環境省自然環境・自然公園特定外来生物等の選定について

特定外来生物等専門家会合(第1回)議事概要


1.日時 平成16年10月27日13時30分~15時
2.場所 厚生労働省共用第7会議室(中央合同庁舎5号館5階)
3.出席者 (委員)石井 実、 太田英利、 岡 敏広、 岡 三徳、 小野勇一、 角野康郎、 亀山 章、 小林正典、 多紀保彦、 武田正倫、 村上興正 (岩槻邦男委員は欠席)
(環境省)自然環境局長、野生生物課長、生物多様性企画官
(農林水産省)水産庁生態系保全室長、生産局農産振興課課長補佐、生産局野菜課課長補佐 
4.議事概要
○ 事務局より特定外来生物等専門家会合(資料1)について説明。
○ 本会合の座長として小野勇一委員を選任。
○ 特定外来生物等専門家会合の運営方針(資料2)を決定。
○ 特定外来生物の選定の進め方について資料3-1、3-2、3-3、3-4等を用いて事務局より説明し、逐次議論(主な議論は次のとおり)。

(委員からの主な意見)
特定外来生物の選定フロー(資料3-1)について
○ パブリックコメントの結果、特定外来生物の見直しを行った場合、WTO通報を再度行う必要はないのか。
(事務局)見直しで追加がなければ通報は必要ないと考えている。
○ 分類群毎のグループ会合間での調整のため、各グループの座長クラスによる打合せをする機会を設けてほしい。
(事務局)必要に応じ、そのような会合を開催することとしたい。
○ 全体会合の委員にも各グループ会合の予定を案内し、出席した場合には、グループ会合の委員と同等に発言できるようにしてもらいたい。
(事務局)そのようにする。また、情報共有の観点から各グループ会合の議事概要もその都度お知らせする。

特定外来生物の選定の作業手順(資料3-2)について
○ 特定外来生物の選定作業は、各グループ会合の責任において行うものと考えてよいか。被害の実証について研究報告があるものは良いが、そうでないものは各グループ会合で判断せざるを得ない。
(事務局)最終的には、全体会合でオーソライズしていただくことにしており、選定の説明責任は全体会合にあると考える。
○ 全国的にみれば種の絶滅のおそれはないが、特定の地域個体群には被害があるというような場合も被害と認識して特定外来生物を選定して良いのか。
(事務局)そのような被害も本法の視野に入っている。
○ 作業手順には明記されていないが、特定外来生物の選定は、最も脆弱な生態系を基準にして判断していくべき。
○ グループ会合1,2回の開催だけでまとまるのか疑問。分類群によって情報量は大きく異なっており、まとまらない場合は、何らかの柔軟な対応が必要ではないか。
○ 来年春の施行に向けての第一段階として最初にやるべきものを選定していくのが、まず今年の作業。意見がまとまらない灰色のものは議論を継続して、第二段階での指定もありえるのではないか。
○ 外来生物の中には、意図的に入ってきたものと非意図的に入ってきたものがある。リストにはこれらが混在しているが、どう取り扱っていくべきか。
(事務局)外来生物法自体は、意図的な導入を規制対象としているが、非意図的に入ってきたものでも防除が必要な場合は、外来生物法の対象となりえる。非意図的に導入されたものをどこまで取り上げるかは、両方の観点からみてグループ会合毎に判断することとなる。
○ グレーゾーンのものが多数出そうだが、知見がなかったものに新しい知見が出てきたような場合には見直しを行う必要があるのではないか。その際、この会合で議論することになるのか。
(事務局)新しい知見が得られて必要が有れば、特定外来生物の指定を解除する、又は新たに指定するといった見直しがあり得る。施行後、未判定外来生物を輸入しようとする届出があった場合、その都度、評価を行うことが必要になるので、本会合の委員には引き続き御協力を御願いすることとなる。
○ 第2の3で「社会的経済的影響を考慮する」とあるが、基本方針のパブリックコメント意見にあったように、アカミミガメやカミツキガメが指定されると大量に遺棄されるおそれもある。グループ会合では、単に生物の影響を評価するだけでなく、このような問題に対し、環境省がどう対策を講じていくか情報をもらいながら検討していく必要がある。

影響の可能性が指摘されている外来生物の例(未定稿)(資料3-4)について
○ 資料3-4の備考欄には、根拠となった参考文献を番号等で示しておいてくれるとありがたい。
(事務局)資料3-4は、今後作業して完成させる性格の資料ではなく、グループ会合での議論に役立てるための作成したもの。グループ会合の議論が始まれば、その役割を終えて、グループ毎に必要な資料が作成されることとなると考えている。
○ 影響の度合いについて、各グループ会合では、優先順位付けをどうするかをある程度考えるべきである。
○ 被害についての研究報告があるものだけでなく、研究者としてのこれは被害が出そうだという予測も重要。専門家会合では、この予測だけでも特定外来生物に指定できるようでなければ、実際に被害が出ないと指定できないということになる。

(文責:環境省自然環境局野生生物課 速報のため事後修正の可能性あり)