自然環境・生物多様性

ハナダカトンボ

1.概要

(1)分類
  • トンボ目 ハナダカトンボ科
  • ハナダカトンボ
  • 学名  Rhinocypha ogasawarensis
  • 絶滅危惧ⅠB類(環境省第4次レッドリスト)
(2)分布及び個体数
  • 小笠原諸島の弟島、兄島、父島、母島及び姉島で記録されている。父島では1998年の記録を最後に絶滅したものと見られ、母島でも激減している。姉島でも確認できない。兄島・弟島は、比較的安定している。
  • 個体数は不明

写真:ハナダカトンボ

2.形態的特徴及び生物学的特性

  • 体長30mm程度。成虫は4~11月に出現し、渓流や小川に生息している。
  • 成熟オスは流畔の植物などに縄張りを作り、メスが現れると交尾する。
  • メスは単独で枯れた木片などに産卵する。
  • 日本固有種

3.生息を脅かす要因

  • 父島では外来種のトカゲの一種であるグリーンアノールの捕食圧によって絶滅したものと考えられる。
  • 本種は流水域に生息するが、大型台風や異常渇水により繁殖場所が消失する等の影響が出ている。また、グリーンアノールは母島にも多く生息している。
  • 母島でも1990年代後半以降生息地と発生個体数は激減している。

4.保護増殖事業の概要及びその効果

  • 平成20年国内希少野生動植物種に指定、平成21年保護増殖事業計画(文部科学省、農林水産省、国土交通省、環境省)策定
  • 生息状況調査、生息環境調査を実施
  • 水域環境を被陰するアカギ等外来樹の除去

5.他法令等による保護の状況

  • 1969年に国の天然記念物に指定された。

6.参考