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生物多様性と民間参画

珊瑚礁  「民間参画」と「生物多様性」という組合せは、一見奇異に映るかもしれませんが、生物多様性の保全と持続可能な利用は、企業をはじめとする民間の参画なしには実現できないと考えられるようになってきました。2006年に開催された生物多様性条約の第8回締約国会議(COP8)においては、民間参画に関する決議が初めて行われています。

 このような議論が大きく盛り上がりを見せている背景には、国連の主唱により2005年にとりまとめられた「ミレニアム生態系評価」の成果があります。この報告書では、「人間の幸福な暮らしは、生物多様性を基盤とする生態系サービスに大きく依存していること」、「その一方で、過去50年間に、生物多様性がこれらのサービスをもはや提供できなくなる程に損なわれてしまっており、その回復には相当思い切った政策の転換が必要であること」が示されています。この報告書において初めて打ち出された「生態系サービス」という概念が、こうしたサービスに依存している全ての主体の取組を促すことにつながったといえます。

間伐  生態系サービスや、そこからもたらされる生物資源は、上手に使いさえすればいつまでも再生しながら使い続けられるものです。これらの恵みを今後も持続可能なかたちで享受し続けるためには、生物多様性の損失を防ぐ「自然共生社会」の実現に向けて、事業者、民間団体、地方公共団体、国そして国民一人一人が、それぞれの立場で、連携を取りつつ、早急に行動を起こす必要があります。

図1 自然共生社会の実現に向けての連携

自然共生社会の実現に向けての連携

農地  事業者は、製品やサービスを通じて、こうした自然の恵みを広く社会に供給する重要な役割を担っています。直接的に生物資源を扱わない事業者であっても、その事業活動の多くは、間接的に生物多様性の恩恵を受け、あるいは生物多様性に影響を与えています。事業者が、消費者を含めた多様な主体と連携しながら、生物多様性の保全と持続可能な利用の確保に取り組むことは、社会全体の動きを自然共生社会の実現に向けて加速させるだけでなく、自らの事業を将来にわたって継続していくためにも必要なことなのです。

図2 事業者の活動等と生物多様性の俯瞰図

事業者の活動等と生物多様性の俯瞰図 図の拡大表示(新規ウィンドウ)
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事業者の活動は、生物多様性から恵みを受けて成り立ち、同時に生物多様性に影響を与えています。事業者は生物多様性に取り組むにあたり、生物多様性と事業者の関わりを把握することが期待されます。

※この図は生物多様性から見た事業活動等を分かりやすく示したもので、主体、活動、流れ等を網羅的に示したものではありません。