環境省自然環境・自然公園特定外来生物等の選定について

第4回 特定外来生物等専門家会合議事録


1. 日時 平成17年6月9日(木)10:02~11:56
2. 場所 霞山会館 うめ・さくらの間
3. 出席者  
   (座長) 小野 勇一
   (委員) 岩槻 邦男
石井  実
小林 正典
武田 正倫
安川雄一郎
岡  敏弘
角野 康郎
多紀 保彦
村上 興正
 
   (環境省) 小野寺自然環境局長
名執野生生物課長
上杉生物多様性企画官
中島自然ふれあい推進室長
堀上野生生物課課長補佐
長田移入生物専門官
   (農林水産省) 丹羽水産庁生態系保全室長
岡田野菜課課長補佐
佐古田林野庁森林保護対策室長
中澤農産振興課技術対策室専門官
5. 議事  
【長田専門官】 それでは、ただいまから第4回の特定外来生物等専門家会合を開催したいと存じます。
 まず初めに、本日の委員の出欠についてお知らせいたします。農業環境技術研究所の岡三徳委員、それから亀山章委員、それから爬虫類・両生類グループの座長の長谷川委員が本日ご都合によってご欠席でございます。今回の会合では第二次の特定外来生物の選定についてご議論していただくこととしておりますので、小野座長、長谷川委員とご相談しまして、爬虫類・両生類グループからは安川委員に爬虫類・両生類グループを代表してご出席をいただいております。
 それから事務局からの新たな出席者でございますけれども、林野庁から佐古田森林保護対策室長でございます。それから農水省の畜産振興課技術対策室から中沢専門官でございます。
 それではお手元にお配りしました資料の確認をさせていただきたいと思います。封筒の上に置かせていただきました資料を上から確認をしてまいりたいと思います。議事次第が1枚ございまして、その次に専門家会合の委員の名簿、それから資料一覧がございます。資料一覧の資料の順に沿いまして、資料1-1、特定外来生物等の第二次先選定にあたっての基本的な考え方、前回お出しした資料の修正版でございます。同じく前回の修正版としまして資料1-2、第二次以降の特定外来生物等の選定の作業手順。資料1-3、一枚紙で特定外来生物の第二次の選定作業の状況について(中間的整理:案)でございます。資料1-4、要注意外来生物リストの再整理・活用の方針についての案でございます。それから資料1-5、1-6はこれまで分類群会合でご検討いただいてまいりましたときの資料をそのままお配りいたしております。修正についてご意見等いただいておりますけれども、今回はそのまま分類群会合でお出しした資料をお配りをしている状況でございます。資料1-5として「外来生物の特徴と第二次選定に際しての留意点(案)」それから「今後の検討の進め方について(案)」でございます。それから資料1-6も分類群会合でお出しした資料ですけれども、第二次選定の検討対象種一覧、各分類群ごとの一覧表でございます。それから資料の2としまして、外来生物法の施行について。それから参考資料としまして、参考資料1、WWFジャパン、日本野鳥の会、日本自然保護協会のNGO3団体から共同で要望があった検討対象種でございます。それから参考資料の2としまして、5月30日に生態学会の自然保護専門委員会から出てまいりました要望書の抜粋でございます。参考資料の3としまして、魚類学会から3月11日にご提案のありました要望書でございます。それから参考資料の4は、前回4月5日の第3回専門家会合の議事概要でございます。さらに参考としまして、外来生物法に関するホームページができましたので、そのトップページのコピーをお配りしております。それと外来生物法に関するパンフレット、飼育関係に関するものと輸入関係に関するもの、オレンジの方が飼育関係、青いのが輸入関係者向けのものですけれども、パンフレットができましたのでご参考までにお配りさせていただきました。
 あと机上に冊子としまして、特定外来生物被害防止基本方針をお配りしております。もし資料に不備がございましたら事務局にお申し出いただければと思います。
 それでは、開会に当たりまして、小野寺自然環境局長からごあいさついたします。

【小野寺局長】 おはようございます。環境省の小野寺でございます。本当にお忙しい中、朝からお集まりいただきましてありがとうございます。
 6月1日におかげさまをもちまして施行いたしました。3日に駆除関係の公示もいたしました。ようやく出発することができました。数年来の懸案に1つのステップになったというふうに思っております。息つく間もなく二次指定の議論を、正確に言いますと一次指定の議論のときから、もう既に次の準備・議論というのは始まっていたというふうに考えた方が本当は正確でありますが、形の上では4月5日にこの専門家会合をおやりいただきまして、そこで二次選定の出発をして、今まで議論を積み重ねてまいりました。
 7月末に二次指定を一応選考を終えて法的な準備に入るという大きなスケジュールにしております。きょうは中間的な整理ということで非常に大事なタイミングだというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 この間、とりわけここ半年に関しては問題の本質を進めるために事務局としても、ありていに言えばつま先立って前のめりに仕事をしてきたという気持ちでおります。組織の中の人のやりくりもかなり無理をしてここまで来ております。それはこういう新しい分野に入っていくときには最初の一定期間というのが極めて大事でありまして、外来生物法という法律をつくったけれども、どのぐらいのことを実際やろうとしているのか、やり得るのかというのは、恐らく最初のところですごく印象を受けて社会的にどう受けられるかということと外来種対策が本当の意味で、実際は時間をかけて進むべきものだと思いますが、そこが大きく変わってくるということになっていると思います。
 そういうことで、事務局も努力をしてきましたし、これからも努力するつもりです。ここまで来れたのはこの専門家会合、分科会の専門家の皆様のおかげだと思っております。きょうを含めて今後ともよろしくご協力をお願いしたいと思います。
 あいさつでお願いをして妙なあれですが、よろしくお願いいたします。

【長田専門官】 それでは、議事の進行につきましては小野座長、よろしくお願いします。

【小野座長】 狭いところですから、記録を取る方はよく耳を澄ませて記録をとってください。よろしくお願いいたします。局長のごあいさつにありましたように、いよいよ実効性を問われるというのは、やっぱりこういう法律では一番大きいところだろうと思いますが、第二次、三次とならせる意味では実効性というのがまず問われてくる。その次の第二次ということになりますので、少なくとも第一次よりは上回るぐらいのものがいろいろペンディングになって……、その点につきましてのご議論をよろしくお願いいたします。
 第二次の方は、特定外来生物等の第二次選定の中間取りまとめということで今日議題としております。選定についてとありますが中間とりまとめだろうと思っております。よろしくお願いいたします。
 それでは、資料の説明から先にいきたいと思います。中島さん、よろしくお願いいたします。

【中島室長】 それでは座ったままで説明させていただきます。
 まず資料1-1をごらんいただきたいと思います。特定外来生物等の第二次選定にあたっての基本的な考え方。4月5日の全体会合で確認をいただいたペーパーでございますが、4月5日の全体会合でご意見がございましたものを修正をいたしまして、既に分類群ごとの会合におきましては修正後のものを提出しておりますが、一応確認のために今回お出ししております。
 2番の選定に当たっての検討方法のところでございますけれども、最初の○の最初の部分から2行ほど「第一次選定作業においては」から「検討対象から除外していたが、」という部分につきましては削除をさせていただいております。これが基本的な考え方の修正ということでございます。
 裏を見ていただきますと、選定フローの修正版がついております。これにつきましては、基本的に変わっておりませんが、これまでの進捗を簡単にご説明いたしますと、2段目の右側に会合の構成とございますが、各分類群ごとにそれぞれ、哺乳類・鳥類は5月18日等のそれぞれの会合が開かれているということでございます。植物についてのみ2回開催をされているということでございます。
 なお、4月5日の全体会合でご承認いただきました昆虫類と無脊椎動物の検討分野の変更でございますけれども、昆虫類の方は名前を昆虫類等陸生節足動物ということで、石井先生に了解をいただきました。それから無脊椎動物の方は、無脊椎動物(陸生節足動物を除く)ということで分類群ごとの会合の名称が確定をしております。
 今後でございますけれども、今回6月9日の会合の後はもう一度専門家グループ会合、分類ごとの会合を開催をいたしまして、主に7月の最初から末にかけてそれぞれ1回ずつ開催をしようと考えておりますけれども、特定外来生物候補、それから未判定、種類名添付生物のそれぞれの候補、それから要注意外来生物リストの確認といった作業を進めてまいりたいと考えております。
 それから最後に7月の下旬に第5回の全体会合を開催して、第二次の候補リストの作成というふうに進めてまいりたいと思います。
 それから資料1-2でございますけれども、これにつきましても前回の専門家会合で修正の意見がございました。2ページ目をごらんいただきたいと思いますけれども、2ページ目の上の第2-2(1)アの関連というところで、4番目のところを一部修正しております。「在来生物相の群集構造、種間関係又は在来生物の個体群の遺伝的構造を著しく変化させ、又はそのおそれがあること」ということで、個体群の遺伝的構造の著しい変化というものを重大な被害の中に明確に位置づけるということで変更しております。
 それから3ページでございますが、中ほどに「また」以下の段落がございます。これにつきましても若干その表現を適正化するということでご意見をいただきまして、一部修正をしております。「また、今後の検討対象の生物について、必ずしも学術論文として公表されている知見が十分にあるとは限らないこと」というふうに表現を適正化しているということでございます。そのほかの部分については変更はございません。
 一応前回のご意見がございました資料の変更につきましては以上のとおりでございます。

【小野座長】 それでは、ただいまの修正文書について、ご意見は特にございませんでしょうか。

(なし)

【小野座長】 ございませんね。
 それでは、続きまして二次選定の検討状況についてのご説明をお願いいたします。なお、最初に各分野の専門部会の部会長さんたちが随分努力されてここまで来ております。改めて座長としてお礼を申し上げておきます。それでは、よろしくお願いいたします。

【中島室長】 それでは分類群ごとに座長の先生方からご報告を後ほどいただきたいと思いますけれども、その前に資料1-3と資料1-4につきましてご説明をしたいと思います。
 まず資料1-3でございます。特定外来生物の第二次の選定作業の状況について(中間的整理:案)という紙でございます。
 まず1の二次指定の検討対象ということでございますが、特定外来生物等専門家会合において確認された「特定外来生物等の第二次選定にあたっての基本的な考え方」及び「第二次以降の特定外来生物の選定の作業手順」に基づき、分類群ごとに「外来生物の特徴と第二次選定に際しての留意点」及び「今後の検討の進め方」を整理いたしました。
 分類群専門家会合におきます指摘事項を踏まえた現段階での特定外来生物の選定に向けて検討対象は以下のとおりということで、まず1番目が第二次選定の候補として検討が進められている外来生物。以下の種については第二次指定の対象候補とする方向でさらに検討を進める。専門家会合としての最終的結論に向け、引き続き関連する知見を整理するということで、各分類群ごとに事務局側で提出いたしました資料に対しまして、議論いただきまして、おおむねこのまま第二次指定の候補として指定に向けて検討を進めていこうという合意がほぼ得られているような状態のものを並べております。哺乳類以下全部で2属27種の29種類ということで、ここに掲げておりますものについてはさらに必要な知見の収集は行いますけれども、おおむねこのまま第二次指定に向けて進めていこうということでございます。
 それから(2)でございますが、上の29種類に入っていないものにつきましてもさまざま議論があった種がございまして、それにつきましては引き続き検討を行う外来生物というふうに整理しております。上記(1)以外の種であって第二次指定に向けて情報収集を行うべき生物について引き続き検討を行うということで、これは今回第二次選定の検討の母集団でありました約190種類ぐらい、192種類だったと思いますが、それから上の29種類を除いて163種類のものということであります。もちろんこの中には事務局の方で十分に資料あるいは情報が収集し切れなかったものもございますが、かなり分類ごとの専門家会合の中で議論をいただいたものも含まれております。それにつきましては、今後引き続き検討を行っていきたいということでございます。
 それから(3)ですが、検討対象として追加するものというものがございます。これは先日WWFJ、それから日本野鳥の会、日本自然保護協会の3団体の連盟によりまして、第二次指定に向けての検討対象としてこういったものを追加してほしいというものがございまして、それにつきましては今回は検討の母集団を幾つかのリスト、要注意外来生物リストの暫定版ですとか、IUCNのリストといったものに限られておりましたので、それに含まれてないけれども早急に検討してほしいという要望がございまして、これについて検討対象として追加するということにいたしたいと思います。
 なお、当初、第一次指定の際にはNGOの方から特定外来生物等に指定するべきものとしてリストの提出がございまして、専門家会合でもそれを提出して議論をいただいたところでありますが、そういった中のものからNGOとしては重要だと考えるものについて21種類、これを参考資料の方につけてございますけれども、これについては今回検討対象として追加をしていこうというふうに考えております。
 それから2の今後の検討予定でございますけれども、この(1)以外の(2)(3)の生物についても検討を進めて、7月中を目途に第二次指定について最終的な結論を得ることにするというふうにしたいと思います。
 続きまして資料1-4でございます。前回の全体専門家会合におきましても要注意外来生物リストを整理するときに注意して整理をして、誤解のないようにしていただきたいという議論がございました。最終的には7月の末の特定外来生物等のリストを作成するときに、要注意外来生物リストというものも再整理して公表したいというふうにお答え申し上げておりますけれども、その再整理あるいは活用の方針についてということで案を提示したいと思います。
 1番ですけれども、要注意外来生物リストの再整理ということで、第一次の選定作業におきましては、「生態系等への影響について文献等で指摘があり、さらに知見及び情報の充実に努める必要のある外来生物のリスト(要注意外来生物リスト)(暫定版)」として、哺乳類15種類そのほか計149種類が挙げられております。今回、第二次の選定作業とあわせて以下の方針によって要注意外来生物リストを再整理して公表することといたしたいということです。
 まずリストの対象とする生物でございますが、第二次選定の検討対象といたしました「要注意外来生物(暫定版)」、IUCNのワースト100、それから生態学会のワースト100等のうち、被害について文献等による指摘があるが、その科学的知見が不足しているもの、それから普及啓発を先行して実施すべきもの等、第二次の特定外来生物の選定の対象としないものを要注意外来生物リストの対象生物としたいと思います。
 なお、検討の過程で我が国で被害を及ぼすおそれが高くないと判断されたものはそのリストの対象としないということにしたいと思います。
 それから、3番の要注意外来生物リストのとりまとめと活用の方法でございます。要注意外来生物リストには、被害に対する科学的な知見は充実しているが、指定による規制の効果等を考慮して、利用関係者に対する普及啓発を実施しつつ、引き続き指定の適否について検討を行うこととされたもの、それから被害に係る科学的知見が不足しており、その集積に努めつつ利用等に対する注意を促していくべきもの等多様なものが含まれております。このために以下の4つに分けて再整理をいたしまして、引き続き科学的知見の集積、それから利用に関する実態把握等を進めつつ、適正な利用に向けた関係者への普及啓発等を行っていくこととしたいと思います。
 まず1つ目、被害に係る一定の知見はあり、引き続き指定の適否について検討する外来生物、これが1つ目であります。2つ目が被害に係る知見が不足しており、引き続き情報の集積に努める外来生物、これが2つ目。3つ目が選定の対象とならないが注意喚起が必要な外来生物。これは他法令の規制対象種等でございます。4番目が別途総合的な取り組みを進める外来生物。緑化植物を念頭に置いております。
 なお、被害に係る知見の充実度、それから利用実態の把握状況、周知すべき注意の内容あるいはその対象者。これらは特定外来生物ごとに大きく異なるということで、リストの公表に当たりまして、すべての要注意外来生物について被害の実態、利用に係る情報、それから注意すべき事項を含む種別の情報票を作成いたしまして、ホームページ等を通じて広く周知していきたいというふうに考えております。
 また、生物群や利用形態に共通して配慮すべき事項。これにつきましても、生物ごとの情報票の整理とあわせましてとりまとめを行って、積極的に注意喚起を行っていきたいというふうに考えております。
 裏が検討成果のイメージとありますが、左側が最初に今回第二次選定の検討対象種といたしました要注意外来生物リストの暫定版、それから新たな知見が得られたものとして専門家からの指摘によるもの、それからNGOからの検討要望種。それとIUCN、日本生態学会のワースト100のそれぞれのリストが検討対象種として今回最初にあって、検討の結果右の方に行くということで、特定外来生物にすべきものについては特定外来生物にする。それ以外のものについては要注意外来生物リストとして整理するということで、先ほど申し上げた4つの分類に区分したいと考えております。さらに対象外というものがありますが、これは被害がそれほどでないと、被害を及ぼすおそれが高くないといういうふうに判断されたものについては対象外ということにさせていただきたい。イメージといたしましてはこんなような形で整理をいたしまして、要注意外来生物リストを公表していきたいということでございます。
 それから資料1-5、それから資料1-6につきましては、各分類群ごとに事務局から提出をいたしましたそのままのペーパーでございますけれども、それぞれの分類群ごとに二次選定に際しての留意点と検討の進め方が資料1-5の方についております。資料1-6の方はそれぞれの分類群ごとの特定外来生物にすべきもの、それ以外のものについて区分を分けた一覧表でございます。後ほど、それぞれの座長の先生方からご報告いただくときに参考にしていただきたいと思います。
 以上でございます。

【小野座長】 ありがとうございました。
 それでは、各専門部会の部会長先生にご報告をお願いします。ご報告に当たっては第二次指定の候補として検討が進められている外来生物につきまして、ここに掲げられております1、2、3を主体、それからなお要注意外来生物リストの再整理活用の問題につきましても議論を済ませているところはご報告いただきたい。

【村上委員】 今1-4に、ちょっとコメントあるんですが、それは今はだめなんですか、どこでやられますか。

【小野座長】 何が。

【村上委員】 資料1-4。1-3と1-4に……。

【小野座長】 だから1-4にもつけ加えていただいて結構です。専門部会の報告の件。

【村上委員】 書いてあることに関して今議論を、ちょっとこれはわからないというところがあるんですが。

【小野座長】 1-4についての質問ですね。

【村上委員】 質問です。

【小野座長】 はい、それじゃ、どうぞ。

【村上委員】 資料1-4の2番目のところですね。4行目。「第二次の特定外来生物の選定の対象としないものを要注意外来生物リストの対象生物とする」この文章が非常にわかりにくくて、後ろのやつを見ますと漏れたやつ、だから、選定しなかった種をという話にした方がわかりやすいと思うんです。公表の時期がいつであるかというのが関係しますが、これは公表の時期が選定したと同時に行うんだったら選定しなかった種という形になりますし。
 それともう1点あるのは、実はこの生態学会のワースト100の中には国内外来種が入っているわけですね。対象外が入っている。それは対象外ですから、最初からリストから外されているわけです。そうしますとそれは一番後ろのページのイメージでいきますと対象外に入っているやつがどかっとありましたよね。これを除いた上でその話になると。その2点がこの文章でわからない。

【小野座長】 なるほど。

【村上委員】 だから、これはちょっと修正をしてもらった方がいいと思います。

【小野座長】 はい。

【村上委員】 「法律の対象とする種のうち」という形でね。法律の該当種。

【小野座長】 いいですか、中島室長。

【中島室長】 わかりました。1つ目の「第二次の特定外来生物の選定の対象としないもの」というところを「選定しなかった種類」というふうに変更するということ。今回、特定外来生物の選定と同時にできればこれを公表したいと思いますので、今のように修正したいと思います。
 もう一つ、なお以下の法律の対象とそもそもなっていないものについても、この対象外の方に入ってくるということで、確かにその表現は抜けておりますので、それについても表現したいと思います。

【村上委員】 座長と事務局で適当に入れてください。

【中島室長】 はい、わかりました。

【村上委員】 お任せします。

【小野座長】 なお以下の文章の修正は今できますね。簡単に。やってください。修正版をちょっと今言ってください。口頭で結構ですから。

【中島室長】 申しわけありません。次回までに整理します。

【村上委員】 その方がいいですよ。

【小野座長】 では、次回までに。
 2番目の問題は。

【ふれあい室長】 済みました。

【小野座長】 ごめんなさい。私がちょっととんちんかんなことを言いました。申しわけない。
 それでは、それぞれ専門部会の部会長先生の方から報告に入ります。哺乳類・鳥類につきましては村上委員。

【村上委員】 第3回会合を5月18日水曜日に開催しました。それで、きょうお配りしているのは3種だけ出ていますが、実は資料の1-6を見てください。資料の1-6に挙がっている種が検討対象種としています。だからその中に挙がっているもの、そこで挙がった議論はちょっと後でつけ加えますが、その3種類をこれは決めたという話ではなくて、これは余り異論が出なかったから決まるだろうという種です。だから確定版は、確定は全部横並びにして次回決めますということだと理解してください。だから3種、3種と言われると困りますので、そういうものではないということです。
 それから第二次選定の候補対象種についてと。第一そのシカ属、リス類、キタリス、シマリス、タイリクモモンガの交雑の危険性は的確に判断するのは難しくて、予防原則を基本にして継続して論議すべきとしました。サル類については随分とそういう資料が川本先生なんかから出されて助かったんですが、その交雑の危険性がどの程度あるのか、シカ属全部どうかというのはなかなか難しい。そういうことがやはり大きな問題になりました。ただ、予防原則から言えば可能性があるものは入れたらどうかという話になっております。
 特にシカ類は養殖関係の現況把握が必要だろうと、かっては4,000頭飼育されていました。リス類は指定された際の流通状況の変化等を予測して、飼養状況をしっかり把握するようなことが必要だろうと。そういった条件をちゃんとクリアした上で指定する方が望ましいということが第1点です。
 それから、指定の適否につき引き続き検討するとされていたインドクジャクについては、生態系への影響はもうある程度わかっているんですが、飼養状況などの情報の整理が必要だろうと。特に学校でたくさん飼育されていますので、そういったことをどうするかということが議論になっています。それから、いろんなところで放し飼いにされております。そういったものについてのちょっと状況把握というようなことが必要だろうと。
 それから外来鳥類で検討するものとして、シリアカヒヨドリ。これはIUCNのワースト100に入っているんですが、挙がっているが他にも多くの外来鳥類が国内で発見されていると。指定すべきものと指定すべきでないものをもう少し再整理して、基準を明確化しておかないと混乱が起こるのではないかと。それで、その辺で基準ということを、影響の大きさに基準をそろそろ検討しなければならないのではなかろうかという議論が起っています。
 それから、検討対象種について委員の方からマスクラットについては入った場合に非常に危険性が高い。日本ではもうほとんどいなくなったということになっていますが、したがってこれは入れておく必要があるだろうということが指摘されています。その他については、おおむね事務局案の方向性を了承したというのが現状です。
 以上です。

【小野座長】 ありがとうございます。
 引き続いて、爬虫類・両生類につきまして安川委員お願いいたします。

【安川委員】 第3回会合は5月23日に開催しました。それで、外来生物の特徴と第二次選定に際しての留意点については、爬虫・両生類においては外来生物に関してペットや食用などとして持ち込まれ、遺棄・逃亡などで野外に定着する意図的導入が多いというふうに今まで言われてきたんですが、しかし実際には今回の検討対象種として挙げられたものなどを見ていると、カエル類やヤモリ類などでは資材や物資に紛れての非意図的導入がかなり多くありまして、それについても今後注意喚起を行っていくことも含めて積極的に対応する必要があるという意見が出ました。
 第二次選定の検討対象種については、資料1-6の爬虫・両生類のところにカエル類4種類が第二次の特定外来生物の選定作業が必要と考えられる種として挙げられているんですが、これら4種については指定する必要があるだろうということで、委員会として事
務局案を了承する方向で検討を進めています。このうちシロアゴガエルとウシガエルについては、国内に既にかなり広く、シロアゴガエルについては主に沖縄県においてですが定着していまして、ただ、ただ、両種ともにまだ定着していない島などがありまして、そういうところへの侵入が起こった場合、非常に大きな影響が懸念されると。それともう一つ、コキーコヤスガエルとキューバアマガエルについては国内にはほとんど持ち込まれていないんですが、海外で被害例があるということ。特にコキーコヤスガエルはカエル類の中ではおたまじゃくしの段階を経ないで直接卵から発生してカエルになるということで、水場がほとんどないような環境でも定着するおそれがあるということで、侵入した際の影響が懸念されるものです。これについては、ハワイなどでは既に定着していますので、日本からの観光客などが行って持ち帰ってきて、数匹庭に放すといったレベルでも定着するおそれが有ります。
 これ以外にも資料1-6などで幾つか挙げられているんですが、この中で議論が集中したのはアカミミガメ。これは資料1-6ではミシシッピアカミミガメとキバラガメというふうに2つの亜種の名前を挙げてあります。このアカミミガメは野外での繁殖が限定的で自力再生産が少なくて、大量の遺棄によって個体群が維持されている場合というのがあります。実際に繁殖して繁殖個体ができているところももちろんあるわけですが、定期的にこれは年間100万個体近くが輸入されているような動物ですので、そのうちのかなりのものが捨てられる。それによって個体群が維持されているわけです。そのため、輸入を規制する効果はかなり大きいと思われているんですが、現在大量に流通し飼育されていますので、指定による遺棄個体が急増する可能性がありまして、それから同時にこの種のみを規制した場合、これの代替の商品として他の複数の種の輸入増大が起こって要注意リストの案に挙がっているような北米産の種類や中国産の種類などが大量に輸入される。特にアジア産と日本産と同種または近縁のカメ類の輸入がふえた場合には遺伝的攪乱を含む新たな問題となる可能性もあるということが指摘され今回は見送られました。
 もう一つ議論が集中したのは、ヒョウモントカゲモドキという、これはヤモリに近いグループなんですけれども、これからは原虫クリプトスポリジウムというのが検出されていまして、これはこのヒョウモントカゲモドキのみに出るものではないんですけれども、この種がペットとして広く流通しているせいで、他の多数の爬虫類にも媒介者になるんですが、この種がこれを日本国内に広めている可能性が非常に高いです。この種は特定外来生物として考える上で、この種自体が日本国内に定着するおそれは低いんですけれども、このクリプトスポリジウムが爬虫類に感染しますと、比較的長い間下痢などが続いた後に死亡します。症状が出てから死亡するまでの期間が長いので、その間に流通してこれをばらまく可能性がある。現在の下水処理などの方法ではこれは死滅しませんので、日本国内の水資源や土を汚染するような場所に捨てられた場合、国内の爬虫類にこれが広まるおそれというのがあります。ただ、この種そのものを規制しても実際にこのクリプトの問題の解決にはならないということで、外来爬虫類の飼育は日本国内の野生種への感染症リスクの増大をもたらすということ。それを防止しなくてはならないことの理解や飼育個体におけるさらなる感染の予防へ注意を呼びかける必要があるとの指摘がありました。それ以外については、おおむね事務局案の方向性を了承して会議を終わりました。
 以上です。

【小野座長】 それでは、引き続き多紀委員、お願いします。

【多紀委員】 では魚類についてご説明いたします。資料の1-6の3枚目と4枚目をもとにお話をしたいと思います。
 魚類は第3回の会合を5月27日に行いました。まず資料1-6の第1カテゴリー、選定作業が必要と考えられる外来生物では、一番上のカダヤシ以外の10種はいずれもスズキ目の魚です。これら10種は、食性段階の高い温帯性の淡水魚で、日本国内に定着する可能性が大きく、また釣魚として人気があって野外で飼養される可能性があります。一部は欧米で移植が行われていまして、在来魚種への影響が報告されています。輸入制限が行われている魚種もあります。ということで、これらのスズキ目の10種については、特定外来生物としての選定の検討を進めるという事務局案を支持いたしました。
 ただし、マーレーコッドとゴールデンパーチ、これは両方ともオーストラリア産の淡水魚ですが、この2種は他の候補種と比較しますと輸入量が少なくて緊急性も低いのではないかという意見がありました。また、この2種はオーストラリアのレッドリストにも載っている種でありまして、これらのことからこの2種については今後、事務局でさらに引き続き情報を収集整理することをお願いをいたしました。
 次のカテゴリー2ではサケ科の3種が並んでおりますが、このうちのブラウントラウトにつきましては、北海道に広く、そして本州でもごく一部に定着しており、生態系への影響が大きいことを考慮すれば特定外来生物に指定すべきではないかという意見がありました。ということで、委員会としては利用の実態等についてのさらなる情報収集整理を事務局にお願いをしたところであります。
 次のカテゴリーにおいては、オオタナゴ、ナイルパーチ、ヨーロッパナマズ、ウォーキングキャットフィッシュについては被害のおそれを指摘する委員の意見もありまして、事務局にさらなる情報収集をお願いしたところであります。またこのリストにはありませんが、カラドジョウはどうなんだという声がありました。私もうっかりしていたんですが、最近カラドジョウは食用として輸入されていまして、農水・環境省関連の田んぼの生き物調査等でもよく採集されていますので、本種についての情報を収集、整理することをお願いをいたしました。以外が現段階でのご報告であります。これから少々の変更もあり得べしということでご理解をいただきたいと思います。
 以上でございます。

【小野座長】 ありがとうございました。
 それでは、石井委員、昆虫を。

【石井委員】 昆虫類ですけれども、5月25日に第4回の会合を開催いたしました。今回からは昆虫類等陸生節足動物ということで、小野委員に加わっていただいております。ペーパーがついていますけれども、リストとしましてまず事務局の方から第二次の特定外来生物の選定作業が必要と考えられる外来生物ということで、アリ類3種、それからテナガコガネ類というのがご提案されました。アリ類は前回の一次指定でも3種選んでいるところですけれども、今回はIUCNのワースト100の方から予防的な考えも含めましてこの3種を入れようということで、これについては会合の中で了承いたしました。
 それからテナガコガネですけれども、これは日本にはヤンバルにヤンバルテナガコガネという固有種がいますけれども、このテナガコガネが国内で流通していると。世界に9種ですけれども、これが、もしもですけれどもヤンバルに入ってしまいますと大変なことになるのではないかということで、この希少種保護という観点からこのテナガコガネ類は今回入れようということになりました。
 それから次のカテゴリーですけれども、前回の中でチャイロネッタイスズバチ、ナンヨウチビアシナガバチというのが入りましたけれども、これについてはまだ実態が不明というところでそのままの状態にすると。それからクワガタムシ類に関しては、前回から議論を続けているところですけれども、これについては早急に指定してしまいますと現在大量に飼育している者たちが野外に放してしまうというおそれもありまして、かなり普及等の注意喚起等の時間が必要ではないかと。それから野外に放したときの被害状況についてももう少し情報が必要ではないかということです。
 それからクワガタムシ類に関しては、この会合に先立ちまして専門家関係者の事前協議を行いまして、例えば業者の中でもクワガタムシ類についてのさまざまなことを考える会というのもできているということでありまして、状況としてはこのまま要注意のレベルにしておこうということです。
 それから2種類チョウのところがありますけれども、これについてもまだ実態把握が必要ということです。
 あと2点あるんですけれども、1点は委員会の会合の中で緊急にサカイシロテンハナムグリという台湾の方に住んでいる種類ですけれども、日本に入ってそれがオキナワシロテンハナムグリと交雑したという事例が明確に明らかになったということがありまして、これについては要注意外来生物リストに入れるかどうか、これは事務局の方に情報収集というのをお願いいたしました。
 最後の点ですけれども、セイヨウオオマルハナバチに関しましては、引き続き小グループで議論をしていただいております。5月13日に第5回の小グループの会合を開いていただきまして、実態としましては前回と同様で、1年間かけてさまざまな普及啓発、それから被害あるいは生態系への影響の評価をしていくということになりました。したがって、第二次の選定には入らないだろうということであります。
 以上です。

【小野座長】 ありがとうございました。
 では、武田委員。

【武田委員】 次は無脊椎動物ですが、今お話ありましたように小野委員に昆虫の方に移っていただきました。実はほぼ海産無脊椎動物が研究者で占めています。奈良教育大学の岩崎さんと琵琶湖博物館の中井さん、それに新しく東邦大学の風呂田さんに加わっていただきました。そして5月30日に会合を持ちました。この資料を見ていただきますと、今までの範疇で大体こういうふうに同じようにパターンを分けてありますが、他のグループと非常に違うことがあります。特に海産の無脊椎動物に非常に外来種のリストが多いんですが、ところがほとんどは非意図的に入ってくるものが多くて、現実問題としてはなかなか規制が難しいものが多いだろうということです。
 この中で第二次指定が必要と考えられる生物が挙がっておりますが、カワヒバリガイ、カワホトトギスガイ、ヨーロッパミドリガニ、ヤマヒタチオビ、ニューギニアヤリガタリクウズムシ。この中でちょっと問題になりましたのがヨーロッパミドリガニと、それから次のページに関係者に利用等に当たってというこういう範疇に入っていますチチュウカイミドリガニ。これがご存じの方はおられると思いますが、現在、日本に入って各地で非常にふえているのは、実はチチュウカイミドリガニなのですね。それで、ヨーロッパミドリガニは日本には入っておりません。世界的に見ると地中海にはもちろんチチュウカイミドリガニがいるんですが、古くから言われているのはアメリカとオーストラリアにはヨーロッパミドリガニが実はたくさんおります。この分布パターンがよく理解できないんですが、それで記録は、確かに被害その他の記録はヨーロッパミドリガニがほとんどなんですが、ただ、このチチュウカイミドリガニが分類学的に分けられたのが1950年代なんですね。それから後も分類学者は確かにこの2種を区別しているんですが、余りはっきりと違いがわからない。交尾器を見れば違いは歴然としているので、私は別種だと考えておりますけれども。そうなるとこれは、生態的なそういうような文献というのはこれは一緒にして扱っている可能性が非常に大きいんです。ですから、僕はこれを今後もうちょっと考えなきゃいけないんですが、ヨーロッパミドリガニを指定してチチュウカイミドリガニを落とすというのは、これはちょっと考えにくい。若干その生態的にというんですか、住んでいる場所は少し違うような感じがしますが、河口に近いところで今東京湾なんかは物すごくたくさんおります、チチュウカイミドリガニ。これはちょっと今指定するなら両方セットじゃなきゃまずいかなとは思っております。そんなことが話題になりました。
 それからさらにこの中で、委員の中から、ウチダザリガニ、それとチュウゴクモクズガニ、これを第二次指定の方に移した方がいいんじゃないかという話も出ております。これからこのザリガニ問題が少し植物防疫法との関係で問題になっていく可能性が非常に大きいです。というのは、今、植物防疫法の方でも植物防疫所の方でいろいろこのザリガニのことを検討会を開いて始めるところなんですね。もう既に動き始めてはいるんですが、意外とザリガニに関してはその被害実態、農業被害を書いたものが、文献が少ないようなんですが、ただペット業界にたくさん入ってきていますし、植物防疫の方でもフリーパスにしちゃうとどんどん入ってくる可能性があります。それとウチダザリガニはちょっとこれから情報を集めなきゃいけないかもしれませんが、ウイルスの問題があります。それでちょっとウチダザリガニは日本の在来のザリガニとの競合の問題がありまして、ちょっと考えなきゃいけないのかなというふうに思っております。アメリカザリガニはちょっと難しそうですが、チュウゴクモクズガニも諸外国は基本的にはほぼ規制されております。ただ、日本では今ちょっとどうしていいのかよくわかりませんが、そんなことでこれも引き続き検討したいと思っております。
 それから、この中で最後のところに諸外国で被害の知見はあるけれどもというちょっと特殊なプランクトニックな生物が2種挙げてありますが、これももう少し我が国でどうなのかなというのをちょっと調べていきたいと、調査をお願いしているところです。ちょっと皆さんの知識の中で余り聞いたことのない名前の生物ばかりだと思いますが、確かにこういう被害実態があることはあるんですが、非意図的に入れるものと非意図的なものでちょっと難しい状態があります。ただ、委員の中から非常に強く出てきたのは、結局は要注意生物をうまく啓蒙しなきゃいけないということだと思います。それともう一つは、ほかの植物防疫法なんかとの関係、これをうまく広報していかないと理解している人はしているかもしれないけれども、僕なんかの範疇に入りますがアフリカマイマイとかスクミリンゴガイ、こういった生物をなぜ規制しないのかという、そういう一般の方の理解が余り得られていないかもしれないので、そういう、これはちょっと今直接にはかかりませんが、広報活動をうまく継続しつつ進めていってほしいというお願いです。

【小野座長】 ありがとうございました。
 それでは、引き続きまして植物、角野委員。

【角野委員】 植物部会は第3回会合を5月13日、そして第4回会合を6月1日と2回行いました。2回のうちの半分ほどの時間を実は専門家からのヒアリングをして勉強に使ったわけですね。それは、1つは緑化植物についてなんです。緑化植物は生態系被害が多いので、早く選定すべきだという意見がいろいろと種類リストに上がっているわけですけれども、緑化の社会的な有用性だとか特定の種を使えなくした場合に、その代替植物があるのかどうかといったことのいろいろ問題があります。そこで緑化工学会の外来種に詳しい委員と、それと実際に緑化の実務に携わっておられる方のお話を聞いて、緑化の現場の実情を勉強したわけです。その結果を踏まえて環境省、それに国土交通省、そして農水省で、緑化植物についてどういうふうに取り組むのかと、個々の種を1つ1つピックアップして取り上げるのではなくて、やはり緑化植物をやっぱり総合的にどういうふうに取り組んでいくのかというその枠組みをちょっと考えようということで、研究会を立ち上げていただきました。それで、その進捗状況を踏まえつつ緑化植物については検討を進めていこうということで、少し緑化植物については時間をかけて検討を進めようということになりました。
 それともう一つ我々がちょっと勉強したことは、この特定外来生物を選定する場合、その根拠になる客観的な基準が欲しいということで、諸外国では雑草リスク評価、ウィードリスクアセスメントというのが行われているわけなんです。そういうのが日本にどのように適用できるのかというのを研究しておられる方がおられます。そういう専門家の方のレクチャーを受けまして、日本においてそれが適用できるのかどうか、日本で適用するとすればどういうふうに変えるべきところは変えたらいいのかというような、そういうことを検討しようということで、事務局においてもそういった影響評価の仕組みづくりの検討を始めていただいたところです。
 しかし、その仕組みができるのを待っていたのではいつまでたっても選定ができませんので、その影響の仕組みづくりは一方でその作業は進めながら、緊急性の高いものについては第二次選定の対象としていくということで作業を進めております。具体的に第二次選定の検討対象種については、事務局案、その資料に挙がっているように、10種余りの種が一応候補として挙げられました。そのうち、また水草なんですけれども、アカウキクサ属とかオオフサモ、ボタンウキクサ、あるいはオオカワヂシャといったものについては、これは現在の広がりの早さとか生態系に対する被害ということから選定することは問題ないだろうということで、選定の方向で検討を進めています。
 それともう一つ選定種にスパルティナ・アングリカというのを実は入れました。実はこの種類は日本にはまだ入ってきていないんですけれども、世界的には問題になっていまして、日本の近隣では中国で、もともとは人為的に導入されたんですが、大変広がっているという情報があります。そこでもし日本に入った場合、これは海岸の植物なんですけれども、塩湿地等で非常に広がる可能性があるというので、水際で防ごうということで、このスパルティナ・アングリカというのも指定しようじゃないかという、そういう結論に今のところ達しております。
 ほかの種類については、いろいろと意見が出たわけです。例えばアレチウリですとかオオブタクサとか、あるいはセイタカアワダチソウといった既に蔓延している種類、こういった種類を仮に選定したとして、どういう有効な手だてが打てるのかというところがなかなか悩ましいところなんです。それで、これらの種類については希少種への影響がどの程度あるのかとか、あるいは現在、例えば河川敷なんかでは国交省が防除を実際に行っているわけですけれども、どういう防除事例があるのかということを確認した上で選定候補として引き続き検討しようということになりました。
 それともう一つ問題になったのは、事務局の候補としてオオキンケイギクというのとオオハンゴンソウというのが挙がったんですが、これはいわゆるワイルドフラワーとして高速道路とか河川敷、河川の堤防ですね、に急速に広がっている植物です。これについてはどれだけ園芸業者が生産して流通しているものが広がっているのか、あるいは勝手に広がっているのかというようなことがよくわからないというところがありますので、そういった生産とか流通の実態の把握を進めた上で、選定候補として引き続き検討するということになっています。
 もう1種ナルトサワギクというのが提案されたわけですが、これはちょっと分類学上の問題がありまして、実はよく似たような種類があっちにもこっちにも入っているよという意見が出まして、そのあたり分類学的な検討を、再検討を進めた上で場合によってはそういうのを含めて選定すると、そういう方向で現在検討中です。
 そういうことで、最終的には10種近くが検討される可能性があると、そういうような見通しです。その他の点につきましては、事務局案の方向性をおおむね了解しております。
 以上です。

【小野座長】 ありがとうございました。
 これからしばらくの間、今の報告等に基づきまして議論をしていただきます。議論の方向は、1つは個々の報告に対する質問がまだ残っていると思いますから、それをやっていただきまして、主な議論は横断的に議論をしていただきたいと思っております。
 じゃあ、質問がありましたらどうぞ。今のところは各専門部会の方から出てきましたものをまとめると29種類という種類の形になっておりますが、先ほどからの報告をお伺いしておりますようにまだまだ、何といいますか、リストには挙げたんだけれどもやや問題があるのでこちらの方のリストには移さなかったという種類も結構含まれているように思います。全部移ったものもありますし、そうでないものもあります。そういうことも含めまして、横断的な議論も含めてしばらくの間皆さん方のご意見をお伺いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

【村上委員】 植物なんですが、緑化植物を全体種として枠組みを考えながらやるというのはそれはそれでいいんですが、僕なんかが見ているとシナダレスズメガヤなんて、このごろ物すごい勢いで河川敷の中に入っているわけですね。だから木津川なんかになりますともうツルヨシの生息地がまずシナダレスズメガヤに置きかわっているという状態で、それで余りにもひどい時には少しは手当しているんですが、このような状態を考えると入れておくということはやはり必要だと思うんです。確かに業界さんがいますからその辺と合意を取りながらやるのは非常に重要ですが、既に入っていて問題が起っており、防除などに取り組んでいる種に関しては入れるべきだと思います。この種に対しては、国交省の河川局も防除に取り組んでいる実態もありますし、そういうものを支援する意味でも入れるべきで、この種の他にも同様の取り組みはハリエンジュとかいっぱいされていますね、こういうものは僕は入れるべきだと思います。
 緑化植物については、今後については確かにそういう場を設けて考える必要はありますが、既に侵入していて被害が明らかに顕在化しているものについてはやっぱりちょっと別個に考えて、これは種別に扱うことが必要なんじゃないかというふうに思いますが。

【小野座長】 今の問題、ちょっと議論しときましょう。その辺は角野さん、何か。

【角野委員】 例えば、シナダレスズメガヤを指定するというようなことは、それは1つの選択枝としてあるんですけれども、それだけではちょっと緑化植物の場合は問題解決しないというのがあるんですね。それで、ハリエンジュの場合でもそうですけれども、やはりこれからの緑化の方向だとかやっぱりそういうことも考えていかなければならないし、その辺のことを少し関係省庁で検討していただいた上で、やはりこれはぐあい悪いというふうなものを挙げていこうということなんです。確かに意見としてはそういう検討を待ってたらいつまで経っても指定できないから、しようという意見は出てくると思うんですけれども、研究会の方でもそんなゆっくり時間を、余りスローなペースでやっていただいているわけではなくて、早くやっていただくということをこちらからお願いしていまして、その結果を受けて早く結論を出したいというふうに、そういうふうに考えています。

【小野座長】 大分議論が残りそうな感じがしてきますね。

【村上委員】 いいですか。

【小野座長】 どうぞ。

【村上委員】 もう1点、まだ分布が拡大してないようなやつはやっぱり止めるべきですし、そういった意味でも実態というのをもう少し調べなあかんことは確かですね。何か緑化植物について十把一からげに言うんではなしに、そういうものについてやっぱりもっと影響とかその分布状況とか現在どのぐらい入っているかとか、そういったものをランクづけすることが必要になった感じで、それでそのうち有効な対策となる、特に僕が気になるのは現在既に防除対象となっているようなものを支援することが必要だと思うんです。そういう面が抜けているのではないかと思っているんです。

【角野委員】 その点はちょっと議論に反映したいと思います。

【小野座長】 そうですね、議論を進めていただく必要があろうかと私も感じております。やっぱり1つは、先ほどのように緑化植物というかたまりで議論していただくことももちろん大変大事なんですけれども、その片方でやはり相当、既にもう目につくシナダレスズメガヤとかそういうものがあるというときに、何か団体の議論も主張して、個別は無視したということになりかねないんですね。それはちょっと危ないと思っております。だから、その場合には例えば今村上委員の言い方を少し言葉を変えると一罰百戒型でいくかということがあるんです。だからその辺のところを少し議論していただく必要があるんじゃないかと。ただ、世間的に出ますと例えばハリエンジュとかシナダレとかというものは全く無視して、そういうことはもうおくびにも出さずに緑化植物の問題をやりますと言ってもこれは納得してもらいえない可能性があります。
 それは一応名前は出して悪者ですよということは言っておかないとまずいんじゃないかなという感じはするんです、一方で。その辺はちょっと部会の方でもうちょっと詰めていただきたい。

【角野委員】 はい、わかりました。

【長田専門官】 研究会については、基本的には政府を中心に検討していきつつ、適宜植物会合の方にも進捗状況をご報告差し上げてご示唆等いただこうと思っておりますけれども、実質的には公共事業関係の省庁として農林水産省と国土交通省、具体的には国土交通省の中にも例えば都市部局、道路部局、河川、港湾といったいろいろなところが入っておりますし、農林水産省の方も農村振興局、生産局、林野庁とさまざまなところが入っておりますが、こういったところで行われている緑化の実態等について、まずは利用実態、どのような植物がどういった場所で使われているかという利用実態の把握などもしてまいりまして、実質的に例えば非常に気象条件の厳しいところですとか、早期に土壌を定着させるような必要がある場所とか、そういったところでどういった利用実態の把握が必要かということについて整理をしてまいりたいと思っております。
 引き続きこの植物会合の中では、個々の植物の被害の特性ですとか利用の実態ですとかということを整理をしまして、少なくとも第二次選定の過程の中で要注意リストの中には提示をして利用に当たっての注意を促すということは総合的な取り組みとは別途必要だというふうに考えておりますので、関係省庁の間でもそれらについての情報等も共有をしながら利用の実態の把握、被害の発生構造の把握を検討していきたいと。それから代替的な、例えば植物材料についてはこの国内産のものと同種のものが大量に海外から入ってきて、遺伝的攪乱をもたらすというような外来生物法の中で完全に対応するのが難しい部分もございますけれども、そういったところも含めて今後の対応の方向性というのを議論していくための研究会という形で動かしてまいりたいというふうに考えております。
 以上でございます。

【小野座長】 ありがとうございました。
 研究会をおやりいただくのは大変結構だと思うんですけど、なるべく早く結論を出さないと、研究会ばっかり長々やっていると一向に事が動かないなというのがやっぱり見られると思います。これは植物に限らずほかの動物につきましても、やはり同じような問題が転がっておりますので、ほかの植物の専門部会でも同じような形で、もしそれぞれについての研究会が必要な場合にはお立ち上げくださって議論していただくというのがよろしいんじゃないかなと私は感じております。よろしくお願いいたします。

【岩槻委員】 よろしいですか。

【小野座長】 どうぞ。

【岩槻委員】 研究会は結構ですけどという言い方をすると何かおざなりになるみたいなので、研究会はきっちり詰めていただかないといけないんですけれども、ぜひそういう結論を出していただきたいんですけれども、それと並行してということなんですよね。緑化植物を十把一からげにしないで、緑化植物の中にもある程度代替がきくものというのはあるはずなんで、代替がきくようなものはその指定ができるはずなんですよね。だからそういう仕分けを、これは研究会の方ではなくてむしろその専門家会合の方でやっていただかないといけないことだと思うんですけれども、そういう形で一罰百戒ではなくて実効性のある指定を具体的にやっていただければというふうに思いますけど。

【小野座長】 ありがとうございました。もう一つ踏み込んだ具体的なご提案だと思います。この辺は武田委員のところの無脊椎動物とちょっと問題が狂ってくるところがありますけれども。そうぞ。

【村上委員】 今問題になっている無脊椎動物ですが、確かに非意図的導入が多くて問題なんですが、意図的導入も随分あるわけですね、食糧とか。それが全部いろんな経済に結びつくわけですね。だけど経済に結びつくからますます怖い側面がありまして、チュウゴクモクズガニでもなるべく早くに規制をかけなければ、それが一定の実績を持ち出すとそこから規制するのは非常に難しいだろうと予測されますので、むしろ僕は意図的なところを先にして、それで意図的な導入で効果のあるものでまだ十分入っていないものとか、そういったものを重点に考えた方がいいと思います。非意図的なやつはやはり流通経路みたいな事柄に問題がありますので、流通経路別に問題を考えるとか、そういったことが必要だと思うんです。だからそういう仕分けをしていただかないと、何かちょっとどうなのかなという感じがしますが。

【武田委員】 確かに非意図的なものを現実的に防除するのはかなり難しいことなんですが、ちょっと今僕なんかが悩ましいのは、例えばウチダザリガニとかチュウゴクモクズガニに関しては、確かに非常に意図的なのです。チュウゴクモクズガニは本当、代替種が日本にいるわけですからその養殖をやれば本当はいいんですが、ただ僕ちょっと悩ましいと言ったのは秋口から大量に輸入されるわけですが、食品として輸入されるわけです。こちらでそれを規定した場合にはどういうことになるんですか。問題ないんですか。食材として生きているものが大量に入ってくるわけですよね。そことの関係、そこも考えなきゃいけないんでしょうか。

【中島室長】 現在、特定外来生物の法律の仕組みの中では、法律上、特定外来生物に指定されれば生きたまま運ぶあるいは保管するといったものはすべて原則禁止ですが、条件によって許可される場合があるという整理になりますので、特に生業として行っている場合、チュウゴクモクズガニの場合はそれに該当すると思うんですけれども、それについては逸出しないような措置をとっていただいた上で、許可をとって措置をするというような形になるだろうと思います。一律すべて禁止ということではないと思っています。

【武田委員】 わかりました。ウチダザリガニなんかも、聞くところによると一部漁業権がもう既に設定されてという話はありますよね。そういう問題も早くしないといけないんだと思いますが、ザリガニ問題はあと輸入、ペット業界がもう大量に入れたくてしようがないわけですから、ただその中で確かに文献に登場する被害が書かれているものはオーストラリア産のヤビーという種類がかなり有名なのがいるんですが、ただ、これにかわる代替種というのはたくさんいるんです。ですから指定の場合にヤビーだけでいいのかどうかよくわかりませんので、すごくその先これからどうするのかちょっと困ってはいるんですが、多分数人の、ザリガニに関していろいろ専門に扱っている人もいますし、ペット業界でもすごい狂わしいほど熱心なグループがおりますので、いろいろお話は聞いてみたいと思いますけれど、とにかく非意図的な方はなかなか難しいんですが、意図的な方はほかとの関連もあるんですが、確かに早くしなきゃいけないかなという感じはしております。

【小野座長】 ありがとうございました。やはりおっしゃるとおり意図的というところに焦点をやっぱりまず絞るべきで、非意図的というのは、いわば人間の生産活動に伴って入ってくるやつでありますので、これはまた別な方法を講じないといけない可能性があります。私、今逃がさないという約束でやると言ったんですけど、全然信用してないんです。というのは、スクミリンゴガイがかつて主婦の副業になりますというので宣伝されたのを覚えておりますが、それは今西日本では非常に広く広がっておりまして、これは飼っているところでは逃がさないようにしましょうという条件でみんな渡しているんです。もう完全に逃げておりますので、そういう状況がまず現出されれば同じことになるというふうに思います。だからその条件はあんまりつけても意味がない可能性がありますね。

【武田委員】 あとそれ以外に、非意図的でも第二指定の候補に挙がっているものはかなり問題がある種が多いもんですから、そういうものは積極的に国内にいるものを駆除する方向にいくんだと思いますね。

【小野座長】 そうですね、先ほど植物の方で客観的指標という言い方をされて、いわば雑種奪取率みたいなものをされるという、ほかの動物でも繁殖の仕方によってはそういうことができるのかもしれないなという感じはします。というのは、最近「TREE」という雑誌の中でプロパギュールプレッシャーということを提案した人がいるんですけれども、プロパギュールのあり方によっては、例えば海産無脊椎動物のようにもうゾエアとか南の方までがんがん広がっていくようなものとかいうのはやはりプロパギュールプレッシャーがすごいんだと思うんです。そうでないものとそういうものとどっかで区別して対応を考えないといけない。そんな感じがしますが、いかがでしょう。

【武田委員】 非意図的なものでもバラスト水で入ってくるものももちろんあるんですが、例えばこの中でもそれ以外にインドウェストパシフィック、海洋生物の分布からいくとアジア、さらに南の方ですね、そこにいるものは自然分布拡散で北上する可能性もかなりあるんです。だから生物の種としての勢いが強いときはかなりテリトリーを広げるんです。そういう感じがあります。それをちょっとそんな関係で先ほどヨーロッパミドリガニのお話ししましたけれども、これの分布が書いたものは幾つかあるんですが、それがNothofagusというのはナンキョクブナですか、あの分布パターンじゃないかと。だからオーストラリアまでいるのは本来の自然分布なんじゃないかという。太平洋の東西にいて、さらにオーストラリアにいるというのは、ナンキョクブナのパターンなんですね。そうすると、ちょっと一種の自然分布なのかもしれないですね。そういう意見も確かにあることはある。ただ、地中海産のものはちょっとやっぱり日本になぜいるのかというのはわかりません。日本にしかいないんで。日本と地中海だけなもんですから、ちょっと理由がよくわかりませんが、ただ生態的には同じだと思いますけど。

【村上委員】 先ほど意図的なものを優先と言いましたが、非意図的なものについても被害が顕在化しておって、これは何とか防除しなければ話にならんというわけですね。これはもう絶対入れるべきだと思いますので、先ほど選定の候補に挙がっている非意図的なものは、僕、入れるの賛成ですので、それは言っておきます。それ以外に意図的なものはやっぱりちょっと多少ランクをつけて考えてほしいという意味ですので、よろしくお願いいたします。

【小野座長】 ありがとうございました。
 ほかの動物群につきましては、今、実はそういう横断的な議論とそれから各個別の議論とが一緒に流れているわけでありますので、これはそのままの形で流していくことにいたします。ほかのグループもしくは全体的な話でご発言いただければ。
 多紀先生、カダヤシが入っているんですが、カダヤシというのはもう既に現実に相当広がっております。

【多紀委員】 はい、カダヤシについては、委員のなかには在来の日本のメダカを大きく圧迫しているので特定すべきとする強い意見があります。ただしこれだけ分布がひろがっていると、タイリクバラタナゴの例でみるように本種の駆除が在来メダカに影響を及ぼすというような側面も考慮すべきという意味で、検討は続けるつもりです。

【小野座長】 でも、一応、第二次指定の候補として挙げておりますか。

【多紀委員】 実害があり、候補としては挙げてあります。タイリクバナタナゴとバラタナゴほどの難しい問題ではないかも知れません。それからもう一つ申し上げませんでしたが、オオタナゴというのがいますよね。中国産の大型のタナゴで、霞ヶ浦などで殖えている。ここでは第二次の指定の候補になっていませんけれども、私自身はとしてはより詳しい情報を収集すべきと考えています。

【小野座長】 はい、どうぞ。

【村上委員】 カダヤシについては、一部の人はメダカに影響しないと言っているんですが、実は深泥池でカダヤシが放されていたとしてメダカが絶滅しています。それで、いろんな水系で、狭い水系で起こっています。私が一番気になるのはカダヤシの分布拡大は人為的な蚊の防除というので非常に安易に放されたんです。今でも放している人がおるんです。それが一番問題なんで、そういう安易な人為的な分布拡大をとめるという意味で、カダヤシを入れることに有効性はあると思うんです。物すごく安易に蚊の防除というとカダヤシだという、それが何か環境に優しいという、妙なこれは全く間違った考えなんですが、それがはやっている。私はこれは一種の環境犯罪だと思っていますので、私はカダヤシを入れることに賛成なんです。

【小野座長】 私は反対のつもりで発言したつもりではありません。非常に広がっておりますので、先ほどの角野委員のいわゆる対策が講じにくいという種類の中に入ると思っております。そういうものについてどう考えるかという皆さんのご意見をお伺いしたかったわけです。どうぞ。

【武田委員】 同じようにアメリカザリガニをどうするかなんですが、アメリカザリガニはもう今さらどうしようもないかなと、あれはもう日本の種だと僕はこう思っていますけれど。ただし、じゃあほかの在来のザリガニと競合するかというと、そういうことはない。ほかの生態系の中にうまく組み込まれていく可能性が非常に大きいんですが。ただ、メダカやカダヤシとはちょっと事情が違うかもしれない。そういうふうに駆逐する相手がいないわけですからね。ただ、ウチダザリガニはちょっとやはり違うかなと思っていますけど。

【小野座長】 そうですね。

【多紀委員】 よろしいですか。

【小野座長】 どうぞ。

【多紀委員】 一般にはカダヤシはメダカと見分けがつきにくい。以前、みどりの国勢調査をおこなったとき、見分けの図解などを配ったのだけれどやはり間違いが多かったです。

【小野座長】 それは今でもあります。

【村上委員】 もう1点いいですか。

【小野座長】 どうぞ。

【村上委員】 外来種の対策のときにその種が今のアメリカザリガニみたいに日本の生態系に組み込まれているという話が出てくるんですが、一体組み込まれているとはどういうことなんだという話なんですが、明確にすべきだと思います。外来種が侵入したら、必ず侵入種とそれまでいた在来種との種間関係ができます。それをもって組み込まれるという言葉を用いたら、外来種は入ったとたんにすべて組み込まれることになってしまいます。ただ、そうではなしに、だから本来の生態系があって、それが改編されているんですから。とっていけばそれはもとに戻っていきます。僕はアメリカザリガニというのは非常に影響が大きいと思っていますし、そうしたらそれをとった場合どういうことが起こるのかということが実証されていない。それももともといなかったものですからとっていけばいいんですよ。それはいきなり根絶はできませんから、取りながらその間の変化を見ておればわかることで、別にそういうことで生態系が云々といういいかげんな言葉のもとに外来種の駆除とか防除をやめるのはナンセンスだと思っています。

【小野座長】 どうぞ。

【石井委員】 例えばシロツメクサというのがありますけど、これは明治以降ということじゃなくて、それ以前かなと思うんでよくわからないですけれども、大変悩ましい問題がありまして、レッドデータブックの中で昆虫ではシルビアシジミというチョウチョウ、もともとはミヤコグサを食べていて日本全国にいたんですけども、多分いろんな遷移初期の草地が減ったということで、第一級の絶滅危惧Ⅰ類に入っていると思うんです。このチョウが大阪で最近発見されて、その個体群はシロツメクサに依存しているんです。これ、どうしてそうなったのかわからないんですけれど、その近辺にはもうミヤコグサはなくなっていて、これがかなり巨大な個体群なんです。それで、シロツメクサをもしもなくしたら間違いなくいなくなっちゃう。こういう問題があるので、その辺はあると思うんです。

【村上委員】 今の話だと僕ならまずミヤコグサの復活をしますね。だから同時にそういうことはやっていけばいいわけで、実際にそういうことが起こったという今の話はどの程度確かなのか知りません。日本で外来種が生態系に組み込まれてたために外来種を駆除したら在来種の生態系にこのような悪影響が出たと言うことを例証したものはないと思います。だから、その辺のことを余り安易に言わない方がいいと思います。僕だったらミヤコグサの復元を図ると同時に外来種の根絶を図る。だからそれはもちろん2つのことを同時にやればいいわけです。

【岩槻委員】 そういう個別の問題はそれが本当にできるかどうかということまで含めて難しいことですから、余りそう議論を詰めてもしようがないと思うんですけれども。問題は広がっていて、今さら指定してもどうしようもないじゃないかということなんですけれども、それはこの指定したものは必ずきっちりやらないといけないというか、やれる見通しがないと指定してはいけないのかという、そういう問題にかかってくることだと思うんですよね。
 やっぱり、例えばセイタカアワダチソウみたいに明らかに害を与えているということがある。ただ、今セイダカアワダチソウを指定したってそれを根絶するなんてことはまず不可能だと思いますけれども。それをすることが不可能だから指定してはいけないのかどうかというところだと思うんで、これは事務局の方からいうと、指定したらちゃんと根絶できなかったらその事務局は、環境省はしかられるという、そういうことがあるかもしれませんけれども、やはりこことしてはそれに対する態度をはっきり決めておく必要があるんじゃないかと思うんですけれども。私の意見はその意味ではたとえ根絶できなくても悪いものは悪いものだということだと思うんですけど。

【小野座長】大変明確なことを言っていただきまして、ありがとうございました。マネージングの問題というのは、実はまだちゃんと議論してないんですね。これは位置を指定してそれから先のマネージングというのは本当に大事なものなんですが、外来生物法の中にあるのは飼育の禁止その他と輸入の禁止、譲渡の禁止、飼育・輸入・譲渡にかかわる特例外来種、勝手にばらまくなということ、これだけなんです。いわば、入ったものどうするんだということはこれは余り書いてない。しかし、今のマネージの問題というのは、これは少し議論を続けていかないといけないなと私も今非常に強く感じておりますので、よろしくお願いします。これだけではとめませんので、どうぞ事務局何か。

【小野寺局長】 制度上の建前からいけば、蔓延している一方害がかなり明快なものについてその指定をしないという選択は制度そのものから言えばないと思います。その場合に、法律そのものから言えば、害があると国がかなりの制度上の規制を発するわけですから、それに対して駆除を含めた対応措置を講じないということは、それもまたあり得ないということになると思います。問題はその一番目のだから指定をする方向で考える、あるいは指定を発動させるということと、防除その他の対策を講じる現実性、実施可能性というものは行政対応としては、まさに今第一次指定したものについてもいきなり全国1年で徹底的にということは成立しないわけだから、進度の調整なりスケジュールというのは、恐らくその方向で実施するという限りにおいて、行政は批判されると思いますけど、早くやれという意見はあると思いますけど、行政的に許される範囲というのはかなりあるんじゃないかと思います。
 したがって、そこを究極を進めていけば対策の目的が具体化してないけれども、指定するという行為を先発させるというのは考えとしてはあり得ると思います。そこでもう一度議論が回るのでややこしくなるんですが、究極のそういう指定のみというのをやったときに、既にご議論いただいているように本来の法律の目的であった生態系がある一定期間、少なくとも推測し得るある一定期間は悪影響が明らかに出るよという場合に、それは生態系にどう影響が出るかというのはご専門的な議論ですけれども、法律の運用管理の立場からすれば、明らかにそういうことが例えばクワガタなり何なりについて予測される場合に、それはカミツキガメで施行前から少しそういうことが起きているとすれば、恐らく飼っている人の推定する属性からすればかなりそういうことが考えられると。すると、短期的な混乱が長期的な混乱とどう結びついていくのかということを見ずに、その制度上一方の権限だけを制度があるんだから指定するということが、専門的な話と行政的な効果と防除の対策を総合的に考えずに成立するかどうかというところは、もう一度悩む。で申しわけないけれど、そこはぐるぐる回ってしまうということだと思うんです。
 それから半年、ずっとですけど、とりわけこの半年をこの仕事をやってきていろんなところと議論もし、またこういう場でのご専門の議論もいただきながら考えている、あるいは整理しなきゃいけないと思っていることは、今のご議論でも全くそうなんですが、明らかに専門家が、申しわけないけれども過大な責任を負って議論をしていただいてしまっているんです。つまり私が先ほど一部申し上げたことは、専門的な意味で生態系あるいは生物に関してご示唆をいただくべきことと、制度の運用の問題なり、あるいは担保実効性の問題なり、あるいはほかのもうちょっと言えば社会的な影響なり産業的な影響の部分は、行政が専門的なご示唆をいただきながら判断すべきことというのが本来あって、そことこういう分科会、専門委員会との交通整理を実はしないと結果として何が起きるかというと、あんたが委員になっておきながら何であの種はということをご専門家の方が実は受けてしまうという構造に、もう既になっているかもしれませんが、一番最初のあいさつでも申し上げましたけど、そういう問題意識を実は私は強く持っておりますし、また申しわけないとも思っているんですが、今ここで結論を言うと、その問題をすべてここでパッとここで整理して、ここからここまで行政でしょいますからということは今ちょっともうそういうことにはなっていないと。したがって責任は感じていますし、整理も頭に置いて一生懸命やりますが、もうしばらく申しわけありませんけど、いろんな意味でご負担をおかけしてゆえなきご負担の部分もあると思います。申しわけないという気持ちはありますけども、これは全く今までの日本の自然行政の中で新しい制度を動かすときに、どうしても避けて通れない悩ましい道の部分を共有していただいているんだということで、もう弁解にもなりませんけど、お願いしたいと思います。
 それからもう一つだけ、すみません、長くなって申しわけありません。こういう制度の運用を実際悩みながら半年やってきた立場からいきますと、基準を持ちたいあるいは原理と例外の関係をクリアに整理したいという気持ちは一方でものすごくあるんですが、実際はそんなにきれいな整理は成立しないと思うんです。成立させようとすると原則と例外の関係が常に混乱をするし、悩みの中にどんどん入っていくんだと思うんです。したがって、基準的なものはやっぱり努力しなきゃいけないし、大きな方向の合意というのはとらなきゃいけないんだと思うんですが、実際はその幾つかの原理原則、方針みたいなものを詰めていく努力はする一方、現象的に起きているものについてはそこの場で判断をして何が一番いいのかと、今考えられる範囲の中で一体最善のことは、例えばこの場で結論を出したことについては行政も受けとめてやっていくというような、何というか、従前の制度の運用のみではない実態的なというか、それこそ生態学的な制度運用というのがきっと何かこの本質とすごくかかわっている。そこはやっぱり何年間か私はやっぱりやらないとだめなんだろうと思うんです。結果として積み上げていったときに、恐らく今ここですっきりしたいなと思っている原理原則なり基準なり方針というものが、その結果の中で積み上がってくるという性格を僕は強く持っているんじゃないかと。
 すみません、専門家を前に生意気なことを言いましたが、以上です。

【小野座長】 大変ありがとうございました。局長の苦渋の発言とも受け取れる部分がございますけれども、やはりそういうそれぞれいわばもちはもち屋という部分もありますので、その辺で先ほどから懸案になっているようなそれぞれの専門部会でこれから議論していただかなきゃならん点は大体おわかりいただいたんじゃないかというふうに思っております。
 何かまだつけ加えはありますか。

【村上委員】 結局基準というのに、例えばCITESに関しては生物的な基準がありますね。それと同時にトレードクライテリアがあるんですよ、だからあれは要するに物の輸出入を決めますので、そのトレードに関するクライテリアというのは別なんですよ。付属書に入れる際にはその2つを総合して決めているんですよ。だからこれと一緒で、生物的基準以外にそういった社会的な基準というかそういった別の基準がやっぱり必要だと思うんです。だから外来種も科学的な基準だけでなく、トレードクライテリアに当たる社会的基準のようなものをやはりつくって、それとの総合的なものを考える必要があるだろうということだと思います。その社会駅基準に関しては行政が決めるだけでなしに、もうちょっと広くやった方がいい。CITESが今までうまくいったのは、ちゃんとIUCNのようなNGOが多数参加していますし、そういう点では非常に努力はされています。

【武田委員】 そうですね、ただ立場越権かもしれませんけれども、その後の方法まで考えなければ僕は指定はできない。アメリカザリガニをどうしても特定外来生物にというのはしにくいんですよね。飼育の、どういうふうに私はできるのか全くわかりません。僕はだから哺乳類はマイクロチップを埋め込むどうこうやっていますけど、ペットしてあれだけ流通して飼っているものを、それを何か管理、そこまで考えなきゃちょっと指定できないので、それほどの僕は悪者だとは思っていない。カダヤシがメダカを圧迫するのとはちょっと事情が違うかもしれないんですけど、ちょっとやっぱり悩ましい面ありますよね。どうしていいのかわからない。

【小野座長】 ありがとうございます。余り悩んでもしようがありませんので。私は各部会のこのメモを見せていただきまして、やはりいろいろな外来種問題というのはビッグサイエンスとして育てないことにはこれはけりがつかんなという感じは非常に強くしております。そのビッグサイエンスとして育てるためには世間的にあれは非常に重要であると。例えば自然再生法みたいなのもありますけれども、ああいうふうなものが大きなサイエンスとして動くかというとまだちょぼちょぼでありますから、それを本当に大きなものとして動かしていくためには、それぞれの部会の知見というものをやはりきちんと固め上げて外に出していく必要があるんじゃないかなというふうにつくづく感じているんですが、その辺、そういう方向でひとつ私の方は座長としての努力をいたしますが、皆さん方は専門委員会の部会長としてのご努力をお願いいたしまして、きょうの議論はとりあえずこれでとどめておきたいと思いますが。

【岩槻委員】 議論じゃなくて、高等な議論をやっているときに非常に小さいことで申しわけないんですけども、資料1-3の表記のことなんですけど、1属3種とか1属4種とかという表記になっているんですけれども、これ、普通ですよね、皆さんそう思われるんだと。1属3種といったら1属の中の3種を指すことによって、これはやはり1属と3種か1属、少なくともコンマ3種にしていただかないと。これは1属じゃなくここでは4属挙げているんです、本当は。そこら辺の表記をきっちりやっていただくようにお願いします。

【小野座長】 これは事務局痛いとこをやられました。科として書いてあるのもあるんですよね。科なんかすると何が入っているかさっぱりわからんというのがありますから。

【中島室長】 間違いのないように表記を修正したいと思います。

【岩槻委員】 一次の指定では2属というふうに正確な表記になっているんですけれども、ここで初めてこういう表記になったんだと思うんですけど。

【ふれあい室長】 申しわけありません。

【小野座長】 アカウキクサ属全種とか、書かないといけない。

【岩槻委員】 そうしなくても、例えば1属と何種というような、そういう表現をすれば。

【中島室長】 いずれにしろ整理いたします。

【小野座長】 それじゃ、きょうは少し急ぎますが、これで一応の議論を終えて、それぞれのまた部会に議論が戻ったというふうに私は理解いたします。
 なお、つけ加えるところは何か関係省庁の方でございますか。ございませんか。
 それでは、次の議題に移りたいと思います。外来生物法の施行状況につきましての事務局の報告を受けたいと思います。よろしくお願いします。

【堀上補佐】 それでは資料2に基づきまして、外来生物法の施行についてご報告をさせていただきます。
 6月1日から外来生物法が施行されまして、第一次指定の特定外来生物37種類につきまして、先ほどからもお話ありますが規制とそれから防除について進められてきたところでございます。その他未判定外来生物についても輸入規制等が行われております。その内容について若干ご報告をさせていただきます。
 まず恐縮です、5ページを開いていただきたいと思います。第一次の選定につきましては、先生方の非常に大きなご努力によりましてほぼ半年かけていろいろ議論していただきまして、37種類選んでいただきました。一番下のところにありますが第3回の全体専門家会合が4月5日に行われまして、ここでパブリックコメントを踏まえて第一次指定について決定したということでありまして、それを受けて真ん中のところですが、特定外来生物の政令指定が4月22日の閣議決定で決定しました。そのほかに施行規則としまして、未判定外来生物の指定についても決定しまして、飼養等基準についても決めて、それを5月25日に告示しております。そういった準備を経て、6月1日に法律が施行されております。施行されてから防除について国の考え方が公示という形で示された、これが6月3日の告示でございます。
 ちょっと基礎的な情報としてその前の4ページを見ていただきたいんですが、外来生物法を施行していく上で政令あるいは省令の整備ということがございます。政令については特定外来生物の指定ということで、37種類を政令で指定をしたというのが一番上にございます。それを受けて真ん中のところに省令というのがありまして、省令というのは基本的には規制の中身を定める。あるいは規制の手順、手続を定める。防除の手順を定める。そういったものが入っております。省令の左の方に飼養等の禁止というのがありまして、規制の中身が書いておるわけでありますけれども、許可をする場合の基準ですとか許可条件あるいは許可申請の手続、そういったものを省令で定めていると。その中には例えば第5種漁業権に係る特例とかという、特例的なものもこの中で定めてございます。
 それから特定外来生物の防除につきましては防除の公示をして、それについて都道府県市町村等が確認を得るという手続もございます。そういった手続を定めている。右の方に未判定外来生物、これは政令ではなくて未判定外来生物は省令で指定をするということで、指定したものについては輸入者が届け出を出してくるとか、そういった手続がございます。
 もう一つ種類名証明書添付の生物というのがあって、これは特定外来生物、未判定外来生物と区別がつきにくいものについては証明書をつけさせて、輸入時において税関で判断するということでありまして、これについての手続が省令で定められております。
 細かく見ますと特定外来生物の飼養等の禁止等につきましては、さらに特定外来生物ごとに飼養できる施設の基準とか、そういったものは告示で定めることになってまして、それが下の方に書いてある。
 それから防除についても特定外来生物ごとにどういう方法で防除をするかという公示をする。それも告示をするということであります。そういった諸々の手続あるいは指定をそれぞれ準備してきまして、6月1日に施行されたということでございます。
 頭に戻っていただきまして1ページでありますが、1番、2番はそういうことで規制の内容について書いてございます。基本的に特定外来生物についての規制は先ほどもありましたが、飼うこと、栽培すること、保管、運搬については原則禁止。それから輸入についても禁止。譲り渡しについても禁止でございます。それから飼っているもの、栽培しているものを施設の外に放つ行為についても禁止でございます。ただし、このうち[1]、[2]、[3]についてはそれぞれ適用除外がございまして、それはきちんと許可を受けている場合にはできるということになってございます。
 2番でその許可ですが、飼養等の許可として認められる場合でありますが、2の(1)に許可の要件というのを書いていまして、[1]で学術研究の目的その他主務省令で定める目的に適合している場合には許可を出します。学術研究以外の目的としましては、例えば動物園等における展示、教育、生業の維持、それから愛玩については基本的に認めないということにしてございますけれども、特定外来生物を指定したときに現に飼っているものについてはその個体に限って認めるということにしてございます。その他公益上の必要がある場合と、そういったものを主務省令で定めて目的としてございます。それから[2]の方で定めておりますのは、飼養等施設、先ほどもありましたが外に逃げ出さないようなそういう施設できちんと飼うということで、そういうものについては許可を出すという形で整理をしてございます。
 2ページの方ですが、(2)に許可条件というのを定めていまして、許可する場合に許可の有効期間というのを設けます。これは今3年間というのを基本的なところにしていますが、そういう間に許可しておいて、またさらに更新するというような形で、その間に何かあれば次の許可は出さないということを含めて許可の有効期間は3年間としております。それから譲り渡しがあった場合の数量の変更については届け出を出していただくと、そういったことを条件としてつける。
 (3)につきましては、飼養等の方法でありまして、施設の定期的な点検ですとか、あるいは許可を受けていることを明らかにするための措置、マイクロチップあるいはタグ等できちんと許可しているものかどうかを明らかにするというような措置。マイクロチップにつきましては、実際のところはそれを入れるのは獣医さんが入れるわけですけれども、全国的に見ますとなかなかそういう体制が今整っていないという状況もございます。体制が整ってからマイクロチップについては義務づけをしていこうということで、今も入れられる方は入れていただくということですが、そうでない場合には例えばおりの前にきちんと標識をつけるといったような措置でとりあえず運用していこうということにしてございます。
 こういったことについては、許可の申請が必要になりまして、(4)で申請等の方法がありますけれども、環境大臣と農林水産大臣の双方がこの申請書を見ます。ただ、窓口としては環境省が一元的に務めます。それについては、施行後半年の間に申請書を出していただくということでしてまして、12月1日までに今例えばペットで飼っている方については申請書を出していただくというような形で呼びかけをしてございます。今も問い合わせがひっきりなしに電話で来ておるような状況でございまして、非常にこれからその申請指導、それから申請手続はかなり頻繁になってくるかなというふうに考えてございます。
 それから一方の防除でありますけれども、3番で防除の公示というのを掲げております。防除につきましては、基本的には国としての考え方を特定外来生物ごとに示していくということでありまして、それが公示の内容ということになってございます。
 (1)の公示の内容の中としましては、特定外来生物の種類、防除を行う区域、期間、特定外来生物の捕獲等の防除の内容、それから防除の目標、その他ということでありまして、これは主務大臣が防除の公示の案をつくって、あらかじめ関係都道府県に送付して意見を聞いた上で告示をするということになっていまして、6月1日に都道府県に意見を聞きまして6月3日に告示をしたという形になってございます。
 3ページの頭に書いてございますが、6月3日付けで公示をしたものにつきましては第一次指定の37種類の中から現に防除が行われていて、すぐに公示といった形で考え方が必要なものについて6月3日付で告示をしたところでございます。その中で特にオオクチバスの防除につきましては、かなり広く日本全国にいるということと、防除をしている主体もさまざまにわたっているということがありますので、優先的に防除を進める水域の考え方、あるいは手法、防除を進める際の留意点、そういったことをわかりやすくまとめた防除の指針というものをつくっておりまして、これを防除の公示とあわせて6月3日に都道府県にも通知し、環境省のホームページにも載せたというところでございます。
 4番で防除の確認・認定というのがありますが、先ほども言いましたが都道府県あるいは民間団体の方が防除をしているという場合に、法律にのっとった防除をするという場合には確認・認定を得ていただくと。確認・認定を得ますと、例えば防除に伴って一時動物を生きたまま保管するあるいは運搬するような行為というのは本来許可が要るんですけれども、その許可が免除されるということになります。ですから、都道府県市町村についてはこの防除の公示に沿って申請を出していただいて、確認・認定を得ていただくというようなことで今考えてございます。
 これについては、申請の窓口はやはり同様に環境省ということでございまして、環境省において防除の公示と適合しているかどうかというのを見た上で農水省にも見ていただくというような形にしてございます。防除の申請をしていただくときには、防除実施計画書というのをつけていただくことにしています。これは防除をどういうふうに進めていくか、その地域ごとの目標あるいは方法、それから体制等を定めて計画書に書いていただく。その場合に緊急的な防除というのは、いたら即とるというものもございますので、その場合には計画書の提出までは求めないということにしています。ただし、緊急防除は主務大臣かあるいは緊急防除を行う旨の確認を受けた地方公共団体に限るという整理をしてございます。当面なかなか調査データ等不足している地域もあると思いますので、防除をしつつデータを集めていくということもあり得ると思いますので、そういった内容の防除実施計画という形でも当面は可ということにしたいと考えてございます。
 それから5番ですが、法の円滑な運用のための措置としまして、特定外来生物被害防止取締官というのを任命しました。これは許可を受けて飼っている方にいろいろ命令を出したりあるいは立入検査をする場合の権限の委任がされてございまして、今後、的確な取り締まりをしていくということと規制について広く周知していくということを任務としてございます。これは6月1日の施行と同時に本省の野生物課職員8名と自然保護事務所の職員33名について環境省においては任命をしてございます。
 それと水際における輸入規制でございますが、これは一義的には税関でチェックするということでやっておりますが、その他植物防疫所あるいは動物検疫所の協力も得て、連携を図りながら業務を実施しているところでございます。特定外来生物だけじゃなくて未判定外来生物あるいは種類名添付の生物についてもすべて輸入時においてはチェックをしていただくということで、これもかなりいろいろ協力体制をきちんととらないといけないということで、連携を密にしているところでございます。その他普及啓発としまして、お手元にもパンフレットをお配りしておるところですが、それ以外にも環境省のホームページ等にも載っけて、あるいは地方公共団体にも施行通知を出すなど、普及啓発に努めているというところでございます。
 一応報告は以上でございます。

【小野座長】 ありがとうございました。
 今の報告につきましてご質問ございましょうか。法律の施行がこういう形で今やられているということでございますので、特にご質問がなければ報告を受けたということで終わりたいと思います。
 その他の議題、何かございますか。

【中島室長】 事務局の方からは特にございません。

【小野座長】 委員の方で、その他。

【武田委員】 その他、どうでもいいことなんですが。今、科学博物館で特定外来生物の展示をやっております。前は地下3階でパネルだけだったんですが、ちょっとフロアが上に上がりまして割合いいところになりました。標本も少し展示してあります。

【小野座長】 大分そろえました。

【武田委員】 いえ、写真は全部そろえました。自然研の方で努力してくださって、少しお金も払いましたけれど、ほかのところからも。ただ、やっぱりスペースの関係と標本を全部集めるというのは難しいですね、やはり。ごらんになってください。

【小野座長】 私もこの前見させていただきました。

【武田委員】 今は標本もあります。

【小野座長】 それでは、本日の会議はこれで終了いたします。どうもご協力ありがとうございました。