国際的な取り組み
ICRI総会の開催記録

第33回ICRI総会

開催日2018年12月4日~7日
開催場所モナコヨットクラブ(モナコ公国)
事務局オーストラリア・モナコ・インドネシア 共同
参加者40名程度

概要

  • 会議は、モナコ公国のアルベール2世大公(Albert II de Monaco)とインドネシア海洋水産省のスシ・プジアストゥティ(Susi Pudjiastuti)大臣及びオーストラリアのアンガス・マッケンジー(Angus McKenzie) UNESCO大使の挨拶で厳かに始まりました。
  • 会員規約の改正が承認され、フランス海外領土のニューカレドニアが新ICRIメンバーに加入しました。また、インドネシアが事務局を務める地域プログラムであるコーラルトライアングルイニシアティブ(CTI)とインドネシアのバリに設立されたコーラルトライアングルセンター(CTC)、及び民間企業のVulcanも新メンバーへの加入が承認されました。
  • 会議では、今年から事務局を勤めるオーストラリア・モナコ・インドネシア共同事務局による行動計画が発表され、今後2年間の任期中の活動が承認されました。
  • 行動計画では、以下の4つのテーマに沿って活動が推進されます。

    ・テーマ1:サンゴ礁保護のための効果的で適応的な取り組み

    ・テーマ2:サンゴ礁の変化の把握

    ・テーマ3:サンゴ礁魚類の活魚貿易

    ・テーマ4:サンゴ礁への人為的な脅威の削減

  • 2016年にグレートバリアリーフで大規模な白化現象が起こったオーストラリアは、テーマ1の効果的で適応的な保全策の推進とテーマ4のサンゴ礁への人為的な脅威の削減に焦点を当てて活動を進めます。
  • これらのテーマに加えて、サンゴ礁回復を促進するツールとしての再生・修復に関する情報を収集・整理するための特別委員会が設置されました。
  • 破壊的漁業や乱獲が国内の大きな課題であるインドネシアは、テーマ3のサンゴ礁魚類の活魚貿易に中心的に取り組みます。
  • モナコは、テーマ横断的な取り組みとして、サンゴ礁保全に係る資金調達の一環として、新規メンバーであるVulcanと協働して世界サンゴ礁ファンド(Global Coral Reef Fund)の立ち上げを推進しました。
  • テーマ2については、ICRIの実行組織として構築されている地球規模サンゴ礁モニタリングネットワーク(GCRMN)が中心となって取り組みます。総会では、GCRMNの新たな体制を構築するための組織運営計画書が承認されると共に、世界のサンゴ礁の現状を紹介するためのレポート「Status of Coral Reefs of the World」を2020年に発行するための計画を作成しました。
  • ICRIが4年に1度開催している国際熱帯海洋生態系保全管理シンポジウム(ITMEMS)の第6回を2020年6月にインドネシアで開催することが承認されました。今後はICRI内に設置した特別委員会において、開催日や開催場所及び内容等詳細を決定していきます。
  • ICRIではまた、ポスト2020年愛知目標に対して、サンゴ礁保全についての方針をインプットするために、生物多様性条約(CBD)への提言書を作成する特別委員会を設置し、日本も参加しています。
  • 昨年までのフランス事務局が主導していた国際サンゴ礁年(IYOR)2018の活動報告が行われ、世界各国の活動に感謝の言葉が贈られました。また、これらの活動が一時的ではなく、長期的な活動に結びつくよう期待されました。
  • 次回のICRI総会は2019年11月下旬~12月上旬にオーストラリアのタウンズビルで開催予定です。
    ※詳細は、平成30年度国際サンゴ礁イニシアティブ及び地球規模サンゴ礁モニタリングネットワーク東アジア地域解析推進調査業務報告書をご覧下さい。
※GCRMN(地球規模サンゴ礁モニタリングネットワーク):世界各国や各地域でサンゴ礁モニタリングを実施する研究者や研究機関をつないで国際的なネットワークを構築し、その枠組み内において、それぞれのサンゴ礁の現状を把握するための能力開発や情報提供を行うネットワークです。 詳しくはGCRMNをご覧ください。