1 日時 |
平成17年5月13日(金)13時~15時 |
2 場所 |
経済産業省別館1111会議室 |
3 出席者 |
(委員)土田 浩治(座長)、池田 二三高、小野 正人、五箇 公一、横山 潤 |
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(利用関係者)マルハナバチ利用普及会 光畑 雅宏 |
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(環境省)野生生物課課長、生物多様性企画官、自然ふれあい推進室長、移入生物専門官 |
(農林水産省)生産局野菜課課長補佐 |
4 議事概要 |
(事務局が資料を説明。)
〔セイヨウオオマルハナバチに関する検討の進め方について〕
<今後の主な調査内容について>
- 調査期間の見通しはどうなっているのか。
- (事務局)一年程度を目途に指定について検討するので、今年出てきた結論に基づいて検討を進めていきたい。
- 調査の継続性についてはどうか。北海道におけるセイヨウオオマルハナバチの地理的分布調査や国立公園におけるセイヨウオオマルハナバチの監視調査などは、単年度の調査しか考えていないのか。
- 指定するか否かについての検討は今年の秋ぐらいまでにひとつの結論を出す必要がある。それを目指して今年度中に必要と思われるデータについて資料に示した調査を実施したいと考えている。しかし、在来種の分布に関する情報や、すでに野生化したセイヨウオオマルハナバチの駆除に対する技術開発及び事業化については、さらに2-3年の研究計画を立てていきたい。
- 一般的に、侵入種は定着後10年程度の間は右肩上がりに増えるが、その後被害が落ち着いてくる。このようなことを考えると、マルハナバチも10年は右肩上がりに増えていくだろう。その後は不明だが、2-3年ではなく20年ぐらい調査を継続して見守る必要がある。
- (事務局)資料に示した調査は検討を進めるにあたり必要となる調査を示したもので、各調査は各研究機関、大学等がそれぞれやっていくものである。できるだけ継続的に見ていくことの重要性は理解している。
- 地理的分布実態調査や国立公園における監視調査などの調査データが検証される前にマスコミ等に出てしまうと、良い議論が出来ないおそれがある。中間段階での調査データ公表の取り扱いはどうするのか。国の調査の情報は国が管理すべきではないか。
- (事務局)東京大学と実施する国立公園における監視調査については、東京大学の依頼に基づいて現地のボランティアスタッフに協力していただいている。調査データについては東京大学で管理し、調査データの出し方については東京大学と相談して決める。現地レベルで調査データが流出するという心配があれば、現地で協力していただいている方々にその旨を周知していきたい。
- 調査に関わるものとしては、資金を提供していただいている省庁の要請に基づいて調査データを出すものと考えている。データ管理については混乱を招かないように配慮したい。
- どの程度のデータをもってリスクがあるとするのか、研究者レベルと行政サイドのすり合わせが必要である。
- 8月に中間報告、11月に調査結果をまとめないとならないが、どの程度の結果をもって判断するのか。
- (事務局)こうだという判断基準はない。法律的にいえば予防的な観点が重要。今まで議論していただいてまとめたものが今後どうなっていくのか得られたデータをベースに再度議論していただきたい。
- 野外で一例でも交雑個体が確認されれば、実際には他にも交雑個体があるであろうから、リスクがあると判断できる。
- 植物の繁殖に対する影響評価では、種子の発芽率まで調べた方が良い。結実率が落ちても発芽率が上がることもある。
<各研究課題について>
(小野委員、五箇委員、横山委員、光畑氏、事務局が研究課題の内容について説明。)
- 分子遺伝学的な調査、フェロモン関連の調査、地理的分布実態調査については実効性が高いが、野外での生態的な調査はどうしても遅れてしまう。
- 生態リスク評価の調査がある一方、コロニー処理技術の開発やトラップの開発など一部防除に結びつけるものが入っていて線引きがはっきりしないが。
- 議論の土台となるのは生態リスクに関する生態学的な調査であるため生態的な調査が中心となるが、特定外来生物に指定されれば、防除技術も必要になってくる。防除に関していえば、ネットが肝心。特定外来生物に指定されれば、ネットを張っていなければどうしようもない。この一年以内に確実なネット展張技術を開発し普及させることが必要だが、メーカーの見通しを聞きたい。
- 4回の小グループの会合の結論を受けて、現場をまわりながらネット展張の必要性を説明している最中。しかし、地域間での温度差が大きい。小さな産地にはあまり手が届かない状況なので、どのように普及活動をしていくかが課題。参考資料6のパブリックコメント結果概要の中で慎重対応の欄に「指定予告さえあれば、即座にネット展張を生産者団体全員に強制することが可能」とあるが、「指定予告」に類するものは出せるのか。
- 科学的に議論していかなくてはならない中で、指定を前提にしていくことはできない。しかし、指定される可能性が高い状況を考えれば、現段階において管理する体制をとらなければならない。指定された段階でネットが張っていないなどの状況だと使用ができないということを念頭におく必要がある。
- (事務局)第一次指定は6月に施行ということでかなりつめたスケジュールになったが、この場合でも指定されてから施行まで最低4ヶ月はかかっている。それ以上のこともある。ネットの普及活動の状況を見て検討することはできると思う。
- ネット展張の作業は各農家とも農閑期の同じ時期にやっているので、ネット張りのための業者が足りないとか資材が足りないなどの問題がある。しかし、施行までの間にネット展張を徹底させることは可能だと思う。ただ技術的な問題でネットを張ることができないということもあるので、技術的な問題もこの研究の中でクリアしていただきたい。
<まとめ>
- (座長)今後は資料2「セイヨウオオマルハナバチに関する検討の進め方について(案)」のとおり進めていく。
(文責:環境省自然環境局野生生物課 速報のため事後修正の可能性あり)