特定外来生物の解説
- 和名
- ボタンウキクサ
- 科名
- サトイモ(Araceae)
- 学名
- Pistia stratiotes
- 英語名
- Water lettuce
- 原産地
- アフリカ原産、アジア、オーストラリア、南北アメリカに分布する。
- 通称
- ウオーターレタス
- 特徴
- サトイモ科の浮遊性の常緑多年草で、高さは10cm程度である。土に根を張らせた方が生育が良くなるため水深は浅い方が良いとされる。暖帯~熱帯に分布し、池沼、河川、水田、水路などに生育する。日当たりの良い所を好み、無機養分の吸収力が強く、耐塩性がある。開花期は5~10月(暖地では周年)。両性花。液果は風、水、動物、人間などにより伝播される。
冬季の水温が15~20℃以上ないと衰弱して枯れることが多いとされるが、平均水温12℃程度なら生育を続け、子株の形成が可能との報告がある。
根茎や越冬芽による栄養繁殖が極めて旺盛で、九州以南では野外で越冬・増殖している。 - 定着実績
- 1920年代に観賞用として導入。沖縄、小笠原で逸出、野生化した。関東地方以西では1990年頃から帰化。九州地方北部のクリークで大発生した。
- 平成21年度までに個体が確認された地点図
- 被害状況
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■生態系に関わる被害
- 浮遊性の水草で、水面を覆い尽くして光を遮ることで、他の植物の光合成を阻害することが指摘されている。
- トチカガミ群落が消滅寸前に追い込まれるなど、在来植物の生育を脅かしていることが指摘されている。
- 大阪市の淀川ワンドでは、流下から数週間で一面に覆われ、水中の光や酸素不足から多くの魚介類への悪影響のおそれがあったため駆除が実施された。
- 水路の水流を阻害していることが指摘されている。
- 過繁茂による湖沼の水温や水質低下が指摘されている。
- 取扱い上の注意
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- 備考
- 「ビオトープ用植物」や、金魚用の浮き草等として金魚と同じルートで、熱帯魚店、ペットショップだけでなく、園芸店、ホームセンターなどで広く流通・販売があった。特に夏場(5月から8月)に大量に流通した。
過去に販売されたのは、ほとんどが国内繁殖のものである。冬場の寒い時期に、一時的に海外から輸入されることがあった。
走出枝が折れ易いので、機械的に除去するのが極めて困難である。
※ 通称につきましては、必ずしも正確なものではない可能性もありますので、ご注意ください。
※ 被害状況につきましては、代表的な事例を挙げています。