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ワーキンググループ3

文化・伝統と保護地域

1.議長

議長:井上真(東京大学大学院 農学生命科学研究科 教授)
副議長:Herman Hidayat(インドネシア化学院社会文化研究所上席研究員)

 

2.テーマの概要

アジア地域では、自然に精神的・文化的価値を付与することにより自然の保護がはかられている事例が多数存在する。また、日本の里山・里海のように生産活動と結びつき、自然資源を持続可能な形で活用してきた事例も多く見られる。本ワーキンググループではこれらの事例を検証し、近代的な保護地域制度とこれらの文化・伝統的な保護を効果的に組み合わせるアジア的な自然保護の形を探ることとし、以下のサブテーマについての発表を募集する。

 

3.期待されるサブテーマと発表

1)保護地域管理と人々の生計

保護地域に指定された地域には様々な利害関係者がかかわっている。とりわけ、狩猟採集や様々な形態の農業を営む先住民の生計(livelihood)は保護地域管理と衝突してきた。その他、違法伐採に関わる人々、資本家、行政など多様な利害関係者の存在がしばしば問題を引き起こしてきた。このサブテーマの目的は、アジア諸国の保護地域管理にかかわる問題点(とりわけ人々の生計に関連する諸問題)を整理し、解決に向けての政策的含意を提示することである。

○期待される発表

など

2)里山・里海的自然(社会生態学的生産ランドスケープ)の慣習的管理エリア

保護地域に指定されていない場所にも先住民たちが慣習的に利用・管理してきた自然環境が存在する。たとえば、慣習保全林は緊急時に必要となる木材や非木材森林産物を確保しておくための重要な生計資産(livelihood assets)である。そのため、村人たちは慣習法など一定のルールに基づいて持続可能なやり方で利用し管理してきた。その結果、保護地域と同様な、あるいはそれに準ずる良好な自然環境が維持されてきた。このサブテーマの目的は、法的には保護地域に指定されていないが、先住民・コミュニティにより実質的な保全が図られている里山・里海的自然(社会生態学的生産ランドスケープ)の慣習的利用・管理の実態を把握し、意義と今後の課題を提示することである。

○期待される発表

など

3)伝統的生態知識(TEK)の保護地域管理への活用

地域の人々が有する伝統的生態知識(TEK)は「科学知」とは異なる「在来知」として存在してきた。そして、TEKの存在が自然生態系の保全に繋がってきたケースもある。このサブテーマの目的は、現存するTEKの生態系保全上の意義と課題を提示するとともに、その保護地域管理への活用について検討することである。

○期待される発表

など

4)自然の聖地

「自然の聖地」は近代的保護地域制度成立以前より存在し、保護地域内にも数多く存在している。このサブテーマの目的は、UNESCO/IUCNガイドラインをベースに、アジア地域における主として保護地域内の自然の聖地の管理に関する経験と課題を共有する。

○期待される発表

など

5)その他

文化や伝統を活用して自然保護を図っている事例
など