特定外来生物の解説
- 和名
- オオヒキガエル
- 科名
- ヒキガエル (Bufonidae)
- 学名
- Bufo marinus
- 英語名
- Cane toad
- 原産地
- アメリカ合衆国南端から中央アメリカ全域、南アメリカ北部にかけて広く分布している。
- 特徴
- 通常は体長9~15cm程度。鼻孔から眼、上瞼の内縁と後縁に骨質隆起を持つ。耳腺は菱形で巨大。染色体数2n=22。カエルとしてはきわめて大型で(頭胴長24cm、体重1.3kgに達した例が知られる)、昆虫のみならず、ネズミやヘビのような動物まで捕食できる高次捕食者である。
きわめて多産で、雌の蔵卵数が約58,000個に達した例が知られる。また繁殖期が長く、ほぼ1年中繁殖している。
乾燥や絶食に強く、高温耐性が高い一方で7℃でも生存していた例がある。 - 定着実績
- 小笠原諸島、大東諸島、石垣島、鳩間島に定着。西表島でも25例以上の確認記録があり、非意図的な導入が生じていると考えられる。
- 平成21年度までに個体が確認された地点図
- 被害状況
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■生態系に関わる被害
- 西表島では、上位捕食者であるイリオモテヤマネコ等に影響が及ぶことが危惧されている。
- 希少種を含むさまざまな動物を捕食する。未公表データによれば、石垣島ではコガタノゲンゴロウ(環境省RDB絶滅危惧Ⅰ類)、ヤエヤマネブトクワガタ(八重山固有亜種)等、保全上重要な昆虫が捕食されていた実例があり、また鳩間島では天然記念物のオカヤドカリが捕食されていたことが報告されている。
- 国外では西インド諸島やハワイ、オーストラリアなどに導入され、生態系に係る被害をもたらしている。特に、ヒキガエル類が自然分布しないオーストラリアではさまざまな影響が生じており、フクロネコ等の哺乳類、ワライカワセミなどの鳥類、タイガースネークやオオトカゲなどの爬虫類にとって、オオヒキガエルが致死的であることが報告されている。
- 取扱い上の注意
- 両目の後の耳腺からミルク状の毒液を分泌する。個体を捕獲したり触ったりした場合は、目や口を触らず、すぐに手を洗う必要がある。 攻撃されると毒液を1mも飛ばすこともあり、液が目に入ると危険なので注意が必要。
- 備考
- 害虫駆除を目的として意図的に導入された。
※ 通称につきましては、必ずしも正確なものではない可能性もありますので、ご注意ください。
※ 被害状況につきましては、代表的な事例を挙げています。