環境省自然環境・自然公園特定外来生物等の選定について

第3回 特定外来生物等専門家会合議事録


1. 日時 平成17年4月5日(火)14:04~15:35
2. 場所 環境省第1会議室
3. 出席者  
   (座長) 小野 勇一
   (委員) 岩槻 邦男
岡  三徳
角野 康郎
小林 正典
武田 正倫
村上 興正
五箇 公一
岡  敏弘
岡  三徳
多紀 保彦
長谷川雅美
   (環境省) 小野寺自然環境局長
福井審議官
名執野生生物課長
上杉生物多様性企画官
中島自然ふれあい推進室長
堀上野生生物課課長補佐
   (農林水産省) 岡田野菜課課長補佐
伊藤森林保全課課長補佐
丹羽生態系保全室長
5. 議事    
【環境省堀上補佐】 それでは、これより第3回特定外来生物等専門家会合を開催したいと存じます。
 初めに新しい委員についてご紹介をいたしまします。爬虫類両生類分野の太田委員がご都合によりまして昨年度限りで辞任をされましたので、太田委員からの推薦をもとに小野座長と相談をいたしまして、東邦大学の長谷川先生に今回から委員をお願いすることになりました。どうぞよろしくお願いいたします。長谷川先生につきましては、爬虫類・両生類のグループ会合の座長についても引き受けていただくということにしております。
 それから、本日石井委員はご欠席ということで連絡をいただいておりまして、今回の会合、第二次以降の選定の進め方について議論をしていただくということにしておりますので、これも小野座長と相談しまして、昆虫類グループから1名委員を出していただくということで、石井委員から推薦がありました五箇委員に本日ご出席をいただいております。どうぞよろしくお願いいたします。
 それから、事務局からの新たな出席者でございますけれども、水産庁の方から生態系保全室、丹羽室長でございます。それから、環境省の方から外来生物対策室、中島でございます。
 それでは、お手元にお配りしました資料について確認をさせていただきたいと思います。委員名簿がありまして、資料1-1がパブリックコメントの結果について、資料1-1-2が特定外来生物の指定対象等に係るパブリックコメントの意見の理由と対応の考え方(案)、資料1-1-3がパブリックコメント結果を踏まえた第一次指定についての考え方(案)、資料1-2が未判定外来生物及び種類名証明書添付生物について、資料1-3が外来生物法施行までのスケジュール。資料2-1が特定外来生物選定フロー(第二次)、資料2-2が特定外来生物等の第二次選定に当たっての基本的な考え方(案)、資料2-3が第二次以降の特定外来生物等の選定の作業手順、資料2-4が特定外来生物等専門家会合の今後の進め方について。以上が本日ご用意いたしました資料でございます。もし、不備がございましたら事務局の方までお申し出いただきたいと思います。
 それでは、開会に当たりまして、小野寺自然環境局長からごあいさつをいたします。

【自然環境局長】 小野寺でございます。お忙しい中お集まりいただきましてまことにありがとうございます。
 1月31日にこの会合を開きまして、もう2カ月がたちました。今日はパブリックコメントの整理を事務局でやっております。パブリックコメントの件数で11万通を超える、ほぼ記録的だと思いますが意見をいただいております。整理をいたしましたので、それを分析、評価をしていただきたいと思います。
 それから、6月1日にこの外来生物法の施行ということになっておりますが、一次指定に加えて、できるだけ早い機会に二次指定その他に入っていきたいということで、今日はその二次指定の考え方なりをお諮りしたいというふうに思います。昨年の暮れから今年にかけて、この外来生物法の一般的な理解というのはいろいろな意味で飛躍的に高まったというふうに思います。これまでもやってまいりましたけれども、これからが本番だという気持ちで事務局としては精いっぱい努力をしてまいりたいと思います。これからどのぐらいでしょうかね、もうずっと続くかもしれませんけれども、専門委員会の皆様には特段のご協力をいただかないと作業が進みませんので、ご無理をお願いすることになると思いますが、よろしくお願いいたします。
 と、お願いしていて勝手なのですが、私、今日の環境委員会でまた質問が国会の方で当たっていまして、できるだけここにいるようにしますけれども、途中で出なければいけませんので、それもおわびしつつ、特段のご協力をお願いして、あいさつにかえたいと思います。よろしくお願いいたします。

【堀上補佐】 それでは報道機関の方、カメラはここまでということでお願いいたします。
 それでは、議事進行につきましては、小野座長、どうぞよろしくお願いいたします。【小野座長】 局長の方から恐ろしい発言がありまして、いささか震え上がっているところでありますけれども、皆さんよろしくお願いします。今日は、恐らく二次指定という大変大きなイベントがこれから入ってきますので、いろいろと皆さん方のご発言もお願いできるだろうと期待しております。よろしくお願いいたします。
 それでは、早速今日はパブリックコメントの結果につきましての報告から入りたいと思います。よろしくお願いします。

【堀上補佐】 それでは、パブリックコメントの結果についてご説明をさせていただきます。
 資料1-1-1から1-1-3までについて説明をさせていただきます。まず資料1-1-1をごらんいただきたいと思います。特定外来生物等の選定に係る意見の募集につきまして2月3日から3月2日までの約1カ月間行いました。その結果、全部で11万3,792通のご意見をいただいております。意見提出の媒体別の内訳でございますが、これは1に書いておりますけれども、電子メールでの提出が5万115通、FAXが2万4,874通、郵送が3万8,803通と、そういう結果になってございます。ここでいう意見提出数ですけれども、メール1通ですとか、手紙1通と、そういうふうなカウントをしてございまして、1通のメールの中に2つとか3つとか、種についての意見が含まれている場合もありますし、そういう場合には11万というのは意見の総数ではないということでございます。また、1人で複数回メールをお出しいただいている場合もあります。例えば、意見としては指定反対なのですけれども、その意見の理由が複数ある場合に、その都度メールをいただいている場合もございます。このため11万というのは11万人ではなくて一応11万通ということで、ここでは整理をさせていただいているところでございます。
 主な意見の概要を2にまとめてございます。寄せられたご意見、その理由を見まして、科学的知見に関するコメント、それから社会的・経済的影響に関するコメント、その他のコメントと、この3つに大別いたしております。この専門家会合では科学的知見に基づくご判断ということでありますので、取りまとめに際しましては特に科学的知見について精査をしておるというところでございます。
 それでは中身、若干ご紹介をいたします。まず(1)の特定外来生物に係るご意見でありますけれども、37種類それぞれにご意見をいただいております。指定について賛成する意見と、それから反対するご意見、大きく分かれておりますが、例えば一番上にタイワンザル・カニクイザル・アカゲザルというのがありまして、これを見ていただきますと、賛成のご意見でありまして、その理由としては、交雑による遺伝的かく乱は生物多様性に多大な損失を与えるというものになってございます。科学的知見に関するコメントがありますが、賛成意見につきましては、その他の生物も同様の中身になっておりまして、基本的には専門家会合での評価の理由に賛同してご意見をいただいているという中身になってございます。
 一方、指定に反対するご意見でありますけれども、例えばこの資料2ページごらんいただきたいのですが、2ページの中ほどにフクロギツネについての記述がございます。その反対の方で、海外で生態系に影響を及ぼしている事実はあるが、国内被害が未報告の動物まで指定されることは暴挙であるというようなご意見をいただいているところでございます。
 それから、最も意見が多かったのがオオクチバスについてですけれども、これは3ページの下の方ですけれども、賛成と反対、それぞれ多数いただいております。賛成意見の中には、魚類だけではなくて水生昆虫への影響について具体的なデータをもとに出していただいたご意見がございました。また、賛成とした上で、亜種フロリダバスを含むことを明示してほしいという意見もございました。
 それから反対意見について見ますと、4ページの上からでありますけれども、科学的な根拠をきちんと示すべきである、科学的調査データが十分にないのではないかと。あるいは、バスが原因で在来種が絶滅したという事実はないというご意見ですとか、環境悪化が在来種減少の主原因であって、オオクチバスが原因ではないと。そういったご意見をいただいているところです。
 科学的な知見についてのご意見は以上のような内容が多いということでございまして、続いて6ページの[2]というところでありますが、社会的・経済的影響に関するコメントでございます。ここでは、基本的には反対意見が主な意見となってございます。有効に利用されていて、規制されることによって社会的・経済的な影響があると。そういうことでオオクチバス、あるいはチャネルキャットフィッシュなど、何らかの形で経済的に利用されている生物について意見が出されているということでございます。
 その下に[3]その他という形で意見を整理してございますが、心情的な理由、あるいは手続に係る理由が挙げられているところでございます。例えば、アライグマについては根絶は無理であって、税金のむだ遣いであるというようなご意見。あるいは7ページにまいりますけれども、オオクチバスについて反対のご意見の中で、バス釣りが趣味であると、バスに愛着があって自然とのふれあいの場を奪わないでほしいというようなご意見、あるいは下から2つ目ですが、反対意見が多数あるのに指定するのはおかしいのではないかというようなご意見をいただいております。その下に全種共通としておりますが、すべての種について殺処分に断固反対であるというようなご意見をいただいております。
 以上が特定外来生物についてのご意見でありまして、7ページの下の(2)で、未判定外来生物についてもご意見をいただいてございます。未判定外来生物についてのご意見の中で多いのは、定着の可能性が低いのに未判定外来生物の中に入れておくのはよろしくないのではないかと。あるいは国内流通を既にしているのに指定するのはおかしいのではないかと。そういった反対意見がきておるところでございます。
 続いて8ページの(3)で、種類名証明書添付生物についてもいただいておりますが、これ実際はほとんど意見は来てございません。ここで例示しておりますアライグマ科全種についても、これは種類名証明書添付ということに関してのご意見ではなくて、これらの種を特定外来生物にしてほしいというようなご意見でありました。本来、種類名証明書については外見が似ているか似ていないかで見ておりますので、そういった観点からのご意見が実は来ていないということでございます。
 それから(4)につきましては、指定対象として挙げたもの以外で特定外来生物に指定をしてほしい外来生物、あるいは逆に指定してほしくない外来生物についてのご意見をいただいておりまして、ここでは種名を例示しているところでございます。
 以上がいただいたご意見の概要でありまして、この資料の一番後ろのページに賛成・反対の内訳を添付してございます。本来、パブリックコメントにつきましてはご意見の内容について見るということにしておりますので、この賛否の数字についてはあくまで参考として、ここでご提示をしているということでございます。
 続きまして、パブリックコメントの意見の理由と対応の考え方、資料1-1-2についてざっとご説明をさせていただきます。寄せられた11万を超えるご意見をこういった形で整理をしておりまして、基本的に同趣旨のものはまとめて整理をしてございます。その上で賛成・反対の別、あるいは科学的知見に関するものなのか、社会的・経済的影響に関するものなのかと、そういったことを区分しまして、それぞれの意見の理由について対応の考え方を記しているという中身になってございます。
 先ほどの資料1-1で例示をしたところについて、対応の考え方の例を上から必要なところをお示ししたいと思います。冒頭でお話しましたタイワンザル等でありますけれども、賛成の意見の理由として、遺伝的かく乱が生物多様性に多大な損失を与えるというご意見をいただいておりました。対応の考え方としましては、ご指摘と同様の認識により専門家会合で指定対象とすることが適切であると、そういう評価が出されておりますということでありまして、基本的に科学的知見に関する賛成のご意見に対しましては、こういった対応の考え方で以降も対応しているというところでございます。
 それから、ちょっと飛びますけれども4ページを開いていただきまして、フクロギツネが4ページの一番下に書いてございます。これは反対のご意見でありましたけれども、海外で生態系に影響を及ぼしている事実はあるが、国内被害は未報告、そういったものまで指定されるのはおかしいのではないかということに対しまして、特定外来生物被害防止基本方針で判定の考え方については記述をしておるところでございますが、海外の事例も参考にして評価すべきということでございました。そういったことで、専門家会合で指定対象とすることが適切であるという評価が出ているということで、ここでは対応の考え方を整理してございます。
 それから、また飛びまして恐縮です。9ページですが、オオクチバスについてのご意見をかなり多くいただいておりまして、その類型化したご意見に対して、それぞれ対応の考え方を示しております。9ページの反対の意見の理由としまして、一番上から2つ目の[1]と書いてあるところですが、科学的根拠をきちんと示すべきというご意見に対しまして、考え方として、特定外来生物等専門家会合において、それまでの検討の過程で得られた知見の蓄積により、オオクチバスは地域的な外来生物の絶滅をもたらしうること、そういった知見が示されておりまして、専門家会合においてオオクチバスは生態系等に被害を及ぼすものとして評価がなされているということで記してございます。
 それ以外の、その下のバスが原因で在来種が絶滅したという事実はない。あるいは環境悪化が原因であってオオクチバスが原因ではないといったことにつきましても、基本的には専門家会合でいろいろと議論していただいた中身でございまして、その評価がこのご意見で変わるものではないであろうということで、根拠を示してございます。
 次の10ページにいきまして、今度は経済的理由について意見を出していただいているところですが、上から2つ目の囲みのところに、指定によって釣り人、釣りに関係する産業、地元経済に悪影響を及ぼす不安があるというようなご意見がありまして、これにつきましては、この法律自体が生態系等に係る被害防止を第一義に選定をするということ、それから、この法律で釣り、あるいはキャッチアンドリリースを規制するものではないということ。この点については、誤解のないように法律規制の内容について適切にお知らせするよう努めるということで対応の考え方を記しておるところでございます。
 それから11ページにいきますけれども、上から4つ目の囲みですが、これは既にオオクチバスを飼っている方がございまして、これから飼えなくなるのが嫌だというような、ほかの生物についてもこういうご意見がございます。これにつきましては、愛玩目的、あるいは鑑賞目的であっても、特定外来生物の指定の際に現に飼養等をしている場合には、その個体に限り基準に合致した施設で飼養等を継続することが可能ですということで、考え方を記してございます。
 特定外来生物につきましては、大体以上のような整理を全般にわたってしておりまして、その他未判定、あるいは種類名証明書についてもそれぞれ対応の考え方を記してございます。それから先ほどお話しました指定対象以外の外来生物につきましても、挙げられてきた意見の理由、さまざまありますけれども、それは今後の第二次以降の選定作業において参考にさせていただくということで整理をしてございます。
 以上のところが個別の意見についての考え方でございました。これらをまとめまして資料1-1-3にこの第一次指定についての考え方の案を示してございます。資料1-1-3でありますけれども、一番上にありますが、1として、第一次の指定対象とすることが適切であるとした37種類の外来生物について、寄せられたコメントの内容は先ほどお話したとおりであります。(2)で科学的知見に関する考え方を述べておりまして、(3)で社会・経済的影響について述べております。基本的には先ほどお話ししたとおりでありまして、科学的調査、データ等につきましては、これまで会議の中でご議論いただいてきたところでありまして、そういったことから評価をされておりますので、今回のご意見でその結論を変更する必要があるようなものではないだろうと。それから社会・経済的影響についても心情的なところ、あるいは社会・経済的なところも含めてですが、いろいろご意見をいただいておりますが、影響があると評価したものにつきましては、外来生物法の枠組みを使って規制をすることが必要であるということは、変更することではないであろうということでございます。
 以上のことで結論としまして裏のページに書いておりますが、(4)37種類の外来生物の取扱いにつきましては第一次の指定対象とすることが適切であるという結論にしております。2番をつけ加えておりまして、第一次の指定対象として適切とされた37種以外については、追加指定を検討すべき外来生物に関していろいろ意見が寄せられておりますので、これらの中で有益な情報を見ながら、さらに専門家会合として精査をして、第二次以降の選定作業において参考にするということで指定についての考え方をまとめてございます。
 以上がパブリックコメントにつきましての対応の考え方でございますが、すみません、もう一つ、資料1-2につきまして若干ご説明をさせていただきます。これは直接パブリックコメントと関係があるわけではないのですけれども、未判定外来生物につきまして若干変更がありますので、あわせて説明をさせていただきます。
 前回の全体会合で、この未判定外来生物と種類名証明書添付生物についてもまとめていただきました。ここで中身を記してありますが、未判定については1,095種挙げていただいておりました。ただ、中身をその後、精査、特に輸入量について関係団体からのヒアリングをさらにしまして、多く輸入されているかどうかというのを見ていきまして、魚類に関しまして実は多く輸入されているものが2種見つかりまして、これについて多紀先生を初め、魚類グループ会合の先生方に確認をしまして、その2種については未判定外来生物から外した方がよろしかろうということになりました。具体的にはペルキクティス科の4属の中から、マーレーコッドという種とゴールデンパーチという種、この2つを外すということでございまして、外した種については要注意外来生物に位置づけるということで整理をしております。これによりまして、全体として未判定外来生物が、下線を引っ張ってありますが、1,093種の対象ということになります。
 種類名証明書添付生物につきましては、その後の精査によっても変わっておりませんので、約3,200種ということで変更はございません。
 以上でございます。よろしくご審議のほどをお願いいたします。

【小野座長】 ありがとうございました。それでは、今の一番最後をのけまして、最初の1-1-3並びに1-2までですが、1-1-3までの説明で、何かご意見、ご質問ございましたら承りたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

【多紀委員】 オオクチバスがここでは一番多いので最初に口火を切らせていただきます。
 反対意見は3つに要約されていましたね。まず科学的なデータが十分じゃないのではないか。次が、一時的には爆発的に増加しても、あるところで落ちつくのではないかと。それからもう一つは、在来種の劣化ないしは多様性の減少が、環境の悪化が主原因であってオオクチバスが原因ではないのではないかと。この3つについては魚類グループ会合とオオクチバスの小グループ会合で論議をいただきまして、科学的調査のデータが少ないというが被害があることを示すには十分であり、それよりも被害の防止の方が緊急の問題であるという結論に達しております。
 それから、一時的な爆発的増加ではないかということがありますが、フードピラミッドのトップにある肉食性魚種がそんなに大きな値で安定することはないわけです。しかしオオクチバスはそれを破るような大きなパーセンテージでもって残っております。日本の在来魚種にはオオクチバスタイプの魚食性魚種は存在せず、在来魚類相をかく乱するおそれが非常に多いという結論に達しております。また、さらに在来魚相の劣化が環境劣化による部分の方が大きいのではないかということですが、何パーセントが環境改変による被害で何パーセントがオオクチバスによるというような割合まではわからないケースや、環境改変が大きな原因となっていると判断される場所もあります。しかし、他方オオクチバスの移入が大きな在来魚相の変化をもたらしたことが明白なケースがたくさんございます。ということで、魚類の小委員会では、パブリックコメントを拝見した上で、オオクチバスの指定は緊急、必要なことと判断をしております。
 また未判定種のマーレーコッドとゴールデンパーチ、これは両方ともオーストラリアのマーレー川水系に固有種の淡水性のスズキ科魚類なんですが、オーストラリアでは希少種の中に入っております。観賞魚の組合などが調べましたら、ある程度の量が入っているということなので、要注意外来種としてこれからも観察を続けていくということにいたしました。
 以上でございます。

【小野座長】 ありがとうございました。魚類グループの座長から、今のパブリックコメントの質問を3点に絞って答えていただいております。今の設問に対して、さらに再質問があればおっしゃっていただいて結構でございますけれども、特にございませんようならほかの点で、先ほどのパブリックコメントの説明で、ご意見、ご質問等ございましょうか。
 特にございませんようでしたら、別に急ぐわけではありませんけれども、1-1-3の文章というのは当専門家会合のまとめでありまして、第一次指定についての考え方の案になっていますから、この案を取りたいわけであります。この文章は先ほど説明していただきましたが、このようなものであります。1と2、分かれておりますが、この考え方は、この文章のままでよろしゅうございますか。修正があれば今申し出てください。どうぞ。

【岩槻委員】 修正ではないのですけれども、2の一番最後のところで、パブリックコメントの中に、今後のための有益な情報も含まれているという言い方をなされているのですけれども、これは本当にそうだったらパブリックコメントというのが非常に有効に機能しているということで、専門家だけではわからないような情報が入っているということだったらありがたいことだと思うのですけれども、この文章の中では「考えられることから」となっているのですけれども、具体的に何か、多分それらしいというようなことが引っかかっているのですか。ちょっと1-1-2をぺらぺらとめくってみたところではわからなかったのですけれども、何か具体的なそういうのがあれば教えていただきたいのですが。

【堀上補佐】 資料1-1-2の20ページ以降に、実はご意見をそれぞれつけておりまして、指定対象以外の外来生物として、それぞれの種ごとに意見の理由が書いてございます。もともと我々の方で、専門家会合の中で議論していただいている種も当然たくさんありまして、それについてはこれまで専門家会合の中で示された科学的知見も入ってはおるのですが、そうではない知見も幾つか見られるということもございますし、そもそもこれまで議論してきた種名ではないものも幾つか含まれているということでありまして、そこははっきり科学的知見がどれということは、これは要約した文章ですので、出された意見それぞれに当たってみるということで、今考えているところでございます。

【小野座長】 おわかりいただいたでしょうか。ちょっと日本語としておかしいのですよね。「含まれていると考えられる」というのは、「含まれている」というのは確認ですし、「考えられる」というのは想像ですから、確認と想像がごちゃごちゃに書いてあるというところで、今の質問は出たのだと思うのですね。だから、その辺の説明でご理解いただければ、それでよろしいです。
 ほかにございますか。よろしゅうございましたら、この1-1-3を当専門家会合の第一次指定についての考え方ということでまとめておきたいと思います。ありがとうございました。
 次の課題は、未判定外来生物についてでございます。先ほど説明がありましたように、未判定外来生物では輸入状況が既に明らかになった2種類を除いて、最初は1,095という指定だったのが、93になっております。もちろん要注意外来生物に移行するわけですから、種類名証明書添付生物については変更がないわけでありますけれども、今、こういうふうなことになっておりますが、これはこれでよろしゅうございますか。ご意見があればおっしゃっていただきたいと思いますが。
 では資料1-2につきましても、このまま認めるということでいきたいと思いますが、よろしゅうございますね。

【多紀委員】 ここに挙げた1,093種ですか、これからもまた追加とか変更はありうべしということで考えてよろしいわけですね。

【小野座長】 とりあえず、これを対象にしようということでありまして、事情はどんどん変化していくわけでありましょうから、増えることは私はあると思います。

【多紀委員】 わかりました。

【村上委員】 現在、輸入されていない生物というのは、ゼロという話になりますと、非常にややこしくなる場合があると思います。例えばあるマニアが勝手にメールで頼んで入れたものも、ゼロではないと言われたらたまらないですからね。この輸入されてない生物というのを輸入量が非常に少ないというような表現にしておいた方がいいと思うのですよ。そうしないと、1匹でも入れたら輸入されているということになりますから、むしろその実績が非常に少ないという言葉にしておいた方が問題がないのではないかと思います。

【小野座長】 種数のところ。

【村上委員】 個体数のところ、2番目の○の3行目、「基本的に我が国定着記録はなく、現在、輸入されていない生物を選定して」、この現在輸入されていない生物というのが、厳密に言うと、それが先ほど2種類引っかかったわけですよ。だから、ここは輸入されていないというのではなしに、輸入されていても非常にわずかであるという表現にした方がよろしいと。

【小野座長】 どうですか。それは私もそうだと思いますが。

【環境省上杉企画官】 実は、これは基本方針に沿いまして選定作業を進めておるわけでございますが、基本方針の方では原則として輸入されていないものという言い方をしております。そういう意味では、今、村上委員がおっしゃったようなニュアンスのことを運用上に当たっては意識しながらやっているということでございまして、今回も2魚種で外すというのは輸入量がコンスタントに相当数あるというものなので外しているということでありますけれども、ほかのものについて完全に輸入量がどれだけかというのが把握できてないものも、この中に含まれているということでございます。

【小野座長】 趣旨はそれでいいと思うのですけれども、文章的にはこれはどうしますか。

【村上委員】 言葉で書いた場合には、輸入されてないというのは厳密にとると、非常に問題が多いので、要するに輸入量が少ないとか、ごく少ないとか、あるいは恒常的に輸入されているものは除くとか、という言葉にした方が、僕は将来的にいいと思いますが。

【多紀委員】 座長、私も今の村上委員に賛成です。

【上杉企画官】 基本方針に沿って原則としてという言葉を入れる形にしたいと思うのですけれども。

【小野座長】 基本的に我が国に定着記録がなくを、原則として基本的に我が国に定着記録がなく、現在輸入されていない生物と。それでいいですか。

【環境省名執課長】 基本方針とそごがないようにするということでは、原則としてという言葉を入れさせていただくと一番いいです。

【小野座長】 村上委員、いいですね。

【村上委員】 「原則的に」を基本的の前に使ったらいい。

【小野座長】 今、私が読み上げたとおりですね。

【村上委員】 はい。

【小野座長】 では、そういうふうにさせていただきます。多紀委員もよろしいですね。
 それでは、この点、種類名証明書添付生物についての1-2の文章は、これで確定してよろしゅうございますか。

(はい)

【小野座長】 ありがとうございました。では2つ目、これは確定いたします。
 3番目の話題、オオクチバスなのですが、防除そのものを指定はしたわけですが、防除そのものをどのように進めていったらいいのか。現在の検討状況について事務局からアナウンスお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

【上杉企画官】 オオクチバスにつきましては、第2回の全体専門家会合の際に、既に広範に分布している実態にかんがみ、防除をどのように進めていくかについての早急な検討が重要であると考えるというご意見をいただいているということでございます。この点につきましては、今、環境省及び水産庁におきまして、いろいろな既存資料の収集、それから防除にかかわる都道府県へのアンケート調査、それから関係者へのヒアリングと、こういった基礎的な作業を行っているという状況でございます。今後、これらの情報を分析・整理いたしまして、防除の考え方について検討を深めていきたいというふうに考えております。

【小野座長】 状況はそういうことでございます。また、方法が固まってきましたら、一度全体会合で議論していただかないといけないとは思っているのですが、現状はそういうことでございますので、今日はとにかく報告でとどめておきます。議論はしません。
 質問があればどうぞ。

【村上委員】 オオクチバスだけなのでしょうか。例えばアライグマとか、マングースもありますし、そういった防除が必要なものについてはどうなっていますでしょうか。

【上杉企画官】 オオクチバス以外でも、防除をどのように進めていくかという観点の検討については進めておるところでございます。特にマングースは既に環境省でも事業を実施しているということで、具体的な今年度の展開をどうしていくかという検討を進めているところではございます。

【村上委員】 ということは、要するに防除全体、いろいろな種類がありますが、それが必要なものについては、重点的には確かにブラックバスとかマングースとかいろいろなのがありますが、一応そういうものを含めて防除についても全般的に考えるという話なのですね。

【上杉企画官】 今、ご紹介いたしましたのは、特にオオクチバスについては、前回のこの会合で特にそういうご意見があったということから、特段出してご報告をさせていただいておりますが、防除については必要なものについて必要な対策をどう考えていくかということであろうというふうにとらえております。

【小野座長】 国内に拡散した種についてどうするかというのは、大問題が実はいっぱいあるわけですけれども、それについては少し詰めた議論をする必要があろうと思っていますので、今日はオオクチバスの前回の状況を簡単に紹介していただいたということにとどめておきたいと思っておりますが、よろしゅうございましょうか。
 今日、発言しておかないと帰りの電車の中で死にそうだなんて思う人は、今のうちに言っておいてくれた方がいいのですが。
 それでは、ありがとうございました。これはこれで終わらせたいと思います。
 これからの議論は、特定外来生物等の選定に進め方についてお願いしたいと思います。中島さん、説明をお願いいたします。

【環境省中島室長】 それでは議題の2ということで、第二次以降の特定外来生物の選定について、進め方についてご説明をしたいと思います。
 資料の2-1から資料の2-3までを用いまして一括して説明したいと思います。まずスケジュールでございますが、資料2-1でございます。きょうが4月5日、第3回全体専門家会合でございますけれども、全体専門家会合を7月の下旬までに、本日と6月上旬、それと7月の下旬と3回、全体専門家会合を開催したいと考えておりまして、その間に分類群ごとの専門家グループ会合、ワーキンググループを随時開催していきたいと考えております。全体専門家会合の構成の方は、先ほど紹介ありました太田先生が長谷川先生に交代したということ以外は変わってございません。専門家グループ会合の方も、オオクチバスの小グループが選定されたということで、これがなくなっておりますけれども、それ以外は変わってないということでございます。ちなみにマルハナバチ小グループとありますけれども、これについては前回の専門家会合で約1年後を目途に検討するということになっておりますので、第二次の選定のフローとは少し分けた形で、別途並行して検討が進むということになろうかと思います。
 7月の下旬に候補リストを作成いたしまして、その後またパブリックコメント、あるいはWTOの通報を開始するということで、年内に政令の告示をしていくというようなスケジュールを今考えております。全体としては、第一次のスケジュールとほぼ同じぐらいの期間で第二次もやっていこうということでございます。
 続きまして資料2-2でございますけれども、二次選定に当たっての基本的な考え方(案)というものでございます。まず1でございます。第一次選定を踏まえた検討対象の考え方ということで、第一次選定におきましては生態系等への被害について科学的知見があり特定外来生物指定に向けての条件がそろっている37種類を選定したという前提でございまして、第二次選定におきましては、第一次選定の際にまとめました要注意外来生物リスト、これを主な検討対象としたいと。さらに新たに知見が得られた種、それからIUCNの「世界の侵略的外来種ワースト100」リストに掲げられた生物等についても、予防的観点から検討対象として取り上げていきたいと。主には要注意外来生物リストとICUNワースト100リストと、それから新しい知見があったものと、このあたりを検討の母集団にしていきたいということでございます。
 それから次の○ですけれども、基本方針におきまして、他法令の措置によって外来生物法と同等程度の規制がなされていると認められるものは、選定の対象としないというふうにされております。具体的に議論になりましたのは植物防疫法等でございますけれども、こうした他法令との関係を前提といたしまして、科学的な知見の不足等によって、他法令の規制対象かどうか明確でない、植物防疫法の規制対象かどうか明確でないといったものにつきましては、外来生物法の規制対象とする可能性があるかないか、そのあたりを検討していきたいということでございます。基本的には他法令で同等の規制がなされているものについては、こちらの法律では対象としないということでございますけれども、若干わかりにくい部分がございますので、そのあたりは今後、植物防疫法担当の農林水産省の方と調整をしていきながら検討していきたいということでございます。括弧書きの中は先ほど申し上げましたように、セイヨウオオマルハナバチについては年内程度を目途に指定についての検討作業を別途進めるということでございます。
 続きまして2番、選定の検討対象と検討方法ということでございますが、第一次の選定作業におきましては、生態系等への被害について科学的な根拠が既存文献にないものについては検討対象から除外ということにしておりましたけれども、第二次の選定作業におきましては、専門家会合の討議によって生態系等への被害が確実と推定されるようなものにつきましては、その生物学的な根拠を記述しながら特定外来生物選定の根拠として採用しようというふうに考えております。一次のときは文献中心主義を通したわけですけれども、二次の場合はもう少し広目に、生物学的な知見があってというか、専門家の知見をより十分に活用していきたいということであります。
 各分類群グループ専門家会合におきまして、この1枚紙の基本的な考え方を踏まえまして分類群ごとに、一次の時に作成しましたけれども、外来生物の特徴と、選定に際しての留意点という文章がございますので、これを改定して、それぞれにつきまして検討を行っていきたいというふうに考えております。
 第二次選定のスケジュールは、先ほど申し上げましたとおり7月の末に全体専門家会合を開催して、選定作業を終了する予定ということにしておりまして、なお中間段階で6月の上旬に全体会合を開催したいと思いますが、その際、中間的な取りまとめを行いたいというふうに考えております。
 資料をめくっていただきまして、要注意外来生物のリストという1枚紙がございます。先ほど未判定外来生物から魚類の2種類を要注意外来生物リストの方に移すというお話がございましたけれども、マーレーコッドとゴールデンパーチ2種類でございます。この2種類が新たに要注意外来生物リストの中に加わったということで、魚類は27種だったものが今回29種になりました。それから今回、再度精査をいたしましたところ、1つカウント違いをしておりまして、無脊椎動物については20種類ではなくて19種類ということで訂正をいたしております。
 以上で、暫定版ということですが、現段階の要注意外来生物リストの種類数は、哺乳類が15種、鳥類2種、爬虫類が12種、両生類9種、魚類29種、昆虫類3種、無脊椎動物19種、植物60種で、合計149種類ということになっております。
 それから、第2回の全体会合におきまして、要注意外来生物リストを今後環境省において公表していくというふうにしておりましたけれども、今回、第二次の選定作業が早まって始まるということがございまして、この要注意外来生物リストを選定の対象にしていこうということでございますので、第二次選定の検討結果を踏まえて、再度要注意外来生物リストにつきましては整理をして、その上で公表したいというふうに考えております。
 その次に、具体的なそれぞれの分類群ごとに整理をいたしました要注意外来生物リストをつけてございます。上段には第一次指定のときに選定をしたもの、下段の方に要注意外来生物リストということで、それぞれ先ほど申し上げました種数のもが含まれております。さらにその次のページには、IUCNの「世界の侵略的外来種ワースト100」のリストを、今回の第一次指定で選定をしたもの、それから要注意外来生物リストの中に含まれているもの、それから植物防疫法の対象種となっているもの、それからそもそも外来生物法の対象種でない微小生物、あるいは今回選定の対象としないというふうにしております在来生物、あるいは明治維新以前に導入されたもの等を一応整理して表にしてございまして、それらに該当しないものが全部で32種類ほどあるということになっております。このあたりが要注意外来生物とともに検討の対象の母体となっていくものというふうに考えております。
 もう1枚めくっていただきますと、これは日本生態学会の方でおまとめになっております「日本の侵略的外来種ワースト100」のリスト、こちらにつきましても同じような分析といいますか、ふるい分けをして表にしております。こちらにつきましては、第一次指定、それから要注意外来生物リスト、植物防疫法の対象種、あるいは外来生物法で対象とならないものを除きますと、上記以外と書かれておるところでございますけれども、昆虫が1種類と、植物が4種類ということで、第一次指定の際にほとんど要注意外来生物リストに大体含まれているというようなことになっておりますが、このあたりにつきましても再度精査をした上で、検討対象としていくべきかというふうに考えております。
 以上のように、第一次指定の際にある程度情報を集め、あるいは被害の知見等を集めて整理したこれらのリストの中で、すべて合わせると180種類ぐらいになるのですけれども、このすべてを重点的にということではなくて、時間も余りないことですから、ある程度被害の知見があるもの等を今までの作業でふるい分けますと、事務局の目安としては大体85種類ぐらいになろうかというふうに考えております。まだまだ知見が足りないものもあると思いますから、数字は変わっていくだろうと思いますけれども、大体このぐらいの種類を重点的な検討対象としてこれから検討していきたいと。さらに分類群ごとに精査をしていきたいというふうに考えております。
 それでは、資料2-3でございますけれども、これにつきましては第一次のときに同じように選定の作業手順というものをつくってございます。基本方針に書かれております事項を再度載せて、さらにそれをもう少しかみ砕いた考え方を載せているという資料でございまして、基本的には第一次の作業手順と同じものでございますけれども、先ほど資料2-2でご説明しましたような基本的な考え方に基づきまして、若干選定の検討方法ですとか、そういったところで修正をしております。例えば3ページの被害の判定に活用する知見の考え方の下の部分で、科学的知見の存在を第一次選定の際は重視したけれども、今後の検討対象は必ずしも学術論文として公表されている知見が十分にないこと、及び予防的な観点を踏まえて、学術論文やその他の文献に加え、文献にまとめられていない情報の集積にも努めるとともに、専門家へのヒアリング、それから分類群専門家グループ会合における意見等の科学的知見を十分に活用して、被害及びそのおそれの判断を行っていくというようなことに修正をしております。
 それ以外につきましては、ほとんど第一次のときの作業手順と同じであります。
 以上が第二次指定に当たっての基本的な考え方の説明でございます。

【小野座長】 ありがとうございました。資料2-1の図がございますが、このステップに従って、これからワーキンググループを先生方の活躍が始まるということになります。今の説明につきましてご質問あれば。武田さん、どうぞ。

【武田委員】 議論に入る前にちょっと一つ、提案というかお願いがございます。僕なんか、無脊椎動物グループとしてクモと水生の無脊椎動物でやってきたのですが、その専門家グループ会合でいろいろ議論している中で、科学博物館の小野さんがクモを担当してくださったのですが、それはそれで非常に有益な議論を進めてくださったのですが、ほかの先生方、水生の無脊椎動物とちょっとかなり異質なものですからなかなか議論が進まない。それで、今後ちょっとベントス関係ですね、水生の無脊椎動物を密度を濃く進めていきたいということになりまして、できれば小野さんを昆虫グループにトレードに出したいという感じがありまして、小野さんはむしろそれを望んでもおられるのですが、その点はいかがでしょうか。

【五箇委員】 異論はありません。その方が多分、分類というよりはむしろ生息ニッチェという考え方からすればそっちの方が整理がつきやすいと思いますので、それで結構かと思います。

【小野座長】 水グモというのはありますけれども、クモは基本的にそっちの方でしょうから。

【武田委員】 そうですね。第一次では結局クモとサソリということで、小野さんの貢献が非常に大きかったのですが、今後、無脊椎の方は水生ということで委員の補充も考えておりますし、いろいろ問題点がありますので、座長の皆さん方はいろいろメールなんか届いているかもしれませんが、ちょっと議論を深めていきたいなと思っております。よろしくお願いいたします。

【小野座長】 ありがとうございました。水の中は大変な世界ですから大変だろうと思います。よろしくお願いします。

【武田座長】 ちょっとまとめにくいなという感じがありますけれども、それはいずれご報告いたします。

【小野座長】 それでは、両グループの検討対象の分類群についてはご提案どおりにお認めいただきたいと思います。よろしくお願いします。
 具体的な割り振りはまたそちらの方のグループでお考えください。
 では、先ほどの説明につきましての質問、ご意見等を承りたいと思います。よろしくお願いします。

【角野委員】 植物の部会長の立場からの発言なのですけれども、植物は3種類しか一次が指定されていませんで、ちょっと少なすぎるのではないかというふうな声も聞くのですけれども、実は事務局案としてこの場へ上がってきたのは3種類だったわけですけれども、その前に何種類か話題に上がった種類はあるわけですね。それがここへ出てこなかった背景というのは、ちょっとこういうことをこの場で言うのは不適切かもしれませんけれども、国交省とか農水省との折衝の過程でのこととか、そういうことだったわけです。例えば緑化植物などの場合は、生態系に対する被害は明らかに証明されているにもかかわらず、それにかわるものがないとか、そういうことで見送ったという例があるわけですね。
 しかし、これから選定を進めていく場合に、明らかに生態系に深刻な被害を与えるという場合に、本当にそれにかわるものがないのかどうかとか、あるいは、あるのだけれども少々コストが上がる。しかし、その場合どっちをとるのかとか、そういう議論というのは非常に本質的な議論だと思うのですね。そういう議論がなかなかなされていないというところが、ちょっと私、問題だと思っていまして、やはりそういうことにも踏み込んでやっていくというようなスタンスを全体部会として出していくことが重要でないかと。そういうのがないと、部会でいろいろ自由に意見は言いますけれども、やはりこの部会全体として生態系への被害というのを本当に最大の基準としてやっていくのだというようなことを、やはり何かもう少し全体部会として方向を出していただければというふうに思うのですが、いかがでしょうか。

【亀山委員】 私も緑化関係者として全く同じような意見を持っておるわけですけれども、特に緑化植物の場合には、技術的に対応するのに検討する時間がどうしても必要になるのですけれども、ある程度検討する時間というものを考慮しながら進めていかないと、いきなりここでだめですというような言い方にはならないのではないかと思いますので、そういう点も、つまりスケジュールの中に検討する時間が必要だということも認識されるようなやり方をしていっていただけるといいのではないかというふうに思いますけれども。

【村上委員】 資料2-2の2番目の一つ目の○の2行、これが僕おかしいと思うのですよ。「第一次選定作業においては、生態系等への被害についての科学的根拠が既存文献にないものについては、検討対象から除外していた」と、僕はこの書き方が悪いと思うのです。というのは、科学的根拠が明らかで文献的にも明確になっているものも選ばれていない。したがって、こういう書き方は間違いだと思います。それで、書くとすれば、科学的根拠が明確であり、被害が大きいものを検討対象としたと書くべきで、既存文献がないものは除外したと書くべきではない。除外したといったら、次に選定された種は科学的根拠が明確でないものを、ここで指定するということになるのです。
 何でこういうことを言うかといいますと、生態学会では、既に第一次選定に入れるべきだと思って、パブコメを準備したのですが100字と言う制限があったので提出しなかったのですが、例えばハリエンジュ、セイタカアワダチソウ、シナダレスズメガヤ、オオブタクサ、ムラサキイガイ、ヨーロッパミドリガニ、チュウゴクモクズガニ、最初の4種類については既に環境省に準じた、文献を含めた資料をつくっています。それを提出する用意があります。それは、今まで選ばれたものと全く遜色ありません。科学的根拠は明確です。したがって、こういう書き方はおかしいと思います。
 だから、生態系等の被害について科学的根拠が既存文献にないものについては検討対象から除外したと書くのではなしに、要するに明確であって被害が大きいものを選んだのだと、まだ科学的根拠があるものも指定していないのだということを書けばいいと思う。ここは大きな違いです。

【小野座長】 これは文章訂正ですから、先ほどの角野さんと亀山さんの意見とカップルしたところがありますね。

【村上委員】 基本的に言っていることはほぼ同じことです。

【小野座長】 ということは、事務局、否定の上に立った文章なのですね、これ。肯定の上に立った文章に直せというのですよ。

【村上委員】 それが、要注意外来生物の定義にも関係しているのです。したがって、ここはそれを含めて、そういう形ではない形で、むしろ先ほど出てきたように、問題は、被害が顕在化していることが科学的に明らかであるかないかの問題よりも、それを実行することの実行体制が整うかどうかの問題の方が大きい。

【小野座長】 ありがとうございました。私も実は一度これを読ませていただいたのですけれども、被害の否定の上に立った文章という感じで僕は読んでなかったので、そのまますっと読み飛ばしたのですが、これはちょっと今のことを踏まえて、文章的に少し修正をしてみてください。今この場で。簡単ですからできると思うのですが。

【村上委員】 肯定の文章になるなら、座長と事務局に僕はお任せします。趣旨はそういうことですから。ここで入れてもいいのですけれども、文面検討は細かい点が問題となりますから。

【小野座長】 わかりました。
 今の点は、そういうことにいたします。ほかの点で、先ほどの説明につきまして、コメントいただける点はございましょうか。

【長谷川委員】 今の村上先生の話と関係するのですけれども、資料の2-2の2ページ目の要注意外来生物リストの2行にわたるタイトルがございますが、この文章を読む限り、前ページにおいて考慮した内容が読み取れないものになりますので、ここの文章は変更の余地があるのではないかと思います。

【小野座長】 明確にご指摘いただけますか。ちょっと私、今見落としているのですが。

【長谷川委員】 資料2-2の2ページ目のところです。

【小野座長】 1と2とありますが。

【長谷川委員】 タイトルです。つまり、要注意外来生物リストとしての定義がここになされているのですけれども、この定義は今議論がありました、被害があるにもかかわらず、実際対策ができないという観点が、ここには全く表現されていないので、そのことを表現したタイトルに変更できないかということです。

【小野座長】 「生態系等への影響について文献等で指摘があり」、被害のことは何も書いてないのね。

【長谷川委員】 はい。

【小野座長】 ちょっと直して。修正提案をしてください。

【村上委員】 資料の2-3の3ページ目、一番上の囲ってあるところの、第2-(2)関連というやつの3段落目「また、第一次選定対象の検討では文献における科学的知見の存在を重視したが」云々とありますね、そこの文章もおかしいのです。だから、この文章を含めて、一次選定というのはあくまで緊急、しかも効果があるというようなことを考えたものの選定であるというところを明解にしてほしい。それで、残ったものが必ずしもそういうことで科学的根拠が不明確であるという問題ではないということを、全部を通して明らかにしてほしいということです。

【小野座長】 なるほど。精神としては、第一次選定のときに使った精神というのは生きている。第二次選定の場合には、被害についての認識というのが不十分であったものまでどんどん取り入れていこうという。

【村上委員】 いや、だからその前に、被害があると十分わかっているものも入れるべきであると、そういうものもあるのに、それがあたかもわかってないかのごとく書くのがおかしい。

【小野座長】 上杉さん、どうですか、わかりましたか、今の。もう一つ僕わからんところがあるんだけど。

【上杉企画官】 ご指摘のご趣旨はよくわかりましたので、いずれにせよ、ちょっと直し方については再度内部で整理をさせていただきたいと思うのですが。

【岡(敏)委員】 ここでは、検討の対象として学術論文として報道されている知見が十分にあるということを重視したわけですね。検討の結果、選定しなかったものもそこに含まれているわけですよね。ですからこの表現で、やったことと矛盾していないように思うのですけれども。

【村上委員】 いや、前にやったのがいいというのは構わないのですよ。一次は構わないというわけです。二次のところで指定するときに、それは前に指定された基準とは違いますということは言う必要ないということです。科学的根拠が明確である、同等に。

【岡(敏)委員】 いえ、選定の基準ではなくて、検討を対象とするものが基準として、科学的知見が文献にないものも入れると今度言っているわけですから、それはそれでいいのではないでしょうか。

【村上委員】 だから、そうなると考え方が、要注意外来生物の定義から関係するのですけれどもね。それは、私が述べたことが定義から見てもらったらわかると思いますが。定義のそのものが変更になっています。最初の段階の定義と、1月31日の定義とは違います。その辺のことを含めて、もう少しちゃんとすべきだと思います。言い出したらちゃんと資料を出せますが。長くなりますよ。

【小野座長】 事務局の方は、村上委員の意見を聞き入れて、もし入れられるものならば修正をしていただく。
 もう一つは、先ほどの長谷川委員のご意見ですが、これは表題の中にそういうことを入れろというご意見のように私は承っておりますが。それでよろしゅうございますか。何か修正提案があれば言ってください。

【長谷川委員】 要注意外来生物リストという部分の定義にかかわることですので、生態系等への影響についての被害の実態が指摘され、さらに知見及び情報の収集に努める必要がある。その次に、かつ特定外来生物の指定に向けての条件がまだ整っていない外来生物。

【小野座長】 そんなに長くするわけ。表題がもう何か全体の中身の文章みたいになってしまうではないですか。表題というのは簡略に、その中身を表現するコピーの問題ですから。ちょっと長過ぎる、それ。もうちょっと短くしてください。

【上杉企画官】 先ほど、まさに要注意外来生物リストの、2のリストの公表についてのところでも少しお話をさせていただいたのですが、そもそも二次選定作業に入りますと、要注意外来生物という中に入っていたもの自体が選定されてしまう可能性もあります。そうしますと、今の要注意外来生物リストそのものは再編成をしなければいけなくなります。そういう意味で、検討結果、二次の選定作業がすべて終わった後、この要注意外来生物リストそのものも再整理をしたいということになっておりまして、タイトルも含めて、どんな形で要注意外来生物と言っているものが残るのか、あるいはそれをどういうふうに位置づけるのかについては、再度整理をさせていただきたいと思っております。今、先生方からのご意見については、内容について十分受けとめているつもりでございますので、それに沿って表現ぶりは少し直したいというふうに考えております。

【小野座長】 大体、余り違ったこと言ってないような感じする。僕は受けているものだから。

【武田委員】 無脊椎動物の方は、今の要注意外来生物リストのことで非常に中で議論が盛り上がって、どうしていいか落としどころがわからないのですが、ほかのところと一律にいかないのかもしれないのですが、今の話もかなりそれに含まれているような気がいたします。
 ただ、今のお話だと、要注意外来生物というのはいつまでたっても公表できないという、終わりのない世界になってしまう可能性があるのではないですか。次々とその中から拾い上げていくというか、第二次選定で終われば問題ないのですが、要するに今、無脊椎の方で心配しているのは、要注意外来生物というのを公表した場合、それが皆さんの理解が必ずしも一律にいかないから、うまく伝わらないのではないかという発想ですね。基本的には今皆さんおっしゃったのと同じ発想なのですが、公表というのをうまくしないと、大変まずいのではないかなという感じはしますね。

【小野座長】 確かに、現在でもどんどん人間の生活の便利さの追求で、外来生物を使って生産をしておるとか、もしくは外来生物を鑑賞にするとか、いろいろなものがどんどん変化しているわけですね。だから、そういうものの生態学的な知見というものと、それから現実に入ってどういう被害を及ぼしているかというのは、やっぱり時々刻々変わっていると思うのですよ。だから、当然、第二次で全部とまるのではなくて、次々にそういうものはふえていく、もしくはリストアップしなければならないという必然性がどんどんできてくるものがあると思うのです。それは外さないようにというご趣旨だと思いますので、先ほど資料2-2の文章の中で、村上委員からご指摘いただいた否定的表現は肯定的表現に変えて書き直していただくということにして、それから皆さん、植物の方も一緒にご指摘いただきました内容につきまして、2-2の選定の考え方は修文をさせていただきたいと思います。よろしゅうございましょうか。

【村上委員】 私は要注意外来生物という言葉は必要と思っているのです。これはぜひとも入れてほしいというのは、種の保存法の指定種もごくわずかですね。でもレッドデータブックがありますね。それでそれは絶滅のおそれをちゃんと基準化して3段階に分けています。外来種も同様に影響に応じて、将来的には基準を明確にして選定するべきだと。今のところ、それがないから、要注意生物は要するに次の候補にこんなものひっくるめて考えていますよという、そういったものだと思うのです。だから、それを余り変に定義されると後で動きにくいものですから、変に定義はしてほしくない。後の運用がやりやすいようにしてほしいと、これだけのことです。科学的根拠が明確でないというようなことをそこに書かれますと、非常にまずいので、そういうところには 気をつけてほしいと思います。それが趣旨でした。

【小野座長】 はい。私は原則的に村上委員と同じ考え方を持っております。やっぱりグレード分けが必要であるというふうに思っていまして、グレード分けをする上に、余り邪魔になるものは入れない方がよろしいと。なるべくそこのところは広くとっておこうというふうに考えておりますので、その点は、事務局との折衝は私は一番やるのでしょうからお任せください。

【武田委員】 無脊椎からも、ちょっと代表してそれをお願いしたいと思います。要するに公表のとき、特にマスコミの皆さんに広報していただくときに、要注意生物というのは何なのかというのをうまく伝えていただかないと、ランクが下のものとしか理解されないと思います。

【小野座長】 武田委員のところは一番きな臭い生き物がいっぱいおりますから、多分相当お悩みだと思いまして、同情しているのですが。だから、なおさらグレード分けをきちんとしておかないと入れにくいなという感じは非常によくわかるものですから、そのようにさせていただきます。
 では2-2の文章は、先ほどのような趣旨で修文をさせていただきまして、皆さん方にまたお配りするということにしていただきます。それから、その後ろのいろいろな種類をぼしょーっと書いた表が後ろについておりますが、これは今日はここでは特に議論しません。というよりも、専門家のところでそれぞれもんでください。こんなもの入れても困るとか、入れるべきであるとか、いろいろ出るだろうし、IUCNのワースト100を見ていただくとわかりますように、ウィルスまで入れてくれたものですから、もうびっくり仰天で、大変でありますけれども。その辺のところはよろしくお願いをいたします。
 事務局、何か。それはそれでよろしいですか。私のまとめで。会合の進め方に入ってよろしいですか。
 それでは、今後の進め方につきまして、2-4の資料でしょうか。堀上さん、よろしく。

【堀上補佐】 資料2-4でございますけれども、これは第2回の会合で見ていただいたものにつきまして、そのときのご指摘を踏まえて変えるべきところを変えてお出しをしておるところでございます。前回の会合で、全体会合でどういうことを議論するかというところで、若干お話がありましたので、その部分つけ足してございます。
 変えたところをご説明しますと、1の未判定外来生物の判定につきましては、2つ目の・のところに、知見を最も有すると考えられる委員に加えて、その他の専門家から意見を聴取というのを入れております。これは前回、太田委員からご指摘のあったところでございます。それから3つ目のところは、座長からご指摘がありまして、届出から回答まで時間がかかり過ぎないようにしようという、注意書きを入れておく必要があろうということでございました。それから2番のところですけれども、外来生物に係る情報の集積状況を踏まえ定期的に開催とあったのですが、これは集積されたら随時やるべきであろうということで、随時という言葉に変えてございます。それから一番下の・ですけれども、特定外来生物の選定について、原則として全体会合を開催して意見を集約する。これは村上先生からご指摘のあったところですが、必要に応じて開催ではなくて、これは選定に関しては原則として全体会合をやって意見をまとめるのであるということを入れてございます。
 以上、修正したところの説明でございます。

【小野座長】 ありがとうございました。座長に任せると、なるべくなら開くまいとしますから、それを村上さんのようにやれやれという人がいて、ちょうどいいところに落ちつくのだろうと思っていますから。これはこれでよろしゅうございますか。これからの進め方でございますけれども。
 特になければこのままお認めいただきまして、今日はとんとんと進んで来まして、まだ実は議論しなければならないものを、みんな積み残してしまったというのが私の今の気持ちでありますけれども、これもうちょっと文章が確定してこないと議論できないなと思っているものですから、そういう形で進ませていただきました。
 議題3にその他とありますけれども、何かございますか。

【多紀委員】 先ほどのパブリックコメントでの追加発言よろしゅうございますか。パブコメの資料に戻りまして、1-1-2で、私が言い出すチャンスをちょっと失してしまいましたので。

【小野座長】 失礼しました、それは。

【多紀委員】 いや、私の方がちょんぼしたので。
 パブリックコメントの資料の1-1-2です。これの7ページの一番下から2行目に「違法放流によって近年分布拡大と交雑が指摘されている亜種フロリダバス」というところがございますね。このフロリダバスについては、オオクチバスの中に亜種フロリダバスを含むということをぜひ明記をしていただきたい。と申しますのは、一般にフロリダバスはミクロプテルス種の亜種になっているわけですが、別種とする分類もある。今後の混乱を避けるために、どこかでここで言うオオクチバス、ないしはミクロプテルス・サルモイデスはフロリダバスを含むということをはっきりと記述しておいていただきたいと。これだけでございます。

【小野座長】 善処していただけますか。

【堀上課長補佐】 世の中への出し方というところに関して、そこのところを含むということは何らかの形できちんと出したいと思っております。

【小野座長】 それでご安心いただけましたか。

【多紀委員】 はい。

【岩槻委員】 先ほどからの議論にも関係したことなのですけれども、実質的にはやはり要注意というようなのが何らかの形で公表される必要があると思うのですけれども、今回は引き続き第二次の選定が行われますので、要注意で出したものが半年後に特定というような、初めの段階で混乱を招くというのは避けるべきだと思いますので、今回、公表されないというのは賢明な選択だと思うのですけれども、何らかの形でそれを公表しませんと、先ほど角野さんからご指摘があったような危ないということがわかっているけれども、諸々の事情で指定できないというものがあるのだと。それに対する長期的な対応というのは別にやらないといけないのだというときの根拠がやっぱりないと思いますので、第二次の結果が出るころには、何らかの形でそれが表に出せるように、表に出すときにはどういうふうに提供するかということも含めてなのですけれども、ぜひ前向きにご検討いただきたいと思います。

【小野座長】 ありがとうございました。その点は、実はワーキンググループは動いていて、6月にもう一度全体会合がございますので、そのときの議題に中にも今の問題はちょっと取り上げておいていただくことにいたします。よろしく。ありがとうございました。

【五箇委員】 まだ時間があるようですが、ちょっと細かい指摘事項だけまとめてしておきます。資料の1-1-1、パブリックコメントの結果についてという資料ですが、こちらの8ページ目、(4)そのほかの外来生物というところで、昆虫類の中で幾つか種類が並んでいる中で、昆虫類2行目、アトラスオオクワガタと書いてありますけれども、これはアトラスオオカブトの間違いではないかと思いますので。
 それと、あとちょっと意見になりますけれども、資料2-3、第二次以降の特定外来生物等の選定の作業手順という資料につきまして、2ページ目、一番上の、→第2-2(1)アの関連というところで、「在来生物の種の存続又は我が国の生態系に関し、重大な被害を及ぼし、又は及ぶおそれ」について、次の状況がもたらされるかどうかを検討するというところで、i、ii、iii、ivと並んでいますが、一応被害の判定という部分については、交雑による遺伝的かく乱というのも入っていますので、ここではivの部分に在来生物の群集構造のみならず、遺伝的構造というものについても影響を及ぼすというところを追記すべきではないかというふうに考えます。

【小野座長】 これは入れていいでしょう。取り入れることにいたします。遺伝的構造の変化でいいのですね。

【五箇委員】 そうですね。要するに集団の中の遺伝的構造と。群集というのは、これ生物相の構成になりますから、またちょっと意味が違ってきますので。ちょっとその辺は遺伝的かく乱という意味を含むのであれば、遺伝的構造は入れた方がいいのではないかというふうに考えます。

【小野座長】 了解しました。

【五箇委員】 あとさらに、これは意見ですが、先ほども幾つか議論があった、例えば資料2-3の3ページ、→第2-2(2)の関連というところで、「これまでは第一次選定対象においては科学的知見の存在を重視したが」というところで、今後は学術論文以外の情報も利用しようという話が提案されているわけですが、個人的にはやはりこの部分については注意を要すると。下手すると科学の一方的な押しつけになってしまう。科学の名のもとに、実は文献もないのに個人的な見解だけでそういった意見が出されてしまうというおそれもなきにしもあらずということなので、科学的文献がないならば余計になおさらのこと、慎重な議論が必要になるというふうに考えますので、この部分に関してはやはり科学的文献がないならないで、どういった基準で判断すべきかということは、いずれ専門家の間でもコンセンサスをとっておくべきではないかというふうに考えます。

【小野座長】 ここの文章は、先ほど村上委員からもご指摘がありましたように、事務局で再検討することになっておりますので、今のことも含めて再検討ということにさせていただきたいと思います。よろしゅうございますね。中島さん、それでいいですか。

【中島室長】 はい。

【小野座長】 では、そのようにさせていただきます。先ほどの遺伝的なところは入れることにいたします。ありがとうございました。
 なお、そのほか今まで忘れておったという話がございましたら、その他のところで取り上げますから、どうぞ。1点だけ、事務局、何かあるそうです。

【上杉企画官】 先ほどの資料でご説明をしていないのが残っておりまして、資料の1-3、法施行までのスケジュールについて簡単にご紹介しておきたいと思います。
 今日は第3回の特定外来生物の専門家会合の開催ということ、4月5日以降でございますが、この後4月の下旬ごろに特定外来生物等の指定をするための政令、これの閣議決定を予定しております。その後、個別の生物の種類ごとに具体的な飼養の基準等の細目を定めるということで、それについてパブリックコメントを募集する。それで6月1日に法律を施行するという形で今準備を進めている状況でございます。

【小野座長】 よろしゅうございますか。

【村上委員】 この委員会は種の選定にかかわる問題なので、法律施行規則案については余りかかわるなという話になるかもしれませんが、パブコメを受けた後で、それについても多少議論しておいた方がいいような気がするのですけれども、それはこの予定に入っていませんね。そういうことを含めた形で、この委員会が扱った方がいいという気がするのですけれども、どうでしょうか。

【小野座長】 その辺は、一番最初のときに当専門委員会の役割の位置づけの流れの中に、今の村上さんの矢印入ってないのですよね。だから、これはちょっと議論の種にはなるのですけれども、とりあえずは今のような形で進まざるを得ないのではないかと、私は思いますが。後で何かいろいろな問題が出てくればまた修正ということがあるのでしょうけれども。

【村上委員】 一つだけ気になったのは、今の法律をそのまま厳密に運用しますと、例えばアライグマが何匹いるかの調査のための、標識採捕ができない。印をつけることが占有になるという話になりますから、それからブラックバスの避妊手術もできないというようなことが起こりますと、非常にそういった意味では防除に関する科学的知見が…。

【小野座長】 集積が遅れると。

【村上委員】 遅れる。その辺のことは運用においてちゃんとしてほしいと思っているわけですよ。この辺のことはパブリックコメントで入れるつもりですが、いろいろ意見があるのはどこかで整理した方がいいような気がする。

【小野座長】 それはしかし、運用はできるのでしょう。

【生物多様性企画官】 個々のそういう扱いについては、もちろん今から詰める部分があるかと思いますし、先ほどのパブリックコメント等の中で有益な情報を出していただければ、具体的な検討はできるというふうには思っております。

【小野座長】 そういうことで、これからワーキンググループの先生方、ご苦労様ですが、いよいよ種類を第二次と、それから第二次の選定ということと、もう一つの問題と両方やっていただくことになるのですが、なかなか難しいなと、私は委員だったら嫌だなと思いながら、今聞いているところでありますけれども、よろしくお願いします。
 いずれにしても、この資料2-1の形でこれから動いてまいります。先ほどの武田委員のように、これからまたちょっと専門家としても入れなければならない方もいらっしゃいましょうし、未判定外来生物候補の検討というのは、実は6月ぐらいに一遍やらなければいかんと思っているのですけれども、よろしく。これも実はやらなければなりません。
 そんなことで、今日は盛りだくさんの内容の割には余り議論をする時間をとりませんでした。というのは、まずは問題のアナウンスの方が先だと思ったものですから、アナウンスの方を先にさせていただきまして、今までご協力ありがとうございました。これで今日の会合を閉じますが、よろしいですか。ありがとうございました。