環境省自然環境・自然公園特定外来生物等の選定について

第5回 特定外来生物等専門家会合議事録


1. 日時 平成17年8月5日(金)16:01~17:59
2. 場所 環境省第一会議室(中央合同庁舎5号館22階)
3. 出席者  
   (座長) 小野 勇一
   (委員) 石井  実
岡  敏弘
亀山  章
武田 正倫
安川雄一郎
岩槻 邦男 
岡  三徳 
多紀 保彦 
村上 興正 
勝山 輝男
   (環境省) 南川自然環境局長
黒田大臣官房審議官
名執野生生物課長
亀澤生物多様性企画官
中島自然ふれあい推進室長
長田移入生物専門官
   (農林水産省) 丹羽水産庁漁場資源課生態系保全室長
伊藤林野庁森林保全課森林保護対策室課長補佐
安田生産局農産振興課技術対策室課長補佐
4. 議事  
【環境省 長田専門官】 それでは予定の時刻となりましたので、ただいまから第5回特定外来生物等専門家会合を開催したいと存じます。
 本日は、角野委員、小林委員、長谷川委員がご欠席ということでご連絡をいただいております。それから本日は、各分類群グループ会合の結果を事務局から報告いたしまして、第二次指定の候補を検討していただく予定ですので、各グループからご出席をいただく関係で植物グループを代表しまして勝山委員、それから爬虫類・両生類グループを代表しまして安川委員、ただいまちょっとおくれておられるようですけれども、もうお二方にご出席いただいております。
 それから、事務局側に異動がありましたのでご紹介をさせていただきたいと思います。
 まず、南川自然環境局長でございます。

【環境局 南川局長】 7月20日付で自然環境局長になりました、南川でございます。よろしくお願いします。私自身は、実は父親が生物・植物関係の学者でございました関係もございまして、小さいころから週末は基本的に山に行って植物採集を手伝うことばかりやっておりました。自然局は今回3回目でございます。それまでは廃棄物リサイクルの仕事をやっていたわけでございます。ぜひ頑張ってやりますので、よろしくお願いいたします。

【環境省 長田専門官】 黒田官房審議官でございます。

【環境省 黒田審議官】 黒田でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。私も局長と同じで、7月20付で計画課長から審議官になりました。どうぞよろしくお願いします。

【環境省 長田専門官】 亀澤生物多様性企画官です。

【環境省 亀澤企画官】 同じく7月20日付で、大阪にあります近畿地区の自然保護事務所長から異動して参りました、亀澤です。よろしくお願いします。

【環境省 長田専門官】 それではまず、お手元にお配りした資料の確認をさせていただきたいと思います。資料、かなり種類が多くなっておりますけれども、クリップを外してご確認いただければと思います。
 上から順に確認をさせていただきます。まず、議事次第がございまして、議事次第の次が資料一覧、専門家会合委員名簿。続きまして、資料1-1、特定外来生物選定フロー(第二次)、資料1-2、第二次以降の特定外来生物等の選定の作業手順、資料1-3、「外来生物の特徴と第二次選定に際しての留意点」及び「今後の検討の進め方について」、資料1-4、特定外来生物等の選定(第二次)について(案)、資料1-5が横長の資料ですけれども、第二次の特定外来生物の指定対象とすることが適切である外来生物に関する評価の理由(案)、資料1-6が、未判定外来生物及び種類名証明書添付生物について、それから資料2が、要注意外来生物リストの(案)でございます。続きまして資料の3、特定外来生物をはじめとする外来生物の取扱いに関する普及啓発の考え方について(案)、資料の4が、特定外来生物等専門家会合の今後の進め方について。その次の参考資料の1、厚い資料ですけれども、第二次の特定外来生物の指定対象とすることが適切である外来生物に関する情報、それから参考資料の2として、前回の特定外来生物等専門家会合、6月9日の会合の議事概要をお配りしております。それから机の上に、特定外来生物被害防止基本方針の冊子をお配りさせていただいております。
 もし資料に不備がございましたら、事務局におっしゃっていただければと思います。
 いかがでしょうか。それでは、撮影の方はここまででお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
 それでは、議事の進行につきまして、小野座長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

【小野座長】 それでは、本日の議事に入らせていただきます。議題1は、特定外来生物等の選定についてでございます。
 5月以来、7月にかけて、6つの分類群グループの選定作業をしていただきました。ご労力を謝とするものであります。ありがとうございました。
 本日は第二次の指定対象について、本専門家会合の考え方を決めていきたいと思っております。したがいまして、まず、事務局の方から、特定外来生物の指定対象等につきまして、未判定外来生物と種類名証明書添付生物についてもあわせて、3つのグループのものについて報告をお願いしたいと思います。事務局、よろしくお願いします。

【環境省 中島室長】 それでは特定外来生物、未判定外来生物と、それから種類名証明書添付生物の…、資料1-1から1-6までを一括して説明をしたいと思います。
 まずは資料1-1でございますけれども、今回、第二次の選定フローでございます。再度確認ということでございますが、4月5日に全体専門家会合で第二次の作業を開始ということで、それ以降、専門家グループ会合をそれぞれの分類群ごとに2回から3回、それから全体専門家会合を挟みまして、きょう8月5日が最終の全体専門家会合ということでございます。
 きょう、第二次の特定外来生物の候補のリストができましたら、パブリックコメントを実施するということと、WTO通報の手続を実施するという事務的な手続がございまして、その後、政令で特定外来生物が指定されるということになりますけれども、この政令の方は11月から12月ごろ予定をしております。
 また、このフローに書いてありませんけれども、政令の施行につきましては、年が明けてから、1月か2月ごろ予定をしているところであります。その間、飼養等基準の策定等の作業があるということでございます。
 続きまして、資料1-2でございますが、こちらは今回第二次の選定の作業手順ということで、今まで利用していただいた資料でございまして、前回と変わっておりません。基本的な資料ということでおつけしてございます。説明は省略をさせていただきます。
 続きまして、資料1-3でございますけれども、「外来生物の特徴と第二次選定に際しての留意点」、それから「今後の検討の進め方について」ということで、先ほどの作業手順に基づきまして、それぞれの分類群ごとに選定に際した留意点というペーパー、それから今後の検討の進め方ということで、選定に際しての着目点というものを整理してまいりました。それをそれぞれ分類ごとに資料としてつけております。これも詳しい説明は省略をさせていただきたいと存じます。
 それで、資料1-4でございます。これがきょうの専門家会合での結論の1枚紙ということになりますけれども、特定外来生物等の選定(第二次)について(案)ということであります。特定外来生物等専門家会合としては、次の42種類を第二次の特定外来生物指定対象とすることが適切であると考える。これらは生態系等への被害について科学的知見があり特定外来生物指定に向けての条件が整っているものであるとして、一覧表にそれぞれの分類群ごとに整理しております。
 それぞれ特定外来生物の説明につきましては、資料1-5をごらんいただきたいと思いますけれども、横長の表がございます。こちらの方にそれぞれの特定外来生物の候補の名前、それから被害の概要と評価の理由について記してございます。
 前回、中間的整理ということで、6月7日にこの全体会合を開催をいたしまして、その際、29種類についてはそのまま条件が整っているというふうに整理をさせていただきましたけれども、そのときと変わっている部分を主にご説明をしたいと思います。
 まず、ハリネズミ属でありますけれども、これにつきましては、前回はナミハリネズミとマンシュウハリネズミの2種類ということで挙げておりましたけれども、その後検討の結果、これにヒトイロハリネズミを加えたハリネズミ属というもので特定外来生物の指定候補としようということになっております。
 それから、前回はありませんでしたけれども、シカ亜科というものがあります。在来のニホンジカに対する遺伝的攪乱、それから環境の改変ということで、シカ亜科全種を特定外来生物の対象としたいと。
 それから、キタリスとタイリクモモンガですけれども、これにつきましても在来の種類との遺伝的な攪乱、それから競合・駆逐ということが心配されるということで、この2種類についても追加をして候補として挙げているということであります。
 また、マスクラットにつきましても、現在、分布の拡大はおさまっているということですが、まさに入っているところがありますし、欧米で非常に大きな被害を出しているということで、この種類についても追加して候補として挙げているということであります。
 爬虫類・両生類につきましては、前回挙げてあります4種類と変わっておりません。一つ、キューバズツキガエルとありますけれども、前回はキューバアマガエルという名前で記載しておりましたけれども、これにつきましてはズツキガエルの方が属の名前との関係上適正ではないかということで、こちらの方に名前を修正してあります。
 それから魚類につきましては、ノーザンパイク、マスキーパイク、カダヤシ、ケツギョ、コウライケツギョ、ストライプトバス、ホワイトバス、パイクパーチ、ヨーロピアンパーチ、この9種類ということで、これも前回と変わっておりません。ちょっと並び順が生物の進化の順ということでちょっといじってございますけれども、種類別では変わっておりません。
 それから、昆虫類等陸生節足動物でございます。これにつきましても前回、中間的整理のときの4種類のままであります。
 それから、無脊椎動物でございますけれども、こちらにつきましては、まず、モクズガニ属全種ということで、チュウゴクモクズガニを含むモクズガニ属を特定外来生物とするということで、中間的整理のときのときには入っておりませんでしたけれども、これを追加して入れてございます。
 それからアスタクス属、ウチダザリガニ、ラスティークレイフィッシュ、ケラクス属、この4つがザリガニの類でございますけれども、それぞれ日本に定着する可能性が高いということで、既に観賞用等で入ってきているものもあるということでございまして、これらについて特定外来生物とするという案になっております。
 それから、カワホトトギスガイでありますけれども、これにつきましては同様の被害をもたらしている可能性があるものとして、クワッガガイという別の種類があるということが後でわかりまして、これについても追加をしてございます。
 それから、植物でございますけれども、植物の最初のアゾラ・クリスタータとありますけれども、これは前回はアカウキクサ属ということで、アゾラ属全体を指定種とするという案でございました。その後、幾つかの課題がありまして、アゾラ属の中の1つの種類、アゾラ・クリスタータというものを今回特定外来生物の指定対象としようということになっております。
 それから、オオフサモにつきましては前回と同じであります。
 アレチウリ、オオキンケイギク、オオハンゴウソウ、ナルトサワギクのこの4種につきましては、中間的整理の後で蔓延種についてどういうふうに考えるかということを植物の会合の中で検討いたしまして、この4つについては今回特定外来生物の候補としようという結論になっております。
 下の3種につきましては、前回と同じということであります。
 以上が特定外来生物の指定対象とすることが適切であるというふうに、それぞれの分類群ごとの会合で整理されたものでありまして、資料1-4に戻っていただきたいのですけれども、それをこの一覧表にまとめてあります。合計をいたしますと、1亜科、それから6属、35種、合計42種類ということになっております。
 表の下ですけれども、未判定外来生物ですが、上の表の生物に生態的特性が似ている外来生物を未判定外来生物とするということで、これにつきましては資料1-6をごらんいただきたいと思います。
 資料1-6に未判定外来生物及び種類名証明書添付生物についてというものがあります。それぞれの分類群グループ会合で特定外来生物の案と関連するということで、未判定外来生物と種類名証明書添付生物について検討をしていただきました。
 未判定外来生物については生態的な特性が特定外来生物と似ているということで、現在、我が国に定着していない、あるいは現在輸入されていないものを選定していこうという方針でありまして、これについては約2,000種の対象が挙げられております。
 それから、種類名証明書添付生物につきましては、これについては外見上、容易に判別することができないものということで、約4万種の生物について内容の確認を行っていただいたところでございます。
 具体的な中身は、その次に横長の表がございます。特定外来生物と未判定外来生物、種類名証明書添付生物の対象リストとございますけれども、先ほどご説明いたしました特定外来生物に対応する形で表を作成しております。時間がありませんので、中身の説明は省略させていただきますけれども、それぞれの特定外来生物ごとに生態的に似ていると思われるものを未判定外来生物、それから形が似ていると思われるものを種類名証明書添付生物として整理したところでございます。
 以上が、未判定外来生物関係でございます。
 また資料1-4に戻っていただきたいのですけれども、今回、この特定外来生物あるいは未判定外来生物等に選定をするもの以外につきまして、かなり会合の中で議論をされたものがございました。その幾つかについては、今回、このペーパーの中で整理をしたいと思っております。
 1つ目は、緑化植物でございます。前回の全体会合の中でも話題になりましたけれども、緑化植物につきましては、代替植物の入手可能性、代替工法の検討など総合的な取り組みが必要である。関係各省による調査検討が動き始めたことから、この検討状況を当専門家会合においても活用しつつ、検討を進めることとするというふうに整理をさせていただきたいと思います。植物会合でも議論をいただきましたけれども、環境省と、それから農林水産省、国土交通省の3省で今回調査が進むことになっておりまして、この検討状況を専門家会合に報告して、それを活用していただいて、再度また指定についての検討をしていただきたいということでございます。
 それから、その次の○ですけれども、一定の被害知見があるものの、条件が整っていないことから今回指定を見送った生物、例といたしまして、インドクジャク、ミシシッピアカミミガメ、ブラウントラウト、アメリカザリガニ、ホテイアオイ、セイタカアワダチソウについては、具体的な対策のあり方も含め、今後、重点的に検討することが適切である。これはそれぞれの分類群会合でかなり議論になったものであります。生態系等に対する被害については知見があって、特定外来生物にしてもいいのではないかというようなご意見が多かったものでありますが、それぞれ我々としては規制をかけていくことについて体制が整っていないか、その他いろいろな理由で今回見送りたいというふうに整理したものにつきましては、第三次以降、また重点的に検討していきたいということで、今回、宿題のような形ですけれども、ここに整理して書いております。
 それから、同様のものですけれども、次の○ですが、大量遺棄による被害の発生が懸念されている外来クワガタについては、遺棄防止のための普及啓発を先行的に進めつつ、被害にかかる科学的知見の集積を図り、その成果をもって、検討を行うことが適切であるというふうにしております。これにつきましては、上と項目を分けておりますのは、外来クワガタにつきましては、まだ科学的な知見が十分ではないというような整理がされておりますので、上のインドクジャク等とは分けてございます。ただし、もう既にたくさん大量の個体が入っているということで、大量に遺棄されると困りますので、科学的な知見の集積を図りながら、遺棄防止のための普及啓発を先行的に進めていきたいということで、ここに特記をして加えてございます。
 最後ですけれども、セイヨウオオマルハナバチにつきましては、現在実施されている調査研究の成果を活用しつつ、年内を目途に指定について検討するというふうに整理しております。これにつきましては、今回の第二次の選定には間に合いませんけれども、現在調査が進んでおりますので、その結果が出る秋以降に再度この会合で検討していただくことになると思います。
 一応、特定外来生物等の選定の関係につきましては、この資料1-4で全体を整理した形でまとめたいというふうに思っているところでございます。よろしくお願いします。

【小野座長】 ありがとうございました。
 ただいまの説明につきまして、各分類群グループから一言ずつコメントをお願いいたしたいと思います。
 哺乳類・鳥類グループからお願いしたいと思います。

【村上委員】 哺乳類・鳥類グループについては、特定外来生物種の選定と要注意外来生物の種の選定ということに関して、基準をそろそろもう少し明確化した方がいいのではないかということが危惧になっています。今まではかなり選定の方を急ぎましたので、ぼやっとした基準は持っているのですが、明確化していないので、それを少し明確化するような方向を考えてみる必要、これは前から言っているのですが、そろそろ本格的にとらえなければならないのではないかということです。
 それから2番目、鳥類については、調査研究不足の面があるから、少しグループをつくって検討する必要があるのではないかと。メンバーの中に、今、2人来ていただいているのですが、やはりもう少し広く扱ったらいいのではないかと。
 それから3番目は、許可申請に関していろいろな混乱が起こっているみたいなので、許可申請のマニュアルづくりみたいなことが必要ではないのかという話をしています。
 その他、今後、例えばクマネズミとかこういうものはすごく影響が大きいのですが、これをどうするかというのは割と大きな問題で、今まで扱わなかったのですが、そろそろここを考えてみようかと思っています。そのぐらいです。

【小野座長】 クマネズミは国内移動という問題を言っているのですか。

【村上委員】 いえ、そこは難しいですので、非意図的なものですから、だから非意図的に入ってくるというところが一番の問題のような気がします。

【小野座長】 わかりました。
 それでは、爬虫類・両生類グループの安川委員。

【安川委員】 爬虫類・両生類については、今回は爬虫類はなく、両生類4種すべてカエルの仲間ということで、それに若干補足しますと、今後の検討の進め方について、資料1-3の爬虫類・両生類のところに、新たに特定の在来生物の主要な餌となるなど、食物連鎖を大きく変化させることという項目が加わったのですが、それに該当するのは、資料1-5に挙がっているシロアゴガエルです。評価の理由のところに書いていないので、それを補足させてもらいます。
 これ以外に、資料1-4などで取り上げられているミシシッピアカミミガメについては、これは非常に現在、日本国内に年間数十万匹ぐらい毎年輸入されており、飼育下でも数百万個体飼われているであろうという種類なんですが、この種に関しては、生活史などがかなり在来のカメ類に重なること、あるいは機会があり、口に入るサイズであればかなり何でも食べるという種類であるということから、かなり規制する必要がある種類なんですけれども、それだけ大量に飼われているということで、指定された場合、既に指定されているカミツキガメ同様、大量遺棄などが起こる可能性がありまして、現時点では入れられない状態となっています。
 もう一つ、要注意外来生物の方で挙がっているヒョウモンドカゲモドキですが、これについては、ヒョウモンドカゲモドキそのもの以外にも感染するクリプトスポリジウムという原虫類の感染症が爬虫類に広く影響を与えまして、潜伏期間が長い上に、死亡するまでに時間がかかって、その間にこの原虫をばらまくということで、それの主要である媒介経路になっているのがこの種ということで名前が挙がっているのですけれども、実際にはこの種以外にもたくさんの種がこれを媒介しますので、そういうことを含めて、そうした飼育爬虫類経由で原虫のようなもの、あるいは寄生虫のようなものがばらまかれて、それが野外の在来の爬虫類・両生類にも影響を与える可能性があるということを今後広く啓発していく必要があると考えております。以上です。

【小野座長】 ありがとうございました。
 続きまして、魚類グループの多紀委員、よろしくお願いします。

【多紀委員】 魚類グループでは、前回の第4回の全体会合では11種の特定候補種のリストを挙げました。そのときにご説明いたしましたとおり、オーストラリア産の2種、マーレーコッドというのとゴールデンパーチ、これは余り大きな被害が予測できないのではないかということで要注意に下げました。その2種を下げました、資料1-4であります9種、これを指定するということで、全体に異論はございませんでした。
 なお、カダヤシにつきましては、もうこれは分布の極大に達したのではないかというような意見もございまして、それは前回の全体会議でも話題になりましたが、魚類グループの第5回の会合でもって検討いたしましたところ、まだまだ、特に都市化等によって分布が拡大する余地がかなりあると。それで、実際に現在でも在来のメダカに対してかなりの影響を与えているということが明らかなので、これは指定すべきであるという声が大きくて、カダヤシは案のとおり、特定種候補9種に含めることにいたしました。
 また、資料1-4の下の○の3番目にありますけれども、ブラウントラウトですね、これは要注意外来生物に入っておりますが、ブラウントラウトに関しましては海外でも非常に被害が多いと。また、日本でも広く定着している北海道で被害の実態があるということで、早急に特定外来種に指定すべきとする意見が多うございました。ただし漁業権、これは平成25年までですか、等に基づく利用等の問題もありますので、この資料1-4にありますように、第三次の選定も視野に入れまして、重点的に今後検討と議論を進めていくことにいたしました。
 一応、要注意種と特定種では、主なものは以上でございます。

【小野座長】 ありがとうございました。
 引き続きまして、昆虫類グループ、石井委員。

【石井委員】 資料1-4ですけれども、昆虫類につきましては、テナガコガネ属、それからアリ類3種を追加させていただきたいということです。アシナガキアリ、それからコカミアリ、ツヤオオズアリのこの3種のアリに関しましては、IUCNのワースト100というというところに入っているという根拠、それからコカミアリについては、まだ日本未定着ですけれども、この2種に関しては南西諸島に入っているということがありまして指定いたしました。
 それからテナガコガネ属に関しましては、インターネットでもう既に流通しているということがありまして、これ、もしも沖縄に入った場合にヤンバルテナガコガネとの競合が考えられますので、ここで指定しておこうという趣旨で入れてございます。
 それから、資料の1-6を見ていただきますと、昆虫類のところで相当種数の多い、種類名証明書添付というのがあります。全科・全種となって三万数千種となっていますけれども、これがなかなか難しいところですけれども、コガネムシ上科は幼虫でなかなか識別しにくということがあるんですね。それから、クワガタ、カブト、それから先ほどのテナガコガネ等、さまざま次々に後追い的に出てきてしまっているということもありまして、コガネムシ上科に含まれる全科・全種ということで、種類名証明書添付というふうにさせていただいております。
 以上です。

【小野座長】 ありがとうございました。 
 引き続きまして、無脊椎動物グループの武田委員、お願いします。

【武田委員】 無脊椎動物の方は資料1-4にありますが、以前のとは大分変わっております。少し追加になっておりますけれども、最初にモクズガニ属が挙げてありますが、モクズガニはいわゆる上海ガニとして、食用としてかなり入ってきております。ただ、養殖も既に行われているということで、それから逃げ出す危険性、外国ではほとんど輸入規制が行われている状態なので、日本でも東京湾での採取記録も出てきましたし、規制すべきではないかと。ただ、分類学的に、いわゆる上海ガニ、チュウゴクモクズガニというのは、大陸でも北と南で2種に分かれているらしいと。これがなかなか外見だけではちょっと区別つかないんですが、分布を聞いてから種類を決めるような、そういう状態ですが。
 それからもう一つは、これは正式に書かれていませんが、小笠原のはやはり違うんじゃないかという話があります。ただ、そういうまだ論文になっていないのを指定するわけにもいきませんし、ここではモクズガニ属というふうに指定してあります。
 それからもう一つは、ザリガニが、これもなかなか指定が難しい状態でしたが、一つは植物防疫法との関係ですね。それで、実際に植物防疫とのすり合わせをしまして、実際には植物防疫ではザリガニを規制するのは非常に難しいと。大きな農業被害がなければ指定できないわけですが、なかなか文献上は大きな被害というのははっきりと出てこない。ないわけではない。特に問題になっておりますのは、例えばアメリカザリガニですね。例えば日本にこれだけ広がっておりますが、農業被害としてどれだけのものがあるか。ただ厳密に農業被害って、稲を食べたりするのは農業被害でしょうが、田んぼのあぜに穴をあけるのは、厳密に言えば農業被害とは言わないですので、実際には植物防疫法ではザリガニを規制するのは難しい。となると、それこそクワガタと同じようなパターンになりかねないわけですが、実際に調べてみると、オーストラリア産のものにはかなり日本の地勢に合っているのといいますか、こちらに入ってくればかなり増えてしまう可能性は大きい。そういうことで、実際には規制をかけるべきだと。ただ、植物防疫法で規制がかけられないとすれば、特定外来生物の方で考えるしかないと。それで実際いろいろ聞いてみますと、やはり問題が生じる可能性が大きいということで、今、ここに挙げてありますように、ザリガニ類2属2種。それ以外に種類名証明書添付が500近い種類がありますので、種類としてはそちらの方、実際に専門家が見ても、個別の種を同定するのは難しいようなケースもあるのではないかと、ちょっと心配しております。ただ、基本的には、ザリガニが全種規制の対象になり得るのではないかと考えております。
 そのアメリカザリガニに関しては、単に国内に広く広まっているというだけでなくて、やはり実際に専門家が、かなり被害があるらしいということを述べております。ただ、現実にこれだけ身の回りにいて、生活科の対象にしたり、身近な動物として非常に親しまれておりまして、ちょっとこれから先、少し見ていかなければいけないのかなという感じになっております。
 それから、そこにあるようにヤマヒタチオビ、カワヒバリガイ、カワホトトギスガイ、クワッカガイ、このウズムシは最後ですが、それ以外のこの貝類ですね、これがやはりなかなか大変な状態で、実際には種類数が多いですが、この肉食性の仲間、これも基本的には規制しなければいけないと。ただ、なかなか意図的にどれだけというのはちょっと問題があるのですが、専門家の方々も実際にはかなり公式の会議の後、認められているのは大変たくさんあるんですが、そういう中でこういうような規制の形になったと、こういう状態です。以上です。

【小野座長】 ありがとうございました。
 それでは植物グループ、きょうは勝山委員にお願いしますが、先ほどちょっとありました、緑化植物の検討状況も一緒に含めてご報告をお願いします。

【勝山委員】 はい。植物の方ですけれども、順番にいきますと、まず、アゾラ・クリスタータですけれども、アカウキクサ属、現実にはアカウキクサ、オオアカウキクサのような在来種も含んでいますので、その中でいわゆる合鴨農法などのえさとして使われているもので、問題の多いものはアゾラ・クリスタータで、一応これを特定できるだろうということで、これに絞り込みました。
 実際、合鴨農法では、合鴨のえさとしては不稔性のいわゆる雑種系統もあって、それも使われているということです。現状としては、もし合鴨農法を使うならば、アゾラ・クリスタータを使わないで、その不稔性の雑種を使うということが可能性として残されています。ただ、アゾラ属自体、そういう形で使うのがよいかどうかという警鐘の意味もあって、アゾラ・クリスタータという形で今回特定外来種の候補として挙げるのがいいだろうということにここはなっております。
 それから、新たに加わったところを中心に述べますが、あともう一つ問題になったのが、非常に植物では他のところに比べて、現在日本に入っている帰化植物、いわゆる外来植物が非常に多くて、中にはご存じのように、セイタカアワダチソウや、あるいはオオブタクサ、アレチウリのように非常に蔓延しているものもあります。そういうものをどうするかというのが話題になってきているのですけれども、このところでは、結局防除の見込みがあるかというか、あるいはそれが見込めるかというところを中心に議論をしまして、今回は蔓延しているものの中で特に話題になったのは、アレチウリとオオブタクサ、セイタカアワダチソウだろうと思うんですけれども、その中でアレチウリに関してはかなりの行政機関などでも河川敷などでの防除などの取り組みが行われています。そんなところを考えて、それに対してオオブタクサ、セイタカアワダチソウ、すぐに何とかなるというふうな形ではいかないので、もう少しそういう研究等をした後での方がよいだろうということで、今回はアレチウリ1種に絞り込みました。
 それから、次のオオキンケイギク、オオハンゴウソウは園芸植物として使われたものが逃げ出したもので、特にオオキンケイギクの場合には、ワイルドフラワー緑化という形でかなり使われたことによって、非常に広がっております。
 それからオオハンゴンソウの方は、現在あまりワイルドフラワーとしては使われていないようなんですけれども、日光だとかいろいろなところで、かなり自然の湿地などの空間に入り込んでいるので、在来生物への影響が非常に大きいのではないだろうかというところから、この2種を指定していく中で、ワイルドフラワーの使い方なども警鐘を鳴らしていくということで取り上げるのがよかろうという結論が出ました。
 それから、次のナルトサワギクは必ずしも蔓延しているわけではないのですけれども、西日本の河川敷などを中心にかなり広がってきていると。海外ではかなり侵略的な種として知られているので、この機会に入れておいた方がいいということで、これが入ってきております。
 それから、今、座長の方から話がありましたが、今回、指定から外れているものが、いわゆる緑化植物なんですけれども、これは今、事務局から説明がありましたように、緑化植物に関する総合的な検討というものを環境省、農林水産省、それから国土交通省が中心になって予算をとって、今年度から始まりました。その中で緑化植物、どのようにしていったらよいのか、どういうものを使ったらいいかということを研究されるということなので、その中でも特に現在話題になるのは、多分シナダレスズメガヤだろうと思われるのですけれども、シナダレスズメガヤを使わなければいけないような環境もあることはあるということなので、すぐにというよりは、この緑化植物に関する総合的な取り組みの状況を見つつ、第三次の指定に向けて研究をしていこうということに落ちつきました。
 それから、あわせて植物のグループ会合で話題になってきているのが、植物の外来種のいわゆる影響評価、あるいはその辺の仕組みをつくっていこうということで、WRAのモデルなどの評価の仕組みづくりがもう一つ入っております。第三次指定に向けて、植物は数が多いものですから、こういうような情報をもう少し集めて、この第一次指定、第二次指定はかなり忙しい中で情報集めをしたので、かなり無理な部分がありましたので、第三次指定ではもう少しさまざまな情報を集めて、問題のあるものをどうしようかということで取り組んでいきたいということで整理をいたしました。以上です。

【小野座長】 はい、ありがとうございました。
 以上、各ワーキンググループでの報告をいただきました。これからしばらくの間、それぞれのグループにつきましての質問をしていただきまして、その上で、第三次指定に向けての考え方というものについて議論をしたいと思います。

【環境省 中島室長】 すみません。資料の訂正を1点だけ、申しわけありません。
 資料1-6で、特定外来生物、未判定外来生物、種類名証明書添付生物の横長の一覧表の中ですが、哺乳類・鳥類の一番最初に、ハリネズミ属全種という特定外来生物に対して、未判定外来生物が幾つか挙げられております。ここにハリネズミ属を除くハリネズミ亜科等と書いてありますが、このハリネズミ属の後ろに、ヨツユビハリネズミという既に流通しているものがありまして、既に流通しているものを未判定外来生物にすることができないというルールから、ヨツユビハリネズミをここに入れなければいけないんですけれども、ハリネズミ属とヨツユビハリネズミを除くハリネズミ亜科というふうに訂正をさせていただきたいと思います。

【小野座長】 どこに入るのですか。

【環境省 中島室長】 ハリネズミ属を除くというところの、「属」と「を」の間に「とヨツユビハリネズミ」という文言を入れていただきたいということでございます。大変失礼しました。

【小野座長】 はい、村上委員どうぞ。

【村上委員】 皆さん、改定のプロセスをかなりいろいろしゃべられたので、私はその辺はもう事務局の説明でいいだろうということで済ましたのですが、少しだけ補足しておきます。
 前回と比べますと、シカ亜科全種を入れたというのが一つの大きな変化ですが、これはいろいろ問題がありまして、しかも逃げ出した場合、資料の1-5の中を見てもらったらわかるのですが、すべての種類において交雑が起こる可能性が非常に高いということで入れております。だからそういうところで、前回は一応いろいろ実態を調べた上、入れたということです。だから、それは懸案になったやつはそのまま入れた。キタリスに関しても、そういう意味でやっております。
 前回、問題だというマスクラットは一部の地域だけにいまして、これは一旦拡大し出しますと、ものすごい悪影響を与えます。こういうことで、現在これを指定して、分布は非常に狭いので、場合によっては根絶できるのではないかということで、これを入れる必要があるということで入れております。
 あとはインドクジャクですが、やはり今、影響が顕在化しているのが島でだという話と、それから学校施設で飼っているのをどうするか、それから放し飼いになっているのをどうするか、そういった問題があって、やはりもう少し実態調査をしてからという話になって見送っておりますが、これは長生きなものですから、20年ぐらい生きますから、ちょっとじわっとやっていかねばいけないなと思っています。それで、確かにいきなり指定するのは混乱を招くだろうからというので、学校関係ではいろいろな外来種が飼われていますので、これは一括して学校教育における外来種問題というのを僕は扱うべきだと思っております。そういうこととして考えてほしいと、そういうことです。

【小野座長】 ありがとうございました。
 分散速度が非常に速いマスクラットみたいなものは指定しておかないと、非常に危ないやつですから、確かに今のご発言のとおりだろうと思うのですが、学校教育につきましては、また後ほどちょっと議論をさせていただきます。
 それでは、ほかに。武田委員。

【武田委員】 今、第三次指定という言葉が引っかかって、それがあるかどうかわかりませんが、無脊椎動物グループではこの表をごらんいただければわかると思いますが、海産の外来生物が1種類も入っておりません。これはもう本当に大もめにもめて、今もまだ決着ついていない状態ですが、本当は指定したいものがたくさんあるんです。
 ところが、それに対する評価ですね。どれだけ実勢があるかというのはなかなか意見が割れるところでして、今後指定があるとすれば、そちらの方向をこれから検討していこうという話になっております。

【小野座長】 三次のときには、前もっての議論というのは非常に大きなものになるだろうと私も予想はしております。リスクアセスメントはそう簡単にいきませんので。生態系影響などというと本当にわけわからないものですから、なかなか難しいと思います。ありがとうございました。
 今の各項目につきましてのご質問を今受けておりますので、どうぞご自由に、しばらくの間はそれを続けようと思います。
 石井委員にちょっと一つ質問があるのですが、インターネットでテナガコガネが流通しているということなのですが、件数はどれぐらいあるんですか。

【石井委員】 これについては相当、私はできないのだけれど、事務局わかりますか。

【小野座長】 事務局、わかりますか。

【環境省 中島室長】 件数を事務局できちんと把握しているわけではありませんけれども、インターネット、ホームページ上で売買が行われている例は少なくとも複数あるということは確認しております。すべて見ているわけじゃありませんけれども、結構な数があるということだけ確認しております。

【小野座長】 政令指定になると、それは抑えられるわけですね。

【環境省 中島室長】 国内での運搬はすべて禁止になりますので、できなくなるということです。

【小野座長】 それから、事務局についてお伺いしたいのですけれど、外来クワガタって、今何匹ぐらい入っているのですか。

【環境省 中島室長】 頭数ということでございますか。

【小野座長】 種数でもいいですが。

【環境省 中島室長】 正確な数字は統計があるわけではありませんけれども、植物防疫所で把握している範囲で申し上げますと、年間、クワガタムシが50万頭、カブトムシも同じ50万頭ぐらいです。ですから、あわせて100万頭ぐらいは最低入ってきていると。それ以外のルートでもひょっとしたら入ってきている可能性があるということで、100万頭から200万頭の間は少なくとも入っている。昨年度の実績でございます。今年度はさらに、昨年よりもかなり増えているというような情報もございますので、もっと多い数字になっている可能性がございます。

【小野座長】 売れるから増やすんでしょうね。市場は結構広がっているということですか。

【環境省 中島室長】 そういうことだと思います。多分、今年はテレビアニメが放映されておりまして、その影響が大きいのではないかというふうに考えております。

【小野座長】 ありがとうございました。
 これは私の質問で、ほかにご質問どうぞ。ありましたら、お手をお挙げください。
 どうぞ、岡委員。

【岡(三)委員】 植物の件で確認させていただきたいのですが、オオキンケイギクとオオハンゴウソウが花卉生産の対象になっているということをご報告いただきました。この報告の中にもありますけれども、意図的にワイルドフラワーという形でまかれたものと、花卉生産の過程からエスケープして蔓延した2つの経路が考えられますが、植物のワーキンググループの検討の中で、花卉生産に使われてきた種子が周辺地域へエスケープして問題になっているのか、あるいはワイルドフラワーとして播かれたものだけが大きな問題になっているのか、という点での確認はどうされたのかお伺いしたいと思います。

【環境省 中島室長】 事務局の方で、そのあたり流通関係にいろいろ調べた結果ですと、オオキンケイギクはワイルドフラワーの中の主要な種子の種類になっておりまして、現在、各地で蔓延しているのは恐らくワイルドフラワー緑化の由来だろうということでございます。
 オオハンゴウソウにつきましては、かなり以前から、ワイルドフラワー緑化というようなものができるよりもかなり前から既に日光、十和田等の国立公園の湿原の中に入り込んでおりますので、これは恐らく最初は園芸植物として各地に栽培されていたものから逸出して、自然の中に逃げていたんだろうというふうに判断をしております。

【村上委員】 緑化植物のグループの、今までどのような議論をしていて、いつまでぐらいにどういう結論を出す予定なのかという話を聞きたいのですが。

【小野座長】 勝山委員、わかりますか。では、事務局から。

【環境省 長田専門官】 前回、全体会合が6月9日にございまして、その段階ではまだはっきりと決まっていなかったんですけれども、実は今年度の調査費を3省でとることができまして、3省あわせて約1億1,000万の予算になりますけれども、外来生物による被害の防止に配慮した緑化植物の取り扱い方針の検討調査というものに着手をすることにいたしております。その調査の中で、個々の現在要注意外来生物のリストの候補に挙がっております植物等について、具体的な利用の状況ですとか、例えばどういう被害というか、使った場所から外に逸出をしているかどうかというような現地調査等も行いまして、その代替的な植物の利用の可能性とか、そういったことも含めた総合的な取り扱いの方針について検討していきたいと考えておりまして、現在まだ予算がついたばかりの段階でして、具体的に調査は始まっていないんですけれども、3省で共通して取り組むべき部分と、それから各省庁が各省庁の特性に応じて独自にやっていく部分を整理してきたいと考えておりまして、3省で調整を今まさに行っているところでございます。
 専門家会合の中では、この調査の検討状況について、適宜、事務局からご報告をいたしまして、その情報も活用していただきながら、引き続き特定外来生物の選定のための検討をしていただきたいと考えております。

【小野座長】 ということだそうですので、ご了解いただきたいと思いますが。

【村上委員】 前も言ったと思うんですが、十把一絡げに言うのではなしに、特に悪いものについては先に指定するとか、そういった優先的に扱うこともできるのではないかと話をしたのですが、その辺は今の話だったら、各省の状況を見て、その上で優先順位をつけるという話なわけですね。

【環境省 長田専門官】 調査の状況については、まとまった段階でということではなくて、進んでいく状況も含めて、その都度専門家会合にご報告をする予定でおります。

【武田委員】 予算は単年度だけですか。

【環境省 長田専門官】 今のところ単年度の予算の中で……。

【武田委員】 今からね。

【小野座長】 個々の問題につきまして、グループにつきましてのご質問はよろしゅうございますか。

【岩槻委員】 多少コメント的なことになるんですけれども、1点は、アゾラ・クリスタータの話なんですけれど、これは合鴨農法との関係がありますし、特に共生アナベナの窒素合成法の活用ということがありますので、ある意味、自然雑種や三倍体種で子孫をつくらないから大丈夫だというのは、この仲間ではときどき胞子をつくったりすることがありますので、やっぱり危険なので、在来種を活用する緑化植物と同じ発想で、在来種を活用することをやっぱり考えないと、合鴨農法のような自然農法を推進していくということとは整合しないことになると思いますので、むしろ事務局にそういうことをぜひご検討願いたいと思います。
 もう1点は、もっと根本的な問題に触れることかもしれませんけれども、二万何千種、三万何千種でしたか、そういう証明書を要するようなものまでリストに挙げられるというのは、僕は非常にいいことなので、どんどんそういうことに指定していただきたいと思うんですけれども、そうしますと事務量はどんどん増えてくることになりますよね。それをもう既に環境省の人たちを見ていると、事務量、相当危ないところまできているのに、どんどんそういう指定をしたら、やっぱりそれに対する責任体制というのも必要になってくると思うんですけれども、そういうことに対する事務局のお考えを伺うことができればと思うんですけれども。

【環境省 中島室長】 まず最初のアゾラにつきましては、合鴨の方の関係で幾つかの種類が使われている中で、少なくとも今まで使われているもので雑種をつくらないといわれるものがあるということで、当面それについては引き続き注意をしながら使っていただきたいということで、利用関係者の方々とも意見交換をしてお願いをしているところでございます。
 それから、種類名証明書添付のコガネムシ上科につきましては、これは輸入のときに種類名証明書をつけてくださいということで、実質的に禁止するというものではありませんで、つけていればすぐに通関できるというものでございまして、これまでは植物防疫所のカブトムシ判定で、まだ規制を守っているものもあったりしますので、基本的にはすべて交通量について事実上チェックをしているという状況がございまして、我々としてはそれを引き続き植物防疫所と連携をとりながら、その状態を維持していきたいという趣旨もございまして、このような形にさせていただいたということでございます。環境省としても体制の整備については、今後、一生懸命やっていかなければいけないとは思うんですけれども、植物防疫所等との連携も今後とも図っていきたいということでございます。

【小野座長】 答える方も苦しいですけれど、質問する方も相当無理なことをお願いしている部分もあります。ただ、第三次指定の前に、先ほど村上委員からご指摘があったようなリスクアセスメントといいますか、そういう判定基準といいますか、その辺の議論をちゃんとやっておかないといけない。さらに今の問題は、一体広がったらどうするんだという話になっていますので、その辺のところは今の環境省の体制だけで対応できるのかと、具体的に言うとそういう質問だろうと思っています。私は砕くのが好きですから、砕いて申し上げますけど、そこのところはなかなかすぐには環境省としてもお答えしにくい、できないところはあるだろうと思うのですが、とりあえずは法的にきちんと規制できるものはきちんと規制していきますと言っているわけですが、できないものがいっぱいあるんじゃないかという気持ちは私も持っています。
 それからもう一つは、動物群によってやっぱり随分違ってきているというのが、これからの基準の問題ですけれど、今もう大分はっきりしてきたなと思って、これは専門家会合の議論の提案になるんですが、その関係でご意見を正式交換したいと思いますが、村上さん、その基準について、ちょっと何か提案があればやってください。

【村上委員】 共通基準というのは非常に難しいと思っています。だから、まずは各グループが、自分のところの基準はどういうものであるかということをきっちりして、今まで指定したものを見直して、そういう意味でどういう基準でやったのだろうなと、そういうのを見直してみて、それでそれを各グループ横並びにしてみるというところから始まると思うんです。いきなり共通基準をやってみますと理想的なもので、実際にはまとまらないと思うんですよ。だから、やはり各グループが今やっていますから、そこからスタートするのが一番と思っています。各グループは、自分のところのグループとしては今までどういう基準、振り返ってみればこのラインのところかなと。今後、こういうことを気にした場合には、ここぐらいまで踏み込めるかなとか、できたら2段階か3段階、要するに非常に危険性の高いものをA、B、Cぐらいで精いっぱいと思いますけれども、そういうことを考えて、うちではこういうことで一応考えておりますという。今回のも出ているんですよ、資料の中に。各グループの選定に当たっての考え方。あれをもう少し詰めていくという作業が必要だろうということだと思います。

【小野座長】 わかりました。これは一つの意見ですが、皆さん、どう思われますか。

【多紀委員】 今、村上委員のおっしゃるとおりで、各グループでかなりというか、ある程度というか違うのは生物の性質上、当然のことだと思うんですよ。例えば魚類ですと、やっているうちにかなり予防原則的な見方が出てきます。例えばオオクチバスのようなものが指定されると、それに代替するようなものが、今まで二、三十年間輸入されたものが代替種としてまた出てくると。そのような既に温帯地域では大きな被害が出ているというものは、やはりあらかじめ現在でも被害があれば、指定に向かわざるを得ないと思うんですね。ですから魚類なんかでは、実際に今、50万匹、100万匹も飼われているものはありませんけれども、ですから魚類では、今後はそのようなものをもう少し交通整理をしていこうと思っております。

【小野座長】 それぞれのグループで、とりあえず今こういう基準で決めておりますということをお明かしいただいて、その上で全体の議論かけていくというのは一つのやり方だと思っているのですが。例えば未蔓延のものを、ここで既に指定したのがありますけれども、やっぱり指定していくというのはなかなか難しいのですね、ほかの動物が。その辺のところもひとつ考えに入れておいてください。
 それからもう一つの問題は、これは武田委員のところに問題があるのですが、海はサボったという、海は手に負えないぞというところなんですが、どうします。

【武田委員】 ちょっとバラスト水のことで、今後、数年以内に国際的なバラスト条約の問題が出てくるらしいのですけれど、現状で、確かに外来種、例えば東京湾、相模湾、港湾を中心にふえているカニもいるんですよね、外来種で明らかに。ただ、これの被害がはっきりとわからない。いなかったところにすっぽりはまっている状態だと思うんですが、それから言えばアメリカザリガニも同じパターンなんですよね。というと、そこが空いているのが固有の生態系なわけですが、そこに入って、じゃあどうかといった場合に、それを被害というのかどうか、ちょっと問題があるんですが、というのは、こういう場所に非意図的に入ってくる海産生物というのは非常に多いんですね。これで一部、やはり委員の間で温度差が非常にあるものですから、今もうメールのやり取りが大変ですね。

【小野座長】 前の委員会でもありましたけれども、固有の生態系を乱すものはすべて悪者であるという言い方がありましたですね。だから、そういう面から見ると、明らかにそれは被害なんですけれど、じゃあ固有の生態系をちょっとでも乱すものはみんないかんのかという話になると、なかなかそこは線が引きにくいところはあります。例えば、現在、アサリなんかの種、ご承知のとおり、あれに結構混じってくるほかの貝がありますから、ああいうふうなものもどうかなということも言われていますけど。

【武田委員】 数え上げると随分たくさんあるんですよ、割合よく知られているものでも。
それを規制といって、現実問題として次々とバラスト水は出てきているわけですよね。それはいずれ消毒したような形で海へ戻すというか、そういう方向で規制が行われるんじゃないかと思いますけれど、現実にはその先、僕はよく知りませんけどね。現実に今、指定したら、これは無責任体制そのものですね。はっきりとした被害があるのであれば別ですけれども、なかなか実害も表に出てきていないですよね。ですから、現段階で指定するのは難しいと思いますが、この先としては、やはり方向としては考えなければいけないだろうと思います。

【小野座長】 それでは、武田委員のところは、グループをしては、まずは陸水に限って基準をつくって、海については考え方をまとめていただくと、整理していただくと。

【武田委員】 そうですね。今、これからみんなが意見をメールでやり取りしている状態ですね。相変わらず続いていますけれど。

【小野座長】 どういう意見が出てくるかということを紹介していただいただけでも、専門家会合としての議論は十分できると思いますので、それをまたひとつおまとめいただきたいと思いますので、よろしくお願いします。

【武田委員】 そうですね、わかりました。

【村上委員】 海産の無脊椎動物については、恐らく僕なんかはムラサキイガイとか、要するに構造物を変えることによって、その生態系ががらっと変わる場合があるんですよ。そういったものはものすごく大きな被害なんですけれどね。くっつくことによって、そこが全く以前と違ったものになる、この群集が。これも生態系被害と僕は思っているんですけれど、この辺になると生態系被害とは何かという本質的な問題を含んでくるんですよ。その辺をちゃんと明確にしないと、この議論が空回りする可能性があると思うんですよ。だからその辺はちゃんとしてほしいと。基準に関しては、やはり科学的な知見で入れましたら、定着の可能性がどれだけあるかということと、それから定着した後に被害がどの程度起こるのかということと、それからもう1点は全然別な視点なんですが、その指定の効果というのもあると思います。僕なんかは、第一次、第二次ではむしろ指定の効果も含めて考えているわけです。だから、その辺のところがやはり科学的にどのぐらい言えるか。分布初期で分布拡大期にある、あるいは人為的な密放流とか、要するに人間がかかわっていることによってどんどん分布拡大が起こっている、これは指定の効果があるとか、そういった角度でやってきたわけです。だから、その辺のことはグループによって違うだろうと。例えば定着の話だと、無性繁殖するかどうかとか、この辺ものすごく大きな問題なのですよ。そういったことをまずグループごとにやってというところから始まるだろうと思っているのですが。

【小野座長】 それぞれ無性繁殖するものもあるし、できないものもあると思うので、特に植物なんかはプロパティがどうやって増えていくかというのはわからないのが結構ありますから、その辺は各グループで、先ほどのお話しましたように、基準の位置をまとめてお明かしいただくということで、きょうはそれでとどめておきます。
 そのほかの件としては、先ほどちょっと全体で議論しておく必要があるなと思ったのは、哺乳類グループから出ました鳥を、あれはどういう意味ですか、分けたいのですか。

【村上委員】 実は何とかしたいと思うんですが、哺乳類は哺乳類学会が割と後ろでバックがあるわけですね。それで、僕らはグループで議論しているのですよ。外来哺乳類検討グループといって、20人ぐらいの人がいて、それがバックに入っているから割と議論がしやすいんです。
 それで、鳥はまだそこまでのバックができていないと見ているんです。したがって、割と個人的な意見になりやすい。そこを気にしていまして、もう少しそういうNGOを含めてもいいのですが、鳥類グループについては何かもう少し幅広くその基礎をつくらなければいけないなという感じがしているんです。それをどうするかというのは、このワーキンググループ、この中でエスカレートしてもどうしても無理だと思うので、どうするかというのは、今後例えばいろんな種類が出てきた場合に、あの人に聞けばいいとなるんですけれども、やはりグループとして受ける方がいいんですよね、個人ではなしに。バックに持っている方がずっと強いんですよ。だから、そういう体制を僕はつくるべきだと思っております。

【小野座長】 それはしかし、つくれというわけにはいかない…。

【村上委員】 いかないです。だからその辺をどうするか、悩ましいところなんです。

【小野座長】 本来、鳥はそういう意味での外来種が基本的に少ないですから。

【村上委員】 少なくはないですが。

【小野座長】 いや、ほかの昆虫とか哺乳類とかみたいに。もちろん大正時代から入れれば、コジュケイとか入っていますから、それは結構あるんですけれども。

【村上委員】 ただ、被害が顕在化しにくいんです。そういう部分が、被害の程度と言いますと非常に難しいということがあると思いますけれども、この辺は鳥類グループについての基準づくりみたいなことをもう少ししなければならないなと思っています。

【小野座長】 わかりました。
 それは哺乳類・鳥類グループの中でそのことを少し議論をして詰めてください。よろしくお願いします。

【武田委員】 ベントス学会というのがあって、無脊椎の中では海産生物の外来種を調べているグループの非常にしっかりしたのがあるのですよ。ですから、そこの意を受けないとまた大変。そういうのもあります。

【小野座長】 恐らく関連学会は皆さんのワーキンググループの中にはあると思うんですよ。だから、外来種というのは、今、結構アップ・トゥ・デイトの問題ですから取り上げられているんだろうと思って、その議論というのは当然反映してくる。それはいいことだとは思っていますので、それがあるところはご活用をください。ないところが問題になるわけで。昆虫なんかはいっぱいありますよね。

【石井委員】 検討グループはないのかもしれませんね。ちょっとついでに一言よろしいですか。

【小野座長】 はい、どうぞ。

【石井委員】 昆虫の方は、今まで特定外来生物はアリを選んできたんですね。その理由は、植物防疫法にかなり信頼を置いていたということがありまして、今回初めてテナガコガネ挙げましたけれども、この辺の方向転換に関しては、ちょっと農水省から植物防疫法についてヒアリングをしまして、いろいろご説明いただいている中で、今の植物防疫法だと、大量に昆虫が流通する事態に対応できていないんじゃないかということがわかったんですね。輸入するその局面に対して規制するんだけれども、一度入ってしまったものが適当に飼われて、どこかに放逐するというふうな事態に対応しにくい法律になっているような感じなのです。そうなってくると、これまで純粋に生態系だけに被害が及ぶものをやっていましたけれども、ひょっとしたらもうちょっと拡大していかなければいけない、もうちょっとではなくて、ひょっとしたら圧倒的に拡大しなければいけないかもしれないなという事態になりそうなんですね。ちょっとその辺について、予告編をさせていただきたいと思います。

【小野座長】 セイヨウオオマルハナバチの話がさっき出ましたけれど、あれは第三次のときに議論の対象にしようということですか。

【石井委員】 ええ、これは先ほどの資料1-4の一番下の○にありましたように、小グループをつくって今検討中であって、それとは別に、これは国立環境研を中心にですけれども、このセイヨウオオマルハナバチについての影響を実際に具体的な調査をしているんですね。これの結果を待ちたいということです。

【小野座長】 ほかにございますか。昆虫は大変難しいと思います。私の知っているだけでも、イセリアカイガラムシにはベダリアテントウというのが必ずくっついて分布していますので、あんなのも両方とも外来種なんですが、しかし昔から日本にいるような顔をして住んでいますのでね。みかんのところには必ずいますから。最近はそれを農薬でたたいているというのが事実ですけれど、こういうふうなものはちょっと大変だなと感じますね。新しく入ってくるものが結構増えているんで、その辺が問題だろうとは私は思って見ているのですが。
 ということで、ほかに何かご意見ございましょうか。
 ございませんでしたら、そろそろこれに関してはまとめてよろしいですか。一応、事務局から提案されました第二次指定につきましての42種類につきましては、この各種類の名前について議論を一つ一つしたわけではございませんが、各グループの報告を聞きまして、専門家会合ではよろしいというふうにお認めいただけましょうか。

(異議なし)

【小野座長】 ありがとうございました。ということで、これは一応確認しました。
 次に、第三次指定というのが当然来るわけでありますけれど、それ以前に、少し村上委員のご提案のとおりに、基準を明確化していきたいという希望については特にご反対なかったので、これをやっていきます。その途中で、各グループの基準をお示しいただくということをお願いいたしたいと思います。この点はよろしくお願いをいたします。
 そのときに宿題みたいにしてくっつきました、学校教育の中での外来種の取り扱い、これも一緒に議論していただくと大変ありがたいと思っていますけれど。これはやっぱり割合にグループの特性があるものですから。一般的には、学校教育についてはすぐ出てくるとは思うんですけれども。どうぞ。

【村上委員】 学校教育については、各グループで議論する内容ではなしに、むしろ全体で考えるべき問題でね。

【小野座長】 いや、もちろんそうなんですが、どういうものが学校教育の対象になり得るかという、各グループの…。

【村上委員】 そうですね。各グループの中で、例えばどういうものが対象として今学校教育で使われているか、あるいは飼育されているか、実態調査というのは各グループでやってもらうのに必要だと思いますけれども。

【小野座長】 そうそう。

【村上委員】 議論としては、僕、全体にまたがる議論だと思います。

【小野座長】 いや、もちろんそうです。

【村上委員】 文科省との交渉だと思います。これは特に小中学校はぜひとも変えたいので。

【小野座長】 交渉に乗るか乗らないかは相手のあることですから別として、とにかく申し入れはできると思いますから、それはまた宿題にして置いておきます。
 それも含めて、少しそういうこともあったということを各グループ会合でお明かしいただいて、意見を聞いていただきたいと思います。

【村上委員】 実はきのう、国際哺乳類学会の中で公開シンポをやりまして、フランスとかニュージーランドの人がしゃべったんですが、あちらではやはり学校教育の中に随分入り込んでいます。それは感心するほど入っています。フランスが遅れているなと思ったんですが、その点では日本より進んでいたという感じがしました。それは別に国が進めているというよりも、各独自に動き出したという、それだけ市民の意識が高まったという感じのところがあるんですけれどね。そういった問題もあると思いますけれども、やはり国としても何か働きかけは必要だろうと。だから、どのレベルで何をするかというのが非常に大きな問題だと思うんです。その辺のところをけじめをつけないで、やっぱり環境省からものを言えること、それから市民から言う、NGO同士で言えることとか、いろんなレベルのことがあるので、それをちょっと考えなければいけないのではないかと思っています。

【小野座長】 わかりました。割合に村上さんの頭も今ホットですから。どうもありがとうございました。
 ということで、本日の主な議題は一応終わりましたが、実は、未判定外来生物及び種類名証明書添付生物については、一応事務局の説明があっただけでそのままになっているんですけれども、これはどう扱いましょう。これはそういうことだということで。はい、どうぞ。

【村上委員】 これについても、一応各グループは各グループのものを見ていますので、一応これもオーソライズした方がいいんじゃないですか。ですから、特に僕は、事務局の意見に対して追加すべきもの、やり出しましたら切りがないですよ、それは。という感じがするんですが。特にこれは、例えばどういうものがあるかというのの該当するものを探し合いみたいなものですからね。だから、ひょっとして抜けている可能性があった場合には修正するという。ただ、事実というのはどこかぽろっと間違ったりしますので、今書いてあるものを大体認めて、修正があった場合にはちゃんと書面でそれを修正するというふうなことをやれば、僕はいいと思います。一応、事務局提案を僕は支持したいと思います。

【小野座長】 ありがとうございました。中島さん、それでよろしいですか。

【環境省 中島室長】 はい、ありがとうございます。

【小野座長】 ほかの方、よろしいですね。

(異議なし)

【小野座長】 ありがとうございました。
 議題は、3.その他とありますけれど、何かございますか。

【環境省 中島室長】 要注意外来生物関係の説明をさせていただきたいと思います。
 資料2、それから資料3と資料4を一括してまた説明させていただきます。
 資料2の要注意外来生物リスト(案)でございますけれども、これにつきましては、前回の全体会合で要注意外来生物リストの第一次のときにつくりました暫定版を今回第二次指定に合わせて整理をし直したいということで、整理につきまして前回ご討議いただいたところであります。
 めくっていただきまして、検討成果のイメージというポンチ絵でございますけれども、今回の検討対象種の中から特定外来生物に指定すべきものと対象外にすべきものを除いたものをすべて要注意外来生物リストということで整理をし直したいということでありまして、この整理の考え方に基づきまして、各分類群ごとに要注意外来生物リストをまとめていただだいたところであります。
 要注意外来生物リストの中を4つのカテゴリーに分けるということでございまして、それぞれ種類数を申し上げますと、1番目の被害に係る一定の知見はあり、引き続き指定の適否について検討する外来生物が16種類、被害に係る知見が不足しており、引き続き情報の集積に努める外来生物が116種類、選定の対象とはならないが、注意喚起が必要な外来生物として4種類、別途総合的な取り組みを進める緑化植物ということで12種類、この合計148種類を今回要注意外来生物リストとして、このように構造化した上で公表したいということでございます。
 それぞれの分類群ごとの要注意外来生物リストというものが横長の表になってございますので、簡単にご説明いたしますが、哺乳類・鳥類ですと、最初の箱、被害に係る一定の知見はあり、引き続き指定の適否について検討するものとして、インドクジャク1種が挙げられております。これにつきましては、沖縄で捕食等による被害が発生していると。駆除も進められているけれども、沖縄以外では定着・繁殖の恐れは低い等々の注意書きが書いてございます。この1種類が一定の知見があることだと。その残りにつきましては、今なお被害に係る知見が不足しているということで、引き続き情報の集積に努めたいというものでございまして、前回の要注意外来生物リスト暫定版と違うところにつきまして触れていきますけれども、シジュウカラガンの大型亜種、コリンウズラ、クロエリセイタカシギのこの3つの種類につきましては、今回第二次選定の途中でNGOから提案がございましたものでございまして、今回要注意外来生物リストの中に入れて、普及・啓発を図っていきたいというものでございます。
 それから続きまして、爬虫類・両生類でありますけれども、被害に係る一定の知見はあるという種類のものとしては、ミシシッピアカミミガメが1種挙げられております。
 ここでまた一つ訂正をお願いしたいのですけれども、ミシシッピアカミミガメにつきましては、キバラガメというアカミミガメの種類の中に2つの亜種がございまして、一応この種類として挙げておきたいものですから、「ミシシッピアカミミガメ」を「アカミミガメ」というふうに変更したいと思います。申しわけありません。学名の方も、最後のエレガンスをとっていただいて、一応この中にアカミミガメとしてミシシッピアカミミガメとキバラガメを含んだ形にさせていただきたいと思います。たびたびの訂正で大変申しわけありません。
 それ以外のワニガメ以下のものについては、引き続き要注意外来生物リストということにしたいということで…。

【小野座長】 明確にひとつ書くと、アカミミガメ。

【環境省 中島室長】 和名をアカミミガメ…。

【小野座長】 トラケミス・スクリプタというふうにしたいということですね。

【環境省 中島室長】 はい、よろしくお願いします。
 続きまして魚類ですけれども、魚類につきましては、被害に係る一定の知見があるというものの種類としては、タイリクバラタナゴ、ニジマス、ブラウントラウト、カワマス、グッピーのこの5種類を挙げております。それ以外にものについては知見が不足しているものとして、要注意外来生物リストであります。1種類、カラドジョウにつきましては、専門家会合の中で情報がありまして、第一次のときの暫定版からは増えた種類として、このカラドジョウが1種挙がっております。
 それから、昆虫類でございますけれども、これにつきましては一定の知見があるというものについてはなしということで、知見が不足していて引き続き情報の集積に努めるものをといたしまして、クワガタムシ科、それから、サカイシロテンハナムグリ、チャイロネッタイスズバチ、ナンヨウチビアシナガバチ、それからアフリカミツバチとその交雑個体群ということで、クワガタムシ科以外のものについては、今回第二次選定の検討途中で出てきたものであります。これを加えてリスト化したいということでございます。
 それから、無脊椎動物でございますが、被害に係る一定の知見はあるものといたしまして、アメリカザリガニ、ムラサキイガイ、ミドリイガイ、カサネカンザシ、この4種類が挙がっております。それ以外のタテジマフジツボ以下、ツノクラゲの一種、ムネミオプシス・レイディというところまでが知見不足という種類になっております。
 植物防疫法の対象になっているもので、こちらの外来生物法の対象とはならないですけれども、注意喚起が必要な外来生物として特に挙げておりますのが、アフリカマイマイとスクミリンゴガイと、この2種類ということになっております。
 最後に植物でございますけれども、被害に係る一定の知見があるものとしまして、オオカナダモ、コカナダモ、ホテイアオイ、セイタカアワダチソウ、オオブタクサということで、既にもう蔓延しているこの5種類が挙がっております。
 それ以外に知見不足のものといたしまして、オオサンショウモ以下、オランダガラシ、さらに何枚かめくっていただきまして、キミノヒマラヤキイチゴまで、これはIUCNのワースト100に載っている種類をすべて今回検討の俎上に挙げたものですから、たくさんの種類が入っておりますけれども、そこまでが知見不足というものであります。
 最後に、別途総合的な検討を進める緑化植物ということで、イタチハギからオオアワガエリまでの種類が緑化植物関係ということで、一括してここに載っているという形にしておりまして、全体を見ると4つのカテゴリーに、先ほど申し上げていたように分かれているということでございます。
 これが要注意外来生物リストとして、今回、環境省から公表して普及・啓発に努めていきたいというもののリストの案でございます。
 それから、続きまして関連なんですけれども、資料3でございますが、先ほどの話とも少し関連しますけれども、外来生物問題、特定外来生物をはじめとする外来生物の取扱いに関する普及啓発の考え方についてというペーパーでございます。これにつきましても、それぞれの分類群ごとの会合のときに検討をしていただいたものであります。
 要注意外来生物リストを普及啓発のために公表していくということなんですけれども、それだけではなくて、特定外来生物そのもの、あるいは外来生物法の趣旨等を徹底していくために普及啓発を積極的に行っていきたいということでございまして、特定外来生物等の輸入、販売、飼養等を行っている関係者に対して徹底をしていくというようなことですとか、広く一般に普及啓発をしていくということを積極的にやっていきたいと。
 要注意外来生物リストにつきましても、先ほどのリストについて、利用関係者に対して普及啓発をしていきたいということでございます。
 なお、要注意外来生物リストの方は、外来生物法に基づく法的な規制が課されていないということについては、誤解のないように明確に示していくということにしたいと思います。
 それで、この要注意外来生物リストを公表していくに当たって、それぞれの生物のリストだけではなくて、生物群や利用形態に共通して配慮すべき事項があるのではないかということで、幾つかの事項について一般にわかりやすく普及したいということで、別紙として掲げてあります。生物群や利用形態に共通して配慮すべき事項の例であります。それぞれ5項目ほどに大きく分けてあります。
 まず、ペットとして外来生物を飼育する方々向けに、飼育する前にその生物の寿命とか、成長したときのサイズなどをきちんと理解して、最後まで責任を持って飼育すべきであるというようなことなどを普及していきたいと。
 特に爬虫類を飼う方向けには、先ほどちょっとお話に出ましたけれども、クリプトスポリジウムの問題等に留意をしていただくようなこと。それから観賞魚の飼育の方には、やはり大型になるもの、容易に繁殖するもの等がありますので、生物の性質をよく理解していただこうといったようなこと。それからペット販売店の方には、販売をするときに、購入者に対してその生物の性質をよく説明をしていただきたいといったようなこと。それから外来生物を利用して業を営む方にということで、逸出をしないように十分配慮してくださいというようなこと。それから輸入や流通にかかわる方に対して、特に混入のリスクを下げていただくといったような点についても訴えていきたいと。それから、これまで余りこの会議では議論できていないのですけれども、餌として生きた動物を利用しているということで、かなり大量に入っているという実態があるようですので、それについてきちんと意識をして、やはりきちんと廃棄をするとか、あるいは逸出しない方法等に留意していただくといったようなことについて、共通的にこういった事項についても普及啓発をしていきたいということでございます。
 それから、最後の資料、資料4でございますけれども、特定外来生物等専門家会合の今後の進め方についてということでございます。
 第三次以降の特定外来生物等の選定作業というところですけれども、今回、一定の被害知見があるものの、条件が整っていないことから今回指定を見送った生物については、利用の実態に係る情報や被害に係る知見の集積を継続しつつ、指定に当たっての諸課題の整理、必要な条件整備の内容や普及啓発等の具体的手法のあり方等の検討を行い、第三次選定作業の中で重点的に検討を進め、今後1年程度を目途に一定の結論を得るものとするというふうにしたいと考えております。
 第三次選定については、いつから始めるかはちょっとまだわかりませんけれども、おおむね今のところ、ほぼ1年程度にまた結論が出るようなスケジュールで進めていきたいということであります。
 その中での重要な議題といいますか、重点的に検討すべきものとして、今回、要注意外来生物リストの中の一定の被害の知見はあるけれども、今後、指定のときについてまたさらに検討していくべき種類、56種類ありますが、これらについて重点的に検討していきたいというのが事務局案でございます。
 それから未判定生物の届け出に係る検討ですとか、それから今の一定の被害知見があるもの以外の要注意外来生物、それから海外で被害をもたらしている外来生物の情報等の集積状況を踏まえて、新たな知見が得られたもの、それから影響評価の仕組みの検討が進んだ分類群については、随時、分類群専門家グループ会合を開催して、特定外来生物の選定作業を行いたいということでございます。
 それから、特定外来生物等の選定につきまして、原則として、全体会合を開催して意見を集約するということにしておりますけれども、緊急の場合などについては、座長の判断により会合形式によらない意見聴取の形式によることができるものとするというふうにしていただきたいと思います。
 次に、未判定外来生物の判定でございますけれども、未判定外来生物につきましては、輸入しようとする者から届け出の提出があった際、関係する分類群グループ座長に連絡することとしたいと思います。座長の指示によりまして、未判定外来生物に関する知見を有すると考えられる委員またその他の専門家から事務局が意見を聴取して、座長と協議した上で、取り扱いの案を作成したいと。これを分類群グループの各委員に送付して意見を求めたいというやり方にしたいと思っております。
 委員から会合を開催する旨の要請があった場合は、座長と協議をして、必要があればグループ会合を開催していくという形にしたいと思います。
 また、分類群グループにおける意見、それからそこにおいて取りまとめた結果につきましては、全体会合の座長と協議して、必要があれば全体会合を開催していくというやり方でやっていきたいと思っております。
 それから、委員の追加ですけれども、必要があれば、新たな小グループの設置あるいは委員の追加を随時行っていきたいというような形で考えております。
 今のところ、第一次指定のときの未判定外来生物に係る輸入の届け出というものは今のところ提出されておりません。
 以上、今後の予定等を含めましてご説明をさせていただきました。

【小野座長】 ありがとうございました。村上さん。

【村上委員】 資料4のところを見ますと、第三次以降の特定外来生物の選定作業のところに、一定の被害知見があるもの16種と先ほど言われましたね。そうしますと、資料の2の要注意外来生物リストの中の、例えば被害に係る一定の知見はあり云々という言葉と、被害に係る知見が不足しておりという言葉の間にかなりの差があって、まずはその上の方だけやるという話になっているわけですよ。これは、僕はちょっと危ないと思うんです。というのは、この上に載っているやつと下に書いているやつとは、場合によっては下の方が上がる可能性が十分ある。そういう形でこれはランクづけしていません。僕は、それはおかしいと思います。
 それで、例えば鳥について、要注意外来生物から除いたやつがあります。それは定着の可能性がないだろうという理由で除いています。ここに書いてある被害の知見があるかないかという話は非常に難しいと思います。そこの中には定着の可能性、それから利用に関する実態というもの、そういったものを含めた形でやるということがあるんですよ。ですから、この要注意外来生物を2つに分けて、その上をランクづけになっているという話には絶対なっていないと思います。これに対しては反対します。だからむしろ要注意外来生物の中で、そっちがランクが多少上だろうというのはわかりますけれども、下のやつも含めてという話にしてほしい。
 もう1点は、なぜこういうことが起こっていくかといいますと、判定基準のところに4項目あったその中に、実は被害があるかないかというところで書かれていまして、そのほかの定着のこととか書いていないんですよ。利用の実態とか、生息状況とか、そういったものが全部抜けております。だから僕は、そこは先ほどの4項目の2項目目のところに「等」という言葉を入れてほしいんですよ。だから「等」を入れますと、多少そういったものが、今ランクづけされた要注意外来生物の下のものも同様に入ってくるという形で考えないと、そうしないと、この要注意外来生物はそこまでの煮詰めはしていません。うちのグループはしていません、そんなのは。無理です。だから、これは僕は困ります。

【多紀委員】 ちょっといいですか、事務局がお答えになる前に。今、村上委員の発言とちょっと関連があるもので、魚類のグループについて、実際のところを申し上げたいと思うんですけれども、資料4に今後の特定外来生物と未判定の選定をやって、必要があれば随時、専門家グループを招集するということになっていますけれども、実際問題として、例えば魚類のグループですと、これからどの特定種を選定するかというのはもちろん大事なことですが、それと同様に、今、村上さんが言ったような要注意を吟味するということの方がむしろ大事、しかも余計大きなエネルギーを必要とするところなんですよね。それでぶっちゃけた話をしますと、魚類グループは第1回と第2回はエネルギーの主な部分をオオクチバスという魚に使ってしまいまして、かなりまだまだいろんなことがたくさん残っております。
 今、村上さんもおっしゃったように、被害の実態というか、生態の実態も結構わかっていないものが、これはほかのグループも同様だろうと思うんですけれどね。例えばリアクト等かなりわかっているところもありますが、わかっていない、具体的なデータのないものが多い。魚類は水中だということですが、一つは、例えば魚類学会の要請リストには、ガーとかアミアとかいうような温帯から熱帯性の観賞魚があります。これなんか方々でもって実際に遺棄事例がありますけれども、子供がいたというような情報もあるけれども、繁殖事例というのはわかっていないと。だから生態がわかっていないと。
 それからもう一つは、沖縄周辺で、前からも話がありましたけれども、観賞用熱帯魚が定着をしているということが随分あります。ただし、その実態も案外わかっていない。ただ、どのようなものが制限因子になるのかとか、定着についての調査も進んでおりません。
 それからもう一つは、この魚類の要注意の下の方のグループのカテゴリーで、タイリクスズキというのがありまして、これは魚類の中でただ一つ海産魚種で挙がりまして、しかも養殖魚種であります。ただ、タイリクスズキというのは種のアイデンティティすら余りよくわかっていないようなものがあると。そうすると本法ではなかなか網がかけられにくい。水産養殖も含めまして、貿易も含めまして、今後類似のケースも出てくるということで、かなり視野を広く、今後、魚類専門家グループでやっていかなければならないということを申し上げたいと。
 それからもう一つはお願いで、ということで環境省も農水省もこれからもどうぞそのバックアップをお願いしたいと思っています。以上です。

【村上委員】 もっと明快に言います。資料4の「一定の被害知見があるものの」と、その言葉全部削除してください。それで「今回条件が整っていないことから指定を見送った生物については」という文章にする。「一定の」から「ものの」までの「、」まで削除。それから、資料2の3の(2)、被害に係る知見、ここに「等」と入れてください。等が不足しており、この2点を要求します。資料2の(3)の要注意外来生物リストのとりまとめと活用の方法の下の方の1、2、3、4項目、先ほど説明があったところの2項目目のところに「被害に係る知見が不足しており」、これを受けているわけですよ。この文章を受けて先ほどの資料4がつくられているので、資料2のそれがいわば基準になっているわけですよ。そこを被害に係る知見「等」が不足しており、等にしてほしいんです。ということは、今まだ要注意外来生物で、まだいろんな点を総合的に判断しなければならない問題がたくさんありますよと、そういふうな形にしてほしいんです。

【環境省 中島室長】 ちょっと資料4のつくり方で誤解を招くことがあります。ちょっともう一度説明をさせていただきたいと思います。
 第三次以降の特定外来生物の選定作業の一つ目の「・」ですけれども、この中で一つスケジュールの点について、第三次選定作業を今後1年程度を目途にやるという点と、それ以外の何を重点的に対象にするかという話がごっちゃになってしまっているのですが、一つ、第三次選定作業を1年程度を目途にやっていきたいということと、その中で何をするかの点の中で、重点的に検討するものとしては、今回、要注意外来生物リストの中の整理した16種類、一定の被害知見はあるけれども、今回指定を見送ったものについては重要視されるべきだということで、我々としては第三次選定作業の中で重点的にやっていきたいと。それ以外のものをしないと言っているわけではなくて、その下の「・」のところに、それ以外のことについても随時と書いてありますが、それ以外の要注意外来生物も、それから未判定の届け出等も出てくるかもしれませんし、必要な情報が出てきたものについてそれぞれ、三次もそうですし、ひょっとしたらすぐにまた違うものを対象にやらなければいけないかもしれませんので、ちょっとそのあたりが今のところ不明確なものですから、とりあえず重点的にやるのは、この16種類ですよということで。

【村上委員】 そこでぽんと縛られているので。だから、それが重点的にというような言い方だったら構わないですけれど、その後ろの表を見ますと、見事にそこが切られていますのでね。これはランクづけだと思うのですよ。そういうふうにするのではなしに、というのは、この前のマスクラットでもそうですが、これはやっぱり非常に蔓延したら大きくなってくるので、ぼんといきますよね。ああいうことが起こり得ると思うんですよ。そういう可塑性を残してほしいんですよ。やっぱり、そこまでの熟度がいっていない。哺乳類でさえそうですから、僕、よそはもっとひどいと思います。ひどいことを言いますけれども、僕はそう思っています。

【小野座長】 前のときに一遍、無脊椎動物の委員から似たようなご指摘を受けたことがあるんですよ。そういうことも含めまして、これはちょっと修文といいますか、1回ここで修文するよりも、全体的にちょっと今、前後の問題がありますから、事務局が説明したものも含めて修文した方がいいんじゃないですか。

【環境省 中島室長】 今、修文の案ですけれども、1の第三次以降の特定外来生物の選定作業の一つ目の「・」ですが、この4行目の「第三次選定作業の中で重点的に検討をすすめ」のところを「すすめる。」として1回文章を切っていただいて、その次の未判定外来生物等のパラグラフの3行目の「随時」という2文字を削っていただいて、それで4つ目の「・」として、第三次の選定作業については今後1年程度を目途に一定の結論を得るものとする、という全体が係るような形で、第三次のスケジュールだけをここに加えるという形ではいかがでしょうか。

【小野座長】 先ほどの村上委員の提案はどうなんですか。「一定の被害知見があるものの」を切るという。

【環境省 名執課長】 そこについては、要注意外来生物の一番上に入れた16種類についてと同じ表現ですので、その16種類について重点的にやるということを示すために、村上委員からは削除するようにと言われましたけれども、そこはその16種類を意味するんだよということで…。

【村上委員】 違うんです。16種類に限定してやることに対しては非常に危険性が高いと言ったんです。むしろ16種類以外の下に並んでいるものの中で、今挙がっている、例えばインドクジャクよりもっと緊急性が高いもが出てくるかもしれない。今わかっていないから。場合によってはインドクジャクよりも下にあるものの方が上がる可能性があります。そういうことを言っているんです。

【環境省 名執課長】 はい。ただ、まず重点的に検討を始めるものについては16種類から始めて…。

【村上委員】 それは反対していません。

【環境省 名執課長】 ですから、それを1番目の「・」は言っているということで、ご理解いただきたいんですけれども。

【小野座長】 まずはという言葉を入れるわけ。まずは16種類から始めますよと。

【環境省 名執課長】 そうですね、はい。

【岡(敏)委員】 そういう手順でいいと思いますが、そのために確認なんですけれども、被害に係る一定の知見があるものと、知見が不足しているものとの線引きについて教えていただきたいことがあります。例えば、クワガタムシ科は知見が不足している、アカミミガメは一定の知見ありと、この差は端的に言ってどこから来ると理解したらよろしいでしょうか。

【環境省 中島室長】 それぞれの分類群会合の中で、それぞれの種類について整理されているので、一応私から議論の内容をご紹介いたしますけれども、そこを知っている座長から補足をお願いしたいと思います。
 まず、クワガタムシ科でございますけれども、これにつきましては野外で交雑個体と見られるものが見つかっているけれども、それが野外で交雑したものかどうかの確認がとれていないと。それは2例だけであると。それと、実験室内では在来のクワガタとの間で交雑が起こって、それは稔性があるということが確認されていると。ただ、同じことが野外で起きるかどうかという確認はまだとれていないということであります。つまり、その被害について懸念される材料はあるんだけれども、それをもって明確に、これは絶対に被害があるんだというところまで言える科学的な知見はないというのが、一応専門家会合での議論の結果でございました。
 それから、アカミミガメにつきましては、先ほど安川先生からご紹介いただきましたとおり、これにつきましては既にかなり大量に飼育されているものが放されていて、これらによる在来生物に対する影響というものは、その食性あるいは繁殖能力等を考えるとほぼ明らかではないかと考えられるというのが、分類群ごとの専門家会合の結論でございまして、そこはそれぞれ分類群ごとに議論がされて、今、結果的にそれぞれのカテゴリーに振り分けられているということでございます。

【小野座長】 一つ、岡さんが質問したわけですが、岡さんに対する答えですけれど、岡さんの方はそれでよろしいですか。

【村上委員】 僕は僕のグループに対して言っているのです。例えばシリアカヒヨドリというのはIUCNが選定して、被害が海外では顕在化しております。それにもかかわらず、「被害に係る知見が不足しており」に入っているんですね。フェレットも同じなんです。だからこういったものは、被害の知見が不足しているとか定着とかいろんなことが考えられるわけですよ。だから、「被害に係る一定の知見はあり」というときに、ずっと下のやつとはどこで線を引いているかというと、非常に難しい部分があるわけですよ。だから、2番目のその下に入っているものは、被害に係る知見が不足しておりというところだけではなしに、被害に係る知見等が不足しておりという形の、そこで「等」を入れたらいいと思っているわけですよ。それで今の段階ではランクづけがありますけれども、もう将来にわたっては、インドクジャクよりもシリアカヒヨドリが出る可能性がある。そういった問題なんです。だから、例えば哺乳類・鳥類ではインドクジャクを重点的にやりますと言われても、これは2回も延びているわけですよ。それよりもフェレットから、まだまだたくさんのものが、この下に挙がっているものの中で上がってくる可能性があります。したがって、この線引きを何か規定のように言われると、うちのグループはそこまでのことはしていないと言っているのです。

【小野座長】 先ほど、その点は課長が説明したように、まずはというところから行くわけですから。それから、さっきの岡さんのご質問に対しては、今、村上委員が事務局の代理みたいにして答えてくれましたけど、それでいいんですか。

【環境省 中島室長】 先ほどのことに対して…。

【岡(敏)委員】 先ほどのお答えは、要するに繁殖の可能性の強さの差であるというふうに理解しました。それでよろしいですか。
 それから、今、村上委員さんがおっしゃったことに関して言うと、被害の知見「等」というのを加えるべきでないと思います。というのは、選定で一番重要な要素は被害の有無なんですね。そのほかの事柄というのは副次的なんですよ。つまり規制の有効性とか社会経済影響とか。だから、まず被害の知見がどれぐらい確からしいかというところを一番重要な境界線にすべきだと思いますので、「等」を入れるべきでないと思います。

【小野座長】 被害の中身は今度は非常に複雑で、なかなか判定しにくいところがあります。

【武田委員】 無脊椎グループでも、「一定の」という言葉にもうすごくいろいろ議論の時間を割いた覚えがあります。被害そのものなんですけれども、その被害がはっきりとなかなか評価できない、横並びに評価できないので、非常に悩んだところでございます。

【小野座長】 ブルークラブがはいったから、なんぼ悪いのかと言われると困りますよね。

【武田委員】 結局、一定のという言葉、これは結局説得されたんですけれども、表現としては余りよくない。「一定」というのがよくないなという感じがあります。

【小野座長】 あいまいにするというのは非常によくないことなんですけれど、相手があいまいですから、あいまいな表現をとらざるを得ないということはあります。明確にできれば一番いいんですけれど、それができない部分がありますから。
 その辺は先ほどちょっと修文ということも含めて、事務局から進め方についての文をもう一度出しましたけれど、それはどうします。皆さんに配ります。

【環境省 名執課長】 座長が言われたとおり、ちょっといろいろまだ意見、この資料4の今後の進め方についてはご意見があるようですので、とりあえず今いただいた意見を事務局で踏まえて、座長と相談しながら修文案をつくりまして、その上でもう一度委員の先生にお配りして見ていただいて、その上で合意ができればというふうに考えています。

【小野座長】 はい、わかりました。では、そのようにさせていただきます。よろしくお願いします。
 それでは、そろそろ時間でございますので、きょうのまとめとしては…。

【環境省 中島室長】 すみません。もう一度、1点確認をしたい。先ほど村上先生からありました、要注意外来生物リストのカテゴリーの中の2つ目、被害に係る知見の後に「等」を入れるかどうかなんですけれども、先ほど岡先生からお話ございましたけれども、我々としても知見が不足しているかどうかというところを一応ここで明確にしておきたいと思っておりますので、このままにさせていただきたいと思うのですが、その点だけはこの場で確認をさせていただきたいんですけれども、いかがでしょうか。

【小野座長】 等を説明しようとすると、文章が20行ぐらい要りますね。

【村上委員】 岡さんが言った基本的なことは確かだし。だから、被害を重んじるんだけれども、下の入っているやつも被害があるんですよ。そういうことを言いたかっただけで、ただ、もう1項目設けた方がいいと思いますけれどね。それはまさに基準に係ることなんですが、だから絶滅の恐れで一番1Aの中に入るやつと、2とか、そういった話と一緒なんですよ。だから、その基準に係るトップランクのものはどういうものかという話のところの、そういう話になってくると思うんですよ。

【小野座長】 わかりました。では、その辺の文章は私ももう一遍見直してみますし、お任せください。よろしく。
 何かあるの、事務局。

【環境省 長田専門官】 一つだけ。各分類群会合でご議論いただいたときに、要注意外来生物リストそのものの活用についてなんですけれども、なるべく早く公表をして、これらの生物に関する情報を外に出していくことによって、適正な取り扱いをするようにということを言われておりまして、このカテゴリー、4つの区分自体は、前回の全体会合と各分類群会合でご議論いただいて、今、ご指摘いただいたことも踏まえて、今後の基準づくりとあわせて事務局側の宿題として、また各委員と調整をさせていただきたいと思っているんですけれども、そのリスト自体の公表についてはできるだけ早くすべきと思っておりますので、とりあえずこの形で区分をしたものを要注意外来生物リストとして公表しつつ、次の基準づくりの課題の整理とあわせて、これを直していく場合にはどう直していくべきかということも含めてご相談を申し上げたいと思うんですけれども。

【小野座長】 では、リストそのものについては、今のところ余り問題は出ていないわけで、表現の問題ですから、それはすぐで結構です。やったらいいんじゃないですか。やってください。

【安川委員】 ミシシッピアカミミガメに関して、ちょっと補足させてもらいたいんですけれども、これが一定の知見ありというのになっていることの一番大きな理由は、圧倒的に数が多く、しかも広い範囲で定着しているということがあれになっています。
 それからあと、先ほどちょっと事務局から説明があったときに、このアカミミガメは2亜種というふうに言われたんですけれども、実際には3亜種から19亜種いまして、そのうち問題になっているのがキバラガメのとアカミミガメの2亜種で、その中のやっぱりミシシッピアカミミガメが圧倒的にということですので、一応それを補足させてください。お願いします。

【小野座長】 はい、ありがとうございました。それはインフォメーションとして流していただいて、実際はほとんどの人はミシシッピアカミミガメのことだとみんな思っていますけれどもね。分類学的には非常に難しい問題はあろうとは思うんですけれども。

【村上委員】 申しわけないですけれど、第三次指定のときに、一番目にインドクジャクやりますが、その下のものも同時に扱って議論します。これでよろしいですね。それはそうさせてください。

【小野座長】 さっきの議論はそういうことですから。

【村上委員】 はい。ということで結構です。

【小野座長】 それでは、これ以上、特段もうないですよね。まとめますけど。
 一次指定から継続して大変ありがとうございました。二次指定のところ格好がついてきましたので、お礼を申し上げます。今後も今のような議論に対しまして、第三次の選定作業に向けて、環境省、農林水産省に着実にこれから事業を進めていただきたいとお願いをいたします。
 では、最後になりましたが、一番最後に自然環境局長の方から一言ごあいさつをお願いします。

【環境省 南川局長】 どうも今日は大変熱心なご議論ありがとうございました。私も初めて出席させていただきましたけれども、正直言いまして、こんなに熱心なご議論の検討会というのは久しぶりでございます。ありがとうございます。
 おかげさまで一次、二次の指定が、非常に厳しいスケジュールの中でありましたけれどもまとまったということで、大変ありがたく思います。きょう42種類決まったわけでございますが、これにつきましてパブリックコメントに直ちにかけたいと思っております。また、WTOの都合の手続なども進めていきたいというふうに考えているところでございます。
 外来生物法自身は6月1日に施行をされました。2カ月が経ちました。今のところ特段大きな問題は出ていませんけれども、課題は山積でございます。多くの方々はまだこの法律になじんでいないものですから、まだまだ普及啓発が非常に必要でございます。それから、実際の現場での水際対策の充実、防除の推進ということも大変頭の痛い問題だと思います。ぜひこれらについて積極的に取り組んでまいります。
 また、三次の指定につきましても、時間があるようで実は余りないというのが正しいところと思います。先生方のご協力を得ながら進んでいきたいと思いますので、どうぞ引き続きよろしくお願いします。本日は本当にありがとうございました。

【小野座長】 それでは、本日はこれで終了いたします。