木山に東京大学附属植物園が植え戻しを行った個体が成育している。

写真:ホシツルラン

2.形態的特徴及び生物学的特性

  • 小笠原諸島母島にだけ生育する日本固有種。常緑樹林に生育する多年性草本。地下にある偽球茎は球状。
  • 葉は3~6枚つき長さ20cmから50cmと大型で縦にしわがある。

3.生息を脅かす要因

  • 園芸目的の採取と生育地の崩壊、外来種であるアフリカマイマイによる食害が圧迫要因。発見当初より、株数が極端に少なく遺伝的な多様性の低さも問題。

4.保護増殖事業の概要及びその効果

  • 平成16年国内希少野生動植物種に指定、同年保護増殖事業計画(農林水産省、環境省)策定。
  • 東京大学附属植物園において増殖技術の開発、自生株由来の系統保存を実施。また、苗の増殖、自生地への植栽を実施(環境省事業)。
  • 人工増殖苗の植え戻し、ネズミ食害防止柵の設置により、自生地での絶滅を防止。

5.他法令等による保護の状況

  • 自然公園法に基づき、小笠原国立公園の指定植物に指定されている。

6.参考